お化け狩りの夜が廻る   作:甲乙

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あくむ   -Nightmare-

 暗い森を、獣が駆けてゆく。

 藪を突っ切り、木の根を飛び越え、上へ、上へと。

 傍らには、己の片割れがいる。生まれ出でた時より共にある片割れが。

 後ろには、軍勢がいる。弱く、穢れた、だが誇り高き遺志に率いられた軍勢が。

 獣たちは森を駆ける。

 小さな主を救う為に。

 愛しい主に会う為に。

 その大恩を返す為に。

 獣たちは、森を駆け続けた。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

 左手に熱を感じて、ハルは目を開けた。

 あの廃病院でランプに触れた姿勢のまま、目の前に突き刺さった赤い鋏に触れている。

 掌の傷から伸びた赤い糸は、ずっとこの鋏に繋がっていたのだ。

 

 ――ありがとうございます。

 

 少しだけ目を閉じて、心の中でコトワリさまにお礼を言う。

 もう何度も助けてもらった。そして今からもう一度、力を貸してもらわないといけない。

 

「……ユイ」

「うん、見えてる」

 

 すぐ隣で目覚めたユイは、もう立ち上がっていた。立って、暗い夜空を睨んでいる。

 ハルも、それに並んだ。

 

 

“帰りたい?”

 

 

 また、あの「声」が聞こえてくる。

 甘い、どこまでも甘い声で、ハルを包み込んでくる。

 

“お家に帰りたい?”

“いっしょにいたい?”

“引っ越したくない?”

“ずっといっしょにいたい?”

 

 ハルは、何も答えなかった。ただ、じっと夜空を睨み返した。

 きっとユイにも聞こえている。でも、ユイも黙って夜空を睨んでいた。

 その内に「声」は聞こえなくなって、耳が痛いほどの静けさが戻ってくる。

 睨み続ける夜空に、星とは違う光が増えた。

 血のように真っ赤なその光は、少しずつ大きくなって、それが目だったのだと分かる。

 ひとつじゃない。ふたつ、みっつ、よっつ……。どんどん増えていく。

 やがて、雲が流れて大きな月が現れると、ソレの全貌が明らかになった。

 

 ソレは、大きな蜘蛛(クモ)のように見えた。

 死体のように白い巨体は、ヒトの手や指をデタラメに組み合わせて作られている。

 顔を両手で覆っているけど、その手にも全身にも赤い目がくっついていて何の意味も無い。

 裂けるような大口が(わら)っているように見えて、何から何まで悪意に満ちた姿をしていた。

 

 

 ――――【醜い蜘蛛神】

 

 

「ずっと、わたしを呼んでいたのは……あなたなの?」

 

 逆さまになって夜空に張り付く蜘蛛神に、ハルは問いかけた。

 もうずっと前から、自分は何かに呼ばれていた。今思えば、それはこの山に近付いた時ばかりだった。

 

「あなたは何? お化け? それとも、神さま?」

 

 こんな悍ましい姿をしたモノに、自分は呼ばれていたのだ。

 コトワリさまは、あんな怖い姿をしているのに自分を助けてくれた。お化けや神さまを、見た目で判断してはいけないのかもしれない。

 それでも、この目で見て確信した。

 あの蜘蛛神は、ハルたちに悪意しか抱いていない。

 元が何であっても、今のアレは悪意の塊のような、お化けだ。

 だから、ハルも、ユイも、その鋏を抜く。

 赤い刃を二つに分けて、突きつける。すべての赤い目を睨み返して、構えた。

 

 蜘蛛神は、悪意で以てそれに応えた。

 

 

 

 

   <●>

 

 

 

 

 蜘蛛神の悪意は、貴方の想像を超えていた。

 

 ユイとクロは、よく戦ったと言えるだろう。

 何の武器も力も持たない少女と子犬が、次々と湧いてくる亡霊たちをかいくぐり、山を駆けあがった。

 元より傷だらけだった小さな体は満身創痍で、それでもユイたちは進んだ。

 そして山頂に至り、封じられた洞窟を見つけ、その最奥で、ソレと対峙した。

 

 死体で形作られた蜘蛛のような、異形の上位者。

 今まさに、もう一人の少女を害そうとしていたソレに、ユイたちは戦いを挑んだ。

 

