両面宿儺成り代わり   作:五月雨@ノン

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彼は両面宿儺に成りきれない

気が付くと俺は森の中にいた

 

 

「ん?何処ここ?」

 

俺は周りを見渡す

 

透き通る川、生い茂る木々、地面に咲く花

 

俺が住んでいる東京じゃ見られない程自然豊かな場所だった

 

 

「空気が美味しいな....って違う!本当に何処だよここ!?」

 

俺は思わず頭を抱える

 

すると四つの手が俺の頭を抱える

 

「ん?」

 

(四つの手?四つの手!?)

 

ダラダラと嫌な汗が流れる

 

(まさかな、そんな訳ないよな....)

 

 

俺は近くにある川の水面でで自分の顔を確認する

 

 

映ったのは幼くも整った顔、そして四つの腕と四つの目

 

 

そう、その姿は呪術廻戦のキャラである

 

 

“呪いの王両面宿儺”

 

 

「ハハ、嘘だろ.....?」

 

俺は自分の頬をつねる

 

 

(痛い.....ということは...)

 

 

「そんな嘘だと誰か言ってくれ!!何で俺が、俺が....

 

 

 

 

 

両面宿儺に成ってるのぉ!?」

 

 

 

思いきっり叫んだら空に飛んでいた鳥達が

気絶して落ちてきました

 

 

えぇ...(困惑

 

 

 

 

 

 

 

 

皆様おはようございます

 

両面宿儺に成り代わった元一般学生だよ!

 

あれから時間が経ち、現在俺は山に住んでいた老夫婦に拾われた

 

なんともその老夫婦は子供に恵まれなかったらしく、森にいた俺を家族として受け入れてくれた

 

 

「おい、早く飯を出さぬか(お腹空いた、ご飯まだ?)」

「ふふ、分かったよ」

 

ちなみに俺の言った言葉は全て宿儺語(?)に変換されることが最近分かった

 

俺の言葉は全て宿儺語(?)に変換される為俺はとてもふてぶてしい子供だろう

 

 

だから俺は一度爺さんと婆さんに尋ねた

 

“何故俺を受け入れる?”と

 

すると爺さんと婆さんは顔を見合わせくすりと笑った

 

「あたりめぇだ、お前は儂らの家族だ。例えお前が普通じゃなくてもな!」

「えぇ、そうよ貴方は私達の家族だからよ」

 

そう言って俺に笑いかけてくれた

 

その目には確かに俺に対する愛が感じることができた

 

それから俺と爺さんと婆さんは本当の家族になったんだと思う

 

「今日は鹿肉か」

「えぇ、そうよ宿儺のおかげ鹿が捕れたからねぇ」

「ありがとな宿儺!」

「ふん、興が乗っただけだ」

 

 

婆さんの作ったご飯は美味しい、特別なことは何もしてないけれど暖かい家庭の味がするから

 

宿儺に成ってから俺は孤独だった

 

けど、この人達が俺を拾ってくれた、愛してくれた

 

俺は幸せだ

 

俺はこのまま幸せな時を過ごせると思っていた

 

 

あの時までは

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は山で兎を捕っていた

 

 

(中々の大物だ爺さん達喜ぶだろうな...!)

 

 

俺の口角は自然と上がっていた

 

 

(さて、そろそろ戻るとするか)

 

俺が家に戻ろうとしたその時

 

 

「キャァァァァ!」

「やめろ!婆さんを離せ!」

 

婆さんの悲鳴、爺さんの怒声が聞こえた

 

気がつけば俺は走っていた

 

(早く着け!早く着け!)

 

 

走る

 

 

走る

 

 

 

目の前から熊が襲ってくる

 

 

「邪魔を、するなぁ!!!」

 

 

呪力で強化した拳で熊を吹き飛ばす

 

 

家までもう少しの所でパチパチと焼ける音が聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達の家が燃えていた

 

 

爺さん達との思い出が詰まった家が炎に包まれていた

 

 

俺は今まで以上に走る

 

家の前まで着いた

 

 

俺は家の戸を開ける

 

その瞬間あまり鉄臭さに一瞬鼻を覆うが次の瞬間俺は目を見開いた

 

 

家は所々に血がベッタリと付着し、床には血だらけの爺さんと婆さんがいた

 

