ARIA The PIACERE 3 その素敵な出会いの先に 作:neo venetiatti
「さっきからそこで何を騒いでおるのじゃ?」
「お、おじいさんこそ、そこで何してるんですか?」
灯里、藍華、アリスの三人は、茂みから姿を現したその老人を前に、思わず後退りしていた。
「わしはここの管理を任されておるのじゃよ」
「そ、そうなんですか」
三人は揃って、大きなため息をついた。
「あんたらはここで何をしておるのじゃ?」
「私たちはですね、宝物の在りかをを探して、ここまでたどり着いたというか」
「宝物?」
その老人は少し疑いの眼差しで三人を見た。
「あわわわ!私たち、別に怪しい者じゃないんですぅ~」
灯里はあわてて疑いを晴らそうとした。
「ですから、ここに書いてあったことを目指してですね、ここまでやって来たわけです」
アリスが冷静に灯里のあとに続いた。
「書いてあった・・・ああ、あれかぁ!」
「あれです!」
「なんか薄汚れた文字でなんか落書きしておったのうー」
「薄汚れた」
「落書き」
藍華とアリスは、その老人の言葉を唖然と繰り返した。
「それでその書いていたものはどうなったんですか?」
灯里は真剣な眼差しでたずねた。
「消した」
「ええー!」
「消したんですか、おじいさん!」
「ああ、消した」
「なんでですか?」
「なんでって、落書きは普通消すもんじゃろう?」
「はぁ~」
「確かにそう言われればそうですが・・・」
「ちなみにいつ頃ですか?」
「きのうじゃ」
「き、きのう?」
「なんてタイミングが悪いの、私たち」
三人はすっかりうなだれてしまった。
「私たちの今日一日って、なんだったの?」
「あれを見ないと終われません」
「ほんとそうだねぇ~」
「そんなに大事なもんじゃったのか?」
「まあ、ある意味、私たちにとってはですが」
「いえ、先輩?それだけではありません」
「なに?どういうこと?」
「今日まで続いてきた宝探しに関わった、多くの人たちにとってもです!」
「アリスちゃん」
アリスの真剣な眼差しに、灯里はウルウルしていた。
「そんな大事なもんじゃとは、気づかんかったのぉー」
そう言っておじいさんは、また茂みの中に消えていった。
「あ、あの、おじいさん?いずこへ?」
三人はその光景を、ポカンと口を開けて見ていた。
だがすぐに、その茂みから、おじいさんが戻ってきた。
「ほれ」
「はひっ」
「ぬな?」
「おおー」
おじいさんは、両手にいくつもの塗料の入った缶を持ってくると、三人の前に置いた。
「ぷいにゅーい!」
「あっ、アリア社長、復活しました」
アリア社長が、その色とりどりの塗料の缶に、興味津々で顔を突っ込んでいた。
「アリア社長?顔にペンキが着いちゃいますよ!」
「ぷいにゅ?」
アリア社長の顔に丸いペンキの後が着いた。
「あのー、これはいったいどういうことですか?」
アリスは冷静にたずねた。
「ペンキ屋が今度取りに来るって言って置いて帰ったんじゃ。実際来るかどうかわからんがな」
「えっと、つまり・・・」
「好きにすりゃええ」
三人は一斉にそのおじいさんの、しわくちゃな顔を見た。
「好きに」
「すれば」
「ええと」
「ぷい?」
沈黙が流れた。
「本当ですか?」
「ああ、本当じゃ。男に二言はない!」
「おじいさん、カッコいいです!」
「そうか?」
その老人は高らかに笑い声をあげた。