なのはvivid・O   作:わっしょい168

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ピピピピ、ピピピピ

カチッ

 

「うー・・・んん・・・」

 

高町ヴィヴィオの朝は普通だ。これといって早いこともなく、だらだら二度寝に突入することもなくむくりと目覚める。

 

「んー・・・」

 

起きた彼女はベッドを出てまず洗面所に行く。そこで顔を洗ったら部屋に戻り、制服に着替える。

 

「ん、んんー、よしっ!」

 

今日から新学年。友達は同じクラスかな、どんな勉強をするのかな、など想いを馳せながらばっちり制服を決め、ダイニングに向かう。

 

そこでは彼女の母親である高町なのはが朝食を作っていた。

 

「ママおはよー!」

「はい、ヴィヴィオおはよー」

 

いつもの朝の挨拶。だが、いつものごとく一人足りない。

ヴィヴィオのもう一人の母であるフェイト・T・ハラオウンはいない。彼女が現在仕事で家を離れていることはヴィヴィオは知っている。

 

「あれ?しきはお姉ちゃんは?」

「まだ起きてないんじゃないかなー?」

「じゃあ私起こしてくる!」

「おねがーい」

 

ヴィヴィオはこの家最後の住人を起こすために二階に上がった。そして色葉の部屋と簡素に書かれたプレートが貼り付けられた部屋を静かに開ける。

そこには目覚まし時計に手を載せたまま俯せで眠っている女性がいた。

 

彼女こそが高町なのは家の居候兼ヴィヴィオの姉である神条色葉である。

 

「もー、お姉ちゃん朝だよー!」

「あしゃぁ・・・?あと5・・・」

「この前それで2時間も寝てたよー!起きてー!」

「ぁぅぃ・・・ふあーーんー・・・おはよー」

「もう。おはよう!もうなのはママが朝御飯用意してるよ!」

「あーい」

 

普通に大人であるはずの彼女は自分の半分くらいの年の子供に手を引っ張られながら浮きながらダイニングに向かった。

 

「おはよーなのはー」

「しきはー?まさかまた夜更かししたんじゃないよね?しないって、約束したもんね???」

「してないよー。ただ、春眠暁を覚えずってさー?」

「そんな古文の一節を持ってきても駄目です。まったく、しきはお姉さんよりヴィヴィオの方がよっぽどお姉さんだねー?」

「ねー」

「おなかへったー」

 

なのはからしきはに放たれた嫌味も空腹に支配された彼女には届かなかった。なのはもその一言でしきはを責めるのを止めて、テーブルにお皿を載せるのだった。

 

「わー!オムライスだー!」

「おー・・・朝から豪華~」

「今日からヴィヴィオが4年生になるから、気合いを入れて作りました!では、お手を合わせて~」

 

「「「いただきますー!」」」

 

 

美味しく朝食を頂いた後は色葉の準備を待って親子二人でお茶を片手にお話をしていた。

 

「お待たせ~」

「はーい。って、しきは。せめて足を着いてから言いなさい」

「いやー、もう私と言えばこれかなって勝手に決めました」

「ヴィヴィオ。将来こんな人になっちゃだめよ?」

「はーい」

「そんなー」

 

そんなくだらない会話をしながら、三人は仲良く家を出た。

 

 

 

いつもの交差点でヴィヴィオと別れ、今日の訓練に関する話をする二人。

新訓練生が入ることやそれに伴う生徒の受け持ちなどを話し合う。

だが準教官である色葉は自分は砲台の役目だけきっちりこなすので分配はお任せします~となのはに丸投げした。

渡されたなのははもっと考えてよ~と苦情を入れたが、自分の中で既に分配がほぼ終わっている状態だったのでそれ以上は言わなかった。

結局通勤の暇を紛らわすための雑談だったので、そのあとは夜のパーティーに関する話になったのであった。

 

 

空戦教導官。管理局所属の空戦魔導師の訓練を担当するものである。優れた空戦魔導師のみがなれるこの教導官はそれぞれクラスのような物を持ち、エースオブエースと呼ばれる彼女の受け持つ生徒は自然と優秀な者のみとなる。(耐久性による理由)

 

 

今日は新しく管理局に入ってきた新人の教育を担当する日であった。

綺麗に整列した訓練生達の前に立ち挨拶を始めるなのは。

 

「はい、皆さん初めまして。皆さんの訓練を担当します高町なのはです。私の隣にいるのが準教導官の」

「八神ヴィータだ。ビシバシしごいていくから覚悟しておけよ!」

「で、もう一人が教導官補佐の」

「どうも、クロウ・ヒューストンです。私はただの砲撃役なので適当にどうぞ~」

「・・・はぁ。彼女は神条しきは、この三人で皆さんの教育を担当していきますのでよろしくお願いしますね」

 

