プリキュア戦記 正義のプリキュアvs終界   作:MIXEVOL

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愛香に関わる者達が次々と登場する話


覚醒の予兆

奇妙な夢の事を家族に話し終えた愛香は学校に向かっていた。

 

愛香と友美が通う学校は所謂小中高一貫の学校である。

 

友美はさっきまで一緒に居たが、中等部の生徒に会ったので中等部の生徒と一緒に向かうと言う事で別れた。

 

愛香(なぎさから私は救世主と言われた。どうして彼女は私を救世主と言ったのか分からない……)

 

???「愛香先輩、おはようございます」

 

???「珍しいな。愛香が悩んでいるとは」

 

歩きながら夢の事で悩んでいた愛香は挨拶されて二人の少女が近づいて来るのに気づく。

 

片方は活発な雰囲気を持つ少女、もう1人は黒髪の少女だ。

 

愛香に挨拶した活発な雰囲気を持つ少女は陽川勇佳(ひかわゆうか)、黒髪の少女は星守瑞希(ほしもりみずき)で、二人は愛香に関わりがあり、初等部の頃から一緒に行動することが多かった。

 

ちなみに勇佳は1つ下の後輩である。

 

愛香「おはよう勇佳に瑞希。珍しく一緒に来てるのね」

 

瑞希「行く途中で勇佳と合流したんだ」

 

勇佳「瑞希先輩には昨日の高等部の入学式でお世話になりましたから」

 

挨拶してからそう述べた愛香に瑞希はそう返し、勇佳は笑って返してから訝し気に愛香を見る。

 

勇佳「それより愛香先輩?朝から悩んでような顔で登校してますけど何かありました?」

 

愛香「あー……実はね……夢見の悪い事があって……」

 

そう前置きしてから愛香は勇佳と瑞希に奇妙な夢の事を話す。

 

瑞希「プリキュアと名乗る連中が暴れた夢を見た?」

 

愛香「そう、プリキュア達は人々を襲い、世界を破壊しまくっていた」

 

勇佳「そのプリキュアって何ですか?」

 

眉を顰める瑞希に愛香は頷いた後に勇佳の質問に対して少し考えて言う。

 

愛香「一言で言うなら、可愛い衣装を着て悪に立ち向かう変身ヒロインよ。そんな名前聞いた事ある?」

 

勇佳「ありませんよ。それに女児向けので有名なのはアイカツ!シリーズやプリパラシリーズやガールズ×戦士シリーズであってプリキュアと言う作品なんて見たことありませんよ!」

 

確認した愛香は勇佳の言葉になんとも言えない顔をする。

 

愛香「そうよね…………それが普通の反応よね……」

 

瑞希「……それで愛香。プリキュアと言う奴が暴れた事以外に何を見たんだ」

 

そんな愛香へと瑞希は真剣な顔で問う。

 

愛香「そうね……プリキュアが暴れた以外には……そのプリキュアが突然変身を解かれて普通の女の子に戻ってしまった事、普通の女の子に戻ってしまったプリキュアが人々に迫害された事、そしてプリキュアが自害されて墓場に封印されたくらいよ」

 

勇佳「うわぁ、迫害ってホントに夢見悪すぎじゃないですか……」

 

瑞希「愛香……今の話、実際に起きた事なのか?」

 

告げられた事にうげぇとなる勇佳とは反対に瑞希は鋭い目で続けて問う。

 

そんな瑞希の言葉にうえ?と勇佳は戸惑う。

 

勇佳自身としてはただの夢だと思っていたからホントに先ほど述べた様に夢見悪いとしか思っていなかったので瑞希の実際に起こったのかと言う問いが出たのは予想していなかった。

 

愛香「ええ、実際に見たから……流石にあんなおかしな夢なんて普通は見ないわ」

 

瑞希「そうだな……逆に言えば、そんなアニメや特撮などでしかありえない現象を体験したと言う事はとんでもない事の前触れかもしれないな……」

 

勇佳「前触れって流石に極端過ぎません?」

 

瑞希の告げた事に勇佳は先ほど愛香から聞いたのも合わせて思わず想像して尻込みすする

 

そんな勇佳にすまんすまんと瑞希は謝る。

 

瑞希「例えばの話だ」

 

