神ゲーでVRデビュー!   作:ずーZ

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あとで途中直しますというか追記します

その4が難航、というか、なんというか。
スズキというキャラをどういう方向性に持っていくか、とりあえず投稿してから考えようの精神で投げたので難航。


基本ソロというより野良パーティか。ユザパ重ねてまずフィフティシアまで行きたい。
VRMMORPG、これホント自分の世界作らないと話作れないっすね!!


セカンディル 3

 

 後方の岩に叩きつけられ、ずりずりと泥沼に落ちていく。

 マトモに受け身はとれなかった、あの威力はスキルによる投槍か、あの反転は威力を載せるためと油断を誘う2つのブラフ、沈黙に加えて毒の状態異常、さっきのトゲもとい針はアイテム『口縫い針』で毒は槍の効果か、っ──クソっ。

 

 

「(なんだっていきなり)」

「聞こえないけどその顔、だーいぶ困惑してるね。ふふ、途中までホントに見逃すつもりだったよ? でもふとさ、このタイミングで襲ったら面白そうだなー、って魔が差しちゃった」

 

 

 差しちゃったって……こ、のオンナ! いや、くそ、完全に油断を()()()()()のは、この際もういい。

 ただこっから、どうする。右手はまだシビレてるが左手は──動かせた。

 体力は5割と半ば、毒ダメでまだ削れる、だが俺は耐久振りだ。

 

 モンスターからの毒ではなくプレイヤー相手からの毒は、PvEの形式ではなくPvPの形式に嵌る。対象キャラの耐久値から算出して、HPを削る状態異常。

 重ねれば当然効果時間は増えるが毒の槍は俺の傍に転がってる、今はこれ以上は増やせない。

 

 この毒で俺はデスしない。ペンシルゴンは、この女はそしたらどうする? 

 

 

「? あっれ。掠っただけだったかな。──そうかスズキくん、さてはキミ耐久振りのビルドだね。これは参った、横着しないで頭をぶち抜けば良かっなあ、失敗失敗」

 

 

 サラッと頭ぶち抜くって……いや。毒にするアイテム『毒浸しの針』はない、ってことか。

 PvP経験豊富なご様子。俺のビルドはやっぱり見抜かれてる。俺よりシャンフロの仕様の把握はすんでるとみて良いか。

 難しい状況だ。俺にとってはかなりの、でも、この女にとっても多少なりには手間な展開。

 

 

「いやはやまさか耐久振り魔法使いなんて……ああでも1人で魔法使いジョブのキミがこんな所にいるなら、パーティプレイはしないソロと見て、その上でそのビルドに行き着いたって考えることもできたか。

 私の推察不足だったなあ仕方ない。仕方ないなあーもう! スズキくーん? おネエさんトドメ刺しにぃー、そっちいくからぁーおとなぁしく待っててねぇー?」

 

 

 そうか傍に来てくれるかよ。にしても媚びをフリフリしやがるっ。動けなくしておいてよく言いやがるまあ煽りやがるっ。めちゃくちゃ悔しいから効果覿面だよこんちくしょうっ。可愛いし様になってるからなおのことなあっ! 

 沈黙にさせられてるから喋れないのがますます悔しい。せめてまず文句はぶつけさせろ。

 

 ペンシルゴンはシグマ・レガートから拝借したのだろう剣を携え、あんまり入りたくなかったなあ、なんてバシャリバシャリと泥沼を踏みしだき寄ってくる。……ところでなんで無様なはずの歩行強制状態でも歩き方に品があるの? 

 

 

「よいしょーよいしょーふふー。あと8(はーち)7(なーな)6(ろーく)

 

 

 こっちの顔を見詰めてニヤニヤしてやがるっ。そんなに楽しいか、余裕綽々ってか! 奴の中で沈黙の効果時間がまだ続くと計算されてるんだ。

 立ち回りから人を踊らせるのが得意で、頭がキレると実によくわかる。完全に詰めた相手を嬲るのが好きなのも毒武器を扱う事から察せられる。

 

 ディスプレイ越しじゃない。アバターといえど体を操るVRで、そこまでPKすることに手を尽くせるなんて。真性の外道プレイヤーだなコイツ。

 

 

5(ごー)4(よーん)

 

 

 なら、遠慮なくいく!! 