自己紹介の名前とその後に告げられた名前が全然違うことに戸惑う訓練生。

そこに色葉より告げられる。

 

「あ、私認めた相手にしか本名言わないのでそこんところよろしくね~」

 

それは教官として良いのだろうか?と思いながらも本人がそういうので受け入れる訓練生達であった。

 

「では早速訓練に入りましょう!まずは、準備運動からです。各々自分のやり方で体を解してください。あ、整列は解除して良いですよ」

 

訓練用達はなのはに言われた通りに軽く体を解す。各自格闘技やスポーツをしていた経験を持っていることが基本なので慣れた動作だ。

 

「ではまずこのグラウンドを10週しましょう!」

 

訓練場の大きさはかなり広く、なのはが指差しているグラウンドは一週800mのものであった。

訓練生達は最初から8km走るのかぁと思いながらも普通になのはについていく。

なのはの隣にいたヴィータも普通に走っていて、逆側にいた色葉は飛んでいた。

 

そしてなのはに怒鳴られる。ガチな怒り顔で。

 

「色葉もちゃんと走りなさい!」

「ヒェッ!はい・・・」

 

基本怖いなのはに逆らえない色葉は渋々と従うのであった。

そして8kmを走り終えると、涼しい顔の教官二人と少し息を荒げている訓練生、ぜーはー言っている色葉という三者三様の反応をしていた。

 

「もー。色葉ももっと体力つけなきゃ駄目だよ?」

「ふつうっ、走ったらっ、息くらい、、荒げるでしょっ!・・・ハァハァ」

「いや、8kmでそこまでは荒げないだろ。相変わらず体力ねーなー、色葉は」

「ふんだ!スタミナならヴィータちゃんよりあるし!っよし!」

 

訓練生より疲れていたはずの彼女は、訓練生より速く息を整えていた。最初は大丈夫かなと思っていた訓練生もその速さを見てやっぱり教官なんだと認識を改めた。

 

その後基礎的な筋力トレーニングと体幹トレーニングをした訓練生達はこれで準備運動は終わりだねと告げられる。

これで準備運動なのか・・・と思いながらもある程度予想していた彼らはこの後予想外の訓練を目にする。

 

「じゃあここからは飛んでいくんだけど、まず皆がどれくらいの能力なのかが知りたいので・・・色葉!」

「行くよ、流れ星。連射砲モード!」

『了解』

 

色葉の言葉に合わせて彼女のデバイスである「流れ星」が複数の筒が付いているガトリングになった。

 

「「「「・・・え?」」」」

「これから彼女が皆さんに対してたくさんの魔力弾を撃っていきますので、こちらが良いというまで避けてください。非殺傷モードなので当たっても平気ですからね。では、開始!」

 

教官の掛け声に合わせてガトリングが回転を始め大量の魔力弾が放たれる。地面に立っていた生徒達は虚を突かれたが何とか対応し、誰一人被弾すること無く空に上がった。

だがそこからが地獄で、一人に対して5発の魔力弾が追尾している。

 

「くっ、この!」

「弾数は減らないからね~」

「ぐああっ!?」

 

一人が弾を迎撃したがすぐに追加の魔力弾が迫り油断した彼は5発の魔力弾の餌食になった。

 

それを皮切りに背中から食らう者、頭上から被弾する者と撃墜者が増え最後の一人が何とか粘っていた。

 

「うんうん、あの子は特に優秀だね。じゃあ追加で5発行ってみようか!」

「りょーかいー」

 

5発の弾を何とか把握して、不意をつかれた時には迎撃することで避け続けていた生徒は追加の5発で絶望した。

そして案の定その絶望で心が折れたのか10発の魔力弾を食らってしまい墜落した。

 

「あらら。集中が途切れちゃったのかな?」

「たぶん弾数多過ぎて無理です!ってなったんじゃないかなー?」

「技能はそこそこでも心が駄目って事だな。アタシの得意だぜ」

 

全員撃墜されてしまって訓練生達は怒られたりするのだろうかと少し怯えていたがなのは教官はまったく別の言葉を口にした。

 

「うん!皆素晴らしかったよ!優秀な成績を残しただけはあるね!」

「え?」

「突発的な攻撃にもちゃんと対応して飛べたのは訓練生として優秀な証だよ!撃墜されたのもこれから空戦魔導士を目指して頑張って訓練すればどんどんされなくなるから、諦めずに頑張っていきましょう!」

