瀟洒な召し使い ~ブリーフィングデータ~   作:グランド・オブ・ミル

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ザーボンのブリーフィングデータ1

 

 

 

 

 

『惑星ベジータの制圧』

 

 

 

 フリーザ様、惑星ベジータ及びサイヤ人達の吸収はつつがなく進んでおります。

 彼らは「誇り高き宇宙一の戦闘民族」を謳う連中でした。宇宙一というのは驕りだとしても、確かに彼らは戦闘民族です。強さのみに価値を見出し、戦闘力を基準とした独自の階級を持つ。そういった社会を何世代も繰り返す内に、血は戦闘特化へ磨き上げられていく。

 野蛮な連中です。ですがその腕は確かでした。奴らの王、ベジータ王の戦闘力は12000、その部下であるエリート戦士は平均4000、下級戦士と呼ばれる連中でも1000程度はありました。所詮我々の敵ではありませんが、少々侮っていたことは認めざるを得ないでしょう。

 はじめ、惑星ベジータには2個師団、計2万人を派遣しました。諜報班の調べで戦闘民族だということは分かっていましたが、所詮広い宇宙の1恒星系で大きな顔をしているような連中。その兵力で十分片が付くと思っていました。ですが奴らは予想以上に反抗。大した損害も与えられずに、派遣した兵はあっという間に片付けられてしまいました。そこからは泥沼の持久戦です。次から次へと兵を送りましたが、ことごとく敵わず返り討ち。やがて満月の夜が訪れ、奴らが大猿に変身してからはもう手が付けられませんでした。

 この作戦の司令官はアボとカドの二人です。覚えがございますか? 

 貴方自らが選抜、育成された精鋭チームギニュー特戦隊。軍内部の立ち位置的には彼らと肩を並べる叩き上げの二人です。奴らも優秀ではあるのですが、力押ししか知らない。同じ野蛮人同士、今回は猿に軍配が上がったということでしょう。

 後は知っての通りです。アボとカドの増援要請を受けて私とドドリア、ギニュー特戦隊が出動、奴らを叩き潰した。しかしそれでも反抗的な態度が収まらなかったため、貴方様に来ていただき、そのご威光を示していただきました。

 今回軍に大きな損害を出したアボとカド、この二人の処遇はフリーザ様に一任します。対処は我々で致しましょう。

 ………それにしても、今回に限ったことではないですが、我が軍はやはり人手が足りていませんね。質的にも、量的にも。やはり優秀な人材の確保・育成に力を注ぐべきでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『サイヤ人の扱い』

 

 

 

 サイヤ人についての調査書が出来上がりました。情報源は軍入隊時に行う能力調査アンケートと、諜報班です。

 種を束ねる者としてアンケートはベジータ王に書かせましたが……正直かなり誇張されています。誇りを持つと自称しておきながら何と安いプライドを、と思いましたが、研究班の生物科の連中は興味深い結果だ、と言っています。

 先に報告した通り、サイヤ人は生態的にも歴史的にも極めて戦闘に特化した連中です。”戦闘”、というのは生き物としては原始的かつ身近にある事象。生き物は常に戦闘と隣り合わせ。知性を持ち、文化を持つようになってもそれは変わらない。

 それでもほとんどの知的生命体は、この戦闘からできる限り避けるように進化してきました。その観点からすればサイヤ人はまったく逆。戦闘から遠ざかることなく、むしろ真っ向から受け入れるように進化してきた。

 生物科の研究員曰く、連中のプライドが高いのはこの部分が影響していると。まだ仮説ですが、長く戦闘という環境に身を置いてきたサイヤ人は他種族よりもアドレナリンのような興奮性ホルモンの分泌が多く、それが性格に出てきているというのです。

 決して従順な部下にはならないでしょうが、奴らのプライドを刺激してやれば使い勝手のいい手駒にはなるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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