両面宿儺成り代わり   作:五月雨@ノン

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※虎杖同化辺りから始まりとなります


虎杖悠仁は垣間見る

俺が封印されてからどれ程経っただろうか

 

俺はただひたすら領域内で自分の呪術、体術を磨き、疲れたら寝るという日々の繰り返しだった

 

(流石にもう飽きたぞ....)

 

何百年と同じことを繰り返すのはかなり苦痛だ

 

(速く原作始まれ....)

 

俺はいらいらしながら横たわっていると俺の指の封印が解かれるのを感じた

 

「!とうとうこの時が来たか!!」

 

俺は骨の玉座から立ち上がる

 

俺の心は歓喜に染まる

 

「千年だ、千年もこの時を待っていた....!」

 

そうだ、この時の為に俺は鍛え続けたのだ

 

「待っていろ、必ず俺は貴様を.....!」

 

俺は興奮のあまり呪力を放出させてしまい、領域内にある骨の山を全て吹き飛ばしてしまう

 

「は、」

 

至る所に骨が散らばる

 

まるでごみ屋敷の様に踏み場が無くなる

 

「.....片付けるか」

 

俺は領域内に散った骨を拾い始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺にもジュリョクがあればいいんだろ」

 

虎杖はそう言い、大きく口を開けては特級呪物である宿儺の指を呑み込もうとする

 

「馬鹿!!やめろ!!」

 

ゴクンと大きな音を立て、虎杖が指を喉に通らせた

 

(特級呪物だぞ!?猛毒だ!!確実に死ぬ!!)

 

「おお゛お゛お゛お゛お゛!」

 

ドドトと呪霊が大きな声を出しながら虎杖の方へと突っ込んでいく

 

(だが万が一、万が一......!)

 

虎杖から強大な呪力を感じた

 

バシュ

 

一級相当の呪霊が一撃で払われる

 

「ケヒッ、ヒヒッ」

 

ゲラゲラゲラゲラと狂ったように笑いだす

 

「あぁ、やはり!光は生で感じるに限るな!!」

 

(最悪だ!最悪の万が一が出た....!特級呪物が受肉しやがった!!)

 

ソイツは服が煩わしかったのかビリビリと破く

 

「この呪霊などどうでもいい!奴等は今どこにいる!!」

 

ソイツが辺りを見渡すが、探していた人物がいなかったらしくソイツは見渡すのを止める

 

 

「鏖殺だ、必ず貴様らをこの手で....」

 

 

その呟きには並々ならぬ感情が詰まっているような気がした

 

俺が呆然とただその様子を見ているとガッとソイツの手が自身の顎を掴む

 

「あ?」

 

どうやらソイツにも予想外だったらしく声を上げていた

 

「人の体で何してんだよ、返せ」

 

虎杖の声がソイツの口から発せられる

 

「やはり、動けるか...」

「?いや俺の体だし」

 

少しの間言い争っていると、段々と禍々しい気配と呪力が消えていく

 

それを機に俺は臨戦態勢へと入り、いつでも式神を呼べるようにする

 

「動くな」

 

俺がそう言うと虎杖?は此方へと振り向く

 

臨戦態勢に入っている俺に疑問を覚えたのか、首をかしげている

 

「オマエはもう人間じゃない」

「はぁ?」

 

虎杖?が声を上げるがそれを無視する

 

「呪術規定に基づき、虎杖悠仁オマエをー

 

 

               

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              呪いとして祓う(ころす)

 

 

そう俺が宣言すると虎杖?が目を見開く

 

当然だろう、いきなり殺害予告をされたのだから

 

「いやなんともねぇーって」

 

被害を加えないという意思の表らしているのか、虎杖?が手を上げる

 

「それより、俺も伏黒もボロボロじゃん。はやく病院行こうぜ」

 

(今喋ってんのが虎杖か呪物かもこっちは分かんねーんだよ!!クソッ!!どうしたらいい!?)

