神ゲーでVRデビュー!   作:ずーZ

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キャラ増えるとセリフが増えて中々文を整えていられないんですねえ。つまり?


……


セカンディル 7

 

 

 

 

 ──んじゃこのパーティリーダーとして音頭とっちゃいます! 出発は今からだと、ちょうどいいから15時からにしたいけど、大丈夫でしょうか?! ──大丈夫ね。よしゃよしゃっ。

 私の武器、スズキさんの杖のこともあるし。各々準備が終わったらまたここにね! 

そしてそして、いわゆる遅刻はげーんきんですっ!

 そこんとこよろしく~。

 

 

「ふー。いよいよか」

 

 

 ヘッドセットを持つ手が震える。緊張してきた。

 上手くやれるか、って不安と。あの人達となら楽しくやれるって確信。

 初めて、マトモなパーティプレイ! 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 ログイン、さっそくとまずは店にむかう。

 出来上がっていた魔兎の短杖(MP+9補正付)を受け取る。

 俺の身長近くあった長杖と比べると随分と短い。肘から指先位の、木製の短杖。アルミラージの毛と、少量のヴォーパルバニーの毛を芯にしてあるとか。

 

 短杖にしたことで魔力消費は若干減り、魔法の威力も少し落ちたことになる。だけど、長杖より断然取り回しやすい。咄嗟に杖を振ることも容易だろう。

 

 手元でクルクル、リアルじゃできないバトン回しをしばし楽しみ、新たな杖を手に馴染ませた所で。

 店を出てー、

 所持品を確認しー、ふむ。

 

 よしっ! 

 

 

「お待たせしましたっ」

 

 

 そろそろ15時になるかならないか。集合場所へと軽く走れば、パスタさんとユビフさんがすでにいた。

 

 

「おう。ま、大丈夫。俺もユビフさんも今来たとこさ」

「改めてよろしくお願いします──スズキさん」

「は、はい。よろしくお願いします……」

 

 

 俺と話すときだけユビフさんは少しボヤッとする感じがある。パスタさんも俺と同じく疑問はあるようだが、目が合うと肩をすくめた。

 その隔て刃の覆面の下はどんな表情なのか。どうにも気になる。

 けどひとまず、にくきうさんが駆け寄ってきたし、と。

 

 

「よーし! よしよーし! 私の爪もやっっとできた! 

 お待たせー! みなみなよろしい? よろしいっ、時間通りだゼィッ。

 さあっ。沼荒野とマッドディグの攻略パーティッ。

 サードレマ目指していざっ、いっくぜ──っっ!!」

 

 

 行き交うプレイヤーやNPCが何事かと見てくる大声だ。

 俺もパスタさんもユビフさんも、苦笑いしながら軽く声を上げる。にくきうさんのノリが俺にもなんとなく分かってきた。

 周りの視線なんて、まったく、気にもならない。むしろこの楽しそうな雰囲気が、少し自慢できそうなくらいだ。

 

 

 

 

 …………

 

 

 

 

 出発してしばらく。

 

 先頭を歩くパスタさんと、にくきうさんがキャイぎゃい絡んでるのをぼんやり聞きながら、後衛として少し離れたまま周りを観察して歩いている。

 が、何故か隣でチラチラしてくるユビフさんに意識を割かざる得なかった。

 なんだなんだこの人。俺に、そんなに気になるところがあるのか? 

 

 

「あのーおれになんか、気になるとこあります?」

 

 

 思い切ってみるが、どうだ? 

 

 

「え?」

 

 

 疑問形で返されただとぅ!? 声をかけられると思ってもみなかった雰囲気だぞこの人っ。

 ど、どうする? コ、コミュ力をっ。

 リーダーにくきうさん! 良い人パスタさーん!! 

 なんて叫べる訳もなく。どうする? 

 言っちまった以上いいやきけえっ。

 

 

「ほら、パーティとひて」

 

 

 噛んだ。

 

 

「……」

 

 

 恥っっずいからなんか言ってっ! 

 く、ええいままよっ。

 

 

「……パーティとして集まってから、ぼくのこと、ジッと見てたりが、ですね、気になってまして、ですね、はい。

 装備ですかね? 初期装備だから、このまま攻略するっての、やっぱり気になりましたかね?」

「──ありがとうございます」

「は?」

 

 

 めっっちゃ素の声でた。

 え? ありがとうございます? 

 え? は? 

 どういうこと?? 

