ナーヴギア(SAO同梱版)約13万円は中学生には金額的にキツいです……   作:山田ヘイタロウ

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金のニオイ

「ふー……まだ気になる所はあるけど。流石に疲れたな」

 

 目に見える範囲の汚れはあらかた落ちただろう。刀が乱雑に散らばっていた物置小屋の様な状態から至って平凡な木の床が見えるようになったのだから。

 歩いて怪我をすると言う心配はまずないと思える。

 

 ジリリリリン。

 ジリリリリン。

 

 屋敷の固定電話が鳴り響く。

 随分と時代を感じさせる様な黒い電話。ドタドタと駆け足で電話の置いてある廊下に向かい急いで受話器を取る。

 

「はい、こちら寿鍛冶屋です」

 

 まずは受け答えは丁寧に。

 

『私は茅場昌彦。……いきなりで申し訳ないが鍛冶屋の見学をさせてもらいたい』

 

 受話器の向こうから聞こえた自己紹介に「いたずら電話か」と一瞬思ったが、態々茅場明彦の名前を使って電話を掛けてくる理由がない。

 

『寿創建(そうけん)。現在、日本に於いて彼を超える刀鍛冶は居ないと』

 

 祖父は刀鍛冶の中では有名な存在だった事を惣弥も知らない筈がない。とはいえ、この件は祖父を目的として持ちかけられたもの。孫の惣弥には荷が重すぎる。

 

「あー……その、祖父は亡くなりました。それで寿鍛冶屋は休業中で」

 

 見学に関する話を断ろうとするも茅場昌彦を名乗る彼も食い下がる。

 

『いや、刀を見せてくれるだけでも構わない。寿創建の残した刀は残っているはずだ』

「……確かに、残ってはいるんですが」

 

 何とも言葉にし難い。

 なによりも惣弥にしてみれば茅場昌彦はこれから前代未聞の事件を起こす事が確定しており、そんな男に凶器となるかもしれない何かを提供してしまう事になるのだ。

 

『すまない。こちらの都合ばかりだった』

「…………」

 

 だが。

 もしかしたら。

 このSAOのある世界でこの瞬間を逃せばナーヴギアは手に入らないのではないか。VRゲームをする瞬間、一番熱いであろう瞬間を失ってしまうのではないか。

 惣弥にはそんな迷いもあった。

 

「茅場さん」

『うん?』

「……その刀はどう使うつもりですか」

 

 惣弥には予想できている。

 この世界に居る殆どの人間が茅場昌彦がどの様な人間なのかを知っているはずだ。

 

『SAOは知っているかな』

「……まあ、有名ですから」

『そうか、なら話は簡潔だ。私は寿創建の造った刀のデータが欲しい。君が望む物があるなら、どうかな』

 

 用意できる物は可能な限り。

 茅場昌彦は提案する。

 

「わかりました」

 

 一つだけ。

 惣弥にはこれがあればと言うものがある。これからの生活に置いて最高と言ってもいい。

 

「見学の件……日程が決まりましたら改めて連絡させてください」

 

 茅場昌彦の人望を使えば可能な筈だ。

 ただ惣弥としては若干の不安がない事もない。




久しぶりの更新です。
多少無理矢理でも原作キャラと絡めます。
また期間開くと思います。
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