おてんば娘に告白を   作:S's

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中編(side:鳳えむ)

 

 

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/      同日 夕方      /

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/     宮益坂女子学園     /

/       廊下        /

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えむ

「……」

 

『好きだ』

 

『この気持ちを! この想いを!

勘違いと……言わないでくれ!!』

 

えむ

(司くん……)

 

穂波

「……?

えむちゃん?」

 

えむ

「……ん?

あっ、穂波ちゃん」

 

穂波

「こんな時間に珍しいね。

今日は、ステージの方はお休み?」

 

えむ

「うん、今日はお休みなの。

穂波ちゃんは? 今から帰るところ?」

 

穂波

「うん。クラスメイトの勉強を見てたから遅くなっちゃって」

 

穂波

「……今日は、みんなの所に行かないの?」

 

えむ

「みんなの……?」

 

えむ

「あっ……、うん。 前会いに行った時にちょっと怒られちゃったから……」

 

穂波

「怒られた……?」

 

穂波

(怒られたら行かない、っていうのは変じゃないけど……。

なんだろう。少し、引っかかる様な……)

 

穂波

「……えむちゃん」

 

えむ

「ん? どうしたの? 穂波ちゃん」

 

穂波

「もしかして、あの時みたいに、何か悩んでるのかな……って」

 

えむ

「ほぇ……」

 

穂波

「あっ、勘違いだったら別に良いの。

変なこと聞いちゃった……かな」

 

えむ

「ううん。

穂波ちゃんって、い〜っつも、周りの人のことを見てくれてるんだなぁ、って思っただけ」

 

えむ

「……っ」

 

穂波

「えむちゃん……」

 

えむ

「とある人にね、好きだ〜って言われたの」

 

えむ

「あたしはどう思ってるんだろうって考えたら、だんだんわからなくなっちゃって……」

 

えむ

「そのまま、考えてたらだんだん気持ちがぐわ〜って、ぐちゃぐちゃ〜ってなっちゃって……」

 

えむ

「その人の気持ちを否定しちゃったの」

 

穂波

「……っ」

 

えむ

「あたしはね、穂波ちゃんが好き」

 

えむ

「遥ちゃんも、咲希ちゃんもクラスのみんなもだ〜い好き」

 

えむ

「その人のことも好きだけど、みんな大好きで、みんな大切で……」

 

えむ

「だれかひとりが特別だなんて今まで考えたことがなかったから、あたしがどう想ってるのかわからないの……」

 

穂波

(えむちゃん……)

 

穂波

「えむちゃんは、その人のことが大好きなんだね」

 

えむ

「うんっ!

困ってるあたしを助けてくれて、悩んでる時にも一緒に悩んでくれて、それにね!」

 

穂波

「ふふ」

 

えむ

「……? どうしたの? 穂波ちゃん」

 

穂波

「ううん。

あまりにも楽しそうに話すから、つい」

 

えむ

「あっ……」

 

えむ

「……あたしもね、その気持ちを受け止めなきゃって思ってるんだけど……」

 

穂波

「……」

 

穂波

「そんなに急がなくてもいいんじゃないかな」

 

えむ

「え……?」

 

穂波

「返事をしなくていい、ってわけじゃなくて、まずはその気持ちに向き合ってみたらどうかな、って」

 

えむ

「気持ちに……向き合う……?」

 

穂波

「その時にどう思った、とか。 今の自分はどう思っているか、とか」

 

穂波

「それだけでも伝えてあげると、安心するんじゃないかな……って」

 

穂波

「あっ、私にはそういう経験はないから、確証はないんだけどね」

 

えむ 

「むむむ、どう思ったか……」

 

『好きだ』

 

えむ

「……嬉しかった」

 

えむ

「でっ、でも、つか……。その人は、大切な仲間で、今までそういう風に考えたことなかったから……っ」

 

穂波

(つか……?)

 

えむ

「だけど、仲間の一人としてだけじゃなくて、特別に想ってくれてるのってなんだか胸がザワザワ、ドキドキしちゃう……かな」

 

穂波

「ふふ。じゃあ、その気持ちを相手に伝えみたらどうかな?」

 

えむ

「……。うんっ! がんばってみる!」

 

えむ

(まだちょっと不安だけど、司くんのためにもちゃんと伝えなきゃ!)

 

えむ

「ありがと、穂波ちゃん。

じゃあ、司くんに会いに行ってくるね〜」

 

穂波

「うん、いってらっしゃい」

 

 

穂波

(あれ? 今、司くんって)

 

穂波

(司くんって、もしかして……司さん!?)

 

穂波

(え、えっと、咲希ちゃんに言った方がいいのかな。

でも、そうしたらえむちゃんに失礼だし、咲希ちゃんも困っちゃうかも……)

 

咲希

「ほーなーちゃーん」

 

穂波

「ひゃっ! さ、咲希ちゃん!?」

 

咲希

「どうしたの? さっき、えむちゃんと話してたみたいだったけど」

 

穂波

(えっ、えぇ……。 どうすればいいの〜!?)

 

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