「おい!大丈夫か!!」

 

俺は爺さんと婆さん達に駆け寄る

 

二人とも血を流しすぎたのか顔は青白く、誰がどう見ても後数分の命だということは明白であった

 

「しっかりしろ!」

 

俺の声に気付いたのか爺さんと婆さんが目を開ける

 

「帰って、きたのか宿儺....」

「ごめん、ねぇ。着物汚し、ちゃったわ...」

「着物などどうでも良い!今はお前達の体だ!今から治療する、黙っていろ!」

 

 

俺は懐にある包帯で二人の傷口を塞ごうと思ったが手で制される

 

「もう、いいの宿儺....」

「何も良くない!!」

 

「宿儺!」

 

爺さんの声で俺は動きを止める

 

「止め、なさい。儂達はもうす、ぐ死ぬ......

これは、もう覆すこ、とはできない...」

「........」

 

俺は黙り込む

 

そんなことはとっく気が付いていたから

 

もう助からないなんてことは

 

それが悔しくて俺は自分の手を血が出るほど強く握りしめる

 

俺の手を婆さんの手が包み込む

 

「宿儺、話をしよう」

「....分かった」

 

俺は爺さんと婆さんに更に近づく

 

「本当はね、宿儺を始め、て見た時驚、いたの私達....」

「そうか...」

 

当然のことだろう俺には四本の腕と四つの目があるのだから

 

「けど、怖いとは思わ、なかった」

「何故だ?」

「貴方が寂しいそうだったから」

「!!」

「爺さんも私と同じ、らしくてねぇ、貴方を養子に入れ、ることにした、の」

「そう、か」

 

婆さんが俺の頬を撫でる

 

「宿儺、私達の可愛い子....貴方に、は沢山の思い出を貰った」

「そう、だ。儂らはお前に感謝、しとる」

「それを言うなら礼を言うのはこちらだ!!

お前達には掛け替えのない思い出を貰った沢山の愛を貰った!!今度は俺が、俺がお前達に返す番だ!だから死ぬな!!」

 

 

婆さんが俺の瞼を撫でる

 

 

「「私達、の宿儺私、達は貴方をずっと

 

 

 

 

 

       ーーーーーー愛している」」

 

 

そんな呪いの愛の言葉を言い残して、二人とも同時に息絶えた

 

どちらも穏やかな顔だ

 

死んだ原因は俺なのに、何故そんな顔で死ねるのか

 

これなら罵倒され、殴られた方が良かった

 

バチバチと家が燃えていく

 

(危ないから家から出よう)

 

俺は外へと出た

 

爺さん達の死体は家の中にあるままだ

 

俺は二人の死体を家の中へと置いていくことにした

 

二人の死体を残していくと俺自身が二人を呪いそうだったから

 

俺は外へと出る

 

どれほど悲しんでも涙は出てはこなかった

 

こんな時ほど実感する

 

自分が普通ではないことを

 

俺はふらふらと森の中を歩いていく

 

するとガチャガチャと金属が擦り合う音がこちらへと近づいてくる

 

(この足音...六、いや七人か)

 

やがてその姿を現した

 

どうやら武装した兵士の様だ

 

「貴様がこの森に住まう化け物か!我々は貴様を討伐するように命じられた者だ!貴様にはここで死んでもらうぞ化け物!!」

 

(俺を殺す為、か....)

 

当然だろう、腕と目が四つあるそんな者を放っておく訳がない

 

「その前に一つ聞こう、近くにあった老夫婦を殺したのはお前達か?」

 

俺はほぼ確信していた

 

こいつらが爺さん達を殺したことは、けど聞かずにはあられなかった

 

 

 

「あぁ、そうだとも!奴等はお前のことを家族だとほざいていた。だから我々が殺し、家を燃やし救ってやったのだ。感謝してほしいものだな!」

「奴等は気が狂っていた、なんせこんな化け物を“息子”と呼ぶんだからなぁ!!」

 

そう言うと兵士達はゲラゲラと笑い出した

 

あぁ、イライラする

 

腸が煮えだぎるようだ

 

 

「もういい、死ね」

 

 

そこからは圧倒的だった

 

仮にも両面宿儺の体である俺が武装したただの兵士に負ける訳もなく、全員なすすべもなく俺によって殺された

 

爺さんと婆さんを殺した者達を俺は殺した

 

 

けれど俺は虚しく感じた

 

(どうして俺はこんなにも虚しいんだ?)