愛香「そうよね………とりあえず話題はここで終わり!所で勇佳に瑞希、今日の始業式で気になる人は居るかしら?」

 

勇佳「いやぁ、昨日の入学式でのはともかく、流石に始まってもないのに気になる相手と言われましても……」

 

そう言って話題を変える愛香に聞かれて考える瑞希とは別に勇佳はそう返す。

 

瑞希「愛香。その事だが、気になる人物は居るぞ」

 

愛香「へえ、瑞希が気になったので誰が居るの?」

 

無理かと思っていた所での瑞希のに愛香は問う。

 

瑞希「そうだな。一人目は風森翔子(かざもりしょうこ)だな」

 

勇佳「風森翔子って確か実業団にスカウトされてもおかしくない実力を持つ陸上選手でしたね!」

 

人差し指を立てながら愛香の気になる人はいるか?の質問に対して答えた瑞希のに勇佳は思い出して興奮する。

 

瑞希「そうだ、翔子については勇佳も知ってるな」

 

勇佳「もちろんですよ。中等部では陸上部の主将を務めた人物でしたよ!」

 

ふんすふんすと興奮気味な勇佳に瑞希と愛香は苦笑する。

 

愛香「陸上部の風森翔子ね。私も彼女の事は聞いてるわ。そう言えば、風森翔子には幼馴染みが居たよね?」

 

瑞希「ええ、その一人が赤城六華(あかぎりっか)。ネーベル学園高等部の生徒会長であり、女子サッカー部の主将を務めてるわ」

 

確認する愛香に頷いて瑞希は返す。

 

愛香「赤城六華、なでしこジャパンに選ばれる可能性を持つエースストライカーね。しかも文武両道でも知られているわね……言い方からだと他にもいるんでしょ?」

 

瑞希「ああ、早光英美(はやみつえいみ)。女子プロレス部の部員で沖縄空手の使い手。父親の影響で褐色肌の持ち主ね」

 

勇佳「うわ~~中等部でも名を残した六華先輩達が高等部に進学しているとは…………」

 

続いて解説する瑞希に勇佳は目を輝かせる。

 

瑞希「おいおい、これでも私は剣道大会で優勝した経歴の持ち主だぞ。それに愛香は新体操の大会で入賞した経歴があるからな」

 

愛香「瑞希、勇佳だってラクロス部で全国優勝した経歴があるでしょ」

 

そんな勇佳に苦笑して言う瑞希だったが愛香の指摘におっとそうだった……と頭を掻く。

 

勇佳「瑞希先輩、そう言えば六華先輩を1人目って言ったからまだ他にも気になる人がいるんですか?」

 

瑞希「ああ、まだ居るぞ。さっき六華の事を話したが、2人目はそんな六華を補佐する人物だ」

 

先程の瑞希の言葉を思い出して質問する勇佳に瑞希は頷いて中指を立てる。

 

勇佳「補佐する人物?」

 

瑞希「ああ、その人物の名は銀条明輝(ぎんじょうあき)。六華が所属する生徒会のメンバーで、書記を任されている。彼女はスポーツの方は目立たないが、文化部の方では有名な人物だ」

 

愛香「確か、彼女の父親が探偵事務所の所長だったわね?」

 

上げられた名前の人物に愛香は思い出して聞く。

 

瑞希「そう!序でに言うとその父親は元は刑事で、母親は婦警として活動してるな」

 

勇佳「銀条先輩は両親が警察関連についてて凄いですよね……後は推理小説好きとして有名ですね」

 

捕捉した瑞希は勇佳のに頷く。

 

愛香「それで全員?」

 

瑞希「いや後2人、内1人は去年に隣町の富橋市出身から高校入学と共に墨村市に来た人間だ」

 

勇佳「ええ!?墨村市以外から来た人ですか!?」

 

確認した愛香のに薬指を立てながら返した瑞希のに驚く勇佳に問われた本人は頷く。

 

瑞希「ああ、その人物は勝矢レイ(かつやれい)。中学までは富橋市の学校に通っていて、卒業後にネーベル学園高等部を受験し、合格後にネーベル学園高等部に通っている」

 

愛香「勝矢レイ、聞いたことあるわ!ガンダムEXVS2XBの大会で初出場ながら準決勝まで進んだゲーマーだったわね!」

 

その通りと愛香のに瑞希は楽し気に語る。

 

