(ノ・ω・)ノ⌒(最新話)
「オォォオ゙オ゙オ゙!」
トンネルが完全に崩落し、中から禍々しい呪力を放つ異形が姿を現した
「な、何なのよコイツ!?」
釘崎は突然目の前に現れた異形に驚き、目を大きく見開いた
「な、何ですか!あの禍々しい呪霊は!?」
それは敵である壊相も同じようで、全く予想だにしていなかった呪霊の登場に動揺を隠せずにいた
(あの呪霊...やっぱり夢で見た奴と同じだ。どうしてこんな所に....)
虎杖は呪霊から目は離さずも、思考に浸るが一向に答えが浮かび出てくることはない
「ッーーー!」
声にならない叫びと共に呪霊は背から生えた無数の黒い手を此方へと伸ばしてくる
「ッ、避けろ!」
虎杖は咄嗟に後ろにいる釘崎や壊相に向けて、叫ぶようにそう言った
「分かっ、てるわよ!」
「血塗!」
釘崎はバックステップをし、黒い手から逃れることに成功するが壊相は血塗を置いて避ける為にはいかず、負傷覚悟で身を呈して血塗を守る
「翅王ッ!」
無数の黒い手を壊相は翅王で迎え撃つ
「ッ!」
(数が多すぎる...!)
やがて、壊相の迎撃を掻い潜り一本の手が壊相の左腕をガッシリと掴んだ。
その瞬間、壊相の体から黒い炎が上がった
「ガッ、ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!」
壊相は痛みから悲痛な叫び声を上げ、地面にゴロゴロとのたうち回る。しかし、炎を一向に消えずそれどころか勢いを増していく
「あ、にじゃ?」
壊相の叫び声で気を失っていた血塗が目を覚ます。だが、目を開けた瞬間そこには黒い炎に身を焦がす壊相に気が付き手を伸ばす
「兄者ッ!」
「触っちゃダメだ!!」
虎杖が血塗を静止させようとするも、血塗は壊相の体に触れてしまう。
壊相の触れた瞬間に壊相に触れた右手が燃え移るが、直ぐに炎は鎮火する
「嘘ッ、どうしてアイツの火は直ぐ消えたの!?」
「ん?」
虎杖は既視感を感じた。壊相の炎は何故消えないのか、そして血塗の炎はどうして直ぐに消えたのか。
炎の中から壊相の呪力を感じ取った時、虎杖は炎の正体を察した
『ナハッ』
(あの木の野郎の種と同じだ!)
「呪力だ!呪力を喰ってソイツは燃え続けてんだ!呪力を抑えるんだ!!」
「兄者ッ、呪力を抑えてくれ!!」
フッと壊相の呪力が最小限まで抑えられる。
すると、炎は勢いを弱めてやがて完全に鎮火する
だが、壊相の体は全身を焼かれ戦闘不能に陥っていた
そんな壊相にトドメを刺すように無数の手が壊相、及び血塗へと迫る。
壊相は戦闘不能、血塗は戦えはまだするが全ての攻撃を迎え撃つにはあまりにも呪力が少なすぎた
詰み。正しくこの状況を指す言葉だった
だが、それはここに
「オッ、ラァ!」
虎杖が血塗達の前に立ち塞がり相手の攻撃を手には触れないように次々といなしていく。
敵の攻撃が一瞬止まったの瞬間に、血塗と壊相を担いて射程範囲外へと回避する
「な、なんで」
「分かんねぇ!けど、お前たちは悪い奴じゃないってそう思った!!だから、助けた!」
「そ、そんな理由で....?」
普通ならば敵である血塗、壊相を態々助ける必要なんてないだろう。
けれど虎杖は戦いの所々で見れる二人の互いを慈しむ兄弟愛がとても人間らしく、そして美しく見えた、そんな奴等が本当に悪い奴だとは虎杖は思うことが出来なかった。
それに虎杖自身はどこかこの二人のことを赤の他人だと
感じることが出来なく、どこか繋がりがあると漠然とした確信があった
「ほら、ここなら安全だ」
虎杖は担いでいた二人を地面へと慎重に下ろした後に、直ぐ様に釘崎の元へと戻らんと森へと走った
「おい!」
血塗が力の限り声を上げる
「死ぬなよ!」
「応!」
虎杖は口元の口角を上げながら、釘崎の元へと走り抜けていく。段々と聞こえてくる破壊音と衝撃、そして杉崎の激昂したような声に更にスピードを上げる
「釘崎!」
「遅い!!」
釘崎は呪霊に応戦しながら虎杖に怒りの声を上げる
「ごめん!」
虎杖は謝罪し、釘崎と共に応戦する
「さっきからちまちまと攻撃しやがって、男ならタイマン張りなさいよ!」
「いや、まず男か分からないだろあれ.....」
二人は余裕そうに話をしているが、どちらもこのままでは自分達がやられてしまうということを理解していた
故に、二人は攻勢へと出る
「虎杖!」
「分かってる!」
この呪霊の大量の手に掴まれることなく、この場で本体に攻撃することが出来るのは呪力は乏しいが身体能力が優れている虎杖のみだった。
どちらもそれを理解し、釘崎は虎杖の援護へと回る
「あたしが援護する、アンタはあの陰湿野郎に一発ブチ込んで来なさい!」
「りょーかい!」
虎杖が呪霊へと駆けてゆく。
そんな虎杖を掴まんと無数の黒い手が虎杖へと殺到するがそれを最低限の動きでスルスルと躱していくが中心部へと近付くにつれて手の量が増えていく
(量が多い...囲まれる前に、一気に抜ける!)
