ロックマンX二次創作   作:クリスチカ・マリビエ・ダンセルジオ

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いつもありがとうございます。"f(^_^ ;) ようやく完結編です。本当は、この『ゲイトとの会話』がメインの、もっと短い話にするはずでした。
(2021年8月18日~9月1日)


復活のギーク・4

その日の夕方。手当てを受け、メンテナンスルームで休んでいるゼロ。隣のメンテナンスルームには、同じように休んでいるエックスの姿がある。ベッドの傍らにはエイリアが立っており、二人は軽く談笑している。彼らの様子を、廊下からゲイトとダグラスが見ている。

 

 

 

ダグラス:

ま、エックスもゼロも、それほどひどいケガじゃなくてよかったよな。

 

ゲイト:

(うなずいて)それに、エイリアも。ダイナモを逃がしたことは、痛恨の極みだけどね。

 

ダグラス:

まあまあ、気にしすぎんなって。あんただけの責任ってわけじゃないんだからよ。シグナスだって、そう言っただろ?

 

ゲイト:

ああ。だけど、不確かなミュータブルウェポンを持ち出したのは、やっぱり短絡的だったと思うよ。このボクとしたことが、つい冷静さを失ってたんだ。

 

ダグラス:

(咳払いして)……なぁ、今回のことで思ったんだけどよ。

 

ゲイト:

ん?

 

ダグラス:

……あんたって、エイリアのこととなると、意外なくらい熱くなるよな。

 

ゲイト:

……!

 

 

 

ゲイトはしばらく、ダグラスの顔をまじまじと見つめ、やがてぷっと吹き出す。

 

 

 

ダグラス:

こ、こら! 人の顔見て笑うな!

 

ゲイト:

(大笑いする)あははは……、ごめん、ごめん。まさか、キミにそんなことを指摘されるとはね!

 

ダグラス:

な、何だよ! オレで悪かったな!

 

ゲイト:

でも……そうだね、確かにその通りかも知れないよ。まさか、そんなふうに、人の目にもはっきりわかるとは思ってなかったけど。

 

ダグラス:

いや、普通にわかるだろ!

 

 

 

 

ダグラス:

(更に、数回咳払いをして)あー……あのな。要らんお節介だってことを百も承知で言うぞ。

 

ゲイト:

何だい?

 

ダグラス:

……あんた、本当に大丈夫なのか?

 

ゲイト:

何が……?

 

ダグラス:

(目の前のメンテナンスルームを指しながら、声をひそめて)そのエイリアが、あんたじゃなく、エックスに寄り添ってるってことがだよ……!

 

ゲイト:

(あっけにとられて)は……?

 

 

 

またしても、ゲイトはしばらくダグラスの顔を見つめたのち、腹を抱えて笑い出す。

 

 

 

ダグラス:

(頭をかきむしる)ま、ま、またかよ、このヤロー! 人の顔見て笑うなっつっただろうが! そんなにおかしかったかよ!

 

ゲイト:

(身をよじって笑いながら)ごめん……、ごめんよ、ダグラス……! キミの気持ちには感謝するけど、あー、ほんと、傑作……!

 

ダグラス:

(本気で腹を立てて)わかった、わかったよ! ったく、心配して損しちまったぜ! もう知らねー! 知らねーよ! 放っといてやるから、勝手にしやがれってんだ!(ゲイトを残して立ち去ろうとする)

 

ゲイト:

(まだ笑いながら、慌ててダグラスを追う)ま、待って! 待ってくれ、本当に悪かったよ! でも、キミが心配するようなことなんて無いんだよ。(ようやくひと息ついて)……エイリアは、ああしてエックスに寄り添っていてくれるのがいちばんいいんだ。彼女にとっても、彼にとっても、ボクにとってもね。

 

ダグラス:

(驚く)……なんで? どういうわけだ?

 

 

 

二人はそのまま、話しながら廊下を歩いていく。

 

 

 

 

ゲイト:

そう、確かにボクは、彼女に"好意"を持っているといえる。数少ない理解者のひとりだったし、良きライバルでもあったしね。

 

ダグラス:

だ、だったら……なんで、そう言わないんだ……?

 

ゲイト:

(立ち止まって、興奮ぎみに)……ダグラス、キミも知ってるだろう? エイリアがエックスに向ける、輝くばかりの笑顔……あのクールな彼女が、エックスに接する時だけは、まさしく"恋する乙女"になるんだよ。(うっとりと)ああ、あの特別な笑顔……彼女をあんな笑顔にさせることができるのは、エックスだけなんだ。エックスに向けられる彼女の笑顔が、ボクを安心させてくれるんだよ!

