気が付けば僕は暗闇の中にいた。冷たく恐ろしく村を思い出させる。そして・・・
「アガァ・・・・・・・ッ!」
「ローゼ!!」
そこには今でも鮮明に覚えている、アストレアファミリアの女達がローゼを囲っていたのだ。そうしてローゼにむかって残虐非道な行為をしていた。
「ローゼェ!!」
「ベ・・・ル・・・逃げ・・・て」
「ローゼェエエエエ!!」
僕は急いでローゼの元にかけもむが女達によってそれは遮られる。
「ガハァ!!」
僕は黒い極東風の女により身体を蹴られる。その顔に僕は吐き気が出そうなくらいに笑っていた。
「くっそおオオオオオオ!!」
僕はアルミノ兄ちゃんからもらった剣で対抗するもそれはあっさり弾かれ終わってしまう。そうして僕をあざ笑うかのように刃を突き立てる。しかし何やら僕のことを何やらまじまじと見つめていた。ふと、極東の女が僕の身体の上に乗る。
「・・・・・・・ッ!」
この後の展開なんて分かる。男女の立場が逆転しているがコレはお爺ちゃんが読んでくれた英雄譚で胸くそ悪い展開になることが目に見えていた。
「止めろ・・・クソ!!」
何とかどかそうにも力の差がありすぎてそのまま押し倒される。次第に服が乱れてきた。
「ベ・・・ル・・・」
「ローゼ!!・・・クソ!どけ、どけ!!」
ローゼの声が聞こえる。急ごうにも、力の差があるため動けない。ふと、女の後ろからローゼが見える。それは・・・
「あ・・・」
血にまみれたローゼだった。やがて、ピンク色の髪の小人族に心臓を一突きされ、ローゼは絶命する。
「あ・・・アアア・・・よくも・・・よくもおおおオオオオオオオ!!」
そうして反撃しようともするが、そのまま押し倒され段々顔が近づいてくる。
そして水音と共に僕の意識は落ちたのだった・・・
「・・・ここは」
ふと、僕はまた暗い空間にいた。辺りを見渡しても闇は深く、走っても出口はない。疲れて倒れ込んだ後、一条の光が現れる。赤く毒々しい光だった。ふと、黒い影が現れる。大きく、三つの頭を持つ竜のようだった。
「起きたか・・・良い夢を見たようだな