凍てつく闇の冷たさを教えてあげるよ。

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メインで書いてる作品がシリアスな展開が続いてるので息抜きに書いた。
後悔はしていない。


目が覚めたらガゼルだった件

「凍てつく闇の冷たさを教えてあげるよ」

 

痛い。この厨二全開で一度聞けば何故かいやに記憶に残るフレーズ。そう、皆大好きエイリア編最強のネタキャラ、涼野風介ことガゼルさん。

 

に気付けば憑依していた僕です。訳が分かりません。ありがとうございます。

 

そう、あれは凄く唐突だった。なんの前触れも無く意識が暗転し、気付いた時には─────

 

────目の前に赤いチューリップがいた。

 

いや、失礼。間違えた。エイリア学園マスターランクキャプテンの中の比較的常識人として有名なバーンがいた。いきなり過ぎて頭が回っていなかった僕がバーンに放った第一声は

 

「そのチューリップ、立派ですね。水やりとか手伝いましょうか?」

 

だった。我ながら渾身のギャグだったと思うのだが、何故かブチ切れたバーンに追いかけ回されることになり、もっと高度なギャグにすべきだったかと反省したのは記憶に新しい。

 

まあ、それからなんやかんやで涼野風介として生活していた僕であったが………ん?端折りすぎ?小せぇことは気にすんなよ禿げるぞ。

 

お日さま園とかいう何とも微妙なネーミングセンスの施設で過ごしていたが、割と快適な生活だった。自分で用意せずとも食事は出てくるし、何か仕事がある訳でもない。ニートの如き生活は余りに魅力的で、僕はすっかりこうなる前の生活のことなど忘れた。

そして何よりも最高なのは─────

 

胸囲の侵略者達の可愛いロリっ子姿を拝めることである。

 

やっぱりウルビダは最高だぜ!いや、しかしマキュアやクリプト辺りも捨て難いし、レアンやアイシーも中々……。

 

「おい、風介。お前また馬鹿なこと考えてるだろ」

「チューリップは黙れ。いっそ死ね」

「酷ぇな!?」

 

チッ、うるさいチューリップだ。折角僕が可愛いロリを視姦……もとい眺めているというのに、何の用だこの赤色の植物は。

 

「暇ならお前も一緒にサッカーやろうぜ」

「野郎と一緒に玉蹴りなんぞして何が楽しいんだ。僕は今大事なミッションの真っ最中なんだ。一秒でも長くロリの姿を目に焼き付けなければ……」

「お前、気持ち悪いぞ……」

「フッ、君には分からないさ。此処がエデンだったってことはね」

「……こいつこんなに馬鹿だったか?」

 

うるさい。大体なんで僕はこいつとセットで扱われることが多いんだ。こっちにだって選ぶ権利があるんだぞ。僕は可愛い女の子と仲良くなりたいんだ。チューリップは根腐れでもしていろ。

 

「風介〜一緒にサッカーしない?」

「ああ、もちろんさ。僕が誘いを断るはずないだろう?」

「っておい!?」

 

アイシーこと、凍地愛の誘いに即座に了承の返事を返す。チューリップが何か言っているような気がするが無視だ。野郎に用は無い。

 

 

そんな感じで楽しく女子と過ごす毎日に不満など無く、新しい人生を謳歌すること数年。遂にあの時が来てしまう。

 

そう、宇宙人のコスプレをさせられるのだ。何が楽しくて男のピチピチスーツ姿を見なくてはならないのか。女子も参加していなければボイコットしていたところだ。体のラインがモロに浮き出た素晴らしいユニフォーム姿の女子を観察する。うむ。実によきおっ〇いだ。最近の中学生の発育は実にマーベラスである。あ?おい、どけチューリップ。僕の視界に入って来るな。男はお呼びじゃないんだよ。

 

「風介、父さんが俺達に話があるそうだ。早く行くぞ」

「分かった。僕の分までしっかり聞いてきてくれ。僕は今忙しいんだ」

「分かったからさっさと行くぞ」

「む!?おい、待てチューリップ!!離せ!!お前には分からんのか、あの素晴らしいおっ〇いが!!」

「誰がチューリップだ!!後、大声でなんてこと叫んでんだ手前は!!」

 

