「あ〜、久々の日本での買い物、いいっすね〜」
「やっぱり商売の基本はマナーと治安だゾ」
「向こうでの買い物は詐欺師との心理戦でしたからね」
そんなことを言いながら、例の3人はショッピングモール内をズカズカと歩いていく。
秋吉からの要請は無く、久々に日本に帰ってきたのだから羽を伸ばせと言われた田所御一行は秋吉からいくつかの商品券と一緒に、買い物を頼まれた。
「てかこれただのお使いじゃね?」
「まぁ商品券に加え、レストラン無料券も付けられてるならむしろこれくらいいいと思いますよ」
「そうだよ(便乗)」
結局秋吉のパシリをされてると言う田所だが、なんやかんやショッピングを楽しんでるためその発言に説得力は皆無だ。
「なんなら秋吉さんも誘えばよかったですね」
「無理無理!秋吉さんがいたら圧ヤバすぎてテロリストって思われるって絶対そうだぞ」
「そうだよ(同調)」
「・・・聞かれてなくてよかったですね」
つい先日、某国民的嵐を呼ぶ幼稚園児ばりのタンコブを秋吉から貰ったのに全く懲りてないことに木村はやれやれと首を振る。
「しかし日本はやっぱり治安いいですね」
「むしろ施設に伐刀者を警備で置くのはやりすぎだゾ」
「前に変質者に間違えられて襲われたの思い出した。あーキレそ」
「まぁちょっと感覚が麻痺してるところはありますからこの際正常な感性を取り戻しましょう」
「普通ってなんだゾ?」
木村の言葉に哲学的な問いをする三浦だがそれに答えられる者はおらず、というよりそもそも考えてすらおらず、その問いかけは自然と消えていった。
「それで?実際はどうなんだゾ?」
しかし次の質問には木村は明確な答えを持って告げる。
「地下2階にテロリストは十数名、1人は伐刀者で武器は持ってませんが、他は武装しています。
ナオキ、それは木村が用いる隠語であり、その意味は・・・敵性存在の確認を意味する。
「マジかよ。日本ヤバすぎなんだけど笑」
木村の言葉に笑みを零す田所。それを見て木村は笑い事じゃねえよと睨みをきかすがこの男がそれでやめるはずもない。
「どうします?自分たち、秋吉さんの命令無しじゃ人殴るだけで捕まりますよ」
「それはどこでも捕まるゾ」
木村の天然な発言で、少し場が和むがすぐに緊張状態に戻る。そしてこの緊急事態の場合、誰の指示に従うのか3人の中で決まっており、その男はこういった状況だからこそ頼もしいとまで言えた。
「三浦、指示頼むよ〜」
「三浦さん、お願いします」
「いいゾ」
『知将』三浦の出番である。三浦はショッピングモールの案内掲示板を瞬時に思い出し、そこからテロリストが行動するならどういったことをするのかその手順を即座に弾き出す。
「この先にデカいホールがあるゾ。テロリストがするのはまず人質を取ることだゾ。なら人質を見張りやすく、かつどこからでも狙える所に集めるはずだゾ」
「なるほどな〜、でもそこからどうするんすか?」
「少なくとも俺たちに必要なのは
「・・・え〜と、つまり?」
「先に手を出されたのでやり返した。終わったらとっとと離脱ゾ」
「なるほどね」
田所が理解を示したように頷くが、実は何も分かっていない。なによりこの考えには決定的な欠陥があるところに気づいていない。
「でも三浦さん、それは・・・」
「そうだゾ。どんな形であれ俺たちは
「ファ!?」
「この国では固有霊装を使うには学生であれば校長の特例許可、一般人や軍なら許可証がいるゾ。あと一般人でも許可証を使えるのは極々少数だゾ」
「え、じゃあ襲われたら何も出来ないじゃないすか!」
「そうだよ(諦観)。だから抜け道はあるゾ」
「ん???」
「素手で黙らせればいいゾ」
「あ、そっかぁ」
合点がいったという風に手を叩く田所だが、木村は頭痛がするように額に手を当てる。
「つまり、武装してる相手をステゴロで制圧しろと?」
「問題ないゾ。要はバレなければいいんだゾ」
「・・・え?」
「木村頼んだゾ」
「・・・・・・・・・え?」
木村曰くこの時の先輩2人はとてもいい顔をしていたという。
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銃声が響く、テロリストが威嚇をしているのか天井に向かって何発も発砲する。テロリスト達は元から入念に計画していたのか、とても手際良く人質をホールに集合させた。
『やべぇよやべぇよ・・・』
『もう助からないゾ・・・』
周囲にいる人質達には恐怖と絶望が張り付いている。
ともかく今は隣で今にも飛び出そうとしている
(ちょっと!
(それはこちらのセリフです。あなたが出ていったからって人質達を安全に制圧できるか分かりません)
(私ならできるわよ!見てなさい!)