「と教官は言っている!お前達にその根性があるかぁ!!」

「は、はい!!」「頑張ります!」「諦めません!」「おー!」

 

自分達が撃墜されたことを責めるのではなく初撃に対応できたことを誉められたことに少し呆気に取られながらも、教官の音頭に合わせてそれぞれ声を上げる。

それらを傍目に見ている色葉もノリに合わせて、おーと右手を上げるのであった。

 

 

 

訓練が終わってお昼の時間。教官三人組は食堂にて食事をしていた。

 

「やっぱり空戦魔導師目指す子って優秀な子が多いよね~」

「まあ優れた空間認識力があるやつが訓練を積んでやっと入り口に立てる場所だからな。そんなもんだろ」

「それでもあの子達の成績が高い方だということは忘れないでね。他の訓練生にも同じような訓練したら最悪心折れちゃうから」

「ったく、情けねぇなぁ」

「大丈夫!心が折れそうで折れないラインはもう結構分かるようになってきたから!」

「それは大丈夫じゃない」

 

訓練生の話をしながら箸を進めているとある人物が近寄ってきた。

 

「だけどなのはらしい言葉だな」

「あ、クロノ君!今日は食堂で食べるの?」

「ああ。せっかく戻ってきたんだし、わざわざ船に行く必要性が無いからな。隣、座ってもいいか?」

「アタシは構わないぞ」

 

そう言ってクロノは手持ちの弁当を机に下ろしてヴィータの隣に座った。

 

「うわー、愛妻弁当だー」

「なんだ色葉その平坦な言い方は・・・」

「クロノ君も愛されてるね~。エイミィさん達は元気?」

「ああ。カレルもリエラも元気すぎて毎日アルフがくたくたになってるそうだよ。俺もこの前久々に戻ったら突撃されてお腹を痛めた」

「仕事上しょうがないけどクロノ君家を空けてる事が多いからねぇ」

「まあ、男としてしっかり稼いで家族に貢献するさ。そういえばハヤテは一緒に食べられなかったのか?」

「ハヤテは会議でいねぇぞ。昼食を取りながらの会議だからな」

「艦長である俺も中々の仕事量だと思うがハヤテはそれ以上だな」

「ハヤテちゃんに用でもあったの?」

「ああ。近々調整の日じゃないか、と確認をしたくてな」

 

調整と聞いて三人はすぐに思い当たる。

 

「ああ!特殊ユニゾン訓練ね?」

「そう。既に申請はしてあるのに万が一ハヤテが忘れていたら面倒だからな」

「流石にハヤテも忘れてないと思うぞ。だけもアタシの方から一応言っておくよ」

「頼む」

「あー・・・そういやもうそろだったかー・・・」

 

やるであろう事柄を思い浮かべながら机に倒れ込む色葉。

 

「色葉が一番疲れるだろうが、よろしく頼むぞ?」

「分かってるよー。やらずに本番で失敗する方が問題になるしー」

「うーん、私も少し訓練しておいた方がいいかなー」

「一応2時間余分に取っておいたが不十分か?」

「いや、最近は実戦訓練が少なかった気がするから、磨き直し的な?」

「だったらこの後の奴らにやってやるといいんじゃねーか?確か現場出てる奴らだったろ」

「んー、そうだね!彼らなら私も胸を借りられるから丁度いいね!色葉もやる?」

「・・・なのは一人できつそうだったら参加しますー」

「諦めた方がいいぞ。もう決まってる」

 

クロノからの一言をもって色葉の午後の訓練は決定された。

 

 

 

「ただいまー!」

「ヴィヴィオお帰りー!」

「お帰りヴィヴィオ!」

「フェイトママだー!・・・しきはお姉ちゃんは?」

「そこのソファにいるよ~」

 

学校から帰って来たヴィヴィオがソファを見ると、そこには仕事着のままの色葉が転がっていた。

 

「お、おねえちゃん?」

「ヴぃ、ヴぃ、お、お、か、え、り・・・」

「どうしたの・・・?」

「単純な体力不足だよー」

「え、訓練であんなになってたの?私てっきりなのはに何かで絞られたのかと」

「何かって何かなフェイトちゃん?」

 

凄みのある笑顔に何でもないと返すフェイト。

 

「ほら色葉~、ヴィヴィオも帰ってきたんだし、もう起きて!」

「うぁーい・・・」

「あはは」

「お姉ちゃんしっかりしてー!」

 

ゾンビのように体を起こしてノロノロと歩く色葉をヴィヴィオが支えて二階に登っていく。

 