チューリップに無理矢理引き摺られて渋々吉良……名前忘れたわ。とにかくこのお日さま園の……園長?どういう立ち位置なんだこの人。まあ、とにかくそんな感じの人の前に立つ。

 

「晴矢、風介。お前達にマスターランクチームを率いてもらいたい」

 

頭イカれてんのかこの大仏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

必死の説得も虚しく、ダイヤモンドダストのキャプテンになってしまった。どこに目ぇつけてんだあの大仏。僕にそんな大役が務まる訳がないだろう。自慢じゃないが【ノーザンインパクト】どころか【フリーズショット】を打つのがやっとのレベルだぞ僕は。くっ、これだから天才は困る。溢れるカリスマを抑えられずに周りに変な勘違いをさせてしまう。やれやれ、自分の才能が恐ろしいぜ。

 

等とおどけてみたものの、大きな問題に僕は直面している。そう、それ即ち────

 

────ユニフォームがピチピチでないのだ。

 

アイシーやクララ、リオーネ。同じチームの可愛い女の子のピチピチスーツ姿を拝むこと以外にこんなくだらない計画に参加する意義があるだろうか。いや、ない(断言)

 

僕は大仏のおっさんに猛抗議した。それはもう思い付く限りの言葉をそれらしく理屈を付けて語り続けた。そして僕の想いが通じたのか、ダイヤモンドダスト、プロミネンス両チームのユニフォームが他のチームと同じピチピチスーツになることが通達された。

 

や っ た ぜ !!

 

これを受けてプロミネンスの一部のメンバーからは厚いお礼の言葉をもらった。なんだプロミネンスにも話が分かる奴がいるじゃないか。アイシーのユニフォーム姿を見て鼻血を出したムッツリのアイキューと誰か交換したいくらいだぜ。

 

ちなみにダイヤモンドダストの女子のユニフォーム姿だが、恥ずかしがり、こちらをジト目で見るクララが最高だったとだけ言っておこう。

 

 

そんな日々を過ごしていた矢先、事件は起こる。

 

「やあ、ガゼル。調子はどうだい?」

 

ホモとの遭遇である。

 

ガイアのキャプテンであるグランことヒロト。こいつはこのエイリア学園で最も注意すべき人物だ。何せ少し会話を交わしただけの相手を日本中ストーキングし、いざ試合となれば容赦無くシュートを放ち、ボコボコにしながら告白する頭のイカれた野郎だ。このお日さま園No.1のイケメンフェイスの持ち主である僕の尻を狙って来ても不思議ではない。考えただけで吐き気がしそうだ。

 

「やあ、グラン。君が僕の目の前に現れるまでは絶好調だったよ。今すぐ消えてくれないかな?」

「ははっ、相変わらず辛辣だね」

 

ははっ、じゃねえよ。どっか行けって言ってんだろ。どこぞのチューリップじゃあるまいし、これくらいの意図は読み取れるだろうが。

 

「ん?お前ら何してんだ。こんなとこで」

「おお!!丁度いい所に来たなチューリップ!!お前どうせ暇だろ。グランに付き合ってやれよ」

「だから誰がチューリップだ!!ってグランがどうしたって?」

「いや、僕は……」

「ったく。なんなんだよガゼ……っていねぇ!?」

「はあ……また逃げられたか」

 

グッドタイミングで現れてくれて助かったぜ。流石は僕の心の友、チューリップだ。ん?バーンだっけ?まあいいやチューリップであることに変わりないし。たまには役に立ってくれて何よりだ。

 

さあ、僕もたまには練習でもするか。せめて【ノーザンインパクト】ぐらい打てるようにならなきゃ格好がつかないしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ、やはり僕は天才だ。こんなにもあっさりと習得してしまうとはな────

 

────【エターナルブリザード】を。

 

な ん で だ。

 

Q、なんでそっち覚えちゃった?

