これでワノ国編終了かな?
黒炭来襲の報を受け、私は目撃されたという白舞に来た。
しれっとおでんもついてきた。
隠れてるつもりだろうけど、アシュラ童子とイゾウと菊の丞以外全員来てる。
遊びでやってんじゃないんだよ!
まあ、邪魔しなきゃいいや、ということで康イエ様に面会である。
「お久し振りです、康イエ様」
「うむ、待っていたぞエヴァンジェリン殿」
「オジキ、俺もいるんだが」
「お前は九里をしっかり見んか!!」
康イエ様激オコプンプン。
良いぞ!もっと言ってやって!
「ほ、ほら!なるべく早く捕まえるなり斬るなりしないとなんだろ?」
「むぅ、それはそうだが……口だけは達者になりおってからに」
「まあ、おでんなら戦力として使えるのでコキ使いますよ」
「それもそうか。おでん!エヴァンジェリン殿の言うことをしっかり聞くんだぞ!」
「……俺は子供かい」
似たようなもんやろ?
康イエ様から情報を聞くと、オロチの住むボロ屋に黒炭が集まっているそうだ。
やっぱりオロチも黒炭かい。
康イエ様も見抜けなかったことに顔をしかめてる。
康イエ様には世話になってるし、フォローしますか。
「康イエ様……貴方はとても優しく慈悲深い方です。オロチが最初から黒炭の名を名乗っていたとしても、迫害されていたであろうオロチの境遇を知れば、きっと同じように雇っていたはずです。ですから後悔するよりも、まずは被害を少しでも減らすことをお考えください」
「……そうだな。腹を斬るかどうかは、後で考えるとしよう」
そして私と康イエ様の二人で黒炭への対応を詰める。
オロチの家の近くにいる者達の避難を優先し、完了次第制圧を開始することに。
ちなみにおでんは、おでんを煮込み始めていた。
「腹が減っては戦はできん!」
呆れつつも康イエ様をよく見ると、オロチのことに気付かなかった責任からかしばらくなにも食べてなさそうだ。
仕方がないので天井から雷ぞう達を引き摺り下ろして、おでんを皆で食べる。
一時間後、避難完了の報が届き私達は移動する。
さてさて、黒炭一族の最後のあがきはどんなもんかね。
まあ、
・・・
・・
・
オロチの住むボロ屋の周囲を囲むように侍達が潜む。
援軍として来ていたお庭番衆に、家の中に電伝虫を置いてもらい康イエ様に会話を聞いてもらう。
これで将軍の地位を狙う発言があれば、斬り捨てても問題無しだ。
『───力を与えよう、将軍になる為の力を!』
光月家に対する恨み辛みと全ての責任をスキヤキ様に擦り付ける逆恨みの典型のような会話を聴き、皆で顔をしかめていたらやっと聴きたかったことを言ってくれた。
本来ならもう少し聞いて証拠集めをすべきだが、今回は康イエ様がいるので問答無用である。
康イエ様が合図し、侍達が一斉に包囲を狭める。
「黒炭に名を連ねる者達よ!お前達には謀反の疑いがある!大人しくお縄につけ!!」
康イエ様の勧告から少しして三人が出てくる。
ひぐらしのババアが私を見て睨み付けてきた。
「まさかまさか、副船長様が来ているとは……」
「ど、どうするんだ婆さん!?」
「ニキョキョキョ!お前はあの果実を食べるんだよ!せみ丸の力と合わせればこの程度どうとでもなるさ!」
「わ、わかった!」
随分な自信だこと。
そんな強い実なのかな?
セットの相乗効果?
