神ゲーでVRデビュー!   作:ずーZ

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はなしがーすすーまないー
ので2話目。でもすすまーないー


セカンディル 6

 現在シャンフロ始めて3日目であること、PKされたこと、レベルやステ振り装備云々を話したら、

(すっげえ同情した顔で)あんな優しくパーティ申請してくれるなんて! 

 

 

『タンクなら宛があるし、火力っていうより遠距離で削って貰えることが助かるんで! 

 それにスズキさん。スズキさんが見たっていう掲示板の募集要項は、顔も合わせていない相手を推し量るものです。正直私だって掲示板越しにスズキさんから参加したいって、そのステを見せられたら断ります。マトモに協力できるのかって信用ができないので。

 けど今こうして直に話して、なんとなーく気が合うなら、私はイイヨッ!と思いますので! パーティの他の二人も、あのオメブレを経験してるっていうスズキさんなら大丈夫、大丈夫ですから!

 うんうん。だから、気軽にどーぞっ』

 

 

 楽しくいこーぜ! って。

 なんて、いい人。──ペンシルゴンは、にくきうさんの爪の垢を煎じて飲め。

 盾はあっても無くても。杖だけ用立てれば大丈夫、ってのも有り難い……! 

 

 鉱石を必要な額分売却。

 『魔兎の短杖』の制作依頼をして。

 

 お待たせしました沼荒野への出入り口! 

 KA O A WA SE ! 

 

 

「すみませんお待たせしました、スズキです! 今日はよろしくお願いします!」

「【量産型パスタ】、俺の事はパスタでいいぜ。よろしく頼むスズキさん」

 

 

 にくきうさんの傍にいた二人のうち特徴的な名前の方から挨拶が返る。一式装備でフルフェイスだから顔はわからないがタンクの宛とは彼の事なんだろう。ショートソードだけじゃなく灰色の円盾を装備してる。

 

 で、もう一人。

 

 

「……」

「えーと?」

「? どしたよ、アンタ」

「あれ? もしもーし?」

 

 

【ユビフ】さん。こちらもこちらで隔て刃一式、ピッタリと顔を隠すマスクをしてて、表情がイマイチわからない。長杖装備だから魔法職なんだろうけど、なんか固まって……あれこれ嫌がられてる? 魔法職同士だからか? 役割被るからか? 

 嫌がられてるのか、でも、マスクの下の目はそうでもないか? 

 嫌悪は感じない。むしろ見開いて、俺の事をじーっと見つめてる? 

 

 

「! ごめん……。ワタシは、ユビフです。よろしくお願いします」

「い、いえいえ。はい、よろしくお願いします」

 

 

 にくきうさんより声が高いしか細い。女性プレイヤーか。俺より頭1つ優に超える長身で体格も男のそれだったから、てっきり男性かと。

 そうだよな。VRゲームだもんな。声だけは変わらないけど、

 見た目は、() () ペンシルゴンみたいに変幻自在に見目麗しく作れるもんな。見た目だけは麗しくな。

 アバターの性別と声が一致した人としかまだ接してないから、違和感あるけと。

 女性が男性アバターってネカマ、じゃなくて、ネナベだったか?

 

 基本的な戦闘時の立ち回りはと話し合えば、

 

 パスタさんは前衛だが主に片手の盾を用いてタンクもする剣士、サブに鍛冶師。道中必要なら武具の修繕をマーニか素材で賄ってくれるそうな。俺とユビフさんは杖だから余程のことがない限り不要だが、にくきうさんは助かるんじゃないか?