瑞希「勝矢レイはゲーマー少女だけではなくプログラミング等のコンピュータに長けた人物でもある」

 

勇佳「女子なのにゲーム好きとは意外ですね……」

 

それは偏見だなと勇佳の呟きに瑞希は肩を竦める。

 

瑞希「ゲームをする女子やアニメに夢中な女子くらい居てもおかしくない。そもそも女子はピアノ等の習い事しかやらない者だと思うか?女子でもいろいろ居ても良いんだ……って愛香?何故私をジト目で見る?」

 

愛香「そのアニメに夢中な女子が私ですけど……」

 

説明していて愛香がジト目で見ている事に気づいた瑞希は返された事にすまんと謝罪する。 

 

瑞希「ま、まぁ、最後に気になる人物は愛香。お前が知ってる人物だ」

 

愛香「知ってるって事は……詩嶋先輩の事?」

 

小指を立てながら告げられた事に愛香は自分が思い当たる人物で瑞希が気になりそうな人をあげる。

 

正解と瑞希は笑って頷く。

 

瑞希「愛香ならすぐに気づくか」

 

愛香「知るも何も、詩嶋先輩は初等部から優秀な生徒として学校中で有名でしょ。しかも全国模試1位の成績を誇ってて、女子力が高い名家出身の令嬢でもあるし」

 

瑞希「さらに言えば料理や裁縫等のスキルが高く、周りに気を遣う人物でもあるな」

 

す、すごぉと瑞希と愛香の言ったのに勇佳は驚嘆してから恐る恐る問う。

 

勇佳「愛香先輩も全国模試ではそれなりに高いと聞きましたが?」

 

愛香「私は全国模試だとせいぜい50位前後よ。流石に毎回テストで100点取れないからね……まぁ、少なくとも80点以上は取ってるつもりだけど」

 

瑞希「それに比べて詩嶋は常に満点を取ってるからな……ま、これで私が気になる人は全員だな」

 

肩を竦めて言った愛香の後にそう言ってから瑞希は締め括る。

 

規模が違うと勇佳はぽぺぇとしているとネーベル学園高等部の校門が目に入る。

 

瑞希「おっと、話してる合間に学園に到着だな」

 

話してるとあっと言う間だなと漏らす瑞希にそうねと返しながら愛香は惚けている勇佳に着いたわよと肩を揺らす。

 

 

愛香「勇佳、着いたよ」

 

勇佳「はっ!?すいません愛香先輩!」

 

揺すられて愛香に声を聴いて勇佳は我に返った後に謝罪する。

 

愛香「始まるまでの時間はまだあるから良いわよ。さ、早く教室に移動するよ」

 

そう言って学園の入り口へと歩いて行く愛香を勇佳も後を追う様に続こうとし……

 

瑞希「まて勇佳」

 

瑞希に呼び止められる。 

 

勇佳「どうしたんですか瑞希先輩?」

 

なぜ自分を呼び止めたかに疑問を持つ勇佳に瑞希は周りを確認して誰も聞いていないのを確認して真剣な顔で勇佳を見る。

 

瑞希「さっきは愛香が居たので言えなかったが勇佳に聞きたい事がある」

 

勇佳「何でしょうか?」

 

愛香に聞かせられない事で自分に聞きたい事と言うのに首を傾げる勇佳に瑞希は口を開く。

 

瑞希「勇佳、お前も奇妙な夢を見ただろう?それも愛香が見たプリキュアの夢を……あいつが夢の事を話していてその時のを思い出して気づいていなかったが、お前、驚いていただろ?」

 

そう指摘してどうだ?と問う瑞希に勇佳は困った様に頬をポリポリ掻いてから肯定する。

 

勇佳「はい、見ました……あんな胸糞悪い夢は忘れていたかったですよ……それで、どうして確認したんですか?わざわざ愛香先輩が離れたタイミングで?」

 

逆に聞き返す勇佳に瑞希は髪をかき上げ……

 

瑞希「実は、私もさっき愛香が言った奇妙な夢を見たんだ」

 

勇佳「瑞希先輩も見たのですか!?」

 

告げられた事に勇佳は驚きの声をあげる。

 

瑞希「ああ。その時はただの夢だと思ったが、愛香の話を聞いてあれが夢ではなく、現実であったことだと確信した」

 