 

ダグラス:

(ひどく戸惑う)……おい、ソレって……つまり……あんたは、エックスに恋するエイリアに恋してる、ってことなのか……?

 

ゲイト:

(うなずく)うん、そういうことかな。

 

ダグラス:

いや、『そういうことかな』じゃねーだろ! い、いいのかよ、本当にソレで! いっぺん、彼女にちゃんと言ってみたらどうなんだよ! それで断られたら、引き下がりゃいいだろ!

 

ゲイト:

(きっぱりと)いや、その必要は無いよ。

 

ダグラス:

何だよ、はなっからあきらめんな!

 

ゲイト:

(静かに)違うんだ。……わかるんだよ。彼女を幸せにできるのは、ボクじゃない。これまで、ボクが彼女にどれほどの迷惑をかけてきたと思う?

 

ダグラス:

(ナイトメア事件と、そこに至るまでの経緯を思い出す)そ、それは……

 

ゲイト:

(苦笑して)全く、ひどい男だよ。こうして生かしてもらってることが、すでに奇跡みたいなものなのに……この上、誰かの"愛情"まで得ようなんて、厚かましいにもほどがあると思わないかい?

 

ダグラス:

ゲイト……

 

ゲイト:

でも、もう心配は要らない。彼女は、確かな相手を見つけたんだ。きっと、誰よりも彼女に誠実な、世界でただひとりのひとを。だから、その彼に寄り添う彼女を見守ることができれば、ボクはそれでいい。

 

ダグラス:

(大きく息をついて)ふー……まあ、その……ともかく、あんたがそう言うなら、オレももう何も言わねーよ。

 

ゲイト:

ふふ、ありがとう、ダグラス。

 

 

 

 

ダグラス:

けどな、ゲイト!

 

ゲイト:

ん?

 

ダグラス:

……あんたの相手がエイリアじゃないにしても、誰かに愛されることが厚かましいなんて思うなよ。

 

ゲイト:

(驚く)え……?

 

ダグラス:

元イレギュラーだろうが、"囚人"みたいなもんだろうが、せっかくここで生きてるからには、ちょっとぐらい自分の幸せも考えろってんだ! わかったか、相棒!

 

ゲイト:

(目を輝かせて)ダグラス……それってひょっとして、キミがボクを愛してるってことなのかい……?

 

ダグラス:

(震え上がる)ギャーー! やめろ! ふ、ふざけんな! オ、オ、オレは違うぞ! ボルト・クラーケンみたいなオカマヤローと一緒にすんじゃねー!

 

ゲイト:

(またも爆笑)あははははは! 知ってるよ、冗談だってば!

 

ダグラス:

(ぐったりして)あ、悪趣味だ……ちくしょう、なんか一気に疲れたぜ……こ、これ以上コイツと居たら、ろくなことにならねー……(ゲイトと別れて、とぼとぼと去っていく)

 

ゲイト:

お疲れ様。また、明日ね。(ダグラスの姿が見えなくなってから、そっと呟く)……キミの友情に感謝してるよ、ダグラス。

 

 

 

 

 

 

その夜。ゲイトの研究室を誰かが訪ねてくる。

 

 

 

ゲイト:

(驚きをもって来訪者を迎える)キミは……!

 

エイリア:

(ためらいがちに)ハーイ、ゲイト。……遅くにごめんなさい。あの、相談したいことがあるんだけど、入ってもいいかしら……?

 

 

 

 

ゲイトはエイリアをソファに座らせ、リフレッシュ・リキッドの缶を渡す。

 

 

 

エイリア:

ありがとう。(缶を開けて)……いい香りね。

 

ゲイト:

ジャスミン茶タイプさ。(自分の椅子に掛けて)それにしても、今日は大変だったね。大丈夫かい?

 

エイリア:

(リキッドを一口飲んで)……ええ。私は大したことなかったし。

 

ゲイト:

その……すまなかったね。

 

エイリア:

え?

 

ゲイト:

ボクが、エックスとゼロに未完成のミュータブルウェポンを使わせたりしなければ、今頃は違った結果になっていたかも知れない。

 

エイリア:

(首を振る)やめて。あなたのせいじゃないわ。あの時、私がもっとしっかりしていればよかったのよ……

 

ゲイト:

(慌てて)キミこそ、そんなことを思う必要は無いよ。ダイナモには逃げられたけど、無事で本当によかった。

 

 

 

二人は、思わず顔を見合わせる。

 

 

 

ゲイト:

えーと……それで、ボクに相談って?

