全刀の刃 錆の名を持つ転生者 作:八咫丸
気が付いたら転生して赤ん坊になっていた。何を言っていんだ?こいつ?と思うかもしれない
が俺も何がなんだか分からない。
転生物でよくあるトラックと衝突したとか魔方陣で召喚とかそういう記憶もなく目が覚めたら
赤ん坊になっていたのだ。
しかもこの世界は異世界とか中世系なファンタジーとかそういう世界ではなく日本の大正時代らしく
所謂異世界転生系でない事に少し残念に思う。
さてそんな大正時代に転生した俺だが今大変ヤバイ状況にある………それは………
「どうしたの
只今我が母親……
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「オウフ………………………」
「ふぅ………最初の頃よりは剣も呼吸もかなりマシになったけどまだまだね……コホコホッ……」
地面に伏せる俺に母さんは割りと心が抉れる言葉を投げ掛けてくる。
母さんは幼少の頃から俺に拒否権はないと剣術と全集中の呼吸と言う呼吸法を教えてくる。
うちの家系は代々全刀流と呼ばれる棒状の物であれば例え木の枝であろうと大きな岩だろうが
何であろうがだろうが真っ二つに出来ると言われるチート剣術を使える一族だったらしい。
だけどここ数百年才能がある剣士が産まれず衰退して行き今は母さんと俺が最後の子孫らしい。
しかし母さんはその衰退していた一族から産まれた一族の中でも天才だったらしく俺は母さんに
一度も勝てた事がない………転生前の漫画から色々な技を再現したり自分でとにかく強い技を
作って母に挑んでも、全て母に見切られ技を模倣され完膚無きまでに叩きのめされる。
しかも母さんは病気な上その影響で体力があんまりない筈なのにどんなに頑張っても勝てない。
最初の頃は最強だチートだと思っていた俺も、自尊心がバッキバキに破壊されてもう正直
心は折れていた。
「コホコホッ……もう日がくれそうでしょうし、私も疲れたわ……家に戻って夕餉に
しましょう?刀一も呼吸を整えていらっしゃい」
「……ふぁい……、母さん……」
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「刀一、貴方今度ある鬼殺隊の最終選別を受けに行きなさい」
夕餉の後、突然の母さんの言葉に体が跳ね上がる。
最終選別って確か鬼殺隊の入隊試験だったよね?確か死亡率もクソ高いらしい
ヤバい試験よね?母さんの足元にも届いてない俺じゃ殺されるんじゃね?
正直行きたくねぇ……
「母さん、俺その最終選別行き「拒否権はないわよ?」アッハイ……」
母さんの笑顔の圧力に秒で屈した俺は直ぐに布団に潜る。
最終選別には行きたくないが母さんがマジで怖すぎていい返せる気がしないわ……
「コホコホッ……最終選別程度なら刀一なら簡単に突破できるわ……だって
貴方は私のかわいくて強い子だもの……」
そういって母さんは歌を歌い始める、母さんが何時も俺が寝る時に歌ってくれる歌だ。
………修行の時はあり得ないほどに強くて容赦ないけど、普段の母さんは優しくて好きだったりする
笑顔も時折恐ろしい時があるものの、俺に向けてくれる時は何時も優しい慈愛に満ちている。
「お休み……母さん……」
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「お休みなさい……私のかわいい刀一……」
眠った刀一の頭を撫でる。
私のかわいくて愛しい息子、あの忌々しい錆家の雑草共に似なくて本当によかったわ
才能ある後継を求めている癖に才が兄達以上に異常過ぎ、女だと言う理由で人を忌み子扱い
した古臭い考えを持ち、そして私からこの子を奪おうとした錆家の面汚し共。
あんな連中じゃ御先祖様達や私達の一族を作った四季崎記紀達に顔向け出来ないわ。
本来は別の目的で作られた一つらしい全刀だけど、四季崎がその目的を台無し
にしたとある鬼を殺す為に遺した一族。
四季崎の報復に手を貸すのはもの凄く不本意だけれど……
私の見た夢、病のせいでダメになった夢、刀一を……全刀・錆として完成させる為にも
利用させてもらうとしよう。
「一人の親がこんな酷い事を考えるのは悪いのかしら?いえ……それともいいのかしら?」
そんな事を考えても仕方がない、ただ今は刀一の心配をしてあげよう。
私の夢もあるけれど……この子も生きて幸せになって欲しいから。