ロックマンX二次創作   作:クリスチカ・マリビエ・ダンセルジオ

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仕事の疲れからか、つい眠ってしまったナビゲーターたちを、ハンターたちは優しく見守ります。
(2021年5月13日~17日)


Sleeping Beauties And Knights

とある夜。書類の整理ですっかり遅くなってしまったエックスが、急いでオペレーションルームへ向かっている。

 

 

 

エックス:

(しかめっ面で)あー、まいったな。新人たちの作った書類に、あんなに不備があるとは思わなかったよ。まあ、彼らもまだ慣れてないし、一生懸命だから、仕方ないけど……

それにしても、マズいな。エイリアはもう帰っちゃったかな? このところずっと忙しくて、出かけたりする時間も無かったから、せめて今夜くらいは、ゆっくり話をしよう、って……オレの方から言ったのにな。コレじゃ、遅刻どころじゃないよ、全く!

 

 

 

ようやくオペレーションルームにたどり着いたエックス。エイリアの席に目をやるが、やはり、そこに彼女の姿は無い。

 

 

 

エックス:

(がっくり肩を落とす)やっぱりか……そりゃ、そうだよな。エイリア、怒ってたかな? 明日、口利いてもらえなかったら、どうしよう……

 

 

 

それでもあきらめきれず、エックスは、オペレーションルームの中を一回り見て歩く。ふと、彼は、半透明のパーテーションで仕切られた休憩スペースに人影を見つける。

 

 

 

エックス:

あ……?

 

 

 

のぞいてみると、そこには、ソファに身体をうずめて眠っているエイリアの姿がある。

 

 

 

エックス:

(驚きと安堵)エイリア……!

 

 

 

 

エックスが近づいても、エイリアは気づかない。彼女を起こさないように、静かにエックスは隣のソファに腰を下ろす。

 

 

 

エックス:

エイリア……オレのこと、ずっと待っててくれたの……?

 

 

 

ソファの前のローテーブルの上には、エイリアの私物らしいタブレットが置かれている。その画面には、小説の一部が表示されている。エックスを待ちながら読んでいたようだ。

 

 

 

エックス:

小説か……そういえばオレ、まだほとんど知らないな。エイリアの好きなもの……好きな小説とか、音楽とか、映画とか……

お互い、ハンター組織に居る以上、いつものんきに構えてるわけにはいかないけど……そういう話って、やっぱり大事だよな。

……エイリアはもう、オレにとって、頼れるナビゲーターである以上に、大切なひとなんだから。彼女のこと、もっといろいろ知らなくちゃね。

 

 

 

ふと、エイリアが大きく息をつきながら身動きする。しかし、まだ目は覚まさない。

 

 

 

エックス:

あれ……まだ、起きないかな。

(優しく笑って)いいよ、エイリア。長いこと待たせちゃってごめん。今度は、オレが待つ番だね。

キミが起きたらどんな話をするか、考えながら待ってるよ。ゆっくり休んで。いつもありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある日の夕方。合同訓練が行われた後の訓練場。駐車場の公用車にゼロが戻ってくる。

 

 

 

ゼロ:

(運転席のドアを開けながら)すまん、レイヤー。遅くなった。部隊長たちとの話が、思ったより長引いてな……ん?

 

 

 

先に車の中で待っていたレイヤーは、助手席に座ったまま、深い寝息をたてている。

 

 

 

ゼロ:

おい、レイヤー……(起こそうとするのをやめる)無理もないか。慣れない仕事で、よほど疲れたんだろう。

 

 

 

ゼロは運転席に乗り込み、可能な限り静かにドアを閉める。レイヤーは気づかない。

 

 

 

ゼロ:

(ため息をつき、車を発進させる)他部隊との合同訓練……本来、ナビゲーターの仕事ではないが、人数合わせで急遽参加してもらった。

彼女は、意外にも、ハンターと肩を並べられるほどの戦闘能力を持っているし、むしろ喜んでついてきてくれたからな。

とはいえ……さすがに、今日は頼りすぎたか。

普段から、ナビゲーターとしての彼女には、苦労をかけどおしだからな……

 

