ポケットモンスターSPECIAL 12.n章(仮) 作:オラクス
Side Y @アサメタウン
翌朝。いつもの様にヤコちゃんの"つつく"で起こされたアタシは、エックスって小型のポケモン持ってないよなぁ朝どうやって起きてるんだろ。とかどうでもいいことを考えながら、もう起きてリビングにでもいるんだろうエックスを、
「ぐぇっ!?」
"ふみつけ"ちゃってた。ああそうだ、一緒の部屋で寝たんだった。忘れてた。
「おはようエックス。お母さん朝練するから、朝ごはん早いよ。」
「…お、はよう。ワイちゃん、何故オレは踏まれたのかな?」
「ごめんごめん。
でもコガルの"ふみつけ"より痛くないでしょ?あ、ラスマの"したでなめる"だった?」
「…………何の話?」
後で考えたら、エックスは早起きする必要がなかった。ズルい。
Side X @アサメタウン
朝、何だか「…"しっぽをふる"?」だの「…まさか、"でんきショック"?」とか考え込んでいるワイちゃんを学校に送った後。
オレは交代で来たズミさんに後のことを任せ、ドラセナさんとミアレに向かった。
オレがスカイトレーナー訓練校に居座る必要は全くないし、むしろ何か手伝った方が事態の解決も早く済む。何より、トロバ達を放っておくわけにもいかない。
ドラセナさんと研究所にの前で別れ、エレベーターで2Fに上がる。
研究所にいた人は昨日とはメンバーがそこそこ変わっていた。
シトロンさん兄妹、カツラさん、師匠、カルネさんがおらず、代わりに…
「……何でいるんです?クロケアさん」
クロケアさんとマチエールがいた。
「とんだご挨拶だな、まぁ気持ちは分かるが。
俺はマチエールの付き添いだよ。いやマジで。」
「マチエールの?どうして?」
「ツンツンの人に呼ばれた。
スーツを着てたときのことを知りたいって。」
言われて色々と納得する。確かにイクスパンションスーツのことなら、使っていた張本人に事情を聞くのは当たり前だろう。
これがツンツンさんの言っていた心当たりか、と考えていると本人が来た。
「あ、ツンツン、じゃなくてグリーンさんおはようございます。
昨日はありがとうございました。」
「ああ、おはよう。何事も無かったようで何よりだ。」
ツンツンはスルーされた。言われ慣れているらしい。
「皆はどこに?」
「カツラはポケモンの村、
シトロンと師匠は他のジムリーダーと分担で各地のフレア団アジトの調査だ。
カルネもコルニとフラダリカフェの地下ラボの調査に向かっている。」
采配の手際も流石だった。会ったばかりの時もそうだったが、なんて言うか、慣れている。
「午後にはエックスにも出てもらいたいが、大丈夫か?」
「分かりました。どこに?」
「セキタイのアジトだ。
マチエールの話によると、実験は主にそこで行われていたそうだ。」
確かに、マチエールにセキタイで会ったこともあった。少しだけだが内部を知っているオレが行くのも当然だろう。
「カルネとコルニが戻って準備ができ次第、4人で向かってもらう。」
「4人?グリーンさん以外にですか?」
「マチエール。あともこお。」
「……止めたほうがいいよ。マチエールにそこまでしてもらう必要は…」
リスクが高い。フレア団のしたっぱならともかく、エスプリに襲われたら………
「マチエールが、したいの。」
「最悪の場合、カルネのサーナイトが研究所まで"テレポート"させる。戦闘不能になっても使える技だが、もしもボールジャック機能を使用されたら、リザードンでここまで飛べ。」
「……分かりました。」
相手の戦力が未知数に近いけど、オレを含めメガシンカ使い3人なら
そしてオレには、グリーンさんの理論武装とマチエールの意志をひっくり返せることばや意志を持っていない。ここ数年コミュニケーション能力を培っていない以上、口下手と言われても仕方ないけど。
「意見がないようなら準備を頼む。昼前には戻ってくるはずだ。」
「………」「はあい。」
現在時刻、午前11時過ぎ。すこし早いけど、買い物がてらご飯にしよう。