 

虚しさが俺の心を支配する

 

けれど俺は考えなくてはいけないこれからどう過ごすのか

 

(俺の顔は知られていないなら....)

 

「この腕と目をどうにかしなければな」

 

俺は自分の腕と目をどうするかを考え始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数年後、俺は呪術師として過ごしていた

 

俺の腕と目は仕舞うことが可能になった

 

その分、呪力や身体能力は下がったが呪術師をするのには全く問題はなかった

 

なんせ体は両面宿儺なのだ

 

呪力も身体能力も普通の呪術師とは格が違うのだ

 

そんな訳で俺は有名な呪術師として名を馳せ、都では俺を知らぬ者はいないと言われている程だ

 

俺には一級から特級の呪霊の討伐任務がほとんどだ

 

俺はある村に向かっていた

 

どうやらそこには化け狐が出没するという情報があり、俺がその討伐に向かっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が村に到着したが、一足遅かった様で村は火に包まれていた

 

そこら中に死体が転がっており、生き残った村人は村から少しでも離れようと必死に逃げていた

 

その時、村の奥から禍々しい呪力を感じた

 

(この呪力の持ち主の元へ向かうか)

 

 

俺は村の奥へと進んでいく

 

 

奥へと進む度に死体は増えている

 

中にはもう人と判断するのも難しい程ぐちゃぐちゃになっている死体もあった

 

(これは酷い....)

 

「......!」

「......?........」

「.......」

 

声が聞こえた

 

俺は声がする方向へと向かう

 

 

「しかし、愉快よのう....あやつらの死に際のあの顔.....」

「あれは傑作だった!なぁ?」

「そうに違いない」

 

そこには狐を尾を生やした人が三人がいた

 

いや、人とは言えない恐らく呪霊

 

そして、狐の尾が生えているということは

 

「堕ちた神か....」

 

声が聞こえたのか、三人同時にこちらへと目を向ける

 

「人間、今何と言った....?」

「堕ちた神だと言った」

 

そう答えると三人の地雷を踏んだらしく、

牙を剥き出しに吠える

 

「我等は堕ちた神などではない!正真正銘の神だ!!」

「我等は信仰を忘れた人間を復讐しに来たのだ!」

「そうだとも!愚かなる人間に思い知らせてやるのだ!!信仰を忘れた人間がどうなるのかを、我等の怒りがどれ程深いものなのかをなぁ!!」

 

 

(なるほどな、信仰を失った神が呪霊となり

人間を襲っている訳だな。この様子じゃ戦闘は免れないな、ならここは....)

 

 

「ハッ!信仰を失って堕ちた神風情がよく口が回るなぁ?」

『黙れ』

「所詮貴様らなど塵芥同然....信仰を失うのも当然だ...」

『黙れ...!』

「信仰がないと存在できない寄生虫の様な貴様らにはお似合いだなぁ」

『黙れ!黙れ!黙れェェェェェ!!!』

 

 

三人が同時に襲ってくる

 

 

(この呪力量...堕ちた神と言えど、少なくとも一級以上は確定だな....)

 

三人同時に相手にしながらそう考える

 

「クソッ、人間の癖に....!」

「我等三人を相手に余裕でいられるとは....」

「その強さ、お前本当に人間か?」

 

 

三人がかりでも俺には勝てない

 

相手もそのことを薄々理解しているのかその顔を歪めている

 

「どうした?人間に復讐するのではないのか?このままでは俺には勝てんぞ??

ほぉら、頑張れ、頑張れ」

 

三人の内二人の額から青筋が浮かぶ

 

「貴様ッ!」

「言わせておけば....!」

 

「落ち着け....」

 

一人がそう言うと二人はまるで人が変わったかの様に落ち着いた

 

(あいつがリーダー格か)

 

「癪だが、確かにこのままではお前に勝つことは出来ないだろう」

「ならばどうするのだ?このまま無様に死ぬか?」

 

「いや、このまま無様に死ぬつもりなど微塵もない...」

「ほう、何をする気だ?」

「一つ言っておこう。我々は異なる神ではなく、元々は同じ神だ....」

「!それをやらせるとでも?」

「もう遅い、準備はもう整っている」

 

そう言うと三人から光が放たれる

 

 

(あぁ、くそ!面倒なことになった!あいつらは同じ神が三つに別れたものだった、ということは元に戻ることも不可能な訳ではない....!)