 

 にくきうさんは今作成依頼中の、毒の爪装備で戦うバリバリ前衛の傭兵、サブなし。なんか元気に跳ね回る、猫っぽい雰囲気があるのはそれのせいか。サブなしなのは特に決められないし、どうやら何かのフラグになる可能性がある、という情報はみんなして少し驚いた。

 

 ユビフさんはやっぱり魔法使い。でも火力になれるほどの魔力はなしと。それはそれとして(俺が買えなかった)回復魔法と付与魔法で援護するそうな。サブは料理人……シャンフロ世界の料理、と聞いて一同何とも言えなかったのは、まあ、うん。

 ……か、回復魔法と付与魔法、どんなのだろうか! 楽しみだ。

 

 

「たった2日目でオメブレだけじゃなくPKに? ……そりゃあ災難な」

「あははー、ほんと、考えると虚しいっす。いやマジに」

「……杖はどうせ作れなかったが。鉄鉱石はオマケしてやる、灰色鉱石が4つあるなら、盾、すぐ作ってやるぜ。どうする?」

「え、ええ、いいんですか!?」

「これも何かの縁だしな。今回はタダで構わねえよ」

「あ、ありがたいです!」

 

 

 パスタさーん?! めっっちゃ良い人じゃん! やったやった、えーと鉱石たしか、あったあった! 

 オブジェクト可してパスタさんに渡すとすぐやるからとのこと。皆して道の端に寄った。

 え、ってかここで? 鍛冶? 

 

 

「『鍛冶:盾』を、コイツに付与して、ふんっ」

「おお……これも魔法なんだ、へー」

「まあ、腕に装備できる、もんしかまだ作れ、ねえけどな」

 

 

 パスタさんが一定の間隔を開けつつ槌を振るうたび、淡い光の中、みるみるうちに鉱石が蠕き形を変えていく。

 まるで生きてるかのようにその姿を変えるなんて。こりゃほんとにあっという間にできるがしかし、

 鍛冶魔法が一番ファンタジーしてねえかこれ。

 

 

「うわーお。すっごいキラキラしてるー! 

 ねね、ゆーさんゆーさん! パスタさんいい人! 困ったスズキちゃんを助けるべく『盾は任せな』なんて、なんてなんてかっこいい良い人ナンダッ! 

 私達もなんかお願いしよー」

「構わねえが、ちゃんと金とるからな」

「えぇぇえ? けちぃいい」

「テメエからは倍とる」

「んぎゃっっ!? ひっっどくないっ!?」

「パスタさん、ワタシは何かあったその時は、よろしくお願いしたいです。はい」

「アイよ、通常料金で承らあ」

「パスタさーん、うそでしょー。わたしがむしろー、爪の損傷が辛いってー」

 

 

 和気藹々って、これか。

 会話の輪にまだ入り辛いけど、なんか楽しいなあ。

 

 

「っし、できた! スズキーほれ」

「あ、はい!」

 

 

 メニューから受け取る。『灰色の円盾』か。

 すげ、耐久値が堅木の丸盾の倍以上ある。ついでに火耐性も少しついてるなんてこりゃいい。至近距離のファイアボールの余波も凌げるかも。

 さっそくオブジェクト可して装備、と。

 おお、やや重たいのがまた。日にかざせば堅木の丸盾にはなかった金属特有の光沢が、灰色混じりに白く輝いてるっ。

 まさしく、盾って感じだ。カッコいいっ。

 

 

「すっごい。ありがとうございます!」

「道端での急造。+3までついた会心、とまでは言えねえが。まあ素材半分だけで作れたってことで、多目に見てくれや」

「充分ですよ。うわあ……」

 

 

 うう。悪い事もあったけど、ちゃんっっといい事も、あるんだなあ。くうう。

 

 

「おあー光沢キレーカッコいいー。

 あーんないいの貰ってるなースズキさんはさー。パスタさんからさー、一人だけさー。はー。

 いーいーなあぁー」

「に、にくきうさん、そんな言い方は困らせちゃいますよ?」

「そうそう。にくきうさんよ、んな絡み方してやんなや」

「んじゃパスタさん」

「2倍だ」

「げぢぃ!!」

 

 

 はー。いい盾を頂けたんだ。攻略がんばろっ!

 

 

 




当方。
のんびり、ぼちぼち、遅々と、やらせて頂きます。
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