ナーヴギア(SAO同梱版)約13万円は中学生には金額的にキツいです……   作:山田ヘイタロウ

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キリトさんがナーヴギア(10万円)見せてくれるって!

 惣弥は大して人に興味があった訳ではない。

 学校では最低限の関わりと言うものが大きく、クラスメイトとの会話がわずかにあった程度だ。

 つまり、彼にとっては他クラスの生徒との関係性というものはあまりにも薄い物であった。祖父へ渡す刀を鍛えるためという目的もあったためか、彼は青春という物を疎かにしていた。

 これが二度目の青春であったことも少なからず要因の一つとして挙げられるだろう。

 結果として携帯ゲーム機とソフトを購入した惣弥は、刀を打つために使っていた時間をゲームに使うことも増えた。

 時折、刀を打つこともあったが費用が馬鹿にならない事を悟り、打つことも少なくなってしまう。

 

「一緒にゲームする友達がいないんだが……」

 

 目下の悩みは携帯ゲーム機を購入したと言う所で、そのゲームを遊ぶ友人の存在がないと言うことだ。

 どこを見てもVR。

 流石のナーヴギアは話題性も抜群であった。SAOが出ることで更に話題になるだろうが。

 

「はー……。あ、お隣失礼」

 

 学校内では基本的に友人グループというものがあり、グループの輪の中に入ることの出来ていない者もいる。

 彼らは空気が読めない、或いは自らのことで精一杯であるとも考えられる。

 

「……ああ」

「…………」

 

 会話がない。

 惣弥は余りの気まずさに溜息を吐く。友達がいない、グループに馴染めなかったと言う意味では隣にいる男子は同類と言っていいだろう。

 中性的な顔立ちをした黒髪の少年。身長は惣弥と同じほど。

 だから、他のクラスの生徒だと言うことだけがわかった。

 

「見覚えあるような」

 

 不躾にも惣弥は少年の顔を覗き込んでいた。

 

「な、何?」

「いや、ひょっとして君、有名人だったりする?」

「そんな事はないと思うけど……?」

「うーむ、何処かで見たような気がするんだよ」

「初対面だよ」

「そうか……。所で君、名前は? 俺は寿(ことぶき)惣弥って言うんだけど」

桐ヶ谷(きりがや)和人(かずと)

「ほうほう、桐ヶ……」

 

 驚きの声を上げかけて惣弥は飲み込んだ。

 なぜ気がつかなかったのだろうか。こんなにも近くに原作の主人公はいたと言うのに。

 いや、単純に興味がなかっただけか。

 

「桐ヶ谷くん」

「何で言い直したんだ?」

「悪い、噛んだだけだ」

「そうか。呼び方は任せるけど」

 

 そうは言われてもな。

 惣弥は若干、考えるような表情を見せてから改めて名前を呼び直した。

 

「桐ヶ谷」

「うん?」

「ゲームは好きだったりするか?」

「それは、まあ……」

 

 惣弥には分かっている。

 彼が桐ヶ谷和人、キリトであればゲームが嫌いなわけがないという事くらい。

 惣弥の知る桐ヶ谷和人という男は当然、ゲーマーなのだから。

 

「そうか」

 

 間違いなく、惣弥の目の前にいる男はSAOと言う世界の主人公だ。デスゲームを生き残り、敵を討ち倒す英雄だ。

 

「そりゃあ良かった」

「?」

「あ」

 

 失敗した。

 突然、ゲームが好きかと聞いて一人で納得するなどおかしな話だ。しかも、初対面でだ。

 

「いや、悪い悪い。で、どんなゲームが好きなんだ?」

 

 その失敗は仕方ないものとして受け入れて、会話を続けようと試みる。

 

「どんなって聞かれても困るけど……。オンラインゲームとかかな」

「オンラインか」

 

 ならば、と。

 ここで更に踏み込む。

 

「ナーヴギアも興味あったりする?」

「あると言うか、持っていると言うか……」

「持ってる!?」

「こ、声がデカい」

「あ、悪い悪い」

 

 惣弥は謝って見せるが、この大声はわざと上げたものであった。

 それほど注目してますよ、と見せるための。

 

「いやー、興味はあったんだが高すぎて手が出なくてなぁ」

「ああ」

「良ければ、見せてくれない?」

「…………」

 

 流石に無理か。

 そもそも桐ヶ谷和人は誰かとの人付き合いが得意な方では無かった筈だ。なら、断られても仕方ない。

 

「良いけど……」

「え、マジで!?」

「こ、声が大きい……」

「じゃあ、ちょっと玄関で待っててくれよ! あ、もし俺の方が早く終わったら俺が待ってるから!」

 

 などと嵐のように約束を取り付け、後の言葉も聞かずに惣弥はこの場を去ってしまう。

 

「(ヤベー、生キリトさんだ! 生のキリトさん! それにナーヴギアも見せてもらえんじゃん!)ラッキー!」

 

 ナーヴギアを買う事は諦めていたとしても、ナーヴギアに対する憧れはなくならない。本物を見る事ができると言うのなら間違いなくテンションが上がる筈だ。

 本来十三万円と自らの命と言うチケットを使わねば会えなかったかもしれない相手も、無料で会えてしかも会話もできてしまった。

 

「こいつは感謝の気持ちという事で、後で刀をお渡しせねば……」

 

 流石に祖父のために鍛えた刀は渡す事はできないが、以降に作った物であれば問題ない。何せ、惣弥も出来に納得のいく物ではあったのだから。




 このオリ主、SAOの世界に行けるのかどうか。
 普通にこのままいったら、この子アミュスフィアも買わないと思うんですけど。ALOとかGGOも参加できないとかどうするつもりなんだろう……。
 13万円は流石にキツいですね。
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