白兎は正義に憎しみを抱く   作:暗闇水明

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はい、連載になって2話目です。最初は何も知らない状態のベルです。あの話から数週間後の話です。




Chaptear2

「さて・・・どうしようかしら・・・」

 

3日くらい洞窟で過ごして私アリーゼ・ローヴェルもといローゼ・アーリヴェルは今超絶ピンチだった。とりあえずオラリオに追放させられて彼のそばにいることを決めた私だったのだがここでとある問題に気づく。お金もある程度あるし衣類などはいくらか持ってきているし食料も魔石さえ狙わなければモンスターから取れる。問題は・・・

 

「家のことを全然考えていなかったわ!!」

 

そう、人間に必要な衣食住の一つ『住』、つまり家がないのだ・・・これは一大事だ。住む場所が無い為寒さも今回の洞窟のような場所があっちらほっちらあるわけでは無い。つまり住む場所が無い。この洞窟も冬は越せるかどうかも怪しいのだ。何より水の問題もある。早く見つけないとこの子の体力がやばいし何より旅人って言っちゃったけど旅の経験は私には全然無い!!冒険者で遠征はあるけども実際それしかないもの。しかもその時は皆でやってきたのだから、小さな子連れて二人で旅するなんて難しすぎる・・・辺りは夜で今悩みまくった結果現実逃避に星を眺めていた。

 

「ローゼ・・・」

 

そこにベルが泣きながらこちらにやってきた。最初は警戒をしていたのだが夜が明けたらすっかり懐いた。兎みたいで懐いたときは可愛いなとも思っていた。「どうしたの?」と、聞いたら怖い夢、村のことを思い出し寝られなかったらしい。起きたら私がいなく焦ったらしいが私の声を聞いてこちらにやってきたと言う。

 

「お願い・・・いなくならないで・・・そばにいて」

 

ふと、彼はそうこぼしポロポロと涙を流し、体を震わせており私の胸に顔をうずくめる。彼の過去が、トラウマがフラッシュバックしたのだろう。それも幼い子どもには大きすぎるほどに・・・少しはなれただけでも誰かがいないと駄目なほどこの少年はあの日が怖かったのだろう。今更自分勝手なことをしてしまいひどく後悔した。

 

「大丈夫・・・私はここにいるよ」

 

そっと抱きしめ頭を撫でる。この子は今愛に飢えている。家族と呼べる人は現状私しかいない。だからこそこの子の傍にいなければならない。今はそれでしか償いができない。

 

「ねぇ、一つ提案があるんだけど」

 

「ン・・・?」

 

一つの考えが私に降り注いだ。それは少し危険だがこれしかないだろう・・・

 

「私と一緒に旅をしない?」

 

「え・・・?」

 

ベルはキョンとした表情で私を見つめる。

 

「私は旅人って言っていたけど実際かなりの素人なの・・・本当は誰かに預けるべきなのかも知れないけど私自身君が心配だし何より君の意思を尊重したい。私と一緒に旅をしてみる?家探しという物もあるけど・・・」

 

そう言ってベルは少し考え込む。謎の緊張感で時間が長く感じた。そして暫くするとベルは腕をつかんで来た。

 

「行く!僕、ローゼの傍にいたい!」

「そう、じゃあ行こうか!!」

 

「うん!!」

 

こうして私たちの旅は始まった。

 

アリーゼside end

 

ベルside

 

夢を見た。僕の村が焼けそしてあの女達を目にしたとき急いで逃げている夢。そこに黒髪で極東風の女が目の前に来た。後ろに逃げようとするも後ろには緑色の髪をしたエルフの女が立っていた。

 

(ローゼは?!ローゼは何処?!)

 

辺りを見つめるがローゼの姿は見当たらない。それをしている間に黒髪の女が刀で切りつける。

 

「・・・ァガァ・・・・」

 

クビに切りつけられ声帯をやられたのか声が出なくなった。クビからは血が流れている。それに動じて倒れる。段々と意識が薄れていった。

 

「ロ・・・・・・ゼェ・・・・・・」

 

そして僕の意識が落ちる前になにかドシャッという音が聞こえた。段々と地面が赤く染まる。最初は自分の血かと思っていた。しかし血が何か違った。ふと顔を持ち上がるとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔まで血に染まって倒れていたローゼだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

悲鳴を上げて僕は毛布から飛び上がった。額には汗があり呼吸は荒い。急いでローゼを探すもいなかった。何処に行ったの?まさか殺された・・・?あいつらに?違うそんなことは無い!あいつらはここまで来ないはずだ・・・!どこだ?何処だ?何処に行ったの?何処何処何処何処何処何処ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ

ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ?