 

 

光が止み、その姿を現す

 

 

その姿は呪霊の筈なのに神聖さを感じ、神であることが分かるだろう

 

だが呪力は先程までとは比べならない程の量になり、禍々しいものへと変わった

 

“矛盾”正にこの言葉が適当だ

 

「これが我等、いや我の本当の姿だ...」

「先程よりはマシになったか」

「その減らず口、いつまで続くかな!」

 

こちらへと突っ込んで来る

 

(比べ物にならない程速くなっているが....)

 

「それでは俺には届かん!」

 

 

殴る、殴る、殴る、蹴る、殴る....

 

 

(コイツには勝てるには勝てるが、このままでは軽くはない痛手を負うな....)

 

「狐火!」

 

青い炎がこちらへと迫ってくる

 

 

「捌」

 

斬撃が炎を切り裂く

 

「な!?そんな馬鹿な!?」

 

(炎を斬撃で防がれ驚いている様だが....)

 

「そんな隙、見せてもよいのか?」

 

呪霊の懐へ潜り、鳩尾へと一撃を入れる

 

「ガァッ!」

 

呪霊の口から少なくない血が吐き出され、

地面にポツリポツリと血が落ち、赤い斑点模様ができる

 

 

「グッ....これでもまだ勝てないか...」

「当然だろう....貴様ごときでは俺には勝てないと言っているだろう?」

 

そう言うと呪霊は怒る訳でもなく、小さく笑みを浮かべていた

 

 

「あぁ、認めよう。我ではお前には勝つことはできない」

「これは驚いた、案外潔いな」

 

「だが....」

「ほう....まだ立つか」

 

足はプルプルと震えている

 

体は血が出ていない所を探すのが困難な程傷を負っている

 

どう見ても満身創痍だ

 

(だが....)

 

 

呪霊の顔は今までとは違う、覚悟の決まった顔になっていた

 

「だが、我は負ける訳にはいかんのだ!」

 

 

 

“領域展開 神狐神殿(しんこしんでん)

 

 

神聖さが漂う神殿が現れる

 

辺り夕暮れとなり、俺の周りには無数の狐が出現する

 

 

「この土壇場で成功させるか!」

 

俺の口角は少し上がっていた

 

狐は一匹、一匹が一級以上の呪力を持っている

 

 

(あの呪霊の眷属か....)

 

 

「行け!我が眷属よ!!」

 

無数の狐達が襲い掛かってくる

 

 

この数の前では流石の俺でもただでは済まないだろう

 

 

しかもこの領域は見た限り狐達は増え続ける物だ

 

 

幾ら俺が強くても限界はあるのだ

 

このままでは俺は負けるだろう

 

 

だが.....

 

 

 

 

「言っただろう?俺には勝てないと」

 

 

“領域展開 伏魔御厨子(ふくまみずし)

 

その瞬間世界が黒に塗り潰される

 

 

神聖な神殿は消え、代わりに現れたの禍々しい空気が渦巻く神殿らしきもの

 

地面は血のような赤黒い水へと替わる

 

呪霊の動きが固まる

 

(何かに驚いている....?まぁ、どうでも良いか。どうせ殺すのだから)

 

呪霊が口を開く

 

 

「よもや...貴様本当に人間ではなー」

 

ズルッ

 

それは最後まで言われることは無かった

 

呪霊の姿が消えていくのを確認し、俺は領域を解除する

 

 

「討伐完了だな」

 

俺が一息つく

 

するとこちらへと走ってくる影が見えた

 

「こっちだ!」

 

どうやら呪術師達が村人の騒ぎを聞きつけ増援に来たらしい

 

 

「増援に来た者だ!呪霊はどこ....ヒッ」

 

 

呪術師達が俺の姿を見て固まる

 

 

(どうしたんだ....?)

 

 

一人の呪術師が前に出てくる

 

「宿儺殿...その姿は...」

 

(まさか.....)