 その戦いは、戦いにもならない筈だった。

 何をどうしようと、ユイ達に勝ち目など無い。貴方と違い、彼女らの命はひとつしか無いのだから。

 その巨大な足で踏みつぶせば一瞬だろう。その赤い糸を操る秘儀で貫いても一瞬だろう。

 だがその上位者――蜘蛛神は、そうしなかった。

 自らは手を下さず、ただその出口を赤い糸で塞いだ。

 自らは手を下さず、ただ子グモたちに任せた。

 自らは手を下さず、ただ気を失った少女を糸で吊るして見せた。

 嬲ったのだ。

 弄んだのだ。

 嘲ったのだ。

 出口を塞ぎ、玩具(おもちゃ)が逃げられないようにした。

 子グモたちに命じ、ユイとクロの小さな体を少しずつ齧らせた。

 釣り餌を垂らすように、ユイの頭上で少女を躍らせた。

 いったい、どれほどの悪意がそうさせるのか。貴方はそれを理解できなかった。

 

 

 

 

 ユイは心折れなかった。

 子グモを蹴り飛ばし、石を投げ、石で殴り、その背に噛みついた子グモをふり払う。

 群がる子グモたちを飛び越え、ぶらぶらと揺らされる少女の元に走り続ける。

 頭上に揺れる少女の足を両手で掴み、そのせいで無防備になった体に子グモが群がった。

 ユイの顔が苦悶に歪む。

 手を離せば、少女はまた遠くに連れ攫われる。

 手を離さなければ、子グモたちに甚振(いたぶ)られ続ける。

 ユイは手を離さず、子グモに体を晒し続けた。ただ、歯を食いしばりながら。

 子グモたちは、無抵抗な少女の体を存分に嬲った。その牙で、その爪で、少しずつ、少しずつ。

 蜘蛛神は、ただそれを見ていた。いくつもの赤い目を蠢かせ、食い入るように、愉しそうに見ていた。

 いったい、その光景に何の愉悦を見出せるのか。貴方はそれを理解できなかった。

 

 

 

 

 蜘蛛神は、ユイの苦しむ様をもっと間近で見ようとしたのか、その醜悪な顔を下ろす。

 その隙を、小さな獣は見逃さなかった。

 クロが俊敏に駆け、蜘蛛神の足を踏み台にして跳ぶ。そして、その目の一つに食らいついた。

 蜘蛛神が絶叫し、その巨体を揺らす。洞窟がグラグラと揺れ、天井から瓦礫が舞った。

 クロがふり払われ、蜘蛛神の巨大な足が、その小さな体を蹴り飛ばす。

 ただそれだけで、クロは死んだ。

 叫ぶユイの顔。動かないクロの体。

 蜘蛛神は潰された目と残った目でそれらを見て、目を細めて。

 そして、その姿を消した。

 蜘蛛神も、子グモたちも、赤い糸も忽然と消え、二人の少女と、一匹の死骸だけが残された。

 いったい、それに何の意味があるのか。貴方はそれを理解できなかった。

 

 

 

 

 ユイは、少女の無事を確かめ、クロの死を確かめ、泣き崩れた。

 泣いて、涙を拭って、クロを抱き、少女を担いで、歩きだした。

 朝日を浴びながら山を下り、山の麓に子犬がもう一匹いた。

 

『……チャコ』

 

 ユイが子犬の名を呼び、その茶色い毛並みを撫でる。憔悴しきった顔に、わずかに笑みの影が掠めた。

 何も理解していない様子のチャコは、しきりにクロの死骸の匂いを嗅いでいる。

 その首に赤いリードをつけ、再びユイは歩きだした。

 

 

 

 

 少女を自宅の玄関に座らせる。

 朝日に照らされたその顔は、午睡(ひるね)でもしているように穏やかで、ユイはただそれを見下ろしていた。

 

『――またね、ハル』

 

 ぽつりと、眠る少女――ハルに言い残し、ユイは背を向ける。

 ユイは家に帰らず、ボロボロの体を引きずるように、町を歩いた。

 ユイは町を歩き、その間にも太陽は寸分の狂いなく動き続ける。

 ユイは歩き続け、やがて町が黄昏に沈む頃、山に戻った。

 再び山を上り、町を一望できる場所に、ユイは墓を掘った。

 クロの墓の前で泣き、涙を拭い、そして、鞄から何かを取り出す。

 それは手記。いや、日記だろうか。

 太腿を机代わりにして、その場でユイは日記にペンを走らせる。

 貴方の脳の瞳が、その文字を余すところなく読み込んだ。

 

 あれだけの事があっても、ユイは絶望していなかった。

 数日後にはこの町を去るというハルとの別れに名残を惜しみ、だが悲観はせず。

 今日この日に花火を共に見ると、手紙を書くと、いずれまた会いに行くと。

 だから、がんばろう。

 最後に、力強い文字で、そう綴った。

 

 

 

 

 風が止み、音が消え、上位者のにおいが、した。

 

 

 

 

 動きを止めていたユイが、再びペンを走らせる。

 だがその日記には、今度は悲哀と絶望だけが綴られていた。

 さようなら。

 最後にそう綴ったページを破り取り、紙飛行機にして飛ばす。

 そして、ユイは。

 ユイは、貴方が見ている前で、首を吊った。

 

