白兎は正義に憎しみを抱く   作:暗闇水明

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こんにちは、今回は作戦会議?のようなものです。それではどうぞ!


Chaptear20話

「さてと・・・戦うことになったのは良いけど、これから先どうすれば良いのかしら?」

 

アリーゼ達が、歌人鳥(セイレーン)異端児(ゼノス)セレンの同胞とアポロンファミリアからカサンドラをを助けるためにオラリオと戦う決意をし、現在はその作戦会議中だ。

 

「オラリオの冒険者はここよりも遙かに強いです。正直、現在の戦力じゃ勝ち目は・・・」

 

「しかもあっちにはいくらでも強くなれるダンジョンがある・・・ダンジョンがない我々は明らかに不利だ・・・」

 

「できる限り減らしたいですね・・・オラリオには戦争遊戯がありますからイケロス・ファミリアとアポロン・ファミリアだけ相手にするのも可能ですけど・・・それでも・・・」

 

「ああ、差は歴然だ」

 

ダンジョンがある・・・この事はどうも抗えない事実だ。ダンジョンは外のモンスターより遙かに強化されている。イケロス・ファミリアだけでも最高レベル5。対してラキア王国には最高レベルは3、それを戦うのなら一目同然だろう。正直勝てる見込みはほぼゼロだった。

 

「一体どうすれば・・・」

 

「そのことなんだけど・・・ちょっと良いかな?」

 

そう話している間にヘルメス割って入ってきた。その途端、門兵がヘルメスを囲む。ヘルメスもオラリオのファミリアな為アリーゼ達はヘルメスを警戒しながら見つめる。

 

「そう怖い顔しないでくれ、僕は君たちの味方だよ」

 

そう言ってヘルメスは両手を挙げる。それと同時にアスフィが入ってきた。

 

「私達も直接ではないですが協力しますよ・・・大丈夫です。裏切るようなまねはしません」

 

アスフィの言葉にウソをついていないことが分かるとアレスは少し悩んだが剣を下げるよう命令し、解放されるとヘルメスは懐からとある紙を出し、テーブルの上に置く。

 

「コレは・・・」

 

「彼女達に教えてもらった技術さ・・・コレがあればオラリオにも対抗できる」

 

そう言ってヘルメスはアスフィに合図を送ると何やら大きな箱を二つ取り出した。ベル達が不思議そうに見つめる。それに答えるように箱を開け始めた。

 

「コレは・・・」

 

「コレを量産できれば、レベルに関係なしで戦えるだろう・・・それに、それを作った本人も参戦してくれるらしい。使い方と適性はその人たちに任せてある」

 

「ありがとうございます、ですがコレを量産は可能でしょうか?」

 

「うちには鍛冶師はいるが・・・人数がな・・・コレを量産するには鍛冶師に建築士も大量にいる」

 

それを聞いた途端、全員がまた頭を悩ませる。それを見ていたベルは何かを閃いたようだった。

 

「サレルメスに頼めば良いんじゃない?あそこの腕なかなかだし・・・」

 

「だが、動いてくれるか・・・戦力も多い方がいい・・・できる限り同盟が欲しいものだ・・・だが我々に人望はないし、セレンの事を我々が話せば反感を買うだけ・・・なんか無いのか」

 

アレスの言葉に全員がため息をつく。暫く悩みこむが、なかなか良い案が思い浮かばなかった。沈黙が辺りを覆う。

 

「あの・・・私から良いでしょうか?」

 

しかし次の瞬間マリウスが手を上げる。その時ラキア組は驚きを隠せなかった。ここまで、作戦会議に消極的だったマリウスが直接参加するなんて思いもしなかったのだ。

 

「マリウス・・・言うのも何だが・・・大丈夫か?」

 

「勘違いしないでください!!私はただ子どもを見捨てたくないだけです、あんたの為じゃありませんよ!!」

 

そう言ってマリウスは顔を赤くする。それを見た途端アレスは少し笑みを浮かべながらも何時ものような反応をした。

 

「良かろう!発言を許す!!」

 

それと同時に、マリウスは一つの写真を撮りだした。そこにはマリウスと一人の男が写っていた。髪色は白黒で分からなかったが、少しひげは生えており長身的な男だった。

 

「この人って・・・五年前急に現れ始め、今では人脈も広い噂のあの貴族の・・・」

 

「はい、実は二年前私達は偶然知り合い友人になった人物です・・・」

 

「ああ、なんかマルティウスが暇だからと他国のヤツを呼んでパーティしたときか」

 

それを聞いた途端全員はマルティヌスを見つめる。もちろんマルティヌスはそっぽを向いて口笛を吹く。少しあきれ顔をしつつもマリウスは続きを話す。

 

「彼は、人脈も深く演説がとてもお上手です・・・彼に頼めば・・・」

 