勇佳「瑞希先輩も見ていたなんて……瑞希先輩も愛香先輩と同じ夢を見たんですか?」

 

少し違うなと瑞希はそう返して続ける。

 

瑞希「大体の流れは愛香が見たのと同じだが、違いがあるとすれば私が見た変身が解除されたプリキュアが華満らんと言う女の子で墓場で私に話しかけて来たのが九条ひかりと言う金髪の女の子だ。勇佳は?」

 

勇佳「こっちも大体は瑞希先輩のと同じです。こっちじゃあ変身が解除されたプリキュアが芙羽ここねって言う女の子で、墓場で話しかけて来たのは瑞希先輩と同じ黒髪の女の子で名前は雪城ほのか……だったかな?」

 

確認した瑞希はふうむと顎を撫でる。

 

瑞希「変身が解除されたプリキュアと話しかけて来た奴以外は大体同じとは、ここまで夢が似たのを見たのが3人いるなんて偶然とは思えんな……」

 

勇佳「どういう事ですか?」

 

不安そうに聞く勇佳に瑞希は息を吐く。

 

瑞希「恐らく私やお前も愛香と同じ事態に巻き込まれる可能性があるって事だ」

 

勇佳「うえ!?」

 

半信半疑のだけどな……驚いている勇佳に瑞希は遠くを歩いている愛香へ目を向ける。

 

瑞希「まぁ、杞憂であってくれれば良いがな……」

 

勇佳「んー--……もうなにがなんだか……」

 

色々と話をされて頭がパンパンで理解できないと目をグルグルさせる勇佳を横目に瑞希は押して歩く

 

そんな愛香に関わる事での瑞希の懸念は当たるかなどは遠くない事で判明する事を2人は知らなかった

 

────

 

瑞希が勇佳に奇妙な夢の事を話した頃、墨村市の外れにある丘にて……そこに東堂と数人の部下がいた。

 

隊員「東堂博士、この場所が拠点になる場所ですか?」

 

東堂「ああ。この場所は高い丘だから街を一望して見える。何よりも、その丘からはあの建物が見れる」

 

確認する隊員に東堂は頷いてある建物を見る。

 

その建物はネーベル学園だ。

 

隊員「あの建物ですか?」

 

東堂「そう、俺がスカウトすべき人物が所属する学園、ネーベル学園だ」

 

同じ様に見た隊員に東堂はそう返す。

 

隊員「ネーベル学園?一見普通の小中高一貫の学園に見えませんが……」

 

東堂「一見みればそう思うだろう。だがあの学園には何かある。そんな気がするんだ」

 

何かですか?と曖昧な言葉に隊員は困惑する。 

 

部下「あそこに本当に東堂さんが言うと何かあるんでしょうか……」

 

東堂「まぁ、ネーベル学園に向かうのはまだ先だ。まずは拠点を造るぞ」

 

困惑する隊員へ東堂はそう言うと 懐へ手を入れてカプセルのような物を取り出す。

 

隊員「それって、ポイポイカプセルですか?」

 

東堂「そうだ。ドラゴンボールの世界で造られたポイポイカプセル。この中には建築に使う重機が入っている」

 

そう答えながら東堂はカプセルを地面に向けて投げるとカプセルが落ちた場所から煙があがり、収まれば、複数の重機が存在していた。

 

東堂「みんな、この重機達を使って、拠点を建設するんだ」

 

隊員「了解しました。ですが、何故わざわざ一から建てる必要があるんですか?」

 

返事をしてからポイポイカプセルがあるならそれに入れて先ほどの様に出せば良いのでは?と疑問を抱く隊員にそう思うよなと東堂は頬をポリポリ掻く。

 

東堂「いきなり建物が出来たら怪しまれる可能性があるからだ。幸いこの重機には一日で建物が建築出来る為のプログラムを入れている。これで建物を建築してくれ」

 

隊員「はぁ……了解しました」

 

それはそれで重機もいきなり出していたらどこから来たかで疑問を持たれるのでは?と思ったがアナザープリキュアの事もあるので隊員全員が重機に乗り、建物の建築を始める。

 

その様子を見守っていた東堂は辺りを見渡し、奇妙な洞窟を見つける。

 

東堂「何だあの洞窟は?」

 

下調べの際は確かなかった筈……と思いながら近づく東堂に部下も近寄る。

 