 

エイリア:

(固い決意を込めて)あのね……私、今日のことで思ったの。私も戦えるようになりたいって。

 

ゲイト:

(驚く)え?

 

エイリア:

これからも、また何があるかわからないわ。いざっていう時に自分の身を守れて、エックスたちを助けることもできるようになりたいの。もう、足手まといではいたくない……ゲイト、お願い。私にも専用の武器を作って!

 

ゲイト:

何だって?

 

エイリア:

この腕にも、エックスみたいなバスターが――"エイリアバスター"が欲しいの!

 

 

 

 

ゲイト:

(思わず、椅子から立ち上がって)そ、そんな……

 

エイリア:

ゲイト……?

 

ゲイト:

(普段の彼らしからぬ激しい動揺を見せる)なんてことを! キミ専用の武器を作れだって? 武装させるために、キミのその腕にメスを入れろってことじゃないか! キミは、このボクに向かって、なんてまあ残酷なことを言うんだい……!

 

エイリア:

(ゲイトのうろたえように驚いて)ちょっと、ゲイト! どうしたのよ! 大丈夫よ、オペレーターの武装が禁止されてるわけじゃないわ! お願い、落ち着いて……!

 

ゲイト:

(我に帰る)あ……ああ、ごめんよ。つい、取り乱した。だって、まさかキミの口からそんな言葉が出るなんて思わなかったから……

 

エイリア:

(恐縮して)驚かせてごめんなさい。こんなこと、あなたにしか頼めないもの……

 

ゲイト:

(改めて座る)で……エックスには、そのことを……?

 

エイリア:

(首を振る)秘密。きっと反対されるわ。

 

ゲイト:

(うなずく)……そうだろうね。でも……キミの気持ちはわかるけど、すぐには返事できないなぁ。

 

エイリア:

どうして……?

 

ゲイト:

キミは、エックスのためを思ってるんだろう?

 

エイリア:

(赤くなって)……え、ええ。

 

ゲイト:

それなら……武装なんかより先に、もっと他のことをするべきじゃないかとボクは思うけどね。

 

エイリア:

えっ? ……何かしら?

 

ゲイト:

(笑って)まず、イメチェンを勧めたいね。そのまとめ髪もいいけど、ちょっと実用的すぎるからさ。ボクは、昔の髪型が好きだったなぁ。さっき、ひさしぶりに見たけど、やっぱり似合ってたよ。

 

エイリア:

(更に赤くなる)えっ……ちょっと、ゲイトったら……!

 

ゲイト:

エックスだって、オシャレしたキミを歓迎すると思うんだけどな。どう?

 

エイリア:

(慌てて立ち上がる)……て、的確なアドバイス、ありがとう。とっても参考になったわ……!(両手を顔に当てながら、逃げるように研究室を出ていく)

 

 

 

 

ゲイト:

(独り、くすくす笑いながら)……本当に、"恋する乙女"だなぁ。やっぱりステキだよ、エイリア。できれば、戦うことなんて考えてほしくない。彼もそのはずさ。

(ため息をつき、椅子にもたれかかる)エックス……大いなる可能性を秘めた未知なる存在、ボクの生命の恩人、そして、エイリアの想い人。くやしいけど、ボクはいろいろな意味で、キミに敵わなかった。……彼女を頼む。どうか、幸せにしてやってくれ。それはボクにはできない、キミにしかできないことなんだ。どうか……(目を閉じる)

 

 

 

それからしばらく経ち、再び、誰かが扉をノックする。まどろんでいたゲイトは目覚める。

 

 

 

ゲイト:

……あれ? またか。今夜は来客が多いな。(エイリアが残していった缶を片づけ、戸口に向かう)

 

 

 

扉を開けると、今度はそこにゼロの姿がある。

 

 

 

ゲイト:

(驚いて)ゼロ……? どうかしたかい?

 

ゼロ:

(思いつめたような様子で)……夜分にすまない。ちょっと、頼みたいことがあってな。

 

ゲイト:

え……?

 

 

 

ゲイトは、今度はゼロをソファに座らせる。ゼロは、持参したほうじ茶タイプリキッドの缶をゲイトに差し出す。

 

 

 

ゲイト:

あ、ありがとう。(缶を受け取り、自分の椅子に座る)それにしても……寝てなくていいのかい? まだ、メンテ中だろう?