ポケモンセンターに寄るついでに、マチエールと一緒に最寄りのカフェでテイクアウトのバゲットを人数分の倍買ってくると、グリーンさんと博士がパソコンで誰かと話していた。画面に映っているのは知らない人だったけど、どうやら誰かに繋いでもらうように頼んでいるようだった。
2人の分を近くに置いて、トロバ・マチエール・クロケアさんと食事をとる。ティエルノが食事のにおいで目を覚ますかもしれないと期待したが、お腹が鳴っただけで目は覚まさないようだ。
一番食べるのが遅いオレが食べ終わった頃、カルネさんとコルニさんが帰ってきた。
カルネさんはグリーンさんと少しやり取りをした後、こっちを向いて、
「ドラセナに聞いたわ。昨日は問題なかった?」
「おかげ様で。」
ワイちゃんのあれこれはいつも通りだし、カルネさんが聞きたい問題に含まれないだろう。
「今はガンピに研究所を守ってもらってるわ。それで、この後だけど―」
「この後の予定はグリーンさんから聞いてますんで。オレとマチエールは準備出来てます。」
「突然だったのにありがとう。地下ラボの調査結果は道中で共有させてもらうわね。コルニ、あなたは?」
「ひょっふぉまっへ(ちょっと待って)」
余ったバゲットを頬張っていた。なのでそっちに集中してもらって、カルネさんと話を続ける。ダイエットとか色々あるだろうし、大女優相手にそこらのバゲットをすすめるのも何だか気が引ける。
「…バトルか何かあったんですか?」
「いいえ?ただ、トラップとダミーの部屋が多かっただけよ。ジーナとデクシオがあらかじめ調べておいてくれたんだけど、思った様にいかなかったわ。」
「お待たせ。行きましょ。」
食べるのはやっ。
Side Green @ミアレシティ
エックスたちがセキタイに向かって飛び去るのを確認した後、オレは後輩に奢ってもらったバゲットを食べつつ、連絡先からの返答を待っていた。
フレア団の幹部の内、意識が戻らないフラダリとパキラを除くと、残るは科学者5人と他数名。
あの戦いの後、フレア団全員の身柄を国際警察に任せカロスから追放したが、まさかたった3ヶ月でこちらから連絡を取るとは思わなかった。
「トロバ、頼みがある。」
「は、はい!何ですか!?」
「暫く…1時間もかからない。今から俺と博士はこのフロアを離れる。さっき連絡を取った相手はかなり情報漏洩に気を遣う。」
「そうだね。君の心にこれ以上の負担をかける訳にもいかない。」
「だからその間、クロケアとこの部屋を離れないで欲しい。
「は、はははい分かりました!」
そう言って1Fに降りて準備を終えると、タイミングを見計らった様に着信があった。ボタンをクリックして、通話を開始する。
想定していた人物とは別人の少年が映し出された。
『ミスター・オーキド・グリーン、並びにドクター・プラターヌですね。
担当のハンサムが不在のため、私、コードネーム"黒の2号"が代行させて頂きます。』
「構わない。それで、先ほど頼んだ件はどうなった。」
『本人の同意がとれました。30分間、通話による面会を許可致します。ただし、』
「本人が終了を希望する場合、又は同席する君が必要と判断した場合は即時終了となる。」
『その通りです。ではカウントを開始します。』
話を早く切り上げる少年。こちらが急いでいる際、こういう無愛想な態度は時短になってむしろ助かる。
そして、0:29:59の表示と共に映像が切り替わる。少年の代わりに、赤い眼鏡をつけた男性がに映し出された。
「俺を覚えているか、クセロシキ。」
『勿論だゾ、メガリザードンYのトレーナー。そしてプラターヌ。』
こいつから情報をどれだけ引き出せるか。それが今のオレの役割だ。
幸いオレの手元には、カルネたちが見つけてくれた資料もある。
(先輩が後輩を助けるのに大した理由は必要ない。全力で助けるだけだ。)
1Fとか2Fとか、生活の誤差的なものは一応、フランス表記にしているつもりです。
今後の投稿で不都合が生じたら直します。