 

俺がそう考えていると

 

「今どういう状況」

 

隣から声がした

 

「なっ」

 

俺はこの声の持ち主を知っている

 

無下限術式と六眼を持ち合わせている呪術界最強の男

 

「五条先生!どうしてここに」

「や」

 

五条悟が立っていた

 

「来る気はなかったんだけどさ、さすがに特級呪物が行方不明となると上が五月蝿くてね、観光がてらに馳せ参じたってわけ」

 

そう言い五条先生はニヤニヤと笑いながら俺の写真を撮影する

 

その姿にイラッとする

 

「で、見つかった?」

「.......」

 

俺は黙り込む

 

「あのー」

 

虎杖?が此方へと近づいてくる

 

「ごめん、俺それ食べちゃった」

 

五条先生が笑顔の姿のまま固まる

 

スッと真顔へと変化する

 

「マジ?」

「マジ」

 

五条先生が虎杖?へと近づき、じっと顔を見始める

 

「ははっ、本当だ混じってるよ」

 

薄ら笑いを浮かべ、ウケると呟く

 

(ウケるどころの話じゃないでしょう...)

 

俺は呆れた目で五条先生を見る

 

「体に異常は?」

「特に....」

「宿儺に代われるかい?」

「スクナ?」

「君が喰った呪いだよ」

「あぁ、うん。多分できるけど」

 

二人が俺をおいて、勝手に話を進める

 

「じゃあ、10秒だ。10秒経ったら戻っておいで」

 

グックッと五条先生が体をほぐし始める

 

「でも....」

 

虎杖が言い淀む

 

「大丈夫、僕最強だから」

 

ニィと五条先生が笑みを浮かべる

 

「恵、これ持ってて」

 

五条先生は手に持っていた袋を俺に投げ渡す

 

「これは?」

「喜久福」

 

(この人土産買ってから来やがった)

 

ズガンと雷を受けたような衝撃を受ける

 

「土産じゃない、僕が新幹線で食べるんだ」

 

宿儺が五条先生の後ろから不意打ちを仕掛ける

 

「後ろ!!」

 

一瞬で五条先生が印を組む

 

その瞬間五条先生が消え、宿儺の一撃は空振る

 

「生徒の前なんでね、カッコつけさせてもらうよ」

「....やはりか

 

宿儺がポツリと何かを呟くがあまりにも小さい声だったので俺にはそれがよく聞えなかった

 

五条先生が腕を振るい宿儺へと攻撃しようとするが、宿儺はバックステップをすることでそれを躱す

 

「へぇ、やるね」

 

少し感心したように五条先生がそう呟く

 

「....全く、いつの時代でも厄介なものだな呪術師は」

 

宿儺は顔を顰め、忌々しそうにそう言うと右手に恐ろしい程呪力を込め、振るった

 

ゴウッと大きな風が吹き、校舎の一部を崩落させる

 

「これはどうだ?」

 

宿儺は試すような目で五条先生がいた所を見続ける

 

(大丈夫なのか....?)

 

そんな俺の心配は無駄だったようで

 

「7、8、9」

「!」

 

土煙の中から瓦礫を浮かせた五条先生が姿を現す

 

「そろそろかな」

 

虎杖の体から紋章らしきものが消えていく

 

それと同時に宿儺の禍々しい気配と呪力が消えていくのを感じた

 

「おっ、大丈夫だった?」

 

虎杖が何事もなかったかのように五条先生に声をかける

 

「驚いた、本当に制御できるとはね」

 

五条先生は術を解き、虎杖へと近づいていく

 

浮いて瓦礫はゴトリと大きな音を立て、地面へと落ちた

 

「でもちょっとうるせぇんだよな」

 

虎杖がゴンゴンと鈍い音を立てながら、頭を叩く

 

「それで済んでるのが奇跡だよ」

 