「ほんと、どっちがお姉ちゃんなんだか分からないよ」

「まあでも、むしろあれくらいが姉妹なんじゃないかな?」

 

 

着替えてきた色葉とヴィヴィオはなのはとフェイトがこの日のために作ったディナーを囲みながら楽しく食事をした。

そしてこの日とはヴィヴィオが四年生になった記念日。二人の母と義理の姉はヴィヴィオにプレゼントを用意していた。

 

「じゃあ私魔法の練習行ってくるねー!」

「あ、ちょっと待ってヴィヴィオ!」

「ん?」

「もうヴィヴィオも四年生になったし、私達からプレゼントがありまーす!」

「えぇ!な、なになに!?」

 

フェイトとなのはが動く前に色葉は素早くプレゼントを取り出す。二人のプレゼントを知っている色葉は二人の後に渡す隙なんてあるはずがないと知っているのだ。

 

「まず私からはこれー」

「・・・かわいい箱?」

 

色葉が出したのは可愛く飾られている箱であった。家族から貰えるものはどんなものでも嬉しいヴィヴィオであるが、流石に箱を渡されても反応に困る。

受け取って開けてみても中身は空なのでなおのこと反応に困ってしまった。

だが色葉はその反応を予想していたという顔で箱について説明を始めた。

 

「えー、この箱はね?宝箱です」

「宝箱?」

「そう。その箱に魔力を流してみて?」

 

そう言われ魔力を流すと箱に吸い込まれ、「registered」と音声が流れた。

 

「ふえっ!?」

「これは魔力波長で錠が出来る魔錠ボックスでーす!いやー、流石に魔力錠になるとこの大きさが精一杯だった」

「魔力錠・・・」

「ちょっと色葉~?ヴィヴィオになんでそんなものが必要なのかなー?」

「まあまあなのは」

「ヴィヴィオも四年生になったからねぇ。うん、何か物を集め始めたりするかもしれないし、ママにも隠しておきたい何かが出来るかもしれないし」

「ヴィ、ヴィヴィオはそんなこと」

「自分が10歳9歳の事を思い出して?なのは」

「それは卑怯ー!」

 

なのはと色葉がわーわーしてフェイトがその仲裁をしようとしている間、ヴィヴィオは箱を見ながら考えていた。

本当にこれが自分に必要なのか?

なのはママやフェイトママに隠さなきゃいけないものが出来るのか?

 

そうやって考えているヴィヴィオを見た色葉は言う。

 

「そんなに深く考えなくていいよ、ヴィヴィオ。これからヴィヴィオが大きくなるにつれて、ヴィヴィオだけの物が出来る。その箱はそれを仕舞うための物なんだ。だからそれまではそれこそ小さな日記とか、ちょっと見せるのは恥ずかしいと思うものを入れておけばいいんだよ」

「でも、それでもママやお姉ちゃんに隠し事を・・・」

「なのは達には隠せるけど私には無理でしょ?」

 

そう言うと色葉は手のひらに魔力を纏わせる。ほぼ透明、光に近いその魔力は色を変え、ヴィヴィオの魔力と同じ色になった。

そしてその手を箱に近づけると、「unlock」と表示され解錠された。

 

「ね?私達はヴィヴィオの様子がおかしいと思ったら、たぶん問答無用でその箱を開ける。私に開けられない魔力錠は無いから。だから本当の意味で隠し事は出来ないけれど、別に一つや二つくらいはあっていいんだよ」

 

「そうだよヴィヴィオ。私やなのはだってヴィヴィオに隠していることは何個かある。それは職務上の義務だったり、恥ずかしさだったりと理由は色々あるけど、何でもかんでも言うのが善とは限らないの。ね、なのは?」

 

「・・・そうだね。大人になるということはそういう区別がつくようになるということ。ママは寂しいけれどヴィヴィオもいつかそうならなきゃいけない。でも!ヴィヴィオが困っていたり悩んでいたらママに相談するのも重要なんだよ?親っていうのはそういう時のためにいるんだから」

 

「・・・うん。大人になること、大人になるために、頑張って使いこなしてみせるよ!」

「うんうん。最終的にはただの綺麗な物入れくらいに使ってくれればいいよ。一応強盗対策にもなるし」

「それもそうだね、あはは」

「じゃあ、今度は私達からのプレゼントだね!」

 

少ししんみりした空気を打破するようにフェイトが大きく主張する。

 

「ええっと、おほん。ヴィヴィオも4年生になって、魔法の基礎もしっかりしてきました。世間のルールなんかも理解して守ることが出来るようになったと判断し、これをあげましょう。さあ、開けてみて」

 

なのはに渡された紙箱を開けるヴィヴィオ。その中にはうさぎのぬいぐるみが入っていた。

 

「ぬいぐるみ・・・っ!?」

 

ぬいぐるみかと思われたうさぎは急に立ち上がり宙に浮きあがった!