 

A、なんか出来たから。

 

 

つまり僕は悪くない。ファイナルアンサー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人練習の為にグラウンドに訪れたバーンは、珍しい光景を目撃する。

 

「ガゼル?」

 

練習用のグラウンドで一人で黙々とシュートを打ち続けるガゼルの姿がそこにはあった。

いつも飄々とした態度を崩さないガゼルだが、今バーンの視界に映るガゼルの表情は真剣そのもの。恐らく自分が入って来たことにも気づいていないのだろう。気づいていたら

 

「なんだチューリップじゃないか。悪いけど、植物の水やりに付き合っている時間はないんだ。すまないね」

 

などと戯けたことを言ってくるはずだ。いつ頃からか、巫山戯た言動ばかり取るようになったガゼルだが、根本的なところは変わってはいないとバーンは思っている。

ガゼルは負けず嫌いだ。マスターランクのキャプテンの中で、明確に実力が劣る現状が、ガゼルにとっては我慢ならないのだろう。

巫山戯た言動のせいで勘違いされがちだが、ガゼルは人のことをよく見ている。困っている時にガゼルに助けてもらった者は多いし、実際にそういう経緯の末にガゼルを慕う者もそれなりにいる。

キャプテンとひとくちに言っても、その形は様々だ。実力でチームを引っ張る者もいれば、目立たなくとも影からチームを支える者もいる。少なくとも、現状のガゼルは後者に近い。

決して下手と言う訳ではないが、実力的にはマスターランクの選手の中でも下位に位置する。父さんもそれを承知のうえでガゼルをダイヤモンドダストのキャプテンにしたのだろうが、本人はそれに納得していないらしい。だからこそああして練習しているのだろう。チームメイトに努力していることを悟られたくないから一人で。

 

────ったく。しゃあねぇなぁ。

 

馬鹿さ加減に辟易することもあるが、それでも大切な親友だ。力になってやるとしよう。

 

「おい、ガゼル。一人で練習か?なんなら俺が練習に付き合ってやるぜ?」

「ん?チューリップ?何でここに………は!?お前まさか僕の汗を狙って来たんじゃないだろうな!?まさかそんな高度な変態だったなんて……!!」

「何の話だ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから練習を重ねているが、一向に【ノーザンインパクト】を習得出来そうな気配はない。なんでだろうな?僕はガゼルなんだし、あの技好きだから意識的な問題でもないと思うんだが……。

練習量が足りないのか?なら原因は最近何かと練習中に現れては邪魔をしてくるチューリップのせいということになるが。

最近あの根腐れチューリップは僕の汗を狙って僕をストーキングしているのだ。おかげであいつを撒くのに時間を食ってしまって練習時間が減ってしまっている。オマケに逃げた先でホモとかち合うこともあり、僕のストレスは溜まっていく一方だ。

チームメイトのエロスーツ姿で癒されていなければ、今頃は更なるエデンを求めてこんな所とはおさらばしているところである。

ちなみに僕が【ノーザンインパクト】を習得しようとしている理由はただ一つ。

 

「凍てつく闇の冷たさを〜」とか「絶対零度の闇を〜」とか言ってる奴が雑魚だったらカッコ悪すぎるからである。

原作のガゼルは確かな実力がある故にネタキャラ扱いされているのであって、そこいらの雑魚があんな言動を取っていたら、もうそれはただの痛い奴である。じゃあ言わなければいい話なのだが、それは違うと思うのだ。

 

厨二でないガゼルはガゼルではない。

 

だからこそ、言わねばならんのだ。否、僕が言ってみたいのだ。

 

「凍てつく闇の冷たさを教えてあげるよ」と。

 

この言葉には謎の中毒性がある。決して口に出して言ってみたくはならないが、好きな人は多いのではなかろうか。

しかし、今の僕はガゼルである。であれば言わねばらんだろう。

 

ならば僕は分かっていなければならないのだ。凍てつく闇の冷たさというものがなんなのかを。

その為にも必殺技を覚える必要はあるかと思っていたが……よくよく考えてみると凍てつく闇ってなんなんだ。ガゼルのどこに闇要素があるんだ。…………ふむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの………ガゼル様?その頭はいったいどうなされたので……?」

「凍てつく闇とは何なのかを研究しているのだ」

「は、はあ……?」

 

とりあえず闇といえば黒とか紫っぽいイメージがあったので、頭髪を黒く染めてみたのだが、周囲の反応はあまりよろしくない。

何か悩みでもあるのかと何度も聞かれるのは正直鬱陶しい。その中でまたいつもの奇行か。やれやれしょうがない、とでも言わんばかりの視線をよこすだけのチューリップは有難くはあるが、そういう態度もそれはそれでムカつくのだ。

