ARIA The PIACERE 3 その素敵な出会いの先に   作:neo venetiatti

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第37話

「Welcome!ってどうですか?」

「ええ~!変えちゃうのぉ~?」

「その心は?」

「ようこそ!到着おめでとう!的な意味なんですが」

「う~ん、どうかしらねぇ。なんかもうひとつ、ピンとこないような・・・」

「じゃあ、藍華先輩は、どういうのがいいと思うのですか?」

「そうねぇ。〈こんなん出ましたけど〉は?」

「却下です」

「はやっ!」

「ねぇねぇ、変えちゃうの?前のままでいいんじゃないの?」

「何言ってんの、灯里?せっかくのチャンスなのよ?ここは私たちが、ゴールを祝福しての、なんかいい言葉を考えれば、記念に残るわけでしょ!」

「藍華先輩?今自分でゴールって言いましたよ」

「そういうことじゃないの!」

三人がああだこうだと言っている間に、管理をしているという老人は、いつの間にか用意した椅子に座って、お茶をすすっていた。

「日が暮れるまでには終えるよう頼んだぞぉー」

「すみませーん」

灯里たちは、申し訳なさそうに頭をさげた。

「じゃあどうする?」

「だから、私はそのままでいいと思う」

「そうですね。いまさら変えるっていうのも、どうかと思いますし」

藍華はふたりの顔を交互に見比べると、あきらめたようにため息をついた。

「そうか。じゃあそうする?」

「うん!」

「右に同じです!」

三人は、壁を見上げながら、どんな感じに仕上げるかを相談し始めた。

少しして、灯里がその老人のそばにやって来た。

「あのー、管理人さん?」

「なんじゃ?」

「ちょっと高いところが大変そうなんですけど」

灯里の申し訳なさそうな様子を見て、その老人は、また茂みの中に消えていった。

「はぁ~」

「ちょっと灯里ぃ?おじいさん、また消えていったじゃない?」

「あの茂みの奥、でっかい謎です」

三人は、恐る恐るその茂みに近づいていった。

すると、その横をすり抜けて、アリア社長がその茂みに突進していった。

「ばぁばーい!」

「アリア社長ぉー!」

「ぷい?」

アリア社長は、お尻がつっかえて途中であえなく失速してしまった。

「威勢がいいわりには、結局こういうことよね」

藍華が冷めた目で、そのまん丸なお尻を見つめていた。

しかしアリア社長は、お尻を一生懸命左右に振って、なんとか茂みに中に入っていった。

「入っちゃいました」

「そうね」

「大丈夫ですか~アリア社長~!」

「でもさぁ、考えたらこん中って、いったいどうなってんの?」

「なんか不思議な入り口があるとか」

「ええーアリスちゃん!なにそれ~」

「またそんな話になると食いついてくるんだから、あんたは」

「例えばですよ?異世界への入り口があるとか」

「そうなのぉー?」

「でもさぁ、ああいう話は、大体はこっちからあっちに転生しちゃうもんじゃないの?」

「まあ、大概はそうですけど」

「じゃあ、アリア社長は、その異世界に行っちゃったってこと?」

「あのさぁ、灯里?今、例えばの話って・・・」

「どうするの?」

「いや、あのね、例えばって」

「大丈夫だと思います」

「なんでぇ?」

「アリア社長なら、きっとギルドの綺麗なお姉さんと親しくなって、なんとかやってるんじゃないかと」

「そうなの?」

「以外とモテモテかもです」

「アリア社長~さすがですぅ~」

「さすがに、冒険者は無理ですけどね」

「あ、あのね、あんたたち・・・」

灯里は、何か意を決したかのように、緊張みなぎる表情になった。

「じゃあ、わたし、行ってくる!」

「い、行くってどこに行くつもりなの?」

「異世界に行って、アリア社長を連れ戻してくる!」

「後輩ちゃん、どう責任とるつもり?」

「わ、わたしですか?」

「だってそうでしょ?やたらと張り切っちゃってるじゃない!」

 

バサッ

 

「灯里先輩、首を突っ込んでます」

「ぬ、ぬな?」

灯里は茂みに首をつっこんだまま、身動きひとつしなくなった。

「どうしたの?」

「なんか不気味な格好です」

 

バサッ

 

灯里は、茂みに突っ込んでいた頭を元に戻した。

「どうなってた?」

「なんか、普通にドアがあった」

藍華はそれを聞いてダルそうにため息をついた。

「はぁ~。そんなことだろうと思ったけどね」

すると、ドアが開く音がした。

「あっ、誰か出てきます」

「誰かって、大体決まってると思うけど」

茂みから、ポコンとアリア社長が顔を出した。

「ぷいぷい~~」

「お帰りなさい!アリア社長~!無事だったんですねぇ~~」

「あんたたち、南極でも行ってたみたいな感じ出してるけど」

アリア社長に続いて、茂みからニョキっと梯子の先端が顔を出した。

すると、脇に梯子を抱えた管理人の老人が姿を現した。

地面につきそうな後ろを、アリア社長が懸命に支えている。

「ぱーぱい!ぱーぱい!」

「さあ、これを使え。これなら届くじゃろて」

三人は、その場で梯子を受けとると、壁の前まで協力して運んでいった。

「ぷいにゅ~~」

アリア社長は、大きなため息と同時に、その場に大の字になって寝転んだ。

「お疲れ様です、アリア社長。ギルドのお姉さんはどうでしたか?」

「ぷい?」

「灯里?まだそんなこと言ってんの?あんた、ラノベ作家にでもなったら?」

「悪くないかもです」

「はいはい。とっとと始めるわよー!」

「はーい!」

「でっかいコメディです」

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