 

 

連鎖呪文(チェインスペル)

「さっ──盾っ!?」

 

 

 すぐ察したか、でももう遅えっ! 左手で握ったアイテムで沈黙は解除済みだし、右手のシビレはてめぇが歩き出した時点で抜けてらあっ!! 

 

 

「ファイヤボールッッ!!」

 

 

 乾坤一擲じゃオラーッ! 

 突きつけた杖から放たれた俺の出し得る計10発のファイヤボールがペンシルゴンに殺到し、体が震える程の衝撃を伴って爆発。炎の柱が立ち上り粉塵と泥がおびただしく飛び散った。

 

 

「……すご」

 

 

 映画みたいだ。下位魔法10発でもこれか。VR、シャンフロの表現力はやっぱり半端じゃないぶっちゃけビビった。

 

 試せてなかったコンボでありったけを初めてぶっぱなして、しばし放心。ふと気付けばMPが猛烈な勢いで減少していて残りは5だった。

 スッカラカンだ。でもなんかこう、撃ち切った感がスッキリと……しちゃダメだダメ。まるでトリガーハッピーじゃねえか危ねえ危ねぇ。

 

 

「なるほど。盾持ちだった訳か」

「──は?」

「起き上がる前に盾を隠して耐久よりビルドを隠す。可能性として沈黙回復のために『口解きの香り』は同時に準備してたね? 

 ほほう、そうかそうか。たまたまだったけど、マントを上手く使って背中に隠した盾が、衝撃によるスタン時間を短縮。こっそり沈黙も治したままいかにも、半死半生だ、と装って私を誘い込んだって訳だ。

 偶然ではあるけど幸運を味方に付けてるねぇ。結果としては、中々やるぅ!」

「なん、で……」

 

 

 何もかも言い当てられてる、ってそんなことは些細なことだ。ファイヤボールは確かに全て当たった。なら粉塵が晴れたそこに居るお前は、当たったのに、なんで、まるで堪えてないかのように……! 

 

 

「ホントに驚いたんだよスズキくん。この私が、ビギナー相手に保険を切る事になるとはって。ぴよぴよのビギナーかと思えばこれだもの。少しだけ見直しちゃったゼ」

「ウッッッソだろ!? ノーダメかよ……!?」

 

 

 ……そうか。

 

 

「炎ダメージ1分軽減の『耐火の護符』もそういや売ってたっけな。無傷なあたり、それだけじゃなさそうだが」

「──ま、そんなとこだよ。で、まだ何かあるのかな?」

「……っ。あと1発だけしか撃てねえよ」

「魔力もといMPは最大値の時なら高威力だけど、残りカス程度の時は弱々しいもんだってね。

 そんなんで私のVITを越えられるか、試してみるぅ?」

「ぐぅ」

 

 

 ペンシルゴンは笑っている。武器を構えず、笑って俺を見つめている。

 この余裕。俺が何をした所で、その全てを覆してきそうだ。

 はあ────────。リアルでもこんなため息出たことねえよ。

 

 

「というかなんですぐトドメを刺さない……」

「そういうセリフ大好きー。ふっふふふ、そうやってぇ、めぇっっっちゃくちゃ悔しがる様子がたんまらなく面白いから!! だよん」

「ふっっっざけた物言いといい騙し討ちといい毒武器主体の立ち回りといいっ、やー大した人格者ですねえっっ!?」

「やっぱりわかっちゃうかあ。そう、人望者はとってもツラいんだあ、オヨヨ」

「っっっ」

 

 

 

 ダメだコイツつよい。おれかてない。いろんないみで。あと泣き真似可愛いとか考えるな俺……

 

 

「ぷっ。ほんっといい反応くれるねえっ。んんー。初心者を騙し討ちしてみるのも中々乙だナー。趣味じゃないからたまにはって感じだけど」

 

 

 くぅあぁああーっ! こんなのに少しの間とはいえ『お近付きに』なんて考えてたのどこのどいつだあっ!? 俺だよバッカくっそぉおおお……

 

 

「はー! おかしかった。でも悪いねスズキくん。なんだか普段一方的に弄れないフレンドを弄り倒してる気分に、ちょこっとだけなれたから、ついつい興が乗っちゃった」

「まさかまさかのトバッチリかよ……」

「歳がたぶんスズキくんぐらいかなって思っててね」

「ふーん」

 