 

「え、ママ、もしかして」

「そう。その子がヴィヴィオのデバイスだよ。最近の流行りに合わせて可愛いうさぎの外装を付けてみたんだ♪」

「うん!すっごくかわいい!」

「おー、うさぎかー」

「ほら、ヴィヴィオ。早速その子に名前を付けてあげて?その子はヴィヴィオのデバイスだから、私達は付けてないの」

「え、うーんと、うーん・・・!あなたの名前はセイクリッド・ハート!愛称はクリス!」

「まぁ!」

「おやおや」

「うふふ」

 

自分のデバイスで変身したいというヴィヴィオの要望を叶えるために全員で庭に出る。

 

「セイクリッド・ハート!せーっと、あーっぷ!」

 

呪文と共に足元に魔方陣が現れヴィヴィオを包み込む。

初めての変身を見守っている三人の前に現れた変身ヴィヴィオは、かつての戦い、聖王のゆりかごに乗せられていたヴィヴィオを彷彿とさせる大人の姿だった。

 

それを見た瞬間に色葉は『流れ星』を構え戦闘モードになり、フェイトはなのはにすがり付いた。

 

「その姿・・・!」

「な、なのは!ヴィヴィオが、ヴィヴィオがぁ!」

「お、落ち着いてお姉ちゃん!」

「ほらフェイトちゃん落ち着いて!違うから!」

「「え?」」

 

かくかくかくかくしかしかしかじか

二人に訳を説明する。

 

「・・・なるほど。つまりただ動きやすいように大きくなっただけなのか」

「も、もう、ビックリしたよ・・・」

「あはは・・・、こっそりとなのはママと練習してたんだ」

「まさか色葉がそんなに警戒するなんてね~」

「だってもしあの時のヴィヴィオだったら今の私達三人じゃ絶対に敵わないよ?あと5秒制止が遅かったらクロノ君に電話して限定解除申請してたよー」

「そ、それはやりすぎだよ!ママ達三人の本気モードとか私死んじゃうよぉ!」

「まあこれは隠してた私達が悪いかな?ヴィヴィオ、元に戻って。皆でケーキでも食べよう?」

「はーい!ほら、お姉ちゃんケーキ食べよケーキ!」

「おぉう、はいはいー」

 

急いで変身解除したヴィヴィオが色葉の腕を取って家に戻る。

 

「はぁ、本当にびっくりした」

「ごめんね、フェイトちゃん。ヴィヴィオもビックリさせたかったみたいで」

「私や色葉を仲間外れにしたのはショックかなー。・・・でも、さっきの話じゃないけど、ヴィヴィオも成長してるんだね」

「うん。あの子は想像よりも早く成長してるよ。私達があの子の親でいられるのも、あと何年かなぁ・・・」

「ヴィヴィオにとってはいつまでもなのははお母さんだよ。私にとってのリンディお母さんや、なのはにとっての桃子さんみたいに」

「あは、そうだね!」

 

「ママー!はやくー!」

 

「はいはーい!」

 

急かす娘の言葉に促されるように二人も中に戻っていった。

ヴィヴィオがこの日を忘れることは無いだろう。




追加キャラクター:神条 色葉(しんじょう しきは)

加入時期はA's直後。闇の書事件の際の強い魔力波に当てられて密かに目覚める。最初は何か不思議な力が宿ったと思い浮かれていたがすぐにクロノ達に見つかりクラスメイトだったなのはやフェイトに事情を聞いて同じ魔導士を目指すようになる。
だがとある事件の影響で公を守ることに対する情熱を失い、主に自分の周りの家族や知り合いのために戦うようになる。

戦闘スタイルは射撃型。スナイパーではなくアサルトな戦い方やハヤテとは違う砲台役をやることが多い。魔導師ランクは完全解放時SS(特殊)。実際にはAA~AAAなのだがとある特殊体質が加味されてSSまでに引き上げられている。本人曰く、タイマンでなのは、フェイト、ハヤテに勝つのは厳しいとの事。

能力封印を二重に掛けられており、一つはなのは達と同じ魔力量限定でもう一つはその特殊体質の一つを封じるためのもの。前者はなのは達と同じ管轄だが、後者はなのはが解除権利を持っている。

好きな物は家族と平和。嫌いな物は争いと敵。
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