季節イベント(波間IF)   作:夢枕 七変化

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2020年節分イベント
節分(麦わらのルフィ)


 やっと想いが通じ合ったからと、つい調子に乗って貪ったらナミに物凄く怒られて、ロビンに近付くなって鬼みたいな顔で言われて、チョッパーに赤猿って罵られた。ナミは1日寝込み、やっと姿を見た時には1回り細くなっていて……。

 まだ、怒ってるかな?

 

 「……ナミ」

 「ルフィ?」

 「ごめん」

 

 素直に謝ると、その細い指先が俺の頭を撫でた。優しいその手の温もりに、泣きたくなる。

 お詫びになんでも言う事を聞くと言ったら、1人で買物に行きたいと言われて泣く泣く送り出した俺は、帰って来るまでずっと甲板でソワソワしていたんだ。そうしたら皆から鬱陶しいと言われちまう。

 その内見兼ねたフランキーが様子見に行ってくれて、ロビンがその様子を伝えてくれたので、俺はサンジの作ったお好み焼きを食べながらナミの帰りを待っていられた。それが無かったら、多分ずっとソワソワしてた思う。

 帰って来たナミに抱き着くと、何年も会えなかった訳じゃないんだからなんて可笑しそうに笑ったナミが、優しく抱き締め返してくれた。そして、不思議島が近くにあって巨大な豆が取れるらしいと教えてくれる。

 

 「行ってみる?今からならまだ、日のある内に到着できると思うわよ」

 「ナミさん、ルフィを甘やかさないでくださいよ!!その島大丈夫なんですか?嫌な予感しかしないんですけど」

 

 サンジが嫌そうな顔をするのは、ナミを俺が貪った関係だろうと分かる。でもそんなサンジにナミは大きな豆が美味しいって聞いたんだけどなんて言えば意見がコロリと変わった。

 別行動で島に行っていたウソップとチョッパーが、ゾロを連行して帰る頃にナミが買った物が全て揃い、船は出航した。届けられた物の大半が食料で、ナミさんはルフィに甘過ぎますと叱られてるのが聞こえて来る。

 そんな調子で到着したその島には、見覚えのあるストライカーが泊められていて、まさかと思って見てみるともう1人別な人間も見えて……。ま、さか?

 

 「エースゥ!!サボォー!!」

 

 姿は遠くて確実じゃない。でも、間違い可無いとなんでかわかって、俺は船から飛び出した。

 泣きながら2人に飛び付くと、そのままぐるぐると巻き付いて、離さねェぞと思う。なのに2人から同時に苦しいだの、殺す気かだの言われちまった。

 けどよ、もう、会えないかと思ってたんだよォー!!俺、会いたかったんだ!!

 俺達三兄弟が揃ったのもあり、フランキーが簡易ベッドを島の木で作ってくれて、ブルックが宴に合わせて演奏してくれて楽しい夜を過ごした。ウソップも歌ったりして宴を盛り上げてくれて、本当に幸せだと思う。

 いつも俺に大好きよと言って笑ってくれる美味しそうで無防備な恋人は、宴の間ずっと皆に呼ばれては動き回り俺の傍に居てくれない。今はロビンの横で漸く座って、少し疲れた顔をしてるのが見えた。

 そんなナミの所へサンジが飯と飲み物を運んで、ロビンが膝掛けをナミの肩に掛けてるのが見える。その時エースが俺の横に来て言う。

 

 「ナミは相変わらずだな」

 「どういう意味だ?」

 「そのままだろ。可愛くて無防備。でもま、なんか色っぽくなったな。……成長期だからか?」

 「ん?……俺が食ったからだろ」

 

 俺の返事にエースは嘘だろと呟き、それからまさかと言う。俺も思ったから多分同じ事だと思うけどよ。

 

 「ナミは未経験だった。俺しかしらねェぞ」

 「な、んだとー!?」

 「エース五月蝿い。ナミに恥かかせるな」

 

 言葉と同時にエースを殴ったのはサボで、エースはそれに文句を言ってたけどすぐに仲直りして時を過ごす事になった。楽しい宴の時は瞬く間に過ぎ去って、翌朝目覚めるとナミが皆となんか相談してるのが聞こえて来て、俺もそれに混ざろうと首を伸ばす。

 そんな俺にナミが怯えた顔をした。そして、それ怖いから辞めてと言うから、ちゃんと体も近付けてやったらホッとした様子を見せる。

 本当にナミは怖がりだよな。何が嫌なんだろう?

