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/ ショーライブ後のステージにて /
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/ フェニックスワンダーランド /
/ ワンダーステージ /
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司
「えむ、少し時間いいか?」
えむ
「え?時間? うん。大丈夫だよ。
どうしたの?司くん」
司
「いや、何といえばいいか……」
司
「……話がしたい」
えむ
「お話……。大切なお話?」
司
「……ああ。大切な話だ」
類
「……。 寧々、司くん達は何やら話し合いがあるみたいだ。 僕達は先に帰ろうか」
寧々
「……ん」
類
「では、司くん、えむくん、お疲れさま」
寧々
「お疲れ」
えむ
「あっ! 寧々ちゃん!類くん!おつかれさま〜!!」
司
「ああ、お疲れ様」
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えむ
「それで、司くん。話って──」
司
「えむ!」
えむ
「はっ、はいっ!!」
司
「オレは、天翔るペガサスと書き、天馬! 世界を司ると書き、司!
その名も──天馬司! スターになるべく産まれた男ッ!!」
えむ
「!!
それって!!」
司
「オレがフェニックスワンダーランドでのオーディションで、最初に話した言葉だ」
司
「オレは、未来のスターになるための第一歩としてこのフェニックスワンダーランドでショーをするつもりだった」
司
「オレの夢は今も変わらずスターになることだ。
だが、ここでえむに出会い、さらに類、寧々、そしてセカイでカイトやミクに出会ったことで本当の思いを思い出すことができた」
司
「それも全て、えむ。 お前がオレを誘ってくれたからだ。
心から感謝している」
えむ
「そ、そんな。感謝なんて。
あたしだって、おじいちゃんのステージを守ってくれたこと、みんなに感謝してもしきれないくらいなのに……」
司
「いや、それはオレだけの力じゃないからな。
寧々や類、そして、えむ。 みんなの力で守ったんだ」
司
「オレだけの力では、守ることはできなかったかだろうな……」
司
「……」
司
「──えむ」
えむ
「……?
どうしたの?司く──」
司
「好きだ」
えむ
「え……」
えむ
「えええええ!?」
着ぐるみ
「えむ様!どうかなさいましたか!」
えむ
「あっ。え、えっと……。 な、なんでもないのっ」
着ぐるみ
「天馬司。お前、えむお嬢様に何かしたのか!」
司
「何もしてない! 何もしてないからどこかに行け!!」
着ぐるみ
「分かっているな。 えむお嬢様の身に何か起きれば、ただではおかないからな」
司
「ええい。 分かっているからさっさと散れ!」
司
「すまない。 急に変なことを言ってしまって」
えむ
「う、うん。 びっくりしちゃった。
そんなこと言われると思ってなかったから、頭ぐるぐる〜ってなっちゃって……」
えむ
「え、えっと、司くん。さっき言ったことって……」
司
「ああ。オレの本心だ」
司
「先にも言った通り、オレはえむに感謝している」
司
「お前が誘ってくれたことで、オレはショーをする仲間に出会えた。 本当の夢を思い出す事ができた。
えむに出会った事で、オレの世界が変わった」
司
「だから──」
えむ
「司くん」
えむ
「それはきっと、勘違いしてるんだよ」
司
「勘……違い……?」
えむ
「うん……」
えむ
「嬉しいって気持ちでいっぱいで、周りがきらきら〜、ピカピカ〜って見えちゃって、心が勘違いしちゃってるんだよ」
えむ
「だからね……?」
司
「勘違い……だと……?」
司
「勘違いな訳……あるか!!」
えむ
「!?」
司
「確かに、オレはえむに感謝している」
司
「しかし、感謝は類や寧々、カイトやミクにだってしている!」
司
「他のやつらにも、同じように感謝している!」
司
「だが、えむ。
お前に対する感情は、他のやつらに対するそれとは違うんだ」
司
「この気持ちを! この想いを!
勘違いと……言わないでくれ!!」
えむ
「司くん……」
司
「──!
……すまない、えむ」
えむ
「……。 今日は、もう帰ろっか。
もう日も落ちちゃうよ」
司
「えむ──」
えむ
「ありがと、司くん」
司
「あっ──」
えむ
「じゃあね、司くん。
また、次の練習の時に」
司
「あ……、ああ。 また、今度な」
司
「……、こんな気持ちになるのなら……」
??
「言わなかった方が良かった、か?」
司
「──!? 誰だ!」
司
「って、お前は、きぐるみの」
きぐるみ
「一部始終はすべて見させてもらった」
きぐるみ
「勘違いするな。 我々はえむお嬢様をお護りする使命がある」
きぐるみ
「天馬司。 お前がどれほど後悔しようとも、先程のことはなかった事にはならない」
きぐるみ
「えむお嬢様に伝えた以上、昨日までの様な関係に戻れないぞ」
きぐるみ
「もし、先程のことが原因でお嬢様に何かあれば──」
きぐるみ
「その時は覚悟しておけ」
きぐるみ
「さらばだ。 天馬司」
司
「昨日までの関係に戻れない、か……」
司
「──っ。 そんな事、分かっている……」
司
(えむ……)
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/ 翌日 /
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/ フェニックスワンダーランド /
/ ワンダーステージ /
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類
「さて、準備も終わったところで、次のショーの練習をしようか」
えむ
「よーし、がんばるぞー☆」
類
「今日は……、ショーのクライマックス。 姫の呪いを解く方法を精霊に教わり、王子が愛を伝えるシーン、だね」
司
「──!」
司
『──えむ』
えむ
『……?
どうしたの?司く──』
司
『好きだ』
えむ
(くそ……、昨日のことが頭から離れない。
練習に集中しなければならないというのに……!)
えむ
「……っ」
類
「じゃあ、司くん。 王子の台詞から頼むよ」
司
(気持ちを……切り換えなくては!)
司
「『姫! 目を覚ましてくれ、姫!』」
司
「『どうすれば! どうすれば姫を救い出せるんだ!』」
寧々
「『姫がかけられた呪いは恨みの呪い。
それを解くためには強い愛が必要』」
司
「『強い……愛……』」
えむ
『それはきっと、勘違いしてるんだよ』
司
(くっ……、余計なことは思い出すな!
今は練習にだけ集中しろ)
司
「『嗚呼、姫。 どうか……、どうか目を覚ましてくれ。
俺は、あなたのことを、愛──』」
えむ
『心が勘違いしちゃってるんだよ』
司
「『愛……して……』」
司
「うっ……!」
類
「司くん!」
寧々
「司!」
類
「大丈夫かい?司くん。
寧々、袋とタオルを持ってきてくれるかい」
寧々
「うん、わかった」
えむ
(司……くん……)
類
「えむくん、練習は一旦中止だ。
司くんを少し休ませよう」
えむ
「う、うん」
えむ
(もしかして……あたしのせい、なのかな。
あたしが昨日、あんなこと言っちゃったから……)
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類
「司くん、具合はどうかな」
司
「あぁ、少しマシになった。
すまないな。 練習を止めてしまって」
寧々
「何か悪いものでも食べたんじゃないの」
司
「そう……かもしれないな」
類
「では、今日は大事をとって帰って休んだ方がいいかもしれないね。
明日も練習は休みだから、ゆっくり身体を休めるといい」
司
「……、うむ、そうさせてもらう。
無理をしては、後々のショーにも影響が出るかも知れないからな」
司
「迷惑をかけて申し訳ない。
では、先に失礼する」
えむ
「あ……」
えむ
(司くん……)
類
「……」
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