東堂「何もなかった場所に何時の間にか出来てた洞窟って何かありそうだな……」

 

部下「どうします?様子を見に行きますか?」

 

呟いた東堂にリーダー格の部下は確認を取る。

 

東堂「あの洞窟が気になるし、俺と少数のメンバーだけで中を見に行く。すまないが俺の代わりに建築現場の様子を見て貰えるか?」

 

部下「分かりました。東堂さんが戻る迄の間、現場の様子を見ておきます」

 

頼んだと自分の代わりに建築現場の様子を見るようリーダー格の部下に伝えた東堂は洞窟へと目を向ける。

 

東堂「さて、あの奇妙な洞窟には何があるか見に行きますか……お前等、十分気を付けていくぞ」

 

部下「「はっ!」」

 

そう言って東堂は少数の部下と一緒に洞窟内に入って行く。

 

其処にはある少女達の運命を変えるものが居ることを東堂は今はまだ知らなかった。

 

 

───

 

東堂とその部下達が洞窟を調べに向かう頃、その洞窟の最奥部には一匹の鳥が眠っていた。

 

深き眠りに付いている鳥は懐かしき昔の記憶を夢で見ていた。

 

───

 

???

 

宇宙の中を進む宇宙船の船内。其処である人物が鳥と外の景色を見ながら話していた。

 

???「母星を離れ、別の宇宙へ旅だってから数日、そろそろ移住に適した惑星が見つかると良いなセッビィ」

 

セッビィ「うん、オイラもどんな星に着くか楽しみビィ」

 

しみじみと呟くその人物にセッビィと呼ばれた鳥は頷く。

 

???「ああ。母星に起きた反乱によって崩壊寸前の母星を離れ、数多の世界に旅だった同胞達も、どんな星に着いたか気になるな……」

 

『まもなく、惑星に到達します。総員、シートベルトを着けて、着陸の衝撃に備えてください』

 

思い出してか悲し気に呟いた人物は船内放送におっと呟く。

 

???「惑星が見つかったか……セッビィ、お前も着陸の衝撃に備えて、足場を掴むんだぞ」

 

うんと答えて、セッビィはしっかりと足場を掴み、着陸の衝撃に備える。

 

暫くして惑星に降りる際の衝撃が起き、人物と共に耐えていると無事に着陸したと言うアナウンスが流れる。

 

セッビィ「何とか着いたビィ」

 

無事に着陸出来て安堵するセッビィにそうだなと人物も笑う。

 

暫くして、降り立った星が住める事が分かり、セッビィは乗員達と共に船を降りようとしたのだが、話していた人物とは別の乗員の一人がセッビィに待ったをかけた。

 

乗員「セッビィ、君はこの船に残って欲しい」

 

セッビィ「どういう事ビィか?」

 

どうして?と戸惑うセッビィを乗員は真剣な顔で見る。

 

乗員「君には大事な事を頼みたいんだ」

 

セッビィ「頼みビィ?」

 

ああと乗員は頷いて船の窓から見える景色を眺める。

 

乗員「俺達は住める事が分かったこの星でこの星の原住民と交わって暮らすと言うのを話した通りだ。全ては俺達、プリキュアの星の民の痕跡を残すため、セッビィは、何故母星であるプリキュアの星から離れて別の星へ来た理由は知ってるかい?」

 

セッビィ「それは、母星で起きたプリキュア同士の戦いが起きたからビィ?」

 

確認する乗員にセッビィは思い出して答える。

 

乗員「そうだ。本来、プリキュアは悪しき者から世界を護るために存在する戦士。プリキュアには悪に堕とされてしまった者達を救う事を使命としている。だがプリキュアの中には力を悪用し、世界に害を与えてしまう者が出てきてしまった。それを放置した結果がキュアタルタロス一派による反乱だ」

 

セッビィ「キュアタルタロス一派は、母星においても強大な力を持った連中なのは知ってるビィ」

 

哀し気に言う乗員は深い息を吐く。

 

乗員「奴等はプリキュアの力を持ってまずプリキュアの星を制圧し、そのプリキュアの星を起点に宇宙の支配を目論んだ。何せ彼女達はプリキュアの力を護るための力では無く、自らを最強である事を見せる為の力と言った」

 

セッビィ「プリキュアでもいろいろ居るビィね」

 

