ナナー1 ぐらんぷりっ!!   作:neo venetiatti

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第2話 ツンツン/ツンツン その2/みかりんの京都探訪/トリオ漫才 その2

ー ツンツン ー

 

ツンツン♡

「ん?なに?ニコるん、呼んだ?」

「絢香ちゃん、どうするの?」

「何が?」

「だから、その~」

「えっ?どうしたの?」

「あれでしょ?」

「あれ?」

「そう、あ~れっ♡」

「い、いや、あれだけではわからないけど」

「ほら、この間」

「この間?」

「学校のぉ」

「学校の」

「帰りにぃ」

「帰りに?」

「会ったでしょ?」

「誰に?」

「だからぁ、あの男子校の人」

「男子校の?」

「もう、知らばっくれて♡」

「えっと、誰のことだっけ?」

「もう!モテる人はこれだから困るのよね」

「もう少しわかるように言ってくれる?」

「ええ~私から言うの?」

「だって聞いてきたのはニコるんじゃない?」

「そっか。それなら聞くね♡」

「どうぞ」

「今度の」

「今度の?」

「日曜日」

「日曜日?」

「どうする・・・の?」

「日曜日・・・どうする・・・」

「ね?」

「ああ」

「うん」

「そういうことね」

「そう♡」

「無理!」

「えっ?ええー!」

「なんでニコるんが、そんなに驚くの?」

「だって、だってだって」

「どうしたの?」

「だって、大事なお返事の日でしょ?」

「お返事?ああ、そういうことか」

「そうでしょ?」

「あれは、多分ダメだと思う」

「そうだったの?」

「多分ね」

「ごめんね。嫌なこと聞いちゃって」

「別にいいよ。また来月がんばるし」

「えっ?来月もあるの?」

「来月にまたあるの。マンガの賞に投稿するタイミング。うまい具合に続くの」

「あっ、な、なるほど。そういうことね。それはそれでがんばってね。応援してる」

「ありがとう、ニコるん。ところで」

「な、なに?」

「男子校の話なんだけど」

「ああ~、それは忘れて!何かの勘違いだから!多分、見間違えたの」

「待ち合わせに、一緒に来てくれる?」

「もう!お一人でどうぞ!」

「ゴメンゴメン♡」

 

 

ー ツンツン その2 ー

 

ツンツン♡

「なに?ランラン」

「ねえ、ジュンちゃん?さっきの授業中、背中ツンツンしたでしょ?」

「してないよ」

「ウソ?してたでしょ?」

「勘違いじゃないの?」

「いや、してた!」

「してないって!」

「いや、間違いなくしてた!」

「してない!」

「してたもん!」

「なんなんだよぉー」

「だからぁ♡」

「ちょっと、気持ち悪いんだけど」

「何か相談あるんでしょ?」

「相談?ないよ」

「うそ!あるって!」

「なんで決めつけるんだよ!」

「恥ずかしがらなくてもいいから♡」

「うわっ!やっぱりキモい!」

「キモいってどう言うこと?私のどこがキモいっていうの!」

「じゃあいったい、なんなんだよ?」

「今度の日曜日って、何の日?」

「13日の次の日でしょ?」

「そうそう♡」

「14日」

「もう!そうじゃなくて!」

「なんなんだよー!」

「ほら、あるでしょ?あれが」

「ああ、ホワイトデーのことをいってんの?」

「ピンポーン!正解でーす!」

「それがどうしたんだよ?」

「だからぁ~それでぇ~。お姉ちゃんが相談に乗ってあげるよって♡」

「なんにも相談することなんかないよ」

「ええ~そんなことないでしょ~?ほら、男子校の人とか♡」

「ああ、なんかニコるんがそんなこと言ってたよなぁ」

「えっ、ニコるんって、そんな人がいたの?」

「あっ、違った。絢香ちゃんだったかなぁ」

「ええー?絢香ちゃんも?」

「わかんないけど、そんなこと聞いたような」

「そうなんだ。そうだったんだ。ワタシって何してたんだろう」

「なんでランランが落ち込んでるんだよ?」

「なんかさぁ、ここ最近、チョコレート売場に行きづらかったんだよねぇ」

「だから?」

「オ・ス・ソ・ワ・ケ♡」

「知るかぁー!」

 

 

ー みかりんの京都探訪 ー

 