 

 

「え、やち、違くて! 忘れてください! 気になるは気になるけど、そういう意味ではなくて顔というかアバターが」

「アバターが??」

「──」

 

 

 困ったように顔を覆われてもそんな……俺だって困るぞ? 

 

 アバター? この? んー? 

 無難にキャラクリエイトすませたぞ? 

 

 ──デフォルトの一覧から派手すぎないのを選んで、髪色は黒一色よりせっかくファンタジーだし、と少し茶を混ぜた。目元は気持ちなんとなく垂らして、背丈現実よりにして、体格は中肉っていうより、魔法使いだし気持ちほっそりとさせたか。

 

 髪と目と体格しかいじって、いや一応顔を見たとき違和感が拭えないところは手を加えたな。黒子とか。

 

 でも、ちょっっとしたことしかやってないぞ? 

 

 手先足先眉とか口とか頬とか耳鼻喉デコアゴ、ツムジの巻き方毛先の跳ね方アホ毛の有無なんて拘れないというか気にしない。肌の色はわかるが体毛の濃さってなんすかね。

 まだまだあったな、フルスクラッチってあれどのくらい時間かかるん? 

 

 そんだけイジれる中ちょちょっとしかイジらなかった、このアバターにありがとう? 

 

 色々考えてみたが、──やはり困るだけだった。

 

 

「??」

「いえ実はその、ワ、ワタシも」

「ふたりともっ!」

 

 

 長い沈黙から戻ろうとしたユビフさんを、先行していた、にくきうさんが鋭く遮った。

 

 

「! すみませんいきますっ」

「っ、付与、まわします!」

 

 

 ハッとしてユビフさんと前を向き、お互い杖を手にとる。

 二人へと迫る複数の獣がそこには見えた。

 

 

「『堅身』、『堅身』」

 

 

 視認した俺が駆け出したと同時、前衛二人へと背後から光球が一直線に飛んで音もなく接触した。

 堅身、1分間防御に補正がつく付与系統。俺の欲しかった魔法その1、いいなあっ。

 極々薄っすら光る二人が各々構え、複数の獣、迫る狼の群れと相対した。

 

 

「さあみんな! やっていくよみんなで初戦闘! パスタさっ!」

「合点っ」

 

 

 力強い返答と共にパスタさんが大きく動く。おそらくステップ系のスキルを使い、盾を構えてほんの数歩を跳ねるように動いて群れの側面に回り込み、すかさず、

 

 

「こっちむけオラァァッ!」

 

 

 雄叫びを上げ、剣の柄で盾を打ち鳴らした。声も盾を殴るのもどちらもヘイトを集めるスキル。群れの視線が確かにパスタさんへと向けられ、その脚を留めた。

 それを確認したと同時に速度を上げる。待機していたにくきうさんより、少し離れた位置が俺の立ち位置っ。

 

 

「よしきた、じゃ仕掛けるっ、散らし任せたっ!」

「ラジャッ」

 

 

 着いた途端打ち合わせ通りに飛んできた堅身に包まれる俺にそう声をかけ、走り出すにくきうさん。

 疾走だ。その小柄な姿がグングン群れに迫る様はまさしくそれ。今更ファイアボールを撃っても邪魔になる。あれなら先に彼女が辿り着く。

 なら使うのは速攻性の新たな魔法っ。

 杖を群れの端へと、彼女が向かう側とは反対を、狙うっ。

 

 

「──」

 

 

 呪文のために、息を吸う。

 群れを引きつけるパスタさん。

 果敢に飛び込むにくきうさん。

 的確に付与を飛ばすユビフさん。

 一人で戦うのとは全然違う。無理やり二人で戦った時とはまるで違う。この気持ちは、緊張感は、わくわくってやつだ! 

 誰かと肩を並べて俺も、戦える──っ! 

 

 

「ボルトッ」

 

 

 雷系初級魔法、初お披露目っ──

 

 

「んぎゃっっ」

 

 

 へ? 

 ツエの せんたんから かみなりが とんで……え? 

 にくきう さんの せなかに あた、当たーっ!? 

 なんでだ!? 撃った方向に間違いなく飛んでおいて、なんだって途中でそんなグイイッて曲がりやがって! 

 んがあ──っ!? 

 

 

「に、にくきうさ──んっ!?」

 

 

 フレンドリーファイアだっ。

 やっちまった、どど、どうするーっ!! 

 

 

 

 




推敲はしてる。でもどっかで直すし足します(真顔)
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