 

俺は自分の腕を見る

 

そこには四本の腕があった

 

どうやら俺は仕舞っていた腕と目が出てしまっていたらしい

 

その原因は先程の戦闘だ

 

思いの外強敵だったのだろう

 

無意識に腕と目を出してしまったらしい

 

 

(あぁ、やらかした)

 

 

呪術師達が次々と口を開く

 

「私達を騙していたのか!?」「この裏切り者!!」「化け物が人の真似事など腹立たしいわ!!」「貴様は呪術師などではない!!」

「死ね!この化け物!!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「化け物」「死んでしまえ」「消えろ」

 

出てくるのは罵詈雑言

 

当然だろう

 

仲間だと思っていたのが化け物だったのだから

 

 

呪術師達が術式を次々と展開し、攻撃を仕掛けてくる

 

 

(受け入れられる訳ないか...)

 

 

俺は攻撃を全ていなしその場から離脱する

 

 

(もう都には戻れないだろう、俺は呪詛師として討伐命令がもうすぐ出されるだろう...)

 

 

「あぁ、儘ならないものだな」

 

 

俺は取り敢えずこの場から離れた

 

 

 

 

 

 

あれから俺は様々な場所へ行き、沢山の人と出会った

 

 

ある時は山で熊に襲われていた娘を助けた

 

お礼に何かしたいと言われた為、俺はその娘の家で泊まることした

 

両親が病死したがそれでもめげずに頑張っていた

 

将来は婚約をするのが夢だと語っていた

 

 

刀で斬られ、死んだ

 

 

 

 

ある時は呪いの被害に遭っていた村を助けた

 

村の人達は俺を讃え、俺を受け入れた

 

俺が住んでいた家には小さい子供達がよく遊びにきた

 

 

村に火が放たれ、全員焼け死んだ

 

 

 

 

ある時は親に捨てられたある子供を助けた

 

その子供はまるで俺を親の様に慕った

 

将来は俺のお嫁さんになると顔を少し赤くさせながら嬉しそうに笑っていた

 

毒を盛られ死んだ

 

 

 

 

ある時は村人に牢に閉じ込められ、殴られていた双子を保護した

 

俺のことをまるで神の様に崇めた

 

 

矢で心臓を突かれ死んだ

 

 

 

 

ある時は家ごと呪われていた貴族の家を助けた

 

その貴族からは感謝され、その貴族の娘が俺に付いてくるようになった

 

娘は俺を慕い、一生付いていくと嬉しそうに笑っていた

 

 

呪いによって衰弱して死んだ

 

 

 

 

死んだ、死んだ、全員死んだ

 

俺のせいで、皆死んだ

 

 

 

 

死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死

死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死

 

 

 

プツリと何かが切れる音がした

 

 

 

呪術師達によって大切な者が目の前で殺されたにも関わらず、俺は声をあげて笑う

 

「ケヒッ、ヒヒヒ、ハハハハハハハハハ!」

 

笑い声がまるで自分のものでは無いような感覚に陥った

 

だがどうでも良い

 

「鏖殺だ!」

 

 

呪術師達を次々と殺していく

 

術式を展開させようが関係ない

 

ただ、一方的に蹂躙するだけだ

 

頚を刎ねる、心臓を抉り出す、胴体を切り落とす.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付けば辺りは死体の山だった

 

地面は赤く染まり、内臓などが地面に無惨に散らばっている

 

赤く染まった地面を見て、大切な者達の死んだ姿が次々とフラッシュバックしていく

 

 

 

呼吸が荒くなり、上手く息を吸うことができなくなる

 

視界が黒に染まる

 

手が震える

 

心臓が締め付けられている様な気がした

 

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい

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涙が流れ、頬を濡らす

 

嗚咽が口から出る

 

 

色々な感情が混ざり合い、胸が苦しくなる

 

 

本当の両面宿儺ならこんな感情は抱かない

 

 

なら何で俺はこんなに胸が苦しいんだ?

 

 

 

彼は両面宿儺に成りきれない

 

 

じゃあ、俺は一体誰なんだ?

 

 

 

次はどの話を見たい?

  • 吉原順平との出会い、真人との戦い
  • 京都姉妹交流会
  • 壊相、血塗との戦い
  • 渋谷事変
  • 宿儺の過去(ほのぼの)
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