ナーヴギア(SAO同梱版)約13万円は中学生には金額的にキツいです…… 作:山田ヘイタロウ
ホームルームが終わると惣弥は早足で教室から出た。向かったのは最寄りのスーパーマーケットだ。
「(ヤベー、キリトさんの好物って何だろ……)分からん……」
お菓子コーナーで何が良いかと顎を撫でながら彼は物色するが、甘いものが良いのか、煎餅の類が良いのか。
ウロウロと歩き回りながら考える。
「(アスナさんの手料理は美味い美味い食べてた印象。何でも食べれんのかな)皆んな大好き苺大福とか? いや、俺が好きなだけなんだけども」
嫌いな奴居ないだろ。
なら、祖父がいつも買ってくれていた和菓子屋があったはずだと思い返してみる。惣弥もその店の和菓子は気に入っていた。
「取り敢えず、ここでお茶だけでも買うか……」
もてなしは大事だ。
日本人はもてなしの心があってこそ。
最大限のもてなしをするべきなのだと惣弥は心の中で言い聞かせると、飲み物を入れたレジ袋を片手に、ポケットから取り出した携帯電話に店の名前を入れてナビを起動させる。
「よし、行くぞー。割と近くにあるみたいだし」
袋を揺らしながら目指すのは和菓子屋。
「すみません、苺大福を……六つ」
目当ての菓子屋について注文。多すぎるだろうと思われるかもしれないが、間違いはない。
和人に三つ、自分に三つ。
「しばらくお待ち下さい」
女性店員はショーケースの中にある苺大福を白色の箱に入れる。
ショーケースには苺大福の他にも羊羹、饅頭、どら焼き、練り切りなどもある。目移りしてしまうが今回買うのは苺大福のみだ。
「どうぞ」
妙齢の女性店員に代金を支払い、お釣りとレシート、商品の入った袋を受け取り惣弥は和菓子屋を後にする。
「(よし、これでオーケーだな。部屋も一応片付いたし)さっさと帰って、これ冷蔵庫に入れよ」
明日が楽しみだ。
と、遠足前の保育園児の様にウキウキと心を躍らせながら彼は帰路につく。
惣弥が夕日の中を歩いていると楽しそうに話をしながら歩く中学、高校生ほどの年齢の集団が正面から歩いてくる。
彼らには避ける気配もなく、仕方なく惣弥は横にズレて、進路を譲る。
「(あーあ、マナー悪ぅ。いや、でも楽しそうで羨ま……いや、でも相手のこと考えろや)チッ」
思わず舌打ち。
通り過ぎていく背中を憎いやら、羨ましいやら感情が綯交ぜになった目で睨みつけていた。
「(はー、俺にはそんなに友達おらんし。キリトさんがSAOの世界から帰ってきたら、俺って友達って言って良いんか?)……そもそも、俺とキリトさんって友達なんか?」
考えてみるが現在の関係はボッチがボッチに話しかけて繋がっている関係と言ったものだ。明確に友達とは言えないだろう。何が友達という関係性を明確にするのかは惣弥にも分かっていないのだが。
「いや、『俺たち友達だよね』って確認すんのは面倒臭い女ムーブの様な……」
友達という関係性は自然とできる物であって。などと言い訳をしてみるが、ボッチである者には友達認定は難しい。なによりもキリトというSAO世界の英雄の友達という肩書きに自らは相応しいのかと疑問を覚えてしまうのだ。
「一応、連絡は取り合えるし」
惣弥の携帯電話には和人の連絡先が登録されている。別に関係性を深く考える必要はないのだ。それなりに仲が良いということで終わればいい。
「連絡先交換したんなら、仲良いってことだろ(え、間違ってないよな?)」
少なくとも自分の前世ではそうだったと考える。ただ、ブロックされると言うこともしばしばあったのだが、都合がいいようにこの辺りの記憶はカットされている。
久しぶりの更新ですね。
申し訳ありません。