ポケットモンスターSPECIAL 12.n章(仮)   作:オラクス

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61巻読了したので投稿です。
12章完結しましたが、矛盾が生じるかはこのあとの展開次第。


というか、きずなへんげ出なかったな・・・。
なので(勝手に)本編補完。


3日目④

Side Silver @シンオウ地方 コトブキシティ郊外

 

「はぁ~~~~~~っ、やっと着いたわ。」

「ああ。荷物運ぼうか、姉さん。」

 

 飛行機に乗って2時間ほど。シンオウ地方に降り立つ。

 ブルー姉さんに確認した話だと、この空港で一度人と落ち合うらしい。

 到着ロビーとはいえ人はそれなりの数いるが…

 

「さてさて、お目当ての人は…

 あ、あの人たちかしら?」

 

 運よくすぐに見つかった。写真を手にした姉さんが見つけたのは、3人組の男女。男性が2人と女性1人で、見た目の年齢はそれぞれが親子ほどに離れているように見える。

 向こうも気づいたようで、こちらに対して女性が一礼した。オレも返す。

 

「ナナカマド博士でいらっしゃいますね?オーキド・グリーンから依頼を受けました、ブルーとシルバーです。」

「…シルバーだ。よろしく頼む。」

「こちらこそお願いする。こっちは助手のベルリッツ君。

 彼女がその娘の、」

「プラチナ・ベルリッツです。博士からお話は伺っております。

 しばらくの間、私の抜ける穴を埋めてくださるということで、よろしくお願いいたします。」 

 

 穴を埋める。ということは彼女が―――

 

「なら、これはアナタに託しておくわね。

 アイツには"―――――――――――――――"って、伝言お願いできるかしら?」

「承りました。

 それでは時間もありませんので、私はこれで失礼させていただきます。」

 

 そう告げて一礼すると、プラチナは姉さんから受け取った小箱を手に去っていった。

 ベルリッツ氏がそれを見送るとこちらに向き直り、

 

「さて、我々も移動しようか。

 今日はホテルに直行してもらう様に手配してあるから、飛行機での疲れを取ると良い。」

 

 明日からはグリーン先輩直々の依頼の仕事だ。そうさせてもらおう。ベルリッツ氏に案内され、ブルー姉さんと駐車場に向かう。

 そう思っていたが、オレは1つ重要なことを忘れていた。そしてそれに気づいたのは、送迎されたホテルに到着した後のこと。

 通された部屋で、姉さんとも別の部屋になって1人のオレ。

 

(ホテルに宿泊って、何をどうすればいいんだ?

 この部屋は使ってもいいのか?)

 

 宿泊施設を利用した経験が、オレには無かった。

 …姉さんを頼るとしよう。

 

 

Side Y @キナンシティ

 

 

 

「お疲れ様、皆!」

 

 18戦目が終わって、やっと次が最後のバトル。時間的にも次が最初で最後のチャンス。

 アタシのダブルバトルの腕前もそこそこ上がった……と思う。通算でいえば100匹以上のポケモンと戦ってきたんだから。

 19戦目の前に回復。ここまで付き合ってくれた手持ちに感謝しつつ、アタシ自身も気合いを入れ直す。

 

「よしっ、これに勝てばその次が最後!

 頑張って勝とう!」

 

 19戦目、開始!

 

 

「ヤコちゃん、"ニトロチャージ"!ぶいぶい、"ムーンフォース"!」

 

 ヤコちゃんとぶいぶい。これまでの48戦を戦ってきて、一番勝率が良い組み合わせ。それに対して、相手はエレザードとガバイト。そこからいきなり"すなあらし"

 エレザードの"かみなり"は運良く外れる。集中攻撃でガバイトを倒すことはできたけど、"すなあらし"は発動してしまう。エレザードもダメージを受けた様子はない。3体目はイノムー。

 

"スピードスター""つばめがえし"!」

 

 エレザードが"すながくれ"で避けやすくなるのは知ってる。だから絶対に当たる"スピードスター""つばめがえし"で、少なくてもダメージを蓄積する。だけど"ストーンエッジ"がヤコちゃんにクリーンヒットして、そのまま倒れてしまう。

 エレザードは"りんしょう"を使ってきたので、"すなあらし"の下で"かみなり"を使うつもりはなさそう。

 …こういう知識も、夕べの実戦があってこそ。スカイトレーナーとして学んでただけなら、こんな状況は考えてもみなかった。

 

「ヤコちゃんお疲れ!けろけろ行って!