まあ、どうでも良いや。
「では康イエ様、手筈通り」
「うむ、何があっても逃がさん」
作戦なんて崇高なものじゃない。
私とおでん一行が戦い、康イエ様等は逃がさないように周囲を囲み続ける。
正直、侍達は拒否すると思っていたが、おでんの強さへの信頼と私のこれまでから任せて大丈夫だ、と言われた。
私への信頼が重い……
「ニキョキョキョ!お前さんの能力は再生頼りの力押し!せみ丸のバリバリの術は破れやしないよ!」
「へー」
バリア……あぁ、【バリバリの実】か。
おでん達が斬りかかっているが、想定より硬いようで手を拱いている。
「奇っ怪な……どうするんだエヴァ!」
「ニキョキョキョ!無駄だよ光月おでん!その小娘にこのバリアを壊すことなんかできやしない!そうだ!あんたを殺した後、その顔を使ってロックス海賊団をワノ国にけしかけるのも良いかもしれないね!そう、こんな風に!」
そう言いひぐらしが左手で顔に触れると、服装以外の見た目がシキに変わった。
成る程……【マネマネの実】か。
シキのマヌケは顔盗られてるし……帰ったら言い触らそ。
あれ?でもこの能力って見た目だけじゃなかったっけ?
私に化けてロックスのところに戻っても殺されるだけじゃない?
戻ったら挨拶変わりにカイドウ辺りが殺してくるの確定してるし。
うん、私に化けるのだけはお勧めできないわ。
てか、どうやって私を殺すんだろ?
……あぁ、海楼石でなんとか出来ると思ってるのか。
「あー先に謝っとく、色々ゴメンね?」
私は歩いてバリアの前に立ち、手を添える。
そのまま攻撃すればいいものを、私が何も出来ないのを見て嘲笑うつもりらしく防御に徹している。
さて、私が『ネギま』の魔法を好んでいるのは知っているだろう。
そして知っている人は知っている、あの作品の実力者達の戦いにおいて、魔法障壁を破壊して始めて戦闘がまともに成立すると言うことを。
まあ、つまるところ……
「障壁破壊掌」
バリアを掴みネジ曲げることで、ガラスのように破壊する。
予想より掴み難かったけど、指先に覇気を纏わせたら解決した。
やってみた感じ、私以外も武装色と覇王色を使えば同じことできそう。
羨ましそうなおでんに後で教えるかね。
「バ、バカな!?」
「せみ丸落ち着きな!まだ一枚割られただけだよ!オロチ!早く出てくるんだよ!」
自信の源のバリアがあっさり破壊され焦り始める。
そしてオロチが家から出てくる。
ただし、
「何をしてるオロチ!?早く果実を食べないか!?」
「……」
オロチはひぐらしに反応せず、歩いて私の前に。
私とオロチの間にあるバリアを破壊し、差し出された悪魔の実を受け取る。
「な!?オロチ!?何をしている!?」
「無駄」
「なにを……ま、まさか!?」
そう、初対面時に目を合わせ暗示をかけておいた。
アンデッドと目を合わせるときは、しっかり状態異常対策しないと。
まあ、覇気纏ってれば効かない程度のものだけどね。
てか覇気マジ便利で厄介だわ……私の能力半分ぐらい無効化できそうだもん。
「さ、再生だけが能力じゃ!?」
「いや、私そんなこと言ってないけど?」
「お、おのれぇぇぇぇぇ!!」
ひぐらしが小刀を手に向かってきた。
私は最後のバリアを砕き、ひぐらしを放ってせみ丸を殴り倒す。
ひぐらしの方はおでんがあっさりと捕縛した。
「そうそう、ロックスから伝言……『海軍に言わなきゃ見逃してた』だって」
「あ、が、あぁぁぁぁぁ!!!」
結局のところ、ひぐらしのミスは私がいたことよりもロックスの性格をちゃんと把握していなかったことに尽きるのだ。
放心しているオロチも錦えもんが捕らえたし、黒炭の謀反計画終了だね。
そしてそれにともない、私の帰還が秒読みになった。
さて、残り時間どう過ごすかな。
・・・
・・
・
黒炭家の計画を阻止してから半月後。
頼んでいた最後の刀が完成した。
え?黒炭達はどうなったって?
