ワタシは悪いゾンビじゃないよ!   作:ディアズ・R

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ゴッドバレー後の海軍視点だよ!
所々超解釈してるかもだけど、気にしないでね。

ロックス編ラストを別視点から見たらこう見えるんじゃないかな?を意識してみた。


閑話・海軍視点のゾンビの話

アレ(・・)が三億の懸賞金?ふざけるのも大概にしろ!三十億でも足りんぞ!!」

「ぶわははは!」

「落ち着けセンゴク」

 

ゴッドバレーの事件から一週間。

センゴク、ガープ、ゼファーの三人は驚異的な回復力で退院し、アレことエヴァンジェリンについて話し合っていた。

二人の大将が死亡し、残った一人も復帰は絶望的で、中将も欠員が多く、少将以下もごっそり負傷もしくは死亡していて、入院中にもかかわらず書類仕事を大量にしていたので、今の今まで話し会う機会がなかった。

エヴァンジェリンのことをあまり注意していなかったので、改めて手配書を確認したのが先程のセンゴクの叫びである。

ちなみに、中将や少将以下の被害はゴッドバレーよりインペルダウンやマリンフォードの方が多い。

代わりに、海賊側も大分減ったが。

あと、センゴクとゼファーは大将に格上げされている。

ガープも大将にと言われていたが、拒否している。

 

「霧や変身の能力、多彩な攻撃も危険だが、何より厄介なのがあのふざけた再生能力だ。アレをどうにかせんとまず倒しきれん」

「ワシは見てないが、そんなにか?」

「覇気を使っての攻撃も意味はなかったな」

「なんじゃそれ?ではゼファーは役立たずではないか?」

「お前も何も出来んぞガープ」

 

お互いを肘でつつきあう二人を見て溜め息を吐くセンゴクは、手配書を見つめる。

 

「だがあの最後の攻撃のあと、負傷していた事に加え再生もしていなかった。限界以上の力を行使すると再生能力が封じられるのだろう。ガープの話では帰り際に再生していたと……長くて十分といったところか。あとは海楼石を使うぐらいしか思い付かん……そして、それは向こうも分かっていることだろう」

「海軍に出来る対処法はほぼ無いっちゅうことじゃな!ぶわははは!」

「笑い事じゃないぞ……次はもっと強くなってるだろうし、最初から本気で来るぞ」

 

実際に相対したからこそ、その厄介さに頭を悩ませるセンゴクとゼファーの二人。

対照的に、ガープはおかきを食べて呑気にしている。

 

「そう言えば、報告書に霧がどうとか書いてあったな。ワシも再生する時に見たが、そんな危険なのか?」

「あの霧か……通常の赤黒い霧は、覇気を纏えば防げる。だが、変身した後の黒い霧はただの覇気では防げなかった。触れた端から石になり風化するように灰となっていた」

「……あんなのは、人の死に方じゃない」

 

助けを求め死にゆく同僚を、ただただ見ていることしかできなかった。

その時の事を、センゴクとゼファーは一生忘れないだろう。

 

「そうか……変身はどんな感じだった?」

「あーあれはな、正直ヤバイ」

「はぁ?」

「あの少女がいきなり腐り始めた。しかもそのまま骨になったと思ったら、巨大化して伝説の竜のような骨になった」

「……なに言っとるんじゃ?」

 

能力者と相対することの多いガープが何故こんな反応なのか、変身する際のプロセスがおかしいからだ。

少女の姿から竜骨になるならともかく、一度腐って骨になるのが不可解。

その腐った状態が本来の姿ならまだ納得できるが、再生能力を封じられてる状態で竜骨から戻った際、少女の姿になっている。

では腐った状態はなんなのか、それが首をかしげる原因だ。

 

「幾つか可能性が考えられるが、それがあっているかわからん」

 

センゴクはそう言いつつ、内心で最悪の可能性を想定していた。

それは……少女としての姿以外の全てが能力の延長で、姿によって霧の性質を変える事ができる、そんな可能性。

つまり、あの時あの場で最適であろう霧の性質を扱える姿を探していたからあの不可解な変身だった。

その考えを否定したいが、否定できる情報が何一つ無い。

あの理不尽な霧が変身した姿によって変わるなら、もはや対処方法はない。

何故ならあの時だけでさえ、少女、腐った状態、人骨、竜骨の四種類だ。

勘でしかないが、もっとある(・・・・・)

 

「あんた達、食事の時間だよ。どうせ忘れてるだろうから来て正解だね」

 

呆れ顔でそう言ったのは現海軍中将紅一点【つる】だ。

つるは机の上にある手配書を見て何をしていたか悟る。

 

「エヴァンジェリン、ね……また海軍に敵対すると思うかい?」

 

ガープは、死したロックスを前にしたエヴァンジェリンを思い浮かべ、復讐をしようとはしないだろうと結論する。

センゴクは、これまでの情報から積極的に戦う性格ではないと考えているが、誰かの指示次第では行動するだろうと結論を出す。

ゼファーは───

 

「来るぞ、絶対な」

「……ガープとセンゴクとは違うみたいだね。何でか聞いても良いかい?」

「戦っていてわかった。アレはやりたいと思ったことを後先考えずやるタイプだ。あと、他人に何を言われても派手なことをするのを躊躇わない性格だろう。それをふまえると、次は世界相手に戦争でも始めるかもしれん」

「物騒な子だね……」

 