「緊急企画!みかりんの京都探訪!イエーイ!」

「あっ、そういう感じなんですね」

「イエーイ!イエーイ!」

「フフフフ」

「みなさーん!いかがお過ごしですか?今日から始まりました、みかりんの京都探訪。司会進行役をつとめます、みかりんこと、神木みかみでーす!」

「パチパチパチパチ」

「今回はなんと!初回にして緊急企画なんですよー。それはですね。この方をゲストにお招きしたからです!」

「佐藤麗華です。よろしくお願いします」

「イエーイ!麗華ちゃんでーす!」

「今日はお招き頂き、ありがとうございます」

「麗華ちゃん、お久しぶりです!」

「えっと、そうですね。二週間ぶりでしょうか?」

「二週間も会ってなかったん?なんかもう、ずっと会ってなかったみたいやね」

「それは、うれしいやら、なんとやらで」

「何それ?」

「いや、別に気にしないで。進行進めてください」

「そうやった。麗華ちゃん、お久しぶりやね」

「えっ、もう一度やり直すの?」

「ふふふふ。さすがリーダーやね。しっかりしてはる」

「元ですけど」

「ああ、そうやった」

「こんな感じでいくの?」

「わかってますよ。オープニングトークはここまでやの」

「なるほど」

「麗華ちゃんとは、いつか一緒に旅行してみたかってん。またいつ会えるかわからんし」

「ええー、そうなんですか?そんなこと言ってもらえるなんてうれしいです」

「だから今日は麗華ちゃんと、京都の街を歩いてみようと思ってます」

「それは楽しみです」

「ところで、麗華ちゃんは、何が好き?」

「いきなりですか?どういったジャンルとか、何かないんですか?」

「うーん、やっぱりここは京都やし、和菓子なんてどうどすか?」

「あっ、出ましたね、京都弁」

「ふふふふ」

「嬉しそうですね」

「そうやねん。でも普段は、こんな“どすか?“なんて言わへんよ」

「そうでした?言ってるようなイメージでしたけど」

「そんなことより」

「ああ、はいはい」

「こちらのお団子屋さんに入ってみたいと思います」

「いきなり!」

「このお店はかなり古い佇まいですね」

「ほんと、そうですね」

「何食べる?」

「いや、だから、いきなりすぎませんか?もうちょっと、レポートとかしないと」

「何聞く?」

「だから、ご主人は何代目ですか?とか、創業何年ですか?とか。よくあるじゃないですか、こういう時の質問て」

「ご主人は何代目なんですか?」

「そのまま!」

「創業何年ですか?」

「やっぱりそのまま!」

「だってうち、こんなん初めてやもん。麗華ちゃんみたいにでけへんどす!」

「すみませーん、みたらし団子くださーい!」

 

 

 

ー トリオ漫才 その2 ー

 

「ねえねえ、あかねちゃん?」

「なんですか、神木さん」

「豆知識、教えてあげよか?」

「豆知識ですか。まあいいですよ。どうぞ」

「枝豆ってな、大豆やねんでぇ」

「ええ、そうですね」

「違うねん!」

「何が違うんですか?合ってると思いますよ」

「もう、そうやないねん!」

「どういうことですか?」

「そこは、豆知識やのうて、豆の知識やって、突っ込んでほしいところやねん」

「ああ、なるほど。いわゆる、関西のノリというやつですね」

「まあ、そうともいうかなぁ」

「はいはい。わかりました、わかりましたよ」

「河野さん、突然どうしたんですか?また、私にはわからないものが出たということですか?」

「違うんよ、あかねっち。この人はね、ひとの作ったネタを、まるで自分がおもろいネタでも思いついたかのように話したかったと。そういうことなんよ」

「みやこちゃ~ん!もう、バラしたらあか~ん!」

「どういうことですか?」

「あずまんが大王ってマンガがあってな、自分と同じような関西の女の子が出てきて、同じクラスの子に同じことを言う場面があるわけ。それをこのお人は、いけしゃあしゃあとのたまったということですわ」

