○月✕日
転生した。
何を言ってるのか分からないだろうが俺もようわからん。目覚めたら謎の鍛冶場にいて、そこに置き手紙みたいな物で
「お前転生したから、よろぴく♪」
的なことが書いてあった。
は?
○月△日
とりあえず周辺含め身の回りを探索してきた。そして分かったことと言えばここが京都なのと、よく分からん呪術師みたいなやつらがいること。
そして俺が千子村正であること。
ちょっと再確認してもよくわからなかったが、どうやらFGOの千子村正の姿、知識、技術、能力を持って転生したらしい。身体能力アホみたいに高いね、ひとっ飛びで家を越えれるとかなんか凄い。
能力持ってるからか刀の投影ならできた。それ以外?なんか情報がないらしく、干将莫耶の刀バージョンみたいなのと、カリバーン、エクスカリバー、そしてローアイアスしか無い。十分だが、刀なら太刀、大太刀、短刀、野太刀とか様々なものを投影できる。もちろんあれもある。でも使ったら死ぬんじゃなかったか……?
○月□日
お試しで刀を打ってみた。簡単に全ての動作ができた、凄い。
なんか魔力みたいなもん纏った呪具みたいになった。
なんで?ちょっとよくわから無いから何本か作って検証してみる。
○月♪日
ひとつ分かったことは何かしらの想いを乗せながら打つと呪具とかみたいなもんになるらしい。
恐らく一本目はワクワクした気持ちで打ったから呪具……魔剣でいっか、魔剣ができた。
効果としては所有者を興奮状態にして、痛覚に関して鈍くする効果らしい……特攻用かな?
それとここまで詳しく見れたのは恐らく村正の持つ『刀剣審美(A)』の効果だろう。お陰様で一目で見た刀の扱い方、能力、状態がすぐにわかった。これならなんとかやっていけるかな?
○月♡日
とりあえず京都側の呪術師?の総本山らしき場所に赴いて、刀の押し売りでもしてみた。
総本山としての組織名は関西呪術協会というらしい。マジで妖怪とかいるのね……というか羽生えてる人とかいるけど、珍しくないんだろうか?珍しくないんだろうなぁ。
それと刀だけど意外と好評だった。
神鳴流とかいう流派を扱うらしく、刀鍛冶師は結構喜ばれた。お試しということで、現当主の近衛詠春に「斬る」、それのみを考えて打った刀を渡してみた。銘は「
山に谷ができた。
○月☆日
昨日の出来事に少々現実逃避してたが、頑張れば俺も出来そうだと体が理解しているが故に衝撃はかなり弱かった。そういえば2部後半のPVでエアーズロックみたいなもんぶった斬ってたしできるよね……
てことでまぁかなり好評だったので、専属契約結んで定期的に刀を届けることになった。たまーに手入れの依頼とかも来るらしい。
これで暫くは安泰だろう。
○月?日
〜〜
□月!日
〜〜
いつものように業務を終わらせ、少し休憩をしていた時。ある男がここ、関西呪術協会へ訪れてきた。
部下曰く、刀の押し売りに来たらしい。
しかし、このご時世に刀の押し売り?一体どんな男なのか、名前は聞いてないか、そう部下に聞いた途端、怪訝な顔になった。
「どうした?」
「いえ、ただ……騙っている可能性もありまして」
「? よく分からないけれど、教えてくれないか?」
「えっと、その男の名前は
千子村正。まさかまさかの刀鍛冶師としては上等すぎる名称。それは確かに部下が騙っているなどと思う訳だ。かの村正一派はおおよそ1660年程までは存在していたとされるがそれ以降は未確認。もしや今になって現世に出てこようと画策しているのだろうか?それかただの騙りか。
「……一度会ってみましょう。話はそれからでしょうね」
「いいのですか?」
「えぇ、会わなければ埒が明かない。村正を騙るものか、村正を継承したものか」
もしかしたら当時の村正が出てきたのか。
その男の第一印象は凄まじい、だった。その身に纏っている服は弓籠手と、戦国時代から飛び出してきたかのような裁着袴を履いていた。
しかしそれはさほど重要ではない。問題なのはその身を覆う強烈な雰囲気であろう。その気配は寄せ付ける物全てを斬る様な威圧感、しかしその中に滾る鍛冶場を思わせるような熱気。もはや応対するためのこの部屋が、鍛冶場になったのかと錯覚するほどには凡人とは程遠い男がそこに座っていた。
(千子村正、それを名乗る人物ですから生半可な人物では無いと思っていましたが、これ程までとは……)
「ん?」
「初めまして、関西呪術協会現当主の近衛詠春と言います」
「おう、
「よろしくお願いします」
「よろしく頼む」
「それでご要件ですが、刀の押し売り、と言うことですが。本当ですか?」
「そうだな、こっちに来たばかりで金がねぇんだ、売ろうにも刀の需要なんざここぐらいしか付近になかったもんだからここに来たんだ。迷惑かもしれんが最近できた業物だ。お前さんの目に適う代物だと思うぞ」
只者じゃない鍛冶師が言う業物。かく言う私も神鳴流剣士の1人。少し気になってしまい話を促してしまった。
彼は脇に置いていた布で包まれた刀を持ち、解いてこちらに手渡してくる。
「分類は大太刀、銘は『
思わず見蕩れてしまった。それほどまでに目の前にある刀は美しく、蝋燭の明かりで揺らめく刃紋に目を吸い付けられてしまう。
「……驚嘆です。現代でここまでの刀が打たれたとは信じられないほどに完成度が高いです」
現在私が所有している『夕凪』よりも凄いかもしれない代物が、今目の前にある。
「ひとつ聞きたいのですが」
「ん?」
「あなたはこれからどうするつもりでしょうか?」
「そうさなぁ、ここで受け取った金を元手に材料買ってまた刀を打つかねぇ」
「ちなみに他にもこれと同じようなものがあるのですか?」
「ある。6本ほどだが、材料がなくてそれ以上は無理だった」
「また同じものを作ることは?」
「できなきゃ刀を打つものとして廃れる」
これはここで逃しては行けない人材だ。
「村正さん、うちと専属契約、結びませんか?」
「……専属契約ぅ?」