「味方を増やせるって事か!」

 

それを聞き、アレスは笑みを浮かべ早速準備に取りかかろうとしていた。

 

「待ってください、面識がある私が話を進めますので待っていてください。面識があった方が成功しやすいです」

 

「それじゃあその人に頼んで多数の国を味方につけると言うことでいいですね」

 

そう言って全員がうなずいた後マリウスは荷物を用意し、馬車を用意するよう門兵に命令をする。その前に手紙を用意し、送ることにした。

 

「後、彼女たちは明日来るらしいから準備していてね」

 

ヘルメスがそう告げると同時に会議は終わりにすることにした。そうして会議室にいた者は全員各自の部屋に移る。そうして最後にヘルメスがアリーゼとベルに話があると言うことでベル達はヘルメスの部屋に入りそして一夜が明けたのだった。

 

「それでは、行って参ります」

 

「マリウスさん、お願いしますよ」

 

「ええ、彼女のためにも頑張ります」

 

そう言ってマリウスは馬車を発車させる。それと馬車は壁を突っ切り街道に入るのだった・・・

 

「ベル・・・」

 

「ローゼ・・・悪いけどこれだけは譲れない・・・」

 

昨日の夜、ヘルメスの部屋で言われたのはローゼ達に伝えられたのは衝撃の言葉だった。

 

「ベル君・・・君が泊まったあの家・・・あそこはね・・・カストルの家だったんだ・・・」

 

「・・・ッ!」

 

「カストルさんって?」

 

アリーゼは首をかしげている。しかしベルは驚きの顔を隠せていないくらい怯えていた。

 

「僕の村に時々遊びに来てくれたお兄さん・・・優しくて魔竜伝説を読んでくれた・・・」

 

「覚えてくれて何よりだ・・・それでね・・・カストル君は・・・村が壊された後にね・・・」

 

そうして少し間が開く。ベルはなんとなく予想はついていた。だから耳をふさいだ。アリーゼも悟ったらしく聞きたくない様子だった。

 

「自殺したんだよ・・・」

 

その途端、ベルの涙腺は崩壊した・・・優しかった兄のような存在がいなくなった。それが重くのし掛かる。

 

それはアリーゼにも響いた。自分が大きな過ちによって苦しませ、挙げ句の果て自殺まで追い詰めてしまった・・・自分のせいでまた、死んだ。その現実がアリーゼに背中にのし掛かられ、辛く涙が止まらなかった。

 

(ベルがあんたに会えて良かった)

 

(貴方は私の英雄です)

 

(違う・・・私は・・・)

 

急にアルミノとイシスの言葉がアリーゼの頭に過ぎる。違う・・・そんな人間ではない・・・それはアリーゼが一番分かっていた。

 

「アア・・・アアアア!」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

ベルは泣きだしうずくまる。それにアリーゼはただ抱き寄せる。涙の温もりが手に染みこむ。それはなぜか暖かいはずなのに冷たく感じた。

 

「さて・・・本題に移ろうか」

 

しかし、それは突然遮られる。ヘルメスがベルに真剣なまなざしで見つめていた。ベルはそれを見てなぜか聴けずにいられなくなった。

 

「何ですか・・・ヘルメス様」

 

「君は・・・皆の仇を取りたいとは思わないかい?」

 

「え・・・?」

 

その途端、その一言によりベルは目の色が変わった。それに動じてローゼ顔を上げる。

 

「僕は君の仇を調べてね・・・分かったんだよ、ついに・・・」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

それを聞き、ベルはヘルメスの肩をつかむ。

 

「誰だ・・・どこのどいつだ!!」

 

「落ち着けベル君・・・今話す」

 

そう言ってベルを落ち着かせ椅子に座らせる。やがて一呼吸着きヘルメスは口を開いた。

 

「アストレア・ファミリア・・・オラリオにいる・・・正義と呼ばれているファミリア・・・それが君の仇だ」

 

「アストレア・ファミリア・・・覚えたぞ!!」

 

そうしてベルの目は段々と黒く染まっていく。仇を取る・・・皆殺しにする・・・ベルの目にはそれしかなかった。

 

「ベル君・・・君はこの戦争に参戦するかい?」

 

ヘルメスがベルに問いかける。恐らく覚悟を確かめたいのだろう。ベルの答えは一つだった。

 

「ああ、もちろんだ!!」

 

そうしてヘルメスはにやりと笑いベルの頭を撫でた。

 

「良かった・・・大丈夫そうだ」

 

そう言ってヘルメスは去る。

 

ベルはアストレア・ファミリアに復讐を誓うのだった・・・それをローゼはただ見ているだけだった。

 




はい、今回はここまでです。次回はマリウスととある貴族との会話と謎の何かが登場です。お楽しみに!
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