虎杖が一気に駆け抜けようと足を踏み込む
ガシリと足を掴まれる
「しまっ」
虎杖は何とか動かそうとするがとするが手は力強く虎杖を掴んでいるため全く動かない。
そうしている間に虎杖の周りをグルリと手が囲んでおり、虎杖を呑み込まんとばかりに殺到する
(ヤバい!)
虎杖の呪力量が少ないのも相まって敵の炎で死ぬことはないだろうが戦闘不能に陥る程の火傷を負うこととなることは容易に想像することが出来る
(クソッ!)
虎杖の体が呑み込まれる――――――
「共、鳴り!!」
パァンと虎杖を囲んでいた無数の手が風船が割れるように弾けた
「行け!!」
「ナイスアシスト!!」
虎杖は本体へと猛スピードで駆ける。
釘崎の共鳴りによって呪霊から生えていた無数の手は全て弾け飛んでおり、本体を守るものは何一つなかった
絶好のチャンス
虎杖は渾身の力、そして呪力を拳に纏わせる
「ォヴァア゙ア゙ア゙ア゙!!」
呪霊がこっちに来るなと言わんばかりに雄叫びを上げるが、虎杖の足は止まることはない
「オッ、ラァ!!」
虎杖の渾身の一撃が呪霊へと放たれ、グチャりと生々しい肉の感触と共にパキンと呪霊の核を貫いた
「イギィア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァ」
悲痛な叫びと共に呪霊がバタンと地面へと倒れる
「ふぅ」
虎杖は胸を撫で下ろした
「上出来じゃない」
釘崎が不敵な笑みを浮かべながら虎杖へと近付いてくる
「いや〜、掴まれた時は死ぬかと思った.....サンキュー釘崎!!」
「感謝してるなら今度、私の買い物の荷物持ちになってくれるなら許してあげるわ!」
えぇ、また荷物持ちにされんの...と虎杖は肩をガックリと落とした。
場に和やかな雰囲気が流れる中、釘崎はあることに気が付いた
「その呪霊中々消えないわね」
「え、確かに....普通ならもう消えてるのに」
嫌な予感が走る
「ねぇ.....アンタ、ちゃんと倒したの?」
「あぁ...手応えもあったし、核みたいなもんも貫いた筈だ」
「ならなんで消えな――――
「ォォ゙ォ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ア゙ア゙!」
虎杖に核を貫かれ、倒された筈の呪霊が先程よりもドス黒い呪力を滾らせながら雄叫びを上げる
「ッ!コイツなんで生きてんのよ!」
「俺にも分かんねぇ!!」
倒した筈の呪霊が何事も無かったかのようにまた立ち上がるその姿に二人は混乱する
だが、呪霊は悠長に時を待ってはくれない
呪霊が印を組んだ
「リ゙ョォ゙ォ゙イギィィデゥェンガイ゙ィ゙」
その瞬間、呪霊の領域が展開される
「釘崎!」
「分かってるわよ!」
二人は各々の武器を構え、何が来ても良いように気を引き締める。
一瞬の暗闇の後に、世界は広がった
「なっ、どうして此処が....」
そこにはかつて虎杖が夢で見た、犬鳴村が荒れ狂う炎に包まれている形で姿を現した
(なんで、犬鳴村が....)
「なによ、あれ...」
釘崎の口から漏れた言葉に虎杖は意識を現実へと戻す
「どうし―――
虎杖の言葉は最後まで続くことは無かった
虎杖はゴクリと唾を飲む。あまりの目の前の光景に息をすることも忘れ、ただ呆然と立ち尽くしていた
そこには焼け爛れた人間がいくつも集まり、一つの塊となっている呪霊の姿があった
「イタイ!アツい!みず、ミズゥ!!」
「どうして、どうして、ドウシテェェェ!!」
「アツい、アツい、アツイヨォォォ!!」
「助けて、たすけて、タスケテェェェ!!!」
「苦しい、クルシイ、」
「ナンデ、コロシタノ、ウソツキ、ウソツキィィ!!」
戦いはまだ終わらない
「どう、して、呪霊に」
ズキリと頭が痛んだ、まるで脳の奥から何かを引っ張り出すように。
脳裏に何かが過ぎる
「な、んだ?」
何かを忘れている気がした。だが、思い出そうとする度に脳が割れるような痛みに苛まれた
「俺は、俺は何を、忘れているんだ.....!」
「どう、して、私、達を殺した、の?」
誰かの痛々しい声が脳に響いた
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投稿遅れてごめんなさい!ま、許してくれや()
BADENDルートは
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あり
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なし