なんとも言えない顔で呟いた乗員のにセッビィは悲しい顔をする。

 

乗員「否定など出来んよ。プリキュアの星出身以外のプリキュアには、タルタロス一派のように力を誇示しようとする者や、プリキュアの力を持って銀河征服を目論む者が居るんだ……それに……」

 

セッビィ「それに?」

 

言葉を切った乗員にセッビィは首を傾げる。

 

乗員「……プリキュアの中には、力を制御出来なかった結果、怪物になった者も出て来た」

 

セッビィ「プリキュアが怪物になるなんてあり得ないビィ……!?」

 

告げられた事にセッビィは驚いた顔で羽ばたく。

 

乗員「無理も無い。プリキュアの力は正しい者が使えば人々を護れる力になるが悪しき者が使えば人々に災いを齎す力になる。だからこそ、我々はタルタロス一派の反乱を鎮圧した後、あるものを開発した」

 

懐を探った乗員は袋を取り出してセッビィに差し出す。

 

渡されたのをセッビィは中身を見ると三つのアイテムが入っていた。

 

セッビィ「このアイテムは何ビィ?」

 

乗員「これは、タルタロス一派の反乱を始めとする最悪の事態が起きたのを機に開発した邪悪な力に溺れたプリキュアへの抑止力となるメサイアレンス、セイヴァーレンス、マフティーレンスだ」

 

興味津々でアイテムを見ているセッビィに乗員は申し訳ない顔をする。

 

乗員「今は必要は無いが、遠い未来で邪悪な力に溺れたプリキュアやプリキュアでありながら悪に堕ちた者が現れた時に必要になる。それをセッビィ、君に預ける。時が来たら3つのアイテムを使うに相応しい子達に託してくれ……ホントにすまない」

 

そう言って1匹遺して行く事に対する謝罪をした乗員は他の乗員と共に船の外に出て行く。

 

そんな乗員にアイテムを託されたセッビィは彼らを見届けると彼から託された事を果たす為に深い眠りに付いた。

 

暫くして乗員達は降り立った星の住人と交わって生き、プリキュアの星の遺伝子を持った子孫がプリキュアの抑止力として闘う事になる。

 

────

 

セッビィ「うーん」

 

長い眠りについていたセッビィは目を覚ました

 

寝ぼけ眼で周りをキョロキョロした後に年号を確認する。

 

セッビィ「随分眠ったビィね。外はどうなっているビィか?」

 

ふわぁと欠伸をしてからセッビィはまず外の様子を見に行こうと窓から外を見る。

 

すると人影が目に入る。

 

セッビィ「あれは……誰か来たビィ?」

 

首を傾げた後にセッビィは誰かを確かめる為に様子を伺う。

 

 

────

 

 

セッビィが窓の外から人影を見ていた頃、東堂達は洞窟の中を捜索していた。

 

隊員A「随分奥に進みましたが、あれから怪しいものは見つかりませんね」

 

東堂「そうだな。洞窟である以上、何かあってくれるとこちらとしては助かるのか、助からないのか……」

 

歩きながら呟く隊員に東堂はぼやきながら周りを見回した。

 

同じ様に見渡していた隊員は壁の一部が光っているのに気づく。

 

隊員B「あれ?あそこの壁の一部が今光った様な……」

 

東堂「壁の一部が光った?……用心して近づくぞ」

 

隊員の見ていた壁を見てからの指示に隊員達は頷いたのを確認して東堂は光った場所に近づく。

 

東堂「これは……窓ぉ!?なんで洞窟に窓が!?」

 

其処にあった窓らしきものに東堂はすっとんきょんな声をあげる。

 

隊員A「東堂さん、この近くの壁はほとんどが岩なのに、一部が金属で出来ていますよ!」

 

東堂「何かあるな。あの窓の近くへ移動するぞ」

 

機械を手に周囲を分析した隊員の報告に東堂はそう言って怪しい窓へ警戒しながら近づく。

 

東堂は隊員達に待つ様に手で合図してから覗き込む。

 

そして目に入った光景に目を見開く。

 

東堂「これは……金属の通路!?」

 

驚きの声をあげる東堂に隊員達も覗いて驚く。 

 

隊員A「SFである様な宇宙船の様な構造をしてる!?」

 