 

 

 

 何が起こった。

 燃えるような赤い空を背に、ぶらぶらと揺れる少女の死体を、貴方は呆然と見ていた。

 死体も、死も、貴方には見慣れたものだった。幾千幾万と、見てきたはずだった。

 なのに、何故ここまで脳を、心を揺さぶられるのか。貴方は理解できなかった。

 何が起こったのか。あの蜘蛛神だ。

 あの蜘蛛神が、ユイの思考を操ったのだ。あの、姿なき上位者のように。

 だからユイは自死した。

 だからあの時、蜘蛛神はユイ達を逃がした。より凄惨で、より残酷な運命を与える為に。

 ボトリと。

 ユイの死体が地に落ちる。そして、当然のように立ち上がり、その姿を消した。

 気が付けば、貴方も別の場所にいた。

 黄昏の町で、ユイとハルが、笑い合っている。手を繋ぎ、山へと走っていく。

 何事も、無かったように。

 

 

 

 

 そして、深い夜が廻り。

 

 夜が明けた時。

 

 左手を失くしたハルが一人、泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 貴公は、これを見せたかったのか。

 

 振り返らず、貴方は背後の廻送者に問うた。

 廻送者は、何も答えない。

 それでも、貴方は問い続ける。

 

 何故、ユイは死ななければならなかった。

 何故、蜘蛛神は彼女を殺めた。

 何故、少女たちは苦しまなければならなかった。

 何故、何故だ。

 廻送者は、何も答えない。答えてくれない。

 

 残酷な死など、見慣れたものだった。

 凄惨な殺戮も、見飽きたものだった。

 だが、貴方が見たそれらには全て、因果があった。

 狂った街にいたから、力を持たなかったから、知るべきでない事を知ったから、敗れたから。

 獣が憎かったから、血に酔っていたから、より高次の存在になりたかったから、勝ったから。

 獣となった群衆も、血に酔った狩人も、叡智に狂った医療者も。

 医療教会も、聖歌隊も、メンシス学派も、処刑隊も、連盟も、血族も、ビルゲンワースも。

 もはや(ことごと)くが死に果てた、ヤーナムの狂気に生み出された者たち。

 だが彼らはすべて、何かの為に死んだはずだ。何かの為に、殺されたはずだ。

 どんなに残酷でも、どんなに凄惨であっても、そこには因果があった。

 少女たちには、それが無い。

 

 

 

 

 貴方は、理解した。

 ぼたぼたと、両目から(なみだ)を流しながら膝を折る。

 

 あんまりじゃあないか。

 あんまりにも、憐れじゃあないか。

 

 廻送者は、何も答えなかった。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

 蜘蛛神が糸を捏ね繰り回して、その中からボトボトと子グモが落ちてくる。

 子グモと言っても、その胴体はユイの頭より大きい。蜘蛛神と同じように手と指でできた不気味な姿で、ウジャウジャと這いよってくる様は悪い夢でも見ているよう。

 でも、今のユイ達は丸腰じゃない。

 飛び掛かってきた子グモに鋏を突き刺す。それだけで、子グモは赤い霧になって消えてしまった。

 コトワリさまの鋏は、ユイの手に余る程に強力な武器だった。これなら、あの蜘蛛神も倒せるかもしれない。

 そう、思っていたのに。

 

 ――何匹いるの!?

 

 刺しても刺しても、子グモの数はぜんぜん減らない。それどころか、どんどん増えていく。

 最初は一匹ずつ襲ってきていた。次は二匹ずつ。その次は四匹。その次は……。もう今となっては、目の前にいる子グモの数も数えられない。数えている暇なんてない。

 蜘蛛神は悠々と空に陣取り、ただただ子グモ達を放ち続けてくる。

 

「うわっ!?」

 

 後ろからハルの悲鳴が聞こえて、振り向けばハルが地面に引き倒されていた。目の前にいた子グモも無視して、ハルの足を引っ張っていた子グモの頭に鋏を振り下ろす。

 

「ごめん!」

「大丈夫!」

 

 ハルを引っ張り起こして、反対の手に持った鋏で間近に迫っていた子グモの爪を受け止める。爪の方が焼け落ちるように消えて、すかさず胴体に鋏を突き刺した。

 ハルと背中合わせになって、近付いてきた子グモに片っ端から鋏を突き立てる。

 

「は……っ、はぁ……っ!」

 

 息が苦しい。鋏が重い。汗が目に入って視界が歪む。

 それでも鋏を振り回す。そうしないと、子グモが減らない。

 どんどん増えていく。どんどん、どんどん……。

 狩人が、なんであんなにネズミの群れを怖がっていたのか分かった。

 一匹一匹が弱くても、数が多いということはそれだけで怖い。どんなに強い武器を持っていても、一度に倒せるのは一匹だけ。その間に二匹目が迫ってくる。それを倒しても三匹目が。

