ARIA The PIACERE 3 その素敵な出会いの先に   作:neo venetiatti

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第35話

その石畳の続く細いカッレを進んでいた。

灯里たち三人は、なんとなく雰囲気にひたりつつ、歩き続けていた。

「ところでさぁ、こんな感じで良かったの?」

「確か、扉を見つけたはずですけど」

「そんな感じだったよねぇー」

「誰もちゃんとしたこと、覚えてないってゆうの?」

「藍華先輩こそ、どうなんですか?」

「私はさぁ、ほら、引率というか」

「なんなんですか、それ」

灯里が抱えていたアリア社長が、何か主張し始めた。

「ばいばばいばばーい!」

「アリア社長、どうしたんですか?」

「何かわかったんじゃないの?」

「アリア社長は、そういう勘の鋭いところ、ありましたよね!」

「そんなのあった?」

アリア社長は灯里の腕から飛び降りた。

「おっ!飛んだ!」

 

ドタッ

 

「落ちたと言った方が正しいかもしれません」

「ほんとに」

「大丈夫ですかぁ~?アリア社長~!」

だがアリア社長は、そこから一目散に走りだした。

「やっぱり何かわかったんじゃないの?」

しかし、すぐに坂道を転がり始めた。

 

ゴロゴロゴロゴロ

 

「転がってるようにしか見えませんが」

「確かに」

「アリア社長~!ほんとに大丈夫ですかぁ~!」

勢いよくそのまま転がり続けるアリア社長。

「それにしてもよく転がるわね」

「やはり、もちもちポンポンのせいでしょうか」

「アリア社長ぉ~~!」

 

ピタッ

 

「あっ、止まった」

アリア社長は、ムックと起き上がると、遠く離れた三人にジェスチャーでアピールしていた。

「なんか、こちらに向かってアピってます」

「アピってるって、なにそれ?今時の若い子みたいに」

「私は若いですよ。少なくとも先輩方にくらべたら」

「ちょっと!何よ、それ!」

「事実を言ったまでですが」

「アリア社長が何か見つけてくれたんだよ!」

三人は駆け足でアリア社長のところへ向かった。

「ほんとだ!」

「この扉だったのですね」

「アリア社長~!ありがとうございますぅ~!お手柄ですぅ~!」

「ばーいばばーい!」

アリア社長はその扉に手をかけ、格好をつけてもたれかかった。

すると、そのまま扉が開いていった。

 

ぎぃ~~

 

「ぷ~い~にゅ~い~~」

「アリア社長ぉー!」

アリア社長はそのまま階段を転がり落ちていった。

灯里は、アリア社長の後を追って階段を駆け降りた。

「ちょっと!灯里ぃー!」

藍華も走りだした。

「せ、先輩方!」

アリスもその後を追った。

 

「ぷぷーいにゅーぷぷーいにゅー」

アリア社長は順調に階段を転がり落ちていた。

「アリア社長ぉー!大丈夫ですかぁー!」

「ちょっと灯里ぃー!待ってよー!」

「なんで走るんですかぁー!危ないですよー」

三人は、転がり落ちるアリア社長を追って、暗い階段をかけおりていった。

途中ところどころから差し込む、外からのほのかな明かりが頼りだった。

灯里は振り返って藍華の手を、藍華は必死について来るアリスと手をつないだ。

すると、少しずつ、前方に光が差し込んでくるのが見えてきた。

「あれ、出口じゃない?」

アリア社長は、そのまま開きかけの扉に勢いよくぶつかった。

「ぷぷぷぷいーーー!」

その勢いで扉が開いた。

そこを走り抜けた三人は、明るい日射し下に飛び出した。

眩しさに目を細める灯里、藍華、アリス。

次の瞬間、大きく広がるネオ・ヴェネツィアの街並みが目に飛び込んできた。

眼下に広がる景色を前に、三人は、ただ茫然と立ち尽くすしかなかった。

「この景色」

「この景色ですね」

「うん」

灯里はそれ以上言葉が出てこなかった。

確かに見たことのある景色。

でも灯里には、それ以上に心に響くものがあった。

「灯里、大丈夫?」

「うん。なんか、感動しちゃった」

手をつないだまま、三人は目の前に広がる景色に見とれていた。

だが、アリスがふと振り返った。

「あっ、ああ、あああ~~」

「ちょっと、後輩ちゃん!なに変な声出してんの?」

「せ、先輩方!」

「どうしたの、アリスちゃん?」

「見てください!」

アリスに言われて、灯里と藍華はその場で振り返った。

「えっ、どういうこと?」

「ない」

振り返った壁には、あるはずの文字が消えてなくなっていた。

「ちょっと!あの〈GOAL!〉の文字はどこ?」

「消えてます。他の文字も全部!」

「どうしてなのぉー」

愕然とした顔で三人は、その壁を見上げていた。

「もしかして、まだ宝箱の続きがあるとか?」

藍華は辺りをキョロキョロ見回した。

それを見て灯里とアリスも探し始めた。

「ありません」

「ないねぇー、なんにも」

「じゃあ、ゴールは?私たちのお宝はどこなの?」

その時、近くの茂みがガサガサ音を立てて揺れ始めた。

「うわぁー!なんか出たぁー」

「何が出たんじゃ?」

おじいさんがひとり、出てきた。

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