トンと五条先生が虎杖の額に触れたと思うと、虎杖の体がガクンと傾いた

 

それを五条先生が手で抑える

 

「何したんですか」

「気絶させた」

 

五条先生はそう答えた

 

「これで目覚めた時、宿儺に体を奪われていなかったら彼には器の可能性がある」

 

 

「さて、ここでクエスチョン。彼をどうするべきかな」

 

五条先生が俺にそう問い掛ける

 

「....仮に器だとしても、呪術規定にのっとれば虎杖悠仁は処刑対象です」

「そうだね」

 

五条先生が相槌をうつ

 

「でも死なせたくありません」

 

俺がそう言い放つ

 

「.....私情?」

「私情です。なんとかしてください」

 

そうこれはただの俺の私情だ

 

俺は愚かにも虎杖悠仁という善人に生きて欲しいと願ってしまった

 

クツクツと五条先生が笑う

 

「かわいい生徒の頼みだ、任せなさい」

 

そう言うとビシッと親指を突き立てた

 

(良かった....)

 

俺は安堵した

 

五条悟という男は普段はおちゃらけた男だが、本当は頼れる大人なのだ

 

「さて、帰ろうか」

 

五条先生が虎杖を背負い歩きだす

 

「そうですね」

 

俺も後を追う

 

暫く歩いていると

 

「あ」

 

五条先生が声を上げる

 

「どうしたんですか」

 

俺がそう問い掛けると五条先生が口を開く

 

「崩落した校舎どうしよう」

「.....」

 

前言撤回、この人は頼れる大人なんかじゃなかった

 

「ま、なんとかなるよねー」

 

ハハハと五条先生が朗らかに笑う

 

俺は夜蛾学長の心労を察し、心の中で合掌した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は暗闇の中、椅子に座りテレビを見ていた

 

ザザザとテレビから映像が流れる

 

自分より小さい4本腕の少年が森の中ポツンと一人佇んでいた

 

(宿儺だ)

 

俺は直感だがそう確信した

 

宿儺は少し寂しそうな顔で森を彷徨っていた

 

すると宿儺のすぐ近くから老夫婦が現れ、宿儺と話をすると宿儺の手を引いて家へと連れて帰った

 

映像が変わる

 

宿儺が老夫婦達と食卓を囲んでいた

 

(これは宿儺の過去か.....?)

 

更に映像が変わる

 

先程まで宿儺と楽しそうに食卓を囲んでいた老夫婦が血塗れで宿儺の腕に抱かれていた

 

(な.....!)

 

あまりの変化に俺は絶句する

 

老夫婦が宿儺に向かって何かを言うとそのまま息絶えた

 

宿儺が家へと出たと思うと、茂みから7人の兵士が姿を現す

 

その兵士の武器には血が滴っていた

 

(コイツらが殺したのか....!)

 

宿儺もそれを察したのか顔を顰める

 

宿儺が兵士達に何かを問い掛けたと思うと兵士達が醜い笑みを浮かべ何かを答える

 

その瞬間宿儺は兵士達を殺し始めた

 

一方的だった、宿儺は一瞬で皆殺しにした

 

皆殺しにした後の宿儺はまるで空っぽのようだった

 

映像が変わる

 

宿儺はジュジュツシとして、ある村で化け物と対峙していた

 

宿儺とその化け物の戦闘は素人の俺から見ても凄まじいものだった

 

宿儺が一瞬の隙をつき、化け物へ一撃を入れる

 

化け物の口から血が流れる、化け物と宿儺が少し会話をすると化け物が手で不思議な形を組む

 

その瞬間、世界が塗り変わった

 

辺りは夕暮れになり、宿儺の周りには1m以上はある狐が現れ、襲い掛かっていく

 

「危ない!」

 

俺は思わず椅子から立ち上がる

 

宿儺も手で何かを組み、何かを呟いたと思うと世界が黒に染まる

 

禍々しい神殿らしきものが現れる

 

その瞬間、化け物が倒された

 

神殿らしきものが消え、元の村へと戻る

 

宿儺が振り返るとそこには武装した人達が宿儺の方へと走ってきた

 

武装した人達が宿儺の姿を見ると目を見開いたと思うと

宿儺に向かって糾弾し、攻撃し始める

 

宿儺は反撃することなく、その場から逃走する

 

(どうして、宿儺はただ化け物を退治しただけなのに....)