三人とも斬首されたよ。
スキヤキ様はあまりやりたくなさそうだったけど、後顧の憂いを絶つために実行した。
ちなみに私がノコギリで斬首を実行しようとしたら、皆に、それこそおでんにさえ止められてしまった。
私の中では切断と言えばノコギリなんだけど、ワノ国では違うみたい。
あと、ヘビヘビの実以外にもう一つ悪魔の実があった。
名前がわからないので、錦えもん達の誰かに渡す予定だ。
そして話を最初の刀に戻そう!
ついに完成した総海楼石製の刀、【妖刀心渡】である。
頼んだ通りの出来映えに興奮し、持った瞬間やらかしたことを理解した。
いやね、これ持ってると私、弱体化するねん。
しかも、影の倉庫に入らへんねん。
なので、ロックスの所に戻るときは置いていくしかないという罠。
この刀を持ってると帰れないので、泣く泣く康イエ様に預けた。
と言うわけで、大分やる気が削がれている私はおでん城の一室にてカン十郎と相対している。
少し気になった事があるのでその確認と警告である。
「そ、それでエヴァンジェリン殿、御用とは?」
「単刀直入に、【黒炭カン十郎】はおでんを裏切るつもりある?」
「……」
唐突過ぎるとお思いだろうが、よく思い出してほしい。
カン十郎とオロチには共通点がある。
そう、迫害されていたことだ。
そしてスキヤキ様が生まれてから迫害されたと言えるレベルのことは、元大名の黒炭のみ。
でも、カン十郎のおでんに対する忠誠は本物に見える。
だから私は確認する。
「嘘でもいいよ」
「嘘をついた瞬間殺すつもりでしょうに」
何故バレた。
「いや、抜き身の刀持ってれば誰でもわかりますよ」
……殺す気満々なわけじゃないよ!
備えあれば嬉しいなって言うじゃん!
違うか。
ちなみに持ってる刀の名は【雷切】です。
「……拙者は元々大衆演劇の一座の生まれで、黒炭の名前を持ってても遠縁でしかなかった。あの日、舞台上で両親を殺されてからは死に場所を求めていた。拙者には演じることしかできないゆえ」
「……なら演じ続けなさい」
「え?」
「光月おでんの臣下として、死ぬその瞬間までただのカン十郎として」
「い、嫌と言うわけでは、無いんですが……いいんですか?」
私はそれに答えず、名称不明の悪魔の実を渡す。
けしてこやつで試そうとしてではない。
ほら、能力者になると海楼石に弱くなるじゃん?弱点作るためよ?
能力で強くなったら意味無い?気にするな。
苦労するのはおでん達、おわかり?
「……これを、拙者に?」
「今ここで決めなさい。本当の貴方である黒炭として私に殺されるか、偽物の貴方として黒炭の名を捨てて生きるか」
「……なるほど」
カン十郎はそう言った後、数分黙り、悪魔の実を手に取る。
「本物の拙者は、あの舞台で死んでいますゆえ。拙者が偽物であると、エヴァンジェリン殿のみが知るならば……拙者は、おでん様の臣下を演じ続けましょう。ですが、もし拙者が偽物であると他の者にバレたなら、その時はエヴァンジェリン殿に介錯を願いたい」
「……おでんが自分で斬るって言わなければね」
「フフ、それは説得が難しそうですな」
カン十郎は手に持つ悪魔の実を食べた。
「……悪魔の実とは不味いですな」
「私の時は腐った卵みたいな味がしたよ」
「それはまた、まだ食べられるだけマシというわけですか」
さて、お話はこれで終い。
後は野となれ山となれ。
「エヴァンジェリン殿」
「ん?」
「理想的な舞台での演技、しかと見届けください」
「へましたらブッコロな」
「ハッ!」
ということで、黒炭は全滅しました!
これでロックスに報告できそうだ。
……もういないよね?
