「あら、旅人さん?へー、そうなのね。そうそうこれどうぞ。いやね、プレゼントよ、プレゼント」
「お、お嬢さん可愛いね!世辞じゃないよハハハ!ほほう……。じゃあこれ持ってきな!旅のお供にな。なに?贈り物さ!」
両手に贈り物を抱えた美少女は誰でしょう。そう私です。
ここは訪れた人に贈り物を渡す文化のある国。少し街を歩くだけで両手に一杯の贈り物を頂いてしまいました。それに、どれも日常使い出来るような服や日持ちのする食べ物等々。これからの旅でも使えるので嬉しいものです。
「しかし……こんなにも頂いてしまいましたがどうしますかね。服はこんなにあっても着ませんし、だからと売るのは難しいですね」
食料は……保存も効くし持っていても問題ないですね。
あれこれ考えつつ歩いていれば見知った黒髪の少女が見えました。どうやら向こうも気づいたようですね。
「イレイナさーん!!」
「お久しぶりですね、サヤさん。この国にはお仕事で?」
「いえ、次の仕事への途中です。でもまさかイレイナさんに会えるとは!これも運命、運命っていうやつですか!そうですよね!」
「いえ、違いますが」
「あーもう、照れ隠しはいいですよ」
照れ隠しではないのですが……。
「それにしてもこの国はすごいですね。ちょっと町中を歩くだけで両手いっぱいの贈り物ですよ」
サヤさんも私と同じように多くの贈り物を抱えています。たくさんの贈り物を貰いとてもご満悦そうな顔はとても可愛らしいですね。そういえば、私は着けないものがありましたね。サヤさんなら似合うでしょうしせっかくだから渡してしまいましょう。
「あ、そうです。よかったらこれどうぞ」
「え?ままま、まさか指輪ですか!」
「いえ、違いますけど」
「いえ、開けるまではわかりません。シュレディンガーの指輪です。今開けてもいいですか」
「後で開けてください」
「そうですね。せっかくイレイナさんから頂いたものを失くすのは一生の汚点になってしまいます。あ、ではお礼にこれあげます。似合うと思いますよ」
頂いたのは紙袋に入った白い簡素な箱でした。とても軽く、揺らしても音がしない。中には何が入っているか想像できません。ですが飾りっ気の無いものほど良いものが入っているとも言いますし、後での楽しみですね。
「ありがとうございます。では私はそろそろ宿に戻ります」
「そうですか。僕の方こそプレゼントありがとうございました。ではまた何処かで会える日を」
「ええ、また何処かで」
宿に帰り贈り物を仕分け終え下さいサヤさんに頂いた物を開けようとし気づきました。何処かで見たような箱だと。それもつい数石前に。もしやと思い開けてみれば
「やっぱりですか」
そこには銀と青のイヤーカフが入っていました。サヤさんへ贈ったたものと色違いのものが。サヤさんも驚いているでしょうね。そしてまた運命だ!と騒ぎそうです。……考えるだけで頭痛がしてきました。でも喜んで貰えそうです。せっかく頂いたものですし今度着けてみましょうか。また明日からは次の旅の始まりです。