ARIA The PIACERE 3 その素敵な出会いの先に 作:neo venetiatti
その石畳の続く細いカッレを進んでいた。
灯里たち三人は、なんとなく雰囲気にひたりつつ、歩き続けていた。
「ところでさぁ、こんな感じで良かったの?」
「確か、扉を見つけたはずですけど」
「そんな感じだったよねぇー」
「誰もちゃんとしたこと、覚えてないってゆうの?」
「藍華先輩こそ、どうなんですか?」
「私はさぁ、ほら、引率というか」
「なんなんですか、それ」
灯里が抱えていたアリア社長が、何か主張し始めた。
「ばいばばいばばーい!」
「アリア社長、どうしたんですか?」
「何かわかったんじゃないの?」
「アリア社長は、そういう勘の鋭いところ、ありましたよね!」
「そんなのあった?」
アリア社長は灯里の腕から飛び降りた。
「おっ!飛んだ!」
ドタッ
「落ちたと言った方が正しいかもしれません」
「ほんとに」
「大丈夫ですかぁ~?アリア社長~!」
だがアリア社長は、そこから一目散に走りだした。
「やっぱり何かわかったんじゃないの?」
しかし、すぐに坂道を転がり始めた。
ゴロゴロゴロゴロ
「転がってるようにしか見えませんが」
「確かに」
「アリア社長~!ほんとに大丈夫ですかぁ~!」
勢いよくそのまま転がり続けるアリア社長。
「それにしてもよく転がるわね」
「やはり、もちもちポンポンのせいでしょうか」
「アリア社長ぉ~~!」
ピタッ
「あっ、止まった」
アリア社長は、ムックと起き上がると、遠く離れた三人にジェスチャーでアピールしていた。
「なんか、こちらに向かってアピってます」
「アピってるって、なにそれ?今時の若い子みたいに」
「私は若いですよ。少なくとも先輩方にくらべたら」
「ちょっと!何よ、それ!」
「事実を言ったまでですが」
「アリア社長が何か見つけてくれたんだよ!」
三人は駆け足でアリア社長のところへ向かった。
「ほんとだ!」
「この扉だったのですね」
「アリア社長~!ありがとうございますぅ~!お手柄ですぅ~!」
「ばーいばばーい!」
アリア社長はその扉に手をかけ、格好をつけてもたれかかった。
すると、そのまま扉が開いていった。
ぎぃ~~
「ぷ~い~にゅ~い~~」
「アリア社長ぉー!」
アリア社長はそのまま階段を転がり落ちていった。
灯里は、アリア社長の後を追って階段を駆け降りた。
「ちょっと!灯里ぃー!」
藍華も走りだした。
「せ、先輩方!」
アリスもその後を追った。
「ぷぷーいにゅーぷぷーいにゅー」
アリア社長は順調に階段を転がり落ちていた。
「アリア社長ぉー!大丈夫ですかぁー!」
「ちょっと灯里ぃー!待ってよー!」
「なんで走るんですかぁー!危ないですよー」
三人は、転がり落ちるアリア社長を追って、暗い階段をかけおりていった。
途中ところどころから差し込む、外からのほのかな明かりが頼りだった。
灯里は振り返って藍華の手を、藍華は必死について来るアリスと手をつないだ。
すると、少しずつ、前方に光が差し込んでくるのが見えてきた。
「あれ、出口じゃない?」
アリア社長は、そのまま開きかけの扉に勢いよくぶつかった。
「ぷぷぷぷいーーー!」
その勢いで扉が開いた。
そこを走り抜けた三人は、明るい日射し下に飛び出した。
眩しさに目を細める灯里、藍華、アリス。
次の瞬間、大きく広がるネオ・ヴェネツィアの街並みが目に飛び込んできた。
眼下に広がる景色を前に、三人は、ただ茫然と立ち尽くすしかなかった。
「この景色」
「この景色ですね」
「うん」
灯里はそれ以上言葉が出てこなかった。
確かに見たことのある景色。
でも灯里には、それ以上に心に響くものがあった。
「灯里、大丈夫?」
「うん。なんか、感動しちゃった」
手をつないだまま、三人は目の前に広がる景色に見とれていた。
だが、アリスがふと振り返った。
「あっ、ああ、あああ~~」
「ちょっと、後輩ちゃん!なに変な声出してんの?」
「せ、先輩方!」
「どうしたの、アリスちゃん?」
「見てください!」
アリスに言われて、灯里と藍華はその場で振り返った。
「えっ、どういうこと?」
「ない」
振り返った壁には、あるはずの文字が消えてなくなっていた。
「ちょっと!あの〈GOAL!〉の文字はどこ?」
「消えてます。他の文字も全部!」
「どうしてなのぉー」
愕然とした顔で三人は、その壁を見上げていた。
「もしかして、まだ宝箱の続きがあるとか?」
藍華は辺りをキョロキョロ見回した。
それを見て灯里とアリスも探し始めた。
「ありません」
「ないねぇー、なんにも」
「じゃあ、ゴールは?私たちのお宝はどこなの?」
その時、近くの茂みがガサガサ音を立てて揺れ始めた。
「うわぁー!なんか出たぁー」
「何が出たんじゃ?」
おじいさんがひとり、出てきた。