ロックマンX二次創作 作:クリスチカ・マリビエ・ダンセルジオ
相変わらず『ロックマンゼロ』シリーズについてよく知らないながら、一応クリスマスの話ができました。メリークリスマス!♪ヽ(゜▽、゜)ノ"
(2021年12月24日)
静かな夜だ。
今夜は、何も聞こえてこない――サイレンも、銃声も、悲鳴も。
ガレキの中の暗い道。
うっすらと降り積もっているのは、雪か、それとも灰だろうか。
――オレは、この夜をどこまで歩くのだろう。
静かで、暗い夜。
空には、ただひとつ、大きな星が輝いている。
暗闇の中、オレを導く道しるべのように。
やがて、崩れかけた一軒の廃墟にたどり着いた。
教会のようだ。
……誰かが居る。
青いレプリロイド……この教会の司祭か?
妙だ。このエリアの住人は、全員避難したはずなのに。
……オレは、彼を助けに来たのだったろうか。
逃げ遅れているなら、シェルターへ案内しなければ。
『ああ、ゼロ……よく来てくれたね。』
……なぜ、名前を? この司祭、オレを知っているのか?
優しい笑顔……確かに、いつか、どこかで会ったことがあるような気もするが……
……ダメだ、思い出せない。いったい、誰なんだ?
『また会えてうれしいよ。ずっと長いこと、ここでキミを待っていたんだ。』
――ああ、そうか。
オレは彼に、罪を告白するため、ここに来たのかも知れない。
これまでに、幾度も、幾度も繰り返してきた、破壊――壊すことしかできないオレは、恐らく、存在そのものが、あやまちなのだろう。
なぜかはわからないが、オレを裁くのに、彼ほど相応しい相手は居ない気がする。
……与えられるのは、地獄の罰か、それとも……
『やめてくれ、ゼロ……そんな……ボクの前でひざまずくなんて……
違うんだ、違うんだよ。キミを裁くとか、罰を与えるなんて、そんな、一段高いところからものを言うようなこと、ボクができるはずないじゃないか!
ボクにできるのは、ただ、こうして、キミを抱きしめることだけなんだよ……
傷だらけだね……ずっと、戦ってきたんだね……そうして、大切なものを守りつづけてくれたんだよね……
ありがとう、本当にありがとう……キミは今も、これからもずっと、ボクの"――"だよ……』
――そう言って、彼は、オレを抱擁し、涙を流した。
彼の涙で、オレの頬も濡れた。
まるで、生身の身体から"生身の心"が流しているような、温かい涙だった。
キミは誰だ? そう訊ねようとしたが、そこで目が覚めた。
……不思議な夢だ。
「ゼロ、起きてる? ……ああ、よかった。ちゃんと起きたみたいね。」
シエル……ああ、今、起きたところだ。
「さぁ、シェルターの子供たちが待ってるわよ。プレゼントを配るのはあなたなんだから、遅刻したら大変だわ。」
……その役は、本当にオレがやるのか?
「もちろんよ、みんな、あなたに会いたがってるもの! ささやかだけど、クリスマスパーティーを開けるようになるなんて、本当に夢みたいよ。それも、あなたのおかげなのよ、ゼロ!」
「……あら? どうかしたの、なんだか浮かない顔ね。」
ああ……実は、妙な夢を見てな。
……
「そう……不思議な夢ね。その青いレプリロイドに、心当たりは無いの?」
今のところは、無い。……過去に関係があったかも知れないが。
「でも、もしかしたらその夢……天からあなたへのプレゼントなんじゃないかしら。記憶を取り戻す手がかりになるかも知れないわよ。」
――そうだ。今、思い出した。
夢の中で彼が最後に口にした、聞き取れなかった言葉――"友達"。
"裁き"などではなく、"友"として寄り添ってくれる温かな心――それが、確かにオレの過去に存在していたのだと、告げてくれた夢ならば。
悪くない贈り物だ。
(完)