(ダメです)
「グエッ!」
飛び出そうとするおバカ皇女、ステラさんの首根っこを思いっきり引っ張る。間抜けな声が聞こえたが、テロリストにはバレてないようだ、よかった。
(珠雫、あんたねぇ・・・!)
(落ち着いてください、
(準備・・・?)
そう、準備だ。確かにステラさんは強い。ここにいるテロリストなんぞ物の数ではないだろう。だが、それと人質を解放できるかは分からない。だから、人質とテロリストの間に壁を作る。敵には恐らく伐刀者がいる、だからバレないように慎重にしなくては。
「誰だ!?」
((え・・・・・・?))
誰か、おそらくテロリストのうち1人が声を荒らげる。そのテロリストの視線の先を見ると
(み、民間人!?まだいたんですか!?)
1人の男がオドオドとしながらホールに向かって歩いてくる。
「す、すいません!命だけは!」
銃を向けられ、命乞いを始める男。当たり前だ、一般人にはそれしかなす術がない。
「どうします?」
「構わん、見せしめだ。撃て」
((!?))
その言葉に私とステラさんが男を助けるために飛び出そうと身構える。その
その男が微かに笑ったように見えた。
「待って!」
制止の声も虚しく凶弾が男に向かって放たれる。
「ありがとうございます」
その声はまさにその男から。放たれた銃弾を何食わぬ顔で掴み取っている今まさにさっきまで命乞いをしていた男だった。
「いきますよ、先輩方!」
「いいゾ〜これ」
「イきますよ〜イクイク!」
自分の後ろで、人質から男が2人飛び出す。
「な、なん──」
テロリストの首謀者と思われる男が声を荒げるが、その言葉が言い終わる前に意識を刈り取られる。
「ほらほらほら」
「おら、ケツ出せ」
他の2人も慣れた手際で他のテロリストを制圧していく。
「私たちもいくわよ!」
「・・・はい!」
そして私とステラさん、そしてお兄様やアリスも参加し、テロリストはものの数分で制圧された。
「楽勝だったな、三浦!」
「他愛もないゾ」
「あ、ちょっと!」
後からやってきた男2人はお兄様の制止の声も聞かず、逃げるようにその場を去っていく。残った命乞いをしていた男はこちらに歩いていく。
「すいません、伐刀者の方ですよね?あとはお願いしてもいいですか?」
「え、あ、はい」
なんだろう、この男から感じる違和感は。確かに凄まじい体術だったがそれ以外にも何かがあるように感じる。
「それでは」
その言葉を最後に振り返り、さっきの男たちを追うように去ろうとする。その時、
「危ない!」
「え?」
誰かの叫ぶ声がする。その方へ振り向くと、人質のはずの人が銃を構えていた。
そして警告の声もむなしく銃声が響く。反射的に伏せる、悲鳴が響く。まさか今の銃弾であの人が・・・!
「気を抜くとダメだな。もっとしっかりしないと」
その男は振り返ることも無く、腕を後ろにまわし銃弾を掴み取っていた。
そんなことが可能なのか?という疑問が頭に浮かぶよりも早く、男の姿がブレる。
「ぐっ・・・」
まるで瞬間移動でもしたかのように銃弾を放った人の目の前に移動し、一瞬で意識を刈りとる。
「では、今度こそ」
そう言うと男は、私の横を走り抜け、そのまま見えなくなった。
「な、何者なんでしょうか」
一般人かと思ったら明らかに人間離れした挙動の数々。軍人かと思ったが、そういう風にも見えなかった。ではあの人達はいったい・・・。
「・・・あれ?」
そういえばあの男から感じた違和感、それと似たようなものを周囲の空間から感じる気がする。
「え・・・うそ・・・」
ありえないという思考が頭を支配する。なぜなら周囲の空間から感じられる違和感だったもの、それは魔力だったからだ。おそらくあの男の。
「散布した魔力の霧をソナー代わりにした・・・?いつの間に・・・全く気づかなかった」
自分の魔力制御にはそれなりに自信があったが、その自信が脆く崩れ去るほどの神業。魔力を水のように薄くすることは出来ても、まさか霧、いやそれ以上に薄くするなど少なくとも自分にはそんな芸当はまだ出来ない。
「どうして
私の思考が驚愕に埋め尽くされる一方で、お兄様が何かを仰っていたが私にそれを聞き取る余裕は今はなかった。
某松岡「あれ?出番ないんだけど」
・田所浩二(浩治)
言わずとしてた知る人ぞ知る七星剣王(黒歴史的な意味で)
三浦、木村といつも一緒(色んな方面で)
能力
???
固有霊装
黒光りする野太刀。特段能力が備わってる訳では無いがその太刀から放たれるオーラには見た者に臭そうと思わせる何かがある。