・・・
・・
・
ワノ国に来てから約7ヶ月。
短いようで長い滞在が終了する。
スキヤキ様、康イエ様、ヒョウ五郎にはすでに挨拶済みだ。
ちなみに、流桜はまだ使えないっす。
私、オリ主なのに……あ、町民や侍達とは昨日やった大宴会でお別れしてる。
まあそんなことは置いといて、今は九里の海岸でおでん達に見送られてる。
「やっぱり俺も行きてぇ」
おでん……なんだかんだでこの国で一番長く一緒にいた友。
恋仲には絶対発展しないと断言できる相手。
おでん二刀流の基本を無理矢理教え込まされたが、たぶん使わない。
「いやいや、まだまだこれからが大変な時でしょう」
「そうですよ。ただでさえ姉御がいなくなって大変になるんですから」
錦えもん、傳ジロー……この二人はなんで私を姉御と呼ぶのだろう?
あんまり仕事以外で関わってない気がする。
別に嫌ってないけど。
「うぅ……エヴァさま」
「ぐす……菊、見送るときは笑顔だよ」
菊の丞、イゾウ……二人とも男の娘で可愛い。
別に恋愛対象ってわけではないけど、懐いてくれていたので寂しがってくれると嬉しい。
「エヴァンジェリン殿!必ずやおでん様に相応しい臣下となってみせますゆえ!」
カン十郎……真実は私だけの秘密。
きっとこいつは、最後まで演じ切ると確信を持てる。
「エヴァンジェリン殿……モテるにはどうすればいいのでござるか!?」
……知るか。
雷ぞう、忍者として以外価値無し。
「まあ、なんだ……達者でな」
アシュラ童子……実は私の刀の師匠。
適当に刀を振り回してた私を見て、正しい振り方を見た目に反して丁寧に教えてくれた。
「海賊としての予定が一段落したら、また来るよ」
「おう!その時には俺が将軍になってるかもな!」
『それはない』
「……全員で言わなくても」
落ち込むおでんを見て皆で笑い、おでんも笑う。
私は笑顔で皆に手を振り、浮かんで海へ。
少し離れたところで思い出したことがあり振り返り、一言。
「お前等私の作ったプリン食ったろ!!」
『なんのことかわかりません!』
「ブッコロ!千の雷!!」
『ギャァァァァァ!?』
雷が落ちる海岸を逃げ惑うおでん達を見て満足!
さて、ロックス海賊団副船長に戻りますか!
・・・
・・
・
ワノ国を出て半月。
能力で浮かんでいるが、小走り程度の速度しか出せないので進みが遅い。
あ、ロックス達との合流地点はハチノスです。
【エターナルポース】もあるからまっすぐ進むだけ。
でも暇なので偶に寄り道。
寄った島で海賊同士が争ってたので観察。
人数が少ない海賊の方が強く、ほぼ一方的だ。
そして、船長だろう男を見た瞬間背筋に悪寒が走る。
アレはロックスクラスだと。
そして、男と目が合った。
驚いた顔をしたと思えば、ニンマリ笑顔を見て全力逃走。
浮かび上がり、急いで島から離れる。
しかし、何を思ったのか船で追いかけて来やがった。
「お~い!逃げんなよ~!ちょっと話そうぜ~!」
いやぁぁぁ!?誰か助けて!
アレの仲間が止めてくれないかと船上の会話を必死に聞く。
「飛行系の能力者か?さっきの海賊の仲間じゃなさそうだが……」
「なんか必死に逃げてないか?」
ダメだ!止める気がない!
ヘルプミー!
「なかなか降りてこねぇな……よし!落とすか!」
あ、これやば───
「いや、能力者だから海の上で落としたら沈む───」
「
シキがやる飛ぶ斬撃かと思ったが、不思議なことに斬られてない。
斬られてないが、凄まじい衝撃を感じ海に落ちる。
『あ』
……もし、あの船の上に引き上げられたら、あの男ブッコロ。
TO BE CONTINUED
カン十郎は面倒だから味方ルートでいいですよね?
そして、最後に出てきた海賊はいったい誰なんだー