ARIA The PIACERE 3 その素敵な出会いの先に   作:neo venetiatti

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第36話

「さっきからそこで何を騒いでおるのじゃ?」

「お、おじいさんこそ、そこで何してるんですか?」

灯里、藍華、アリスの三人は、茂みから姿を現したその老人を前に、思わず後退りしていた。

「わしはここの管理を任されておるのじゃよ」

「そ、そうなんですか」

三人は揃って、大きなため息をついた。

「あんたらはここで何をしておるのじゃ?」

「私たちはですね、宝物の在りかをを探して、ここまでたどり着いたというか」

「宝物?」

その老人は少し疑いの眼差しで三人を見た。

「あわわわ!私たち、別に怪しい者じゃないんですぅ~」

灯里はあわてて疑いを晴らそうとした。

「ですから、ここに書いてあったことを目指してですね、ここまでやって来たわけです」

アリスが冷静に灯里のあとに続いた。

「書いてあった・・・ああ、あれかぁ!」

「あれです!」

「なんか薄汚れた文字でなんか落書きしておったのうー」

「薄汚れた」

「落書き」

藍華とアリスは、その老人の言葉を唖然と繰り返した。

「それでその書いていたものはどうなったんですか?」

灯里は真剣な眼差しでたずねた。

「消した」

「ええー!」

「消したんですか、おじいさん!」

「ああ、消した」

「なんでですか?」

「なんでって、落書きは普通消すもんじゃろう?」

「はぁ~」

「確かにそう言われればそうですが・・・」

「ちなみにいつ頃ですか?」

「きのうじゃ」

「き、きのう?」

「なんてタイミングが悪いの、私たち」

三人はすっかりうなだれてしまった。

「私たちの今日一日って、なんだったの?」

「あれを見ないと終われません」

「ほんとそうだねぇ~」

「そんなに大事なもんじゃったのか?」

「まあ、ある意味、私たちにとってはですが」

「いえ、先輩?それだけではありません」

「なに?どういうこと?」

「今日まで続いてきた宝探しに関わった、多くの人たちにとってもです!」

「アリスちゃん」

アリスの真剣な眼差しに、灯里はウルウルしていた。

「そんな大事なもんじゃとは、気づかんかったのぉー」

そう言っておじいさんは、また茂みの中に消えていった。

「あ、あの、おじいさん?いずこへ?」

三人はその光景を、ポカンと口を開けて見ていた。

だがすぐに、その茂みから、おじいさんが戻ってきた。

「ほれ」

「はひっ」

「ぬな?」

「おおー」

おじいさんは、両手にいくつもの塗料の入った缶を持ってくると、三人の前に置いた。

「ぷいにゅーい!」

「あっ、アリア社長、復活しました」

アリア社長が、その色とりどりの塗料の缶に、興味津々で顔を突っ込んでいた。

「アリア社長?顔にペンキが着いちゃいますよ!」

「ぷいにゅ?」

アリア社長の顔に丸いペンキの後が着いた。

「あのー、これはいったいどういうことですか?」

アリスは冷静にたずねた。

「ペンキ屋が今度取りに来るって言って置いて帰ったんじゃ。実際来るかどうかわからんがな」

「えっと、つまり・・・」

「好きにすりゃええ」

三人は一斉にそのおじいさんの、しわくちゃな顔を見た。

「好きに」

「すれば」

「ええと」

「ぷい?」

沈黙が流れた。

「本当ですか?」

「ああ、本当じゃ。男に二言はない!」

「おじいさん、カッコいいです!」

「そうか?」

その老人は高らかに笑い声をあげた。

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