 

いないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイ・・・

 

「どこにいるのぉ・・・ローゼェ・・・」

 

恐怖で僕は足がすくんだ。この感覚は村の虐殺と同じ感触だった。恐怖に震え僕は倒れ込む。大切な人がいなくなる。その恐怖が何より怖かった。そして僕は泣き叫ぶ。その時だった、洞窟の外にローゼの声が聞こえた。僕は急いででローゼの声が聞こえた方に向かう。そして洞窟を出口の横でローゼがいた。

 

「ローゼ・・・」

 

「ベル・・・?どうしたの?」

 

間違いない、ローゼだった。その声を聞いた途端僕は勢いよく彼女に抱きついた。

 

「ワ・・・大丈夫?」

 

そう言ってローゼは僕の頭を優しく撫でた。この体温、優しい手、間違えない彼女だった。ちゃんと生きている。死んでない。ちゃんとここにいた。

 

「どうしたの?何かあった?」

 

そう言って優しい笑顔で優しく撫でてくれる。そこで僕はあの悪夢のことを話した。

 

「あのね・・・あの女達の夢を見て・・・それで僕が殺された夢を見て・・・」

 

「うん・・・」

 

黙って僕を撫でて話を聞いてくれる。僕は話を続ける。

 

「それでね・・・ローゼも殺されちゃう夢を見て・・・」

 

段々と僕の唇が震える。当然声も震えた。そして話し続けているうちに涙を流した。

 

「起きたとき、ローゼがいなぐなっだと思っで・・・それで怖ぐっで」

 

もはや涙で声が拭み他人からみたら何を言っているのは分からないだろう。それほど泣いて声が震える。

 

「お願い・・・いなくならないで・・・傍にいて・・・」

 

そう言って僕はローゼの胸に顔をうずくめる。そしてローゼは僕をそっと抱きしめ涙を流してくれた・・・そして彼女は

 

「大丈夫・・・私はここにいるよ・・・」

 

そう言ってくれた。それがたまらなく嬉しかった。家族がいる。大切な人がそばにいてくれるだけで本当に嬉しい。そして暫く僕は泣き続けた。ローゼも一緒にないてくれてそして優しくそれでいて強く抱きしめてくれた。暫く泣き止んだ後もローゼは抱きしめてくれた。

 

「ねえ、一つ提案があるんだけど」

 

「ン・・・?」

 

「私と一緒に旅をしない?」

 

「え・・・?」

 

突然のことに少しびっくりした。もしかしたら預けるとかでまた離ればなれになるかも知れないと思っていたのだ。実際、大体はそうなるだろうと思っていた。旅というのはとても危険だと言うことは分かっていた。僕もお爺ちゃんに聞いたところ両親が死んで預けられたような感じだったので少し怖かったのだ。ローゼと離れるのが・・・聞いたところローゼは旅人でも初心者だったらしい。これから大変な旅になるかも知れない。それでもついていくかどうかを聞いてきた。外には怖いモンスターもいるとおじいちゃんは言っていた。正直怖かったのもある。実は一度モンスターに会ったことがあるのだ。その時はゴブリンだったがそれでも恐怖はあった。幸お爺ちゃんが助けてくれたがそれでもあの恐怖心はある。でも・・・

 

「行く!僕、ローゼの傍にいたい!」

 

あの女達に比べれば、ローゼがいない恐怖に比べたら昔のモンスターが怖いことなんてきれいさっぱり忘れた。怖くなくなったのだ。何か不思議なのだがローゼと一緒ならどんなモンスターでも怖くなくなってきた。ローゼとなら何処にだって行ける。それが地獄の道だろうが関係ない。僕は彼女とともに歩くことを決めたのだった。それに・・・もしかしたらあいつら・・・村の皆を殺した手がかりを見つけられるかも知れない。そしたら何が何でも強くなって奴等を殺す!

 

「そう・・・じゃあ行こうか!」

 

「うん!」

 

こうして僕達の旅は始まったのだった。

 

 




はい、今回はここまでです。暫く旅の話が続きます。オラリオの話はもう少し後になります。最初はアストレア・ファミリアのことも知りません。これからどんどん真実に迫っていくベル君にご期待を!
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