 "スキルスワップ""たたみがえし"!」

 

 攻撃が集中すると予想して、守りに入って相手のとくせいをもらう。ぶいぶいが交換したのは"ゆきがくれ"。打ってつけだ。そして予想通り、"ふぶき""きあいだま""たたみがえし"に弾かれる。

 

"スピードスター""だましうち"!」

 

 エレザードを集中して攻撃して、けろけろが"きあいだま"を受けながらも、2匹の技で倒す。相手もそれを読んでいたのか、天気を"あられ"に切り替える。4匹目はドラミドロ。

 

"ムーンフォース""みずしゅりけん"!」

 

 イノムーの"メロメロボディ"に気を付けながら攻撃する。イノムーは運よく"みずしゅりけん"が連続で命中して倒れたけど、こっちもドラミドロの"ヘドロウェーブ"がぶいぶいに直撃して倒れてしまった。

 

「ぶいぶい、ご苦労様。そるそ…

 ……?けろけろ?

 

 

 

 っ痛ぅ!?」

 

 本当にいきなりの出来事だった。

 けろけろの様子がおかしいと思ったら、何の前触れもなく体に激痛が走った。

 急にお腹が痛くなる。体調不良みたいな体の中からではなく、外から伝わる鈍い痛み。足から力が抜けて、膝をつきそうになるのを咄嗟にこらえる。

 

(何よ、これ……?

 "ヘドロウェーブ"の余波でも受けちゃった…?)

 

 でも、ドラミドロの毒液をまともに受けたら服ごと肌が溶けちゃうはず。流石にそんな状況にはなってない。

 そるそるのボールを投げながらバトルフィールドを見ようとするけど、汗なのか涙なのか視界がぼやけてる。目を凝らしてもう1回けろけろを見ると、全身が水に包まれていた。

 

(一体何なのよ、これは……?)

「そるそる、メガシンカ!

 "サイコカッター""みずしゅりけん"!」

 

 指示を出すと同時に、けろけろの周りの水も弾けた。

 とてもじゃないけどバトルに集中できない。メガシンカのせいかと思ったけど、今までのメガシンカでは感じたことのない痛み。心臓の鼓動も早くなる。

 こちらの攻撃を耐えたのか避けたのかも分からなかった。ドラミドロが"10まんボルト"を放つ。けろけろが電撃を浴びると同時に、

 

「あ、あああああっ!?」

  

 体中が刺されたみたいに痛んで、一瞬膝から力が抜ける。昨日浴びた"パラボラチャージ"以上の痛み。けろけろのダメージと関係しているみたいなのは分かったけど、これ以上は体が耐えられそうにない。

 

 ………だけど、あと少し。あとほんの少しなんだ………!

 

「………そるそる。もう一度、"サイコカッター"

 けろけろ"だましうち"ぃ!」

 

 倒れないように膝を手で押さえる。体の痛みを堪えながら、最後の力を振り絞って指示を出す。

 ドラミドロが2匹の攻撃で今度こそ倒れ、トレーナーのホログラムが姿を消す。それを見届けたアタシの体はもう限界で…おっと。

 倒れそうな体を、そるそるとけろけろが支えてくれた。メガシンカが解けているそるそるを間近で見て、バトルが終わったことを実感する。全身の痛みも感じなくなってきた。

 

 壁に寄りかかって、ボールに入った手持ちを回復させる……皆お疲れ様。

 すぐに回復が終わって、ボールを取り出すと奥の扉が開いた。それと同時に、

 

「ワイちゃん!」

「…エックス。どうだった?」

「シングルならもう終わってる!

 それよりワイちゃん、何があったの!?いきなり苦しんで…」

 

 エックスが駆け寄ってきてくれた。思わず、抱きつくように体を預ける。

 

「………試合、見てたの?」

「途中からだけど。

 最後の最後でいきなり苦しみだしたから、誰か別の相手に攻撃されてるんじゃないかと思って…どこか痛む?」

「……平気。もう大丈夫みたい。

 そろそろ、ごはんの時間でしょ?食べながら話すから、行きましょ…?」

 

 肩を借りて…というか貸されて歩きながら、ステージに移動する。

 夕食の時間が始まっているのかその場にはほとんど誰もいなかったけど、ルミタンさんが残っていた。

 

「お疲れ様です。大分焦って走り出して、何かおありでしたか?

