全刀の刃 錆の名を持つ転生者 作:八咫丸
第3話です
最終選別から七日間、俺はあの後真菰と共に最終選別が終わるまで行動を共にした。
残りの数日間は何故か鬼が出ず、かなり楽に終わらせる事が出来たが俺の精神状態は
別の意味でヤバイ状態だった。
「ねぇ刀一、本当に大丈夫なの?」
「……ウン……俺ハ大丈夫………」
目の下に隈が出来、疲弊困憊したその原因は隣にいる美少女、真菰の影響だっりする……
この娘、俺に対する警戒心が全くないんだよ……鬼が出なくなって数日、真菰の案内で
真菰が使っていた洞窟を使わせてもらっていた、洞窟、というには小さい穴みたいな物で
俺と真菰が何とか入る程のスペースしかなく、入り口には真菰が置いていた藤の花が
鬼に対するバリケードになっていた。
まだ幼いとは言え女の子と一緒に寝起きを共にする訳にはいかないと、一人で出ていこうと
するも「藤の花があるけど一人で居るの怖い」と真菰の言葉に見捨てる事も出来ず一緒に
ここで過ごす事になってしまった。
そこからある意味地獄のような数日が始まった、鬼が出ないように交代して仮眠する時も
あの異形の鬼の時の死への恐怖が抜けなかったらしく「眠れるまで手を握って」と
手を握るも離して貰えず起きるまで握ったり。
体の汚れを濡らした布で拭く際も洞窟の前、見えない位置にいたが転生後所か転生前にすら
美人な子と交流がなかった俺には聞こえてくる着物を脱ぐ音や体を拭く音で肉体的にも
精神的にも思春期だった俺にはかなり堪えていた。
「あっ、藤襲山の入り口が見えたよ!早く行こ!」
「ウン、分ッタヨ………」
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藤襲山の入り口、あの手の鬼に捕まった時にはもう戻って来れないと思っていた場所
に帰って来れた事に無事生きて帰れたと喜びの感情が溢れ出てくる。
鱗滝さん……私、約束守れたよ………
私の育ての親であり、色々な事を教えてくれた鱗滝さんが私の無事を願って待ってくれている。
早く狭霧山に戻って無事に生き残った事を伝えたい、そして………
「君のお陰で助かったんだ、ありがとう」
「貴方のお陰で私も鬼を一匹倒せたの……ありがとう……」
「イイヨ、気ニシナイデ……」
すぐ隣で他の参加者に詰め寄られている命の恩人の少年、刀一にもお礼を言いたい。
異形の鬼から助けて貰っただけでなく、怪我をした私に変わって仇を討ってくれた人。
一人心細くて鬼との戦いで死にかけ恐怖心で一杯だった私と一緒に居てくれた人。
刀一と一緒にいる最終選別の間はずっと守ってもらってしまいかなり迷惑を掛けてしまった
けれど、これからもっと頑張って私も彼の様に強くて優しい人に………
「ねぇ刀一……」
「……うん、どうした真菰?」
「ありがとう!」
こっちを向いた彼に精一杯の笑顔でお礼を言う、私も刀一や鱗滝さんみたいな………
強くて優しい人になりたいなぁ。
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皆に揉みくちゃにされた後真菰からスッゴい可愛らしい笑顔でお礼を言われた。
無事に生き残れた事にかなり嬉しかったみたいだね。
真菰も真菰の先生に会えるって思ってかなり嬉しそうだな。
「皆様おめでとうございます、これにて最終選別は終了となります」
白髪の美人の人がそう言うと他の参加者と共に説明を受ける。
そういや、最終選別って死ぬ確率が高いらしいのに今回死んだ人居ないみたいだなぁ
俺が助けた人達も初実戦で全力出し切れてな奴が殆どだったし………
母さんが言ってた血鬼術を使う鬼も出なかったしきっと他の参加者が倒しちゃったのかな?
まぁ鬼に関して詳しくない俺が何考えても仕方ないか……
みんな鬼殺隊の一番下の階級である癸からスタートらしい、鬼殺隊の服の寸法を
測り、連絡用の鎹烏って鴉を付けられる。
後は日輪刀って言う鬼を殺す為の刀を作る為の玉鋼を選んで10日から15日程で
刀が出来上がるらしい。
正直鬼殺隊なんて入りたくないと今だに思う……でも最終選別を突破したからには
入らないと何か失礼だし、真菰は鬼殺隊に入る気満々だし初めて仲良くなった同じ歳の子
を残して辞退ってのも嫌だからなぁ。
……っと他のみんなは玉鋼を選んだみたいだな、後は俺と真菰だけか……
とりあえず俺も玉鋼を選んで「錆 刀一様ですね?」はい?
「貴方の日輪刀は貴方のお母様、白刃様が御用意しているそうなので
玉鋼を選んばなくても大丈夫ですよ」
………ファ!?
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「まさか母さんが俺の日輪刀を用意してるなんて俺何も聞いてないよ……」
「あの時の刀一の顔驚いた顔は凄かったね」
最終選別の帰り道、俺は偶然道が同じだった真菰と共に自宅への帰路へ就いていた。
俺の愚痴に真菰は少し笑いそうな顔をしていた。
「でも日輪刀を用意してるのって珍しいよね?鱗滝さんが言ってたけど
日輪刀は作り直す時以外は最終選別後で玉鋼を選ぶのが殆どだって言ってたし……
刀一のお母さんって鬼殺隊に入ってたの?」
「うーん、俺母さんが昔何やってたかは知らないからなぁ、でも物凄く強いし
入ってたんだと思う」
真菰の疑問に答える、母さんが昔何をしていたかは教えてもらった事はない。
聞いた事はあるが何時もはぐらかされ話が終わってしまう。
何か思い出したくない事があるのかとそれ以降聞く事はしてなかったりする。
「そうなんだ、あっ私狭霧山だから向こうの方だけど刀一は何処から来たの?」
「俺はこの近くの山からだからあっちの方だな」
真菰の言葉に俺は答える、確か狭霧山ってうちと割りと近い位置にあったな……
俺も真菰も出身地が近くて驚いたな、まぁ俺は山の中から全然出た事がなかったし
近くの町への買い物も母さんが行ってたから会わないのも当たり前か………
「じゃあここでお別れだね、私は刀が出来上がるまで狭霧山の麓の家に
居るから良かったら遊びに来てね!鱗滝さんにも命の恩人の刀一を
紹介したいし」
「……俺が行ったらその鱗滝って人に何言われるかな……真菰ってその人に
とって娘みたいだし……」
娘はやらんぞ、的な感じで襲い掛かれたりとかしないよね?
いやまぁ、別に真菰とはそういう関係ではないですけども。
というか真菰、何時の間にあんな所まで、向こうからこっちに手を振ってるし
多分これさっきの会話的に行かないと真菰が悲しむぞ。
まぁいいか……何かあれば全力で逃げるし、とりあえず俺も家に戻って
暫く休まないと……暫くまともに眠れてないし……幸い最終選別後は鬼殺隊服や刀の
完成までは任務がないらしいし、隊服が来るまでのんびりしようかね……