隊員B「東堂博士、こんな人工物、調べておいた方が良いんじゃないですか?」

 

東堂「そうだな。何処かに入れる場所がある筈。まずは其処を捜すぞ」

 

指示を仰ぐ隊員に東堂は洞窟に似つかわしくない人工物の中に入る為の入り口を探す様に指示を出す。

 

その時だ。

 

隊員C「東堂博士!アナザープリキュアの進軍阻止に出ていた別行動中の隊員から連絡が来ました!」

 

隊員の一人が連絡が来たことを東堂に伝える。

 

それを聞いた東堂は通信機を手に通信して来た隊員へと応答する。

 

東堂「何があった!?」

 

隊員D(通信)『す、すいません!墨村市の外れにある大型ショッピングモールまでアナザーブラックの進軍を許してしまいました!現在、立川駐屯地の自衛隊員と近隣の警察官と共に応戦してます!』

 

アナザーブラックが暴れていると言う情報に東堂は苦い顔になる。

 

東堂「調査しようとしたらこのタイミングで、アナザーブラックが暴れるとは……!仕方ない、一度外に出てアナザーブラックの所にいる隊員達と合流するぞ!」

 

人工物の捜索を諦めて合流へと切り替える東堂に隊員達も了解と答えて外へと走る。

 

暫くしてアナザーブラックが居る場所へ東堂達は着いた時、あるものを目撃する。

 

 

────

 

東堂達がアナザーブラックが暴れていると言う連絡を受けて洞窟から出て行くのをセッビィは見ていた

 

セッビィ「あれ?さっきまで近くに居たのに何で居なくなったビィか?」

 

窓越しだったのもあり、会話の内容が聞こえていなかったセッビィは中に入ろうとしていた東堂達が急に外に出て行った事に戸惑っていた。

 

セッビィ「もしかしたら、外で何かあったビィね?」

 

慌てて出て行く感じに見えたのでセッビィも確かめようと外に出ようと羽ばたこうとし…… 

 

―助けて……―

 

セッビィ「うっ、何だビィ!?」

 

突如頭の中に助けを呼ぶ声が響き、セッビィはその際の少しの痛みに頭を抑える。

 

頭を振った後に今のは……とセッビィは戸惑う。

 

セッビィ「女の子の声が聞こえたビィ。でも、どうしておいらの頭の中に女の子の声が……ちょっと外の様子を見てみるビィ」

 

そう言ってセッビィは目を光らせる。

 

セッビィは特殊な能力を持っており、そのうちの一つである千里眼で外の様子を伺っているのだ。

 

すると千里眼によって映ったものの中に見えたある存在にセッビィは驚愕する。

 

それはキュアブラックを元にした怪物、アナザーブラックであった。

 

セッビィ「この化け物は何ビィ!?」

 

アナザーブラックに驚いていたセッビィは永い眠りに入る前に聞いた事を思い出す。

 

セッビィ(もしかしたら乗員が言っていた遠い未来で邪悪な力に溺れたプリキュアやプリキュアでありながら悪に堕ちた者ビィか……だったらほっとけないビィ)

 

暴れるアナザーブラックの姿を目撃したセッビィはアイテムの入った袋を見て決意する。

 

セッビィ「なら、今すぐこのメサイアレンス、セイヴァーレンス、マフティーレンスの適合者を見つけて、怪物を止めて貰うビィ!」

 

アナザーブラックを止めるべく、自分が託されたアイテムに適合する者を探しにセッビィは外へ飛び出した。

 

────

 

セッビィが適合者を探すべく行動を起こす前の時間に戻る。

 

墨村市の外れにあるショッピングモールの近くでアナザーブラックを警察官と自衛隊が応戦していたが抑えきれずに数名負傷し、ショッピングモールに侵入されてしまった

 

警察官A「くそぉ、なんて奴だ!」

 

警察官B「立川駐屯地で暴れて、まだ暴れ足りないのかよ!」

 

肩を上下させながら呻く警察官Aに警察官Bも呻く。

 

警察官B「応援は?」

 

警察官A「署に連絡したが時間はかかるそうだ。と言うか怪物を相手するなんて事がないからさらにかかるそうだ」

 

確認する警察官Bに警察官Aはくそったれと毒づく。

 

警察官B「となると俺達やここにいる自衛隊で怪物を止めなければならないって事ですか!?……俺達、パトロール中だったから、まともな装備をしてませんよ!?」

 