 あらあら、お疲れのようで。」

「………ええと…」

 

 ――走ってきてくれたんだ。ちょっとうれしい。

 

「大丈夫です。ちょっと疲れちゃっただけで。」

「左様でしたか。でしたら妹たちとのバトルは夕食後、19時ちょうどからの開始となります。

 それまではお食事でもショッピングでも、ごゆるりとお過ごしくださいませ。」

 

 遠慮なく、ご飯にしよう。

 

 

Side X @キナンシティ

 

 

「お疲れ様。どうだった?」

 

 隣接しているホテルのレストランにて。

 ビュッフェをかっこむワイちゃん―――調子悪そうだったけど、よくそんなに食べられるな―――をのんびり眺めていると、カルネさんに話しかけられた。

 

「それぞれ19連勝までは、なんとか。

 19時からシャトレーヌとバトルだそうです。」

「そう。順調そうで良かったわ。

 ミアレの師匠たちと後で連絡する予定だけれど、貴方たちもどう?」

「いいんですか?じゃあ、お言葉に甘えて。

 カルネさんは、今まで何を?」

「ルミタンたちに、ちょっと交渉をね。貴方たちを匿うための部屋を借りてたの。

 アサメやミアレに"テレポート"で戻って、朝にまたここに来るのは面倒でしょう?」

 

 確かにそうだが……

 

「いいんですか?泊まるとなると人目が無くなりますし、カルネさんのメガリングから波長が…」

「それはあくまで、"キーストーンが発する波長"よ。誰が持っているかまでは分からない。

 今は、ここと研究所にそれぞれ3人いるし、他にも持っている人はカロスに何人かいる。追跡出来なくなっている君たちを除いてもどの波長が誰のものなのか特定は出来ないし、推測がついても対応は決まってるわ。」

 

 それぞれ3人、と言われて指を折る。ここにオレたちとカルネさん、ミアレにはグリーンさんと師匠。後1人は…

 

「コルニさんも、ミアレに?」

「いいえ。いるのはカツラさん。

 イクスパンションスーツの解析も手伝って下さっているそうよ。」

 

 個々の戦力だけなら、あの人とミュウツーは間違いなく最強だろう。ボルケニオンというポケモンにも匹敵できると、グリーンさんは言っていた。

 オレたちが奴の手持ちを相手に凌げる時間は30分がせいぜいだと昨日分かった。"テレポート"が使えるのかは知らないが、そのくらいあればここまで来れるのだろう。

 話を戻す。ここで話したい一番重要なこと。

 

「それでワイちゃん、さっきのことだけど…」

「あれが"きずなへんげ"、だと思う。」

「グリーンさんが言っていた、ゲッコウガのとくせいのこと?」

 

 それはオレも想像がついた。けろけろの姿が水に包まれる前と後で変化して、ワイちゃんがそれを境に苦しみだした。グリーンさんや博士でも分からなかった以上、体感からどんなとくせいか判断するしかない。

 

「オレが見てたのは、相手のイノムーを倒した時にけろけろが水に包まれて、ワイちゃんが苦しみだした。」

「……そう。お腹が痛くなって、その後全身が刺されたみたいに痛くなった。

 多分だけど、けろけろと同じダメージを受けてたんだと思う。」

 

 そう言われて、最後のバトルを思い起こす。確かにけろけろは、エレザードの"きあいだま"を腹に、ドラミドロの"10まんボルト"を全身に浴びていた。

 それだけ聞けば、何もメリットが無いが…

 

「けろけろの方は、見た目以外に何か変わった?

 あの時、目がぼやけてて………」

"みずしゅりけん""だましうち"しか見てないから何とも言えないけど、1発1発の威力は上がってた、ように見えた。」

 

 目がぼやけた、と言われて思い出すのは昨日のバトルの最中のこと。オレも一瞬だがそうなった。その後はバトルせずに場を離れたけど、同じ状態になっていたのだろうか。

 そのことを伝えるとワイちゃんが喋りだす。

 

「今までのバトルで、けろけろが相手のポケモンを倒したことはあったけど、最後のバトル以外は全部4匹目のポケモンだった。

 相手を倒して、バトルが続いた時にああなるみたいね。

 見た目だけじゃなくて威力が上がったなら、役に立つ特性なんでしょうけど…」

「その度にワイちゃんが苦しんでたら、身が持たないよ。

 元の姿のけろけろが一撃で相手を倒さないと、ワイちゃんまでダメージを受ける。

 大事なのは"ハイドロポンプ"とか"つじぎり"で、ダメージを受けないうちに倒して"きずなへんげ"をすることだと思う。

 それか他の手持ちでギリギリまで相手を追い込んで、とどめを刺す時だけけろけろが攻撃するとか。」

「………ひとまず、そうして見るわ。

 姿が変わった後のけろけろの実力も、もっと確認しないと。」

 