 数の暴力。

 その恐ろしさを、ユイ達は知った。

 

「あぅ!」

 

 死角から飛びついてきた子グモに押し倒される。振りほどこうとしている間に二匹目に頭を押さえられて、三匹目と四匹目がユイの両手に噛みついた。そのまま綱引きでもするみたいに引っ張られて、思わずユイは悲鳴をあげる。

 

「ユイ!?」

 

 ハルが必死な顔を向けてくるけど、ハルは左足を骨折している。骨折しているのに、杖も使わずに走ってきた。そのまま、飛び込むようにして鋏を突き刺す。

 右手を開放されたユイは鋏を勘で頭上に突き出し、背中が軽くなったところで起き上がりざまに残りの子グモを倒す。

 ハルは、まだ倒れたままだった。足が痛むのか、なかなか立ち上がれない。ユイが助け起こそうとすると、目の前に子グモが壁を作る。

 

「どいて!」

 

 必死に子グモの壁を崩す、その向こうで、子グモに群がられるハルが見えた。手足を押さえるように圧し掛かられて、その折れた左足を、子グモが蹴った。

 ハルの悲鳴が響いて、でも壁はまだ崩せない。

 

「ハル!? やめて! やめてよっ!」

 

 子グモたちは、楽器でも鳴らすみたいにハルの左足を叩く。叩いて、叩いて、ハルに悲鳴をあげさせる。

 それを邪魔させまいと、間近で見せつけるようにユイを足止めする。

 遊ばれている。

 子グモたちは明らかに、ユイ達を痛めつけて楽しんでいる。

 本当は、何十匹でも一度に群がって、ユイもハルも、あっという間に骨も残さず食べてしまえるに違いない。

 でも、そうしない。

 少しずつ、少しずつ、襲う数を増やしていって、ユイ達がぎりぎり抵抗できる数だけで襲ってくる。

 ハルが足を怪我していることに気付いて、執拗にハルを狙ってくる。ハルを痛めつけて、それをユイに見せつける。

 どれだけユイが鋏を振り回しても、子グモの壁が崩せない。崩した分だけ、子グモが集まってくる。

 

「あぁっ!?」

 

 ユイを足止めするのに飽きたのか、壁になっていた子グモたちが土砂崩れのようにユイを押しつぶした。手も足も押さえつけられて、仰向けに拘束されたユイの顔を、子グモが覗き込んでくる。

 その赤い目を睨み返してやると、嗤うようにギチギチと鳴く。そして、その爪でユイの額の包帯を剥ぎ取った。

 そこには、前髪に隠れるようにして、真新しい裂傷の痕が走っていた。

 ハルには、階段から落ちたと言った傷。本当は、あの人につけられた傷。

 その傷を、爪でなぞられる。

 声にもならない悲鳴が口から出てきて、それに味を占めた子グモがまた傷をなぞる。なんとか反抗の意思を振るい立たせて、悲鳴を堪えた。

 キッと目を見開いて……ハルと、目が合った。

 

「――――ぁ」

 

 今度はユイの苦しむ様をハルに見せようとしたのだろう。間近まで運ばれていたハルに、傷を見られた。どう見ても、階段から落ちて出来た傷じゃない。

 ずっと隠していたそれを、見られてしまった。

 拷問じみた子グモたちの仕打ちに涙していたハルの目が、信じられないものを見たように見開かれる。その目は、何よりもユイの心を抉った。ユイの脱力を感じ取ったのか、子グモたちがギチギチと一斉に嗤いだした。

 夜空に張り付いた蜘蛛神が、愉しそうにそれを見ている。

 取り囲む子グモたちが、ユイを辱めるように嗤い続ける。

 折れた足をぐりぐりと捩じられて、またハルが絶叫する。

 ユイはもう、それに抗えない。見ていることしか、できない。

 絶望の影が、ユイの心を侵食する。

 

 ――なんで、こんなひどいことするの。

 ――わたしたちが、なにをしたの。

 ――やめてよ、もうやめて。

 ――もう、ゆるして。

 

 凄惨な暴力と悪意に晒され、気丈なユイの心にもついに亀裂が入った。

 元より、ユイはただの10歳の少女に過ぎない。

 ただ、怖がりな親友の前では強がっていただけ。

 ただ、耐えることに慣れてしまっていただけ。

 その心も体も、とっくに傷だらけだった。

 それを更に抉られればどうなるかなんて、決まっていた。

 それを見逃す蜘蛛神ではない。

 その弱りきった心に囁きかけるべく、その醜悪な顔を下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 その隙を、小さな獣は見逃さなかった。

 

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