 

 「んで、何話してんだ?」

 「あァ、豆とか太巻きを食うイベントがあるってナミが言い出してな。俺は酒が呑めればなんでもいいが」

 

 ゾロが答えたそれにより、ナミが苦笑する。そして男を刺激する言葉をサラリと言い放った。

 

 「この島には狂暴な猛獣が多く居て、美味しくて大きな豆があるのに手に入らないんですって。猛獣も美味しいかも知れないけど、やっぱり危ないから昨日私が買ってきた物で「「「猛獣なんざ倒して来てやる!!」」」」

 

 俺とサンジとゾロが声を揃えると、エースが行って来いよと笑い……俺は冒険よりもナミのそばに居る事を決めた。残して行ったら、ナミが食われる……!!

 

 「ゾロ、サンジ、猛獣と豆手に入れてきてくれ。船に今、野獣が居るから俺は離れられねェ」

 「「分かった。任せろ」」

 

 どちらがより多くの食材を得てくるかと喧嘩して向かった2人に、ナミは可笑しそうに笑う。それから皆に向けて言った。

 

 「適当に過ごしてて。お昼は私で良ければ何か作るわ」

 

 そして、夜は太巻きと豆とお肉でしょーなんて言いながら、キッチンに向かうそれを慌てて追いかける。1人にしてなるもんか!!

 俺がそう思って必死で傍にいるのに、ナミは摘み食いしないでよ?なんて困ったように笑うばっかりだ。エースはエースでナミにくっついて何作るんだとか聞いて、さり気なく肩を抱く。

 なのにナミはエースを少しも警戒しないで、フライパンを片手に楽しそうに笑う。どうしてそんなに無防備なんだよ!!

 

 「昭和オムレツでも作ろうかなって。別名、冷蔵庫の残りなんでもオムレツだけど」

 

 挽肉とみじん切りにした好きな野菜を炒めて、卵で包むそれがショウワオムレツらしい。それが作られていた時代の名残で、そんな名前なのよねーと楽しそうなナミの尻をエースが撫でると、サボがエースを蹴り飛ばしてナミの隣に立った。

 

 「ナミ、この太巻きなんだけどよ」

 「嗚呼、それは節分の時だけ恵方巻きって呼ばれるの。中身はなんでも良いから、彼女が好きな物を入れてあげたらいいわ」

 「五目ちまき……?」

 

 サボのその言葉にナミは動きを止めて、うーんと首を傾げると五目ご飯で太巻き作る?なんて言って作り方をサボに教える。そこに懲りずにエースが背後から抱き着いて胸を揉めば、ナミがその眼を釣り上げた。

 

 「包丁とか火を使ってるのに、危ないでしょ!!メッ!!」

 「「「ナミ、その叱り方はどうだよ」」」

 

 思わず揃った俺達の声にナミは不思議そうに首を傾げた後楽しそうに笑う。それから折角だからご飯は五目ご飯にしましょうなんて言って、楽しそうに料理をして行く。

 

 「エースはロギアだし火だからって油断してるんだろうけど、駄目よ。良い子にしててね」

 

 駄目だ!何にもわかってねェ……!!

 エースがこれ以上ナミに何も出来ないようにと今度は俺が傍に行くと、手伝ってくれるの?なんて笑われて、何もしないなんて出来なくなる。それにより少し離れたところにある調理器具を、取ってと言われる度に渡すのを繰り返して行く。

 

 「……俺は何か作ったりしなくていいのか?」

 「ルフィは、物を取ってくれたら充分よ。お願いだから、手を出さないで。……私、人間の食べ物を食べたいの」

 

 ナミの言葉に何故かエースとサボまで頷くから、なんだ?と首を傾げる。その時エースがナミの耳に手を伸ばそうとしたのが見えて、それを叩き落とす。

 

 「ルフィ、やる気か?」

 「ナミに触んな!馬鹿エース!!」

 

 同時に床を蹴って、互いに殴りかかろうとした俺達の頭上から拳が降ってきた。そして頭を抱えた俺とエースが顔をあげるとサボに暴れるなら出て行けと笑顔で言われて、俺とエースは揃ってその場で小さくなる。

 そんな俺達を気にした様子もなく、ナミは次々とオムレツと五目ご飯を1つの皿に乗せて、ブロッコリーとウィンナーを添えると完成!!なんて笑う。スープは簡単にミネストローネよと笑うそれに、俺は飢えたような気持ちになる。

 勿論普通に腹が減ったのはあるけど、それだけじゃねェ。無邪気に笑うナミが、蜜柑の香りを振りまくそれが本当に俺を飢えさせるんだ。

 とりあえず昼飯が終わったらナミを食おうと決めて、皆に向かって声を張り上げた。夜のイベント迄はまだ、時間もあるからな!

 

 「飯だぞ!鬼達ー!!」

 

 鬼は外、福は内。だから鬼であるお前らのいない船内で、福を俺は美味しく食わせてもらおうと内心で笑いう。そうして料理の終わったナミの唇を奪う事で、少しだけ味見をしておいた。

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