 

 

 

 

 

「ガゼルゥゥゥゥ!!!!テメェーーー!!!!逃げんじゃねえ!!ぶっ殺してやる!!」

 

翌日、朝からチューリップが何やら物騒なことを言いながら憤怒の形相を浮かべ追いかけて来るが、何をそんなに怒っているのだろうか。

 

「おいおい。朝からはよしてくれよ。植物は朝から元気かもしれないけど、こっちは疲れてるんだ。朝食くらいゆっくり取らせてくれよ」

「テメェ!!人の頭をこんなにしやがったクセに何言ってやがる!!」

「あん?素晴らしいだろう?思いついた時には神の啓示だと思ったね」

「殺す!!」

 

やれやれ何を怒っているのやら。僕はただ真ん中のチューリップを残して残りの髪を刈り取っただけだと言うのに。名付けてチューリップモヒカン。素晴らしい出来栄えだと思ったのだが、どうやら最先端過ぎて理解されなかったらしい。いつの時代も天才の感性は理解され難いものだ。仕方ない。

 

この後、結局捕まった僕は文字通りチューリップに半殺しにされた。偶然通りがかったホモが止めてくれなかったら本当に殺されていたかもしれない。初めてホモに感謝の念を抱いたぜ。ただ、あいつもチューリップの頭を見て思いっきり噴き出していたというのに、睨まれただけで終わったのは解せない。僕と同じ目に遭わせられるべきではなかろうか。

 

この後、チューリップは残りの髪も全て刈り上げ、目出度くハゲとなった。これからはチューリップ改め赤達磨と呼んでやろう。

そして僕は何故か【ノーザンインパクト】が使えるようになった。死にかけたら技を覚えるとか、ガゼルはサ○ヤ人だった……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

抹茶ソフトが負けたらしい。

 

あれからしばらくして破壊活動という名のコスプレ披露会を開始したエイリア学園。最初に全国にその痴態を晒すことになった抹茶ソフトがこの度敗北し、お役御免となった。今頃はホッとしていることだろう。

 

そして次に全国デビューを飾るのは色物が集うこの集団において、ホモと並ぶ、指折りの変態。

 

そう、ドエームである。

 

戦闘狂と言えば多少は聞こえはよくなるが、その実態は強いシュートを受けて喜ぶ真性のドMである。【ノーザンインパクト】を受けて凍りついた後で、魂が震えるとか言い出した時は頭が逝ったのかと心配したものだ。

ところでドエームは受験生だったと思うのだが、勉強とかしているのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドエーム負けとるやないか。あんなに目を充血させてるからだ。だから睡眠をもっと取れと言ったのに。で、あれが雷門か。実際に見るのは初めてだな。

 

…………………………。

 

雷門イレブンをじっくりと、しかしそれでいて素早く観察する。

ふむ、悪くない。男子の中に紛れて汗だくになる塔子。字面がどこか淫靡である。その汗ペロペロしたい。

マネージャー達も皆レベルが高い。是非ともお近付きになりたいものだ。

瞳子姉さんは久しぶりに見たな。相変わらずデカいおっ○いだ。マネージャー共々エロスーツを着せて視姦したい。

 

雷門の観察を終えた僕はドエームを強制送還する。その際に何やらこちらに言ってきている奴がいたが、無視する。むさ苦しい男の言葉を聞く価値などない。

 

そう思い帰った後に気づいたが、あれって主人公だったのでは?

マジかよ。モブ顔にしか見えんかったわ。僕の目腐ってんの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、色々あったが、遂に僕の出番だ。やっとあの台詞が言えると思うとテンションは最高潮である。さあ、聞き惚れるがいい。厨二全開のガゼルの迷言に……!!

 

 

 

 

 

 

 

────さあ………凍てつく闇の冷たさを教えてあげよう。

 

 

 

 

 

凍てつく極寒の冷気と、夜をそのまま凝縮したかのような闇色のオーラを纏い、少年は主人公の前に立ちはだかる。

 




続きません。

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