 そんな話をしながら食事が終わった後。

 カルネさんに連れられて個室に入る。カルネさんは端末をディスプレイに繋げると、連絡先から師匠を呼び出した。

 

『おう、カルネ…とエックス、ワイ。修行の調子はどうじゃ?』

「ダブルバトルは初めてですけど……なんとかやってます、師匠。」

「トロバたちはどうですか?」

『ぼちぼち、っといった所かの。

 手持ちのレベルアップに勤しんでいるが、相手がグリーンでは少しばかり厳しい。

 サラメも、ティエルノ相手にやりづらそうじゃった。』

「グリーンさんのリザードンは、凄く扱いやすいです。伝えておいて―」

『呼びましたか、師匠―――ああ、お前たちか。』

「丁度良かった。サラメはどうですか?」「あと、サナたちも。」

『俺は師匠の修行に付き合っているだけだ。師匠以上のことは言えない。

 サラメはこちらのメガシンカに慣れてきたところだ。俺のリザードンは―』

「指示する以上の威力を出してくれるので、バトルで凄く役に立ってくれてます。」

『ならいい。

 カルネ、本題の件だが。』

 

 本題があったらしい。カルネさんを差し置いて色々話してしまったようだ。

 

「こちらの都合は付いたわ。何泊かなら問題ないそうよ。」

『分かった。なら2人は、しばらくそちらでバトルの鍛錬を継続してほしい。

 それと、こちらも予定がついた。明日の早朝に増援が1人、必要な荷物と共にカロスに来る。博士が空港まで迎えに行く手筈になっている。』

「「増援?」」

 

 初耳だ。というか1人って…それだけで大丈夫なんだろうか。

 

「それについては後で話すわね。それでグリーンさん、スーツの件はどうなったかしら。」

『スニーキング機能を見破る装置は完成したそうだ。まだ試作の1機だが、今は博士が解析のために使っている。

 肝心のスーツ解析については、まだ進行中だ。ただ、マチエールのスーツと比較して電源の関係が改良されていると言っていた。クセロシキが作った時期よりも後発生産のものだろう。』

「そう……分かった。何か進展があったら、都度知らせて頂戴。」

『無論だ。

 ………それとエックス。』

「はい。なんです?」

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

Side Y @キナンシティ

 

 

 

 話はそれで終わったのか、通話が切れてしまった。サナたちとも話したかったからちょっと残念。

 個室を出るとカルネさんは、増援の人の話をしてくれた。カロスに少人数しか来れないなら仕方ないけど、四天王と同等の人がそう簡単に見つかったのかな…?

 

「私は別の方法で特訓してるから、2人も頑張って。

 ラニュイもルスワールも、相当強いわよ。」

 

 と言って、カルネさんは建物の外へ出ていった。残されたアタシたちは、これ以上やることもないのでステージに戻ることにする。

 ステージに戻ると、試合開始の19時まであと10分を切っていた。すぐにルミタンさんに呼ばれる。観客は他にいない様だ。

 

「準備は良かと?」

「「はい。」」

 

 同時に答える。2人同時に闘うスペースは無さそうなので、どちらかが先になると思ったけれど、

 

「おヒマやったら、よってきんしゃい♪」

「うわっ…」「ちょっ…」

 

 円形のステージに乗った瞬間、ステージそのものが動いた。回転しながら円の面積が広くなって、2つ分のバトルフィールドが描かれる。互いのバトルを妨げないためか、中央がガラスか何かで仕切られた。そして、階段の上にスポットライトの光が1ヵ所に集まり…ルミタンさんと同じ衣装を身に纏った人が降りてきた。

 

「ぺろぺろりーん!ラニュイだよー!」

「えっと…ウチは…ルスワールです…」

「それでは。 

 シングル20戦目、ダブル20戦目…試合開始!」

 

 ルミタンさんの掛け声と共に、ボールを2個取り出す。

 今日の総仕上げ。絶対に勝つ!

 

 




しばらく書いてなかったので文字起こしがムズイ。。。
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