「あゆむちゃんていう子やねん」

「好きなんですか、その登場人物?」

「かわいい」

「やっぱり」

「面白いのですか、そのマンガ?」

「あかねっち、マンガ読むの?」

「そうですねぇ。滅多に読まないですけど」

「ちよちゃんて子も出てくるねん」

「面白いのですか?」

「かわいい」

「あんたの尺度はそれしかないんかい!」

「だって、かわいいもん」

「いや、あのね、みかりん?そういうギャグまんがは、おもろいとこが特徴でしょ?」

「面白いよ、もちろん」

「そりゃそうでしょー」

「でもかわいい」

「そんなにかわいいキャラクターなんですか?」

「あのね、あかねっち。そのちよちゃんていう娘は、ほんとは小学生だったわけなんやけど、飛び級で高校に入学してきた、かなり勉強のできる娘なんよ」

「それは凄いですね」

「最初は珍しがられたんやけど、段々とクラスのひとたちと合わなくなってきて、ちょっとさみしい思いをするねんな」

「お気の毒です」

「そんなときに親しくなったのが、さっきの関西の娘なわけ」

「それはよかったですね」

「おバカコンビの誕生というわけやな」

「おバカやないもん!」

「おバカやないの。その関西弁しゃべる娘な、大阪出身やから、みんなから“おおさかさん“て呼ばれんねん」

「安直ですねぇ」

「そう、そうやねん。安直やねん。しかも、どこのクラスにもおるやろ?オッチョコチョイなやつが。そいつから〈大阪の人って、お好み焼きでごはん食べるってホント?〉って聞かれとんねん。完全にバカにしてるやろ?」

「食べるんですか、大阪の人って?」

「いや、あかねっち、そこやないねん。今ゆうてるのは」

「初めて知りました」

「そうやんなあー」

「出た!」

「またですか?」

「みかりん!あんただって食べるやろ?お好み焼きとごはん!」

「うちは京都やし」

「ほら出た!」

「そんなにちょくちょく出るもんなんですか?」

「安もんのカッパとちゃうねん!」

「あかねちゃん、カッパやて」

「はいはい、おもろいおもろい!」

「やはりこの場合、私がカッパということなんですね」

「何言うてんの、あかねっち?そんなん素直に受け止めたらあかん!」

「でもちょっと気になるのですが、先程のちよちゃん、ですか?心配です」

「何が心配なん?」

「会話が合わないっていうのは、その後の学生生活も無事過ごすことができるのか、それが心配です」

「そこは大丈夫やねん」

「どうしてですか?」

「さっきもゆうた通り、おバカコンビのもうひとりが大活躍するから」

「なあなあ、あかねちゃん?」

「ほら来たで!」

「なんですか?」

「ブルース・リーっておるやろ?」

「ええ。あのカンフーの達人ですよね?」

「そうそう。ほんで、ジャッキー・チェンていうひともおるやんか?」

「その方も香港のスターですよね?」

「そうそう。同じカンフー仲間、っていうか、兄弟って言ったらいいのかなぁ」

「えっ、兄弟だったんですか?」

「まあ、そのへんは置いといて♡」

「置いておくんですね」

「うん、ありがとう」

「どういたしまして」

「そうすると、ジャッキー・チェンて、ブルー・ファイブあたりになる?」

「えっと、どういうことをおっしゃってるのか、私にはわからないのですが」

「はいはい。また出たってわけやね」

「河野さんには分かるんですか?」

「違うのよ、あかねっち?これもまた、パクりなんよ」

「みやこちゃん、すぐゆう~~」

「パクりって、盗用したと?」

「端的に言えばそういうことやね」

「でもそもそも、神木さんが何を言っているのかがわからないのですが」

「えっ、あかねっち、そこ?」

「そこ、というのか、どこなのか」

「あのね、この人が言いたかったのは、ブルース・リーをブルー・スリーとしておいて、その上で、それじゃあジャッキー・チェンは、何番目ですか?っていうボケをしてみた、ということやの」

「みやこちゃん、そんなん説明したら、おもしろさ半減するやん!」

「しょうがないやろ!おもしろさってゆうてるけど、そもそもパクってるやんか!」

「でも、神木さんは発想が豊かというか、ユニークというか」

「えっ、何ゆうてんの?あかねっち?わたしのツッコミがあればこそのおもしろさでしょ?」

「そうですか?」

「そりゃそうでしょうよ!」

「河野さんは、どちらかと言えば、神木さんの解説というか」

「あかねっち、あんたの頭の良さは、やっぱりちょっとちゃうなぁ」

「どういうことですか?」

「あかねっちは気づいてないと思うけど、まさにツッコミとはそういうことやねん」

「はあ」

「あんな、ボケがほんとにボケてるだけやと、ただの変な人やねん。それをつっこんでみせる。つまり、どこが変なんかを指摘してみせるわけよ。それがまさにツッコミの極意なんよ」

「なるほど」

「何がおもしろいのかを、まあいわば、解説してみせたということやな」

「ほう」

「あかねっちは、その極意といえるところを、ちゃんとわかってた、と言うべきやな」

「つまり、私は知らぬ間に河野さんを誉めていたと」

「イヤなんかーい!」

「ふふふふ」

「神木さん、今度は何ですか?」

「あかねちゃん、変な人やて」

「はいはい、そうそう!」

「そうなんですか?」

「そうなんです。私がヘンなおじさんでーす!」

「だっふんだぁって、ゆうてる場合かっ!」

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