ゼファーの考えを聞いて少し話し、動き始める前に少しでも情報を集めて対応を考える、そう結論された。

ただ、つるはセンゴクとゼファーから聞いたエヴァンジェリンの言動で分かることを付け足すべきか悩み、黙っていることにした。

つるには、エヴァンジェリンが何も考えてないように感じたのだ。

命令されたから従う、海賊だから奪う、敵対したから戦う、邪魔だから排除する、殺しに来たから殺す、まるで考える能力が抜け落ちているような行動や言動が目立つ。

ゴッドバレーの撤退時のように必要なら考えるが、基本スタイルが『考えるよりも動け』にしか思えない。

腐ったり骨になったり、不死身と見紛う再生能力、その思考を踏まえて言葉にするなら……何故か『脳死』という単語が思い浮かんだ。

 

「……まるでゾンビだね」

 

持ってきた手配書を見て、将来美人になるであろう整った可愛らしい顔立ち。

ゾンビはないかと、考えたことを頭の片隅に置いておく事にしたつる。

しかし、後々エヴァンジェリンの起こす事件の数々にやっぱりあってるんじゃと頭を抱える事になるとは、この時のつるには想像すらできなかった。

 

 

 

・・・

・・

 

 

 

エヴァンジェリンについて話し合った翌日。

ロックス海賊団の残党が個々に旗揚げしているなか、未だにハチノスから動かなかったエヴァンジェリン含む幹部達がついに動いたとの報告。

しかも何かの合図のように、エヴァンジェリンが一週間滞在した小島を氷柱に封じるという行動も確認された。

その小島に何があるかは不明だが、ハチノスでの噂ではロックスの財宝が隠されているとか。

しかもエヴァンジェリンが何かをしていた一週間、四人の幹部が小島に行こうとした海賊達を蹴散らしているのも既に報告があった。

 

小島には何かがある。

 

しばらく監視をしていた諜報員からの追加の報告では、ハチノス内でエヴァンジェリンが暴れ、満足したのか何処かへ飛び去っていった。

その後、小島に何組かの海賊が近付いたが、数時間四苦八苦したものの氷柱を越えられなかった。

覇気や能力を使っていたらしいが、端はともかく中心に近付くほど破壊が困難な様子だったとか。

 

エヴァンジェリン達の動向について話し合おうとしていたら、【コング】元帥からロックス海賊団のことを現在知っている者以外に広めることを禁止された。

特にエヴァンジェリンが何かしていた小島は、絶対に調べない様にと。

これは世界政府からの命令らしく、海軍に拒否権はない。

センゴク、ガープ、ゼファーの三人はコング元帥に抗議したが、受け入れられることはなかった。

 

そんな命令をされてから三日後。

不貞腐れながら硬い煎餅を食べるガープと目を閉じて何か考えているセンゴクの二人は海軍本部の一室で向かい合っていた。

ゼファーは新人達を扱き回り、つるは負傷した新人達を【ウォシュウォシュの実】の能力で治療()している。

 

「何が世界政府からの命令だ。どうせ天竜人共がゴッドバレーでロックスに知られただろう秘密に、世界が興味を惹かれないようにするためだ」

「……やめろガープ」

「フン!少なくともあのガキンチョが何をしていたか探るのは、今後の為にも当たり前の事だろうに」

「それが上からの命令だ……下はそれに従わなきゃならん。例えどれほど理不尽だろうと、な」

「気に食わん!!」

 

そう憤りながらも一応命令に従って何もしないガープを、センゴクは苦笑いしながら見る。

センゴクも内心怒鳴り散らしたい気分だが、ガープが真っ先に態度に出すので一周回って落ち着いてしまうのだ。

正直これは、センゴクのストレスを発散できない原因の一つだったり。

 

「海軍からは何もしないが、海賊が何かしたらすぐ動けるようにはしてる」

 

どこで、何を、は言わない。

お互い、言わなくてもわかっているから。

禁止命令の隙間をつくようなものだから、言葉にはしない。

 

「……まあいい。それであのガキンチョはどうしとる?白ひげ達は大体予想はできるが、あのガキンチョだけは何するか見当もつかん」

「不明だ……ハチノスを出てすぐに追いかけたらしいが、二日間は途中の島に寄って悪魔の実を集めていたらしいが、三日目で行方知れずだそうだ。つまり今日見失った」

「……ぶ、ぶわははは!」

「笑い事じゃないぞ……これで次表に出て来た時、どれだけ強くなっているか」

「少なくともゴッドバレーの時より強いぞ、絶対にな」

 

ニヤニヤしてるガープを殴りたくなるが、必死に我慢するセンゴク。

 

「ワシ等も強くなっとかんとな~センゴク大将殿!」

 

階級に見合った実力をつけろと暗に言ってくるガープに、センゴクはキレた。

 

「もう我慢ならん!ずっと言いたかったがなんで大将になってないんじゃ!!」

「中将の方が気楽じゃからな!」

「そんな理由で昇進を蹴るな!!」

「ぶわははは!!」

 

その日、海軍本部の一室から怒鳴り声と笑い声が響き続けた。

 

「止めに行かなくていいのか?」

「たまにはセンゴクにストレス発散の機会を与えても良いだろ」

「むしろストレスが溜まってそうだけどね」

「まあ、晩飯には止めるさ」

 

ゼファーとつるの二人は、叫びと笑いをBGMに新人育成を続けるのだった。




ゼファーの大将就任が二年早いかも。
センゴクも大将になるのは多分もうちょいあとだったのかな?
かなり訳の分からないことになってる気がする。

そして、地味におつるちゃんが真実に気づきかけてる。
正直面白そうだからやった、反省はしていない。

続きも書いてるので、出来たら見てね!
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