 

 

二人を乗せた公用車は、やがてハイウェイに入る。やはり、助手席で眠りつづけているレイヤー。

 

 

 

ゼロ:

(レイヤーの寝姿をちらりと見て)しかし……無防備というか、隙だらけというか……目のやり場に困るというか……

(くすりと笑って)まあ、それだけ信頼してくれているのなら、ありがたいが。

 

 

 

 

西の空にある太陽は、次第に低く傾いていく。

 

 

 

ゼロ:

レイヤー……キミのことは、オレも信頼している。本当に生命を預けられる仲間だ。だが、そのキミへの感謝の気持ちを、オレはちゃんと伝えられているだろうか。いつも、助けられてばかりで……

 

 

 

ふと、ゼロはあることを思いつき、ハイウェイの出口へ向かう。

やがて、公用車は湖のほとりの駐車場にたどり着く。空をバラ色に染めながら沈む夕陽が、水面をまぶしく輝かせている。

車が止まっても、まだ眠りつづけているレイヤー。

 

 

 

ゼロ:

(車から降りる)いい機会だ。これくらいの寄り道なら、問題無いだろう。

 

 

 

ゼロは駐車場内の自販機で、缶入りのリフレッシュ・リキッドを二本買う。

 

 

 

ゼロ:

(両手で缶を持ち、車に戻りながら)ささやかだが、この景色は気に入ってもらえるかな。

レイヤー。そろそろ起きてくれ。見せたいものがあるんだ。(助手席のドアを開ける)

 

 

 

 

 

 

 

 

とある夜。アクセルが資料室へ向かっている。

 

 

 

アクセル:

(資料のデータディスクが入った箱を抱えて)ったくもう~、重いな~! なんで、みんなが借りてきた資料をボクが一人で返さなきゃいけないの~! パレットに手伝ってもらおうと思ったら、とっくに帰っちゃったっていうし! あーあ、つまんないから、ボクも早くかーえろっと!

 

 

 

アクセルはようやく資料室にたどり着き、受付で箱ごと資料を返却する。

 

 

 

アクセル:

(ひと息ついて)よし! お使い、おーわり!

(ふと、奥のPCコーナーに目をやる)……あれ? あそこに居るの、ひょっとして……?

 

 

 

アクセルはPCコーナーに近づく。一台のPCデスクに座っているのは、確かにパレットだ。

 

 

 

アクセル:

(驚く)パレット! 帰ったんじゃなかったの? って……なんだ、寝てるじゃん!

 

 

 

 

眼鏡をかけたまま、デスクに伏して眠っているパレット。アクセルは、呆れながらも、PC画面をのぞきこむ。

 

 

 

アクセル:

コレ……『次世代型レプリロイド』とか、『コピー能力』のこととか、銃器のこととか……ボクに関係ある情報ばっかりだ……

パレット……もしかして、こういうの、いつもボクのために調べてくれてたの……?

 

パレット:

うーん、むにゃむにゃ……

 

アクセル:

えっ?

 

パレット:

あはは、アクセル! 今日もお疲れ様!(寝ぼけた様子で身体を起こし、傍らのアクセルに抱きつく)

 

アクセル:

ひえっ! う、うわぁぁ!(倒れる)

 

 

 

パレットに押しつぶされるような格好で床に倒れてしまったアクセル。彼の上に折り重なったまま、パレットはまた安らかな寝息をたてはじめる。

 

 

 

アクセル:

(押しつぶされたままで、笑い出す)あははは……なんだよ、もう……! しょうがないなぁ……!

(いとおしそうに)……ありがとう。ボク、パレットがこんなふうにしてくれてるなんて、ちっとも知らなかった。

いつも、任務の時は心配ばっかりさせてるし、よくケンカもしちゃうけど……また頑張るから、これからもよろしくね。

……っていうか……どうしよう、動けないんだけど……お、重い……

 

 

 

(完)

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