 

ゼロ:

(うなずく)ああ。でも、どうしても、今夜のうちにあんたと話したかったんだ。その、昼間のことで……

 

ゲイト:

(慌てて)あ……ごめん、ごめんよ。ミュータブルウェポンの件は、本当に反省してる。

 

ゼロ:

(こちらも慌てて)い、いや、違うんだ。食堂で、あんたが最初にアンカリング・チップを見せてくれた時……あの時、オレは、ついひどいことを言っちまった。それを謝りたくて……許してくれるか?

 

ゲイト:

え?

 

 

 

 

ゲイト:

そんな……ボクの方こそ、悪かったよ。キミの大切な"思い出"を、ないがしろにするような話をしてしまって……

 

ゼロ:

いや、もう気にしないでくれ。"思い出"を形にする技術……ソレが"奇跡"を起こすのを、オレもエックスも確かに見たんだ。まだ問題はいろいろとあるかも知れないが、もし完成すれば、それによって救われる誰かが、必ず居るはずだ。あんたなら、きっとうまくやれるだろう。オレも応援する。

 

ゲイト:

(笑って)そう、ありがとう。……正直、自信失くしてたんだけど、また研究意欲が出てきた。メタルシャークも喜ぶよ。

 

ゼロ:

それでな……ここからが本題なんだが。

 

ゲイト:

ああ、頼みって何だい? ……ひょっとして、カノジョさんに会いたくなった?

 

ゼロ:

いや、その逆だ。……"再生"じゃなく、"封印"。

 

ゲイト:

え……?

 

ゼロ:

メタルシャークたちの頭脳チップと同じように、地下に"封印"してほしいんだ。……このオレを。

 

ゲイト:

(驚く)何だって?

 

ゼロ:

オレのDNAを知りつくしたあんたなら、わかるだろう、その危険性が。(微かに震えながら)オレは、ソイツが――自分自身が、恐ろしい……今、ようやく世界が立ち直りはじめたってのに、もしかしたら、オレはその世界をまた壊しちまうかも知れないんだ……

 

ゲイト:

(困惑)待ってくれ、ゼロ……何を言ってるんだい? まるで、この世界から消えたがってるみたいじゃないか。

 

ゼロ:

その通りさ。いずれ、オレは消えなければならないって、ずっと思ってたんだ。こんなことは、あんたにしか言えない。頼まれてくれるか?

 

ゲイト:

はー……(大きなため息をつき、頭を抱える)まいったな……どうして、こう、みんなボクにムチャな頼みごとをしたがるんだ?

 

ゼロ:

(立ち上がる)すまんな、いきなり押しかけた上、妙な話をして。すぐに返事をくれとは言わないが……オレは、本気だ。それじゃ。(戸口へ向かおうとする)

 

 

 

 

ゲイト:

(慌てて立ち上がる)待って! ダメだ、ゼロ。ボクにはできない。

 

ゼロ:

なぜだ?

 

ゲイト:

(強い口調で)ボクは、イレギュラーでありながら、この組織に生命を救われた。そして、今も生かされている。そんなボクが、正当な理由も無しに、組織の一員であるハンターの――世界の再生のために戦いつづけているキミの生命を、"封印"するなんてできるわけがない。

 

ゼロ:

(苛立って)理由なら、ある。さっき言っただろう。

 

ゲイト:

(早口でまくしたてる)お断りだよ、冗談じゃない! もしボクがソレを実行したとして、後に残された仲間たちはどうなるんだい? エックスは? エイリアは? ダグラスにシグナス総監、それに、"忍び部隊"のキミの部下たちは? そこまで考えてる? キミの生命は、キミだけのものじゃないんだよ! ともかく、こんな話はもうやめてくれ!

 

ゼロ:

(たじたじとなる)はー……驚いた。まるでマシンガンだな。これ以上続けたら、マジで撃たれるかもな……

 

ゲイト:

(ふと思い出して)『元イレギュラーだろうが、"囚人"みたいなもんだろうが、せっかくここで生きてるからには、ちょっとぐらい自分の幸せも考えろ』!

 

ゼロ:

何だって?

 

ゲイト:

ふふ、ボクの台詞じゃないよ。さっき、相棒がボクに言ってくれたんだ。なかなかの名言じゃないかい? 今のキミにもぴったりな言葉だと思うよ。

 

ゼロ:

(笑って)ダグラスか。……確かに名言だな。

 

ゲイト:

……ゼロ、確かにボクは、キミのDNAの危険性をよく知ってる。キミがそんなふうに不安になるのも、無理はないよ。でも、そのことと、キミの生命の重さを天秤にかけることはできない。ボクも、ここで救われた自分の生命を大切に使うよ。だから、どうかキミも……

 

ゼロ:

(うなずく)……ああ。本当に悪かったな、騒がせちまって。

 

ゲイト:

(突然、顔を輝かせて)……そうだ! 大事なことを思い出した。ちょうどよかったよ。"忍び"専用の、強化ステルスコートのサンプルが仕上がったんだ。ほら、見て。(小型端末を取り出し、画面をゼロに見せる)

 

 

 

 

ゼロ:

(憮然とした顔)……強化ステルスコートと言ったか?

