Fate/√knight 【ムラサキノウエ】 作:わが立つ杣
これで後書き的登場人物総括も最後です。
5.セイバー
●概要
本作のメインヒロインがライダーということもあり、セイバーは原作以上にライダーの引き立て役というポジションになりました。
HFでは救いがなく散っていく彼女ですが、本作は輪をかけて救いがありません。セイバーファンからすると、非常に耐え難い展開だったでしょう。
14日目の戦いでのライダーの台詞や独白に集約されていますが、こと戦闘面においてはセイバーは隙が無く士郎マスター時でも非常に頼りになる存在として描いています。ランサー、ライダーに対しては完全に圧倒しましたし、初日のバーサーカー戦も互角という形になっており、士郎が彼女を助ける必要が生じていません。独白の中では、ライダーは自分を二流と表現しましたが、これはセイバーを一流とすればという意味合いです(実態としては、セイバーが超一流で、ライダーが一流だとは思いますが)。
士郎との男女関係で言うと、彼とペアになり得るのは①セイバー②凛③桜④ライダー⑤イリヤ⑥キャスターあたりだと思います(順番はあくまで私見です)が、本作ではライダーがライバルとして明確に意識したのはセイバーと凛です。そのため、原作では直接言葉を交わすことは殆どなかったのですが、セイバーとライダーの会話をなるべく増やして、彼女らの士郎に対する想いを表現したかったんです。この手の会話は楽しいですし。
実のところ、筆者はセイバーというキャラクターは特に贔屓にしていませんでした。ですので、最初は彼女に関わる文章をニュートラルに書いていましたが、彼女の凛々しさや誠実さを表現していくうちに、感情移入していきました。ほんといい子ですよね・・・何とかしてあげたかったです。
●ツッコミどころ
身も蓋もありませんが、周囲の被害を気にせず、衛宮邸にエクスカリバーぶち込めば終わりですよね。
●印象深いシーン
①14日目
「遠慮なくあなたを千回殺しましょう」。この台詞は筆者自身もセイバーがどんな感情から発したものかはっきりしません(なんだそりゃ?)。士郎を盗ったライダーに対する本心の吐露なのか、あるいは彼女なりのジョークなのか・・・
②13日目
士郎が自分に買ってくれたぬいぐるみを凝視するシーンです。黒化しても彼女が士郎との思い出を抱えていることを表現しています。
③1日目
「あなたがマスターとなったのは運命だったということだ」。どんな結論に士郎が至ったとしても受け入れるというセイバー。前回の切嗣との仲が悪すぎて、士郎にゾッコンなわけです。
6.バーサーカー
●概要
本作でもクラッシャー黒セイバーの餌食となりました。原作と違って桜ではなく、イリヤに取り込まれることになったため、黒化していません。そのため、出番は1日目と8日目のみとなりました。まあ、8日目しか登場していないギル様よりはマシですよね。ギル様同様、生き残られると主人公サイドの勝ち筋をあまり見出せないので、強者同士でつぶし合っていただきご退場してもらいました。バトルメインの物語ならいいのですが、「■■■」だけで人間ドラマを作るのはかなり難易度が高いです。それでも、イリヤのために懸命に戦っている姿をなるべくしっかりと表現してみました。
彼はぱっと見でわかりやすく強いキャラのため、主人公サイドに絶望感を与えたり、他の強キャラの噛ませ犬的に使われがちです。原作でも本作でもそういう立ち位置で、ギル様や黒セイバーの引き立て役になっていますが、もう少し彼自身を中心にした物語を作れないかなと思ったりもします。
●ツッコミどころ
バーサーカー自身の問題ではないんですが、この時の士郎はライダーを攫われて茫然自失状態です。そんな中で、バーサーカーVS黒セイバーの解説ができることに大層な違和感を感じます。一人称語りで進行するため、止むを得ないのですが。
●印象深いシーン
「■■■」しかないのに、どうやって差をつければ良いのか・・・
①8日目
「──―■■■■■■■■■■■■■■■──―!!」。ギル様が士郎達を攻撃した直後、イリヤの「やっちゃえ!バーサーカーッッ!!」に応じてギル様に躍りかかったシーン。最高の形式美です。
②8日目
黒セイバーに対して放った「渾身の右ストレート」。これが一番効果的。剣いらないです。
③1日目
アーチャーが放った鶴翼三連により飛来した剣を拳で弾き返したところ。やっぱりあの剣いらないんじゃ・・・
7.ライダー
●概要