 

 哀れだなこんなやつのフレンド。いやこんなやつのフレンド? ならきっと類友か。うっわ同級生かもとはいえ関わりたくねえ……

 

 

「かといって、ここまでやった以上見逃さないけど。ちょっとはやるビギナーくんに、多少はお詫びしてあげる」

「詫びする位ならそこは見逃してくれよ。変なとこキッチリしなくていいってマジ……」

「シャンフロ始めたのは、この限りなくリアルな環境でPKしたい、ってそんなやむにやまれぬフクザツな事情だから仕方ないのサ」

「そんな──」

 

 

 そんな理由で、ここまでするんだな。それもそんな──

 

 

「まあそんな理由だよ、どうせね。それに正直……」 

「? なんだよ正直」

 

 

 なんだその如何ともし難い物を見るような眼差しは。だらだらジロジロ見られるほど俺は安くねえぞ……いやビギナーだし安い? 

 

 

「まいいや。あ、体力どのくらい?」

「…………」

「今更黙るとサクッとやっちゃう」

「あと1割くらいだよっ」

「それでよし。ふむふむ」

 

 

 もう降参してるとはいえサラッと聞くなよ。あーってかなんで俺こんな相手にこうもフレンドリーなんだろ。その場の雰囲気? いやこのペンシルゴンってヤツの雰囲気かなあ。

 スっと自然体で振る舞わせる、不思議な人だな……

 

 

「さ──景気づけに、なんか言い残しとく?」

 

 

 インベントリに剣をしまったペンシルゴンは、俺の傍に転がっていた槍を拾い上げてそうのたまうと、腹に向けてサクッと軽く突き刺してきた。

 

 AGIの差で手抜きの攻撃すら体が反応できなかったのも切ないが、それ以上に、唐揚げに爪楊枝たてる様な気安さで刺すなよつくづく引くわ……

 

 

「最期の言葉って景気づけるもんなのか」

「ぐあーっ、って大声で言ってみたくない?」

「俺被害者なのにそのチョイスかよ」

 

 

 興味なくも無いけどそれ悪役じゃん。それ言うのそっちじゃんこの場合普通。あとちょっとこの至近距離で目を煌めかさせて見つめないでくれやめてください。

 引き抜いたその槍を貸してくれるなら言わせてやりたいが、って。

 

 

「毒でじわじわやるのがお詫びぃ?」

「それは早とちりダゼ? これはちょっとした微調整。それじゃお詫びにならないからねえ。ほい()()持って。ちなみに抵抗しても詫びはなしね」

「……持つけど、なんなんだよその詫びってのは」

 

 

 毒も相まってSTR負けてるから抵抗にならねえよどうせ。しかし、ほい、ってなんで()()()()()()()()()()ってまって待って待て待てちかい近い近い──まつ毛長いなっじゃないそうじゃっ

 

 

「じゃねスズキくん。言っておくけど次に会ったら、ちゃーんと根こそぎ奪うからそのつもりでネ」

「──待てそれ」

 

 

 どういう意味だ? と問う前に、ペンシルゴンは俺の手の上から槍を強く握って──

 

 

 




※以下長い


何度か書き直して出来上がったこの鉛筆、何となく永→(無自覚)楽イメージがある我が事ながら謎。
けどあと一歩の至近距離で、あの美貌をゆっくり堪能したスズキは〆るに限る。
人気のない夜闇の中、湖畔(泥沼)で2人きり?あまつさえ談笑?は?うん〆ましょう。この鉛筆は4Bどころな6Bかな……


戦闘シーン??差し合いです。

初心者を見逃した振りをして強襲(鉛筆)
半死半生を演じて誘う(スズキ)
無防備を装って近寄ってかつ煽る怒らせる(鉛筆)
泥沼の中まで誘い入れ反撃の体勢を密かに取る(スズキ)
反撃と逃走を想定してアイテムを用意し煽る(鉛筆)
煽りに乗って格上打倒の全力反撃を選択(スズキ)
予想外だけど想定内の反撃を防いでドヤ顔(鉛筆)

マジすか
イェイ
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