 

ゲイト:

(うきうきと)そう! 明日、実際に装備してもらうからね!

 

ゼロ:

……このデザイン……オレには、"祭法被"(マツリハッピ)とかいうヤツにしか見えんが。

 

ゲイト:

(得意げに)その通り! リサイクル素材に特殊加工をほどこし、更なる軽さと強さを実現したんだ。耐火・耐衝撃性にもすぐれてるよ。

 

ゼロ:

(困惑)……性能は確かなんだろう。しかし、全くもって、あんたのセンスがわからん。"忍び部隊"を何だと思ってる……?

 

ゲイト:

あははは、だから、遊び心が大事なんだってば! コレを着て、"ソーラン節"でも踊ればサイコーだと思うよ!

 

ゼロ:

(困惑)……"ソーラン節"? 何だ、ソレは……?

 

ゲイト:

"奴凧"(ヤッコダコ)がお正月気分だったから、今度は夏祭りさ! これぞ、"和"の文化だよ!

 

ゼロ:

(更に困惑)……あいにく、そんなに頭がいい方じゃなくてな……

 

 

 

 

 

 

とあるスラム街の一角。かつてゲームセンターだったと思われる巨大な廃墟。

 

 

 

ダイナモ:

(うなだれて)……情けない有様で、マジさーせん。ちょい甘く見すぎてましたわ。あの二人とは、前にもやり合ったことありますんで。

 

 

 

彼が立っているのは、ボウリングのレーンの上。その周囲には、穏やかならざる雰囲気のレプリロイドたちが集っている。

 

 

 

 

バニシング・ガンガルン:

(まだ動くゲーム機で遊んでいる)それにしたってさー、『チョロいお使いみたいなもん』とか言ってたくせに、死にそうになってんじゃん! ダメなおっさん!

 

トルネード・デボニオン:

(ガンガルンと一緒にゲームをプレイしている)全く、口ほどにもないとはこのことダスな! ぷぷっ!

 

スプラッシュ・ウオフライ:

(酒をストローで瓶から飲んでいる)ダッセーよ、阿呆ロートル!

 

ダイナモ:

(慌てて)そこまで言う? あんたら、エックスとゼロのこと、知らないでしょ?

 

ヘルライド・イノブスキー:

(数本のタイヤを筋トレのように持ち上げている)ブヒヒヒ、タイマン・スピード勝負だったら負けねーぜ!

 

ソルジャー・ストンコング:

(大きな石を使って武器の手入れをしている)ゼロか……彼には、一度会ってみたいものだ……

 

ウインド・カラスティング:

(ビリヤード台の端に腰掛けている)エックスは、理想ばかりの甘ちゃんだと聞くがな。

 

フレイム・ハイエナード:

(キューで玉を突こうとしている)……ちくしょう……目がかすむ……手が震える……

 

レッド:

(スクラップを寄せ集めた大きな椅子から立ち上がって)はは、まあとにかく、ご苦労だったな。イレギュラーハンターのヤツら、ずいぶんしぶといと思ってたが、なるほど……そのゲイトとかいう科学者が、組織を支えてるってわけか。やれやれ、オレたちがスポットライトを浴びるのは、まだ先みたいだな。

 

アクセル:

(床に座り込み、自分を取り囲むように配置した小さなスピーカーで音楽を聴いている)エックスとゼロか……かっこいいよね。ボクも一回会ってみたいな。憧れの人たちだもん! いつかは、ボクもあんなヒーローになるんだ!

 

スナイプ・アリクイック:

(ヨガのようなポーズを取っている)フォフォフォ。背伸びもたいがいにしておけ、ひよっこが。

 

アクセル:

え~!

 

レッド:

……だが、遠慮はしねーぞ。公的なライセンスが無かろうが、オレたちもプロだ――イレギュラーハントのな。これからは、もっと大っぴらにハンティングを行う。ならず者集団と呼びたけりゃ呼ぶがいい。そのうち、主役の座はオレたちがいただきだ!

 

一同:

おう!

 

レッド:

よし、ヤローども、準備はいいか? "レッドアラート"、出動!

 

 

 

(完)

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