本作の主人公兼メインヒロインという立場ですので、当然のようにフル稼働でした。
自分で作品を書くと改めてわかりますが、彼女は色々な側面があるのが魅力です。マイペースでサディスティック、そしてfate/SNのキャラの中ではかなり根っこは悪い人なので、特に物語後半はそこも表現してみました。前半から欲望丸出しでやってしまうと反感を買うでしょうから、前半は彼女なりの苦悩(+苦労)をしっかりと見せて、彼女に肩入れしやすくなるよう腐心しました。とは言え、不幸合戦をしたら桜のほうが遥かに上ですから、士郎を桜から奪い取ったというのはサーヴァントとしては結構な罪でしょう。本作では士郎が桜を異性としては意識していないものとすることで緩和を図りましたが、主人の想い人を奪ったという構図は変わりません。
そのため、生き残って士郎と一緒になり、勿論それはそれで幸せになったのですが、筆者としては桜も生き残ったHFのほうがライダーとしてはより幸せを得られたルートと認識しています。
根が受動的な真面目人間ですが、やや思考停止しがちです。原作をプレイしていた時には、この人がもう少し間桐家内の事情を把握しておけば、桜が闇落ちするのをそもそも防げたのではないだろうかと思ったりしたもので、本作でも士郎とイチャイチャしているうちに、桜はどんどん悪い方向に転げ落ちていきました。
なんとなく否定的な内容を書いてきましたが、端的に言えば自分の欲望に素直な多面性のある普通の人なので、色々と悪戯的な行動をさせても違和感がありません。そのため綺礼との絡みや、ドライブデート、凛との会話なども自由に書けて楽しかったです。
戦闘面では大活躍でした。
4日目 アーチャー戦
8日目 ギルガメッシュ戦
13日目 アサシン戦
14日目 セイバー戦
15日目 アーチャー戦
ベルレフォン×3回、魔眼×2回発動して、実質的な撃墜相手はギル様、アサシン、セイバー、アーチャーです。
相性の良さもだいぶ生きました。
●ツッコミどころ
色々と言い訳していましたが、確信犯です。ええ。
●印象深いシーン
①14日目
「もし、違う世界で出会ったら、私を百回殺せばいい。ですが、この一回だけは譲れません」。このチャンスにしがみつこうとした彼女の偽らざる心情です。実際には少なくとも他にも一回セイバーを斃していますね(止めは士郎ですが)。
②15日目
ラストで大聖杯にライダーが宝具を使う直前、『この光景を、この気持ちで見るのは最後だ。オレは彼女の姿を目に焼き付ける。』という士郎の独白がありますが、筆者自身としても最後まで書ききった感があり感慨深かったです。
③13日目
ドライブデート全体。ライダーのマイペースさと格好良さを一緒に表現できたかと。
8.ランサー
●概要
アサシンとの戦いはなしにして、主人公サイドと戦って派手に散ってもらいました。あまり本気で勝ち残ろうとしていないタイプの人と解釈しています。サーヴァントとして最低限の仕事はするけど、折角現界したんだから思う存分戦いたいみたいな。
出番があまり多くない中でも、彼らしい気風の良さ、躍動感などは損なわずに済んだのではないかと思っています。バーサーカーを除けば、サーヴァントの中では最も裏表のないキャラなので、登場シーンは少なくても表現しやすいとも言えます。だから出番が少なくてもOK・・・
●ツッコミどころ
実は、初日のアーチャー戦でいきなり投げボルクを使いましたが、最初は無印ボルクでした。しかし、これだとセイバーのような『直感』のないアーチャーだといきなり死んじゃうんじゃね?って思い直して投げに変更しました。
●印象深いシーン
出番が少ないので、二つだけです。
①6日目
「これ以降はこれ以下しかないという確信だ」。最期の独白ですが、実際のところ綺礼にこの後も使われ続けたら彼はどうなっていたのか。雑な感じでギル様にやられますかね。
②6日目
「好かないってのは、戦士が主に従わない理由にはなり得ねえよ。それじゃあ戦争は成り立たねえだろうが」。元のマスターであるバゼットを殺した相手に、曲がりなりにも従っているのは彼がこういった信条を抱えているからこそかなと。
というわけで、これで予定していた投稿は全て終わりました。
しばらくは、あまりにも多い誤字脱字の修正を細々と続けていくつもりです。いくら潰しても終わらない・・・
この後書きという名の駄文まで読んでいただいた皆様、本当にありがとうございました。
またの機会があるよう・・・頑張ってみたいと思います。