 

映像が変わる

 

熊に襲われていた少女を宿儺が助けた

 

その少女は次の日には刀で斬られて死んでいた

 

 

映像が変わる

 

化け物の被害にあっていた村を助けた

 

1ヶ月後に村に火を放たれ、村人は全員死んだ

 

 

映像が変わる

 

親に捨てられた子供を助けた

 

半年後に毒により死んだ

 

 

映像が変わる

 

村人から虐げられる双子を助けた

 

4ヶ月後に矢で心臓を貫かれ死んだ

 

 

映像が変わる度に宿儺が大切にしていた人達が次々へと殺されていった

 

「酷い....」

 

俺は思わすそんな言葉が溢れる

 

こんなのはあんまりだ

 

宿儺はただ人間であろうとした

 

けれどそれを否定したのは人間自身だったのだ

 

また映像が変わった

 

宿儺が亡骸を抱きながら、ジュジュツシを皆殺しにしていた

 

「うっ.....」

 

胃から酸っぱいものが口へこみ上げるてくる

 

 

また映像が変わる

 

宿儺が満身創痍のジュジュツシが話をしていた

 

どうやら宿儺の大切な人達を殺害することを計画した人物の情報を聞き出しているらしい

 

「ソイツの名前は」

 

宿儺が槍を突き付けながら聞く

 

「な、名前は○○○○」

 

その部分だけノイズがかかり、聞えなかった

 

「何でここだけノイズが....?」

 

俺が疑問に思っていると

 

「起きろ、小僧」

 

宿儺の声が頭に響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、んぅ」

 

俺は目を開ける

 

そこには夢で見た禍々しい神殿と宿儺がいた

 

「やっと起きたか小僧」

 

宿儺が骨の玉座に座り、こちらを見下ろしていた

 

「す、くな?」

 

俺は確かめるように名前を呼ぶ

 

「確かに俺は宿儺だが」

 

宿儺が少し困惑したように答える

 

「そう、だよな」

 

俺はハハハと乾いた笑いを出す

 

「気が狂ったか?」

 

宿儺の口の悪さが今は救いだった

 

「なぁ、宿儺」

 

俺は宿儺へと声を掛ける

 

「何だ、小僧」

 

宿儺が俺を見る

 

「俺はお前の味方だからな」

 

俺がそう言うと宿儺が目を見開く

 

「....そうか」

 

宿儺が笑みを浮かべ

 

「ならば精々精進しろ」

 

そう言う

 

「! 応ッ!」

 

俺は大きな声で返事をする

 

 

(お前を守れる位強くなってやるよ)

 

俺はそう心に誓った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(俺の過去を見たか)

 

目を覚ました時に小僧の俺を見る目に疑念が生じ、小僧の発言で確信した

            

(まぁ、どうでも良い。俺は()()が果たせるなら)

 

今でも奴の所業を思い出すだけで腸が煮えたぎる

 

「お前の犯した罪を俺は一度も忘れたことはない」

 

あまりの激情に呪力が溢れ出るが、それを抑える

 

「必ず貴様を殺す。待っていろー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 加茂憲倫」                                  

 

怨敵である奴の名を呟いた

 

 




御覧頂きありがとうございました

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  • 吉原順平との出会い、真人との戦い
  • 京都姉妹交流会
  • 壊相、血塗との戦い
  • 渋谷事変
  • 宿儺の過去(ほのぼの)
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