警察官C「と言うか怪物用の装備なんて早々用意できるのか!?」

 

分かってる!と弱気になっている警察官BとCに警察官Aは怒鳴る。 

 

自衛隊員A「あの怪物め……休暇明けにショッピングモールで暴れやがって」

 

自衛隊員B「どうする?俺達以外に立川駐屯地の復興作業でまだ他の隊員は来れないぞ」

 

苦い顔をして手元の装備がまだ使えるか確認する自衛隊員Aに自衛隊員Bは問う。

 

自衛隊員A「復興作業を終えるのを待ってたら被害が拡大しちまう!俺達だけでもやるぞ!」

 

自衛隊員B「俺達6人で足止めするって事なのか!?」

 

警察官C「だがあの怪物は、拳銃でも歯が立たないんだぞ!」

 

自衛隊員C「さっきだって対戦車ロケット弾を食らってもすぐに再生した相手を倒せるのか……」

 

警察官達と自衛隊員は通常の武器ではアナザーブラックを倒せるのか不安を抱いた。

 

???「あの怪物は普通の存在じゃない。そんなそこらの猛獣そいつと一緒に考えるのは止めといた方が良い」

 

警察官A「誰だ!?」

 

この場にいる誰でもない声に警察官と自衛隊員は銃を向ける。

 

駆け寄って来たのは、東堂の命令でアナザーブラックの進軍止める為に別行動をしていた隊員であった。

 

隊員E「待て、俺達は敵ではない!あんたらと似た職業の者だ!」

 

自衛隊員A「その出で立ち、あんたら、特殊部隊の人間か?」

 

手を前に出してそう言う隊員Eに自衛隊員は警戒しながら問う。

 

隊員E「まぁ、それに近いな。それよりもあの怪物をどうにかしないといけない」

 

自衛隊員A「どうにかって、残念だが、俺達の武装では奴を止めるのは不可能に近い。事実、立川駐屯地にいた俺達の同僚達はその怪物にやられて病院送りだ。他にいた同僚もあの通りだ」

 

そう言う隊員Eに自衛隊員Aは苦い顔で告げる

 

彼が顔を向けた先には来た救急隊員たちによって治療を受ける自衛隊の姿があった。

 

隊員E「だが、足止めしないと奴によって被害が増える」

 

警察官A「分かっているが……あんた等は足止め出来るのか?」

 

問う警察官Aに隊員Eは頷く。

 

隊員E「ああ、倒すのは出来ないがそれ位はな!だから此処は俺達に任せて、あんた等は市民の避難誘導を頼む。行くぞ皆!!」

 

力強く隊員が号令をかけると、一緒にいた仲間と共にアナザーブラックが侵入したショッピングモールの中に突撃する。

 

自衛隊員B「どこの所属かは分からないが、彼が言った様に周りを気にせず動けるように支援しよう!」

 

自衛隊員C「そうですね。市民の安全を守る事が俺達の使命だ!」

 

警察官B「俺達だって!市民の平和を守る警察官だ!」

 

警察官C「そうだな。市民を護るのが警察官の役目だ。避難を急ごう!」

 

お互いに頷きあった後に隊員達に続いて逃げ遅れた人達がいないか探してショッピングモールに突入する。

 

隊員D「これで良し、できる限り早く来て下さいよ東堂博士……」

 

連絡員として1人、外に残った隊員は先ほど連絡した東堂達が早く来る事を願う。

 

 

 

────

 

 

 

隊員達がショッピングモールへ突撃していた頃、ショッピングモール内ではアナザーブラックが辺りを破壊しながら暴れていた。

 

アナザーブラック「私達を黒歴史として消し去り、そして存在が許されている作品。私はそんな存在を許さない!」

 

アニメ作品などが置かれている場所を壊し、憎しみを言いながらアナザーブラックは暴れまくる。

 

???「こんな所で怪人が暴れているなんて……」

 

???「くそっ!これじゃあ外に出られないぞ!」

 

そんなアナザーブラックの様子を一組の男女が隠れながら見ていた。

 

避難し遅れた者達だろうか、そんな2人が新たな戦士の誕生を見届ける目撃者になる事を、誰も知らない。

 




次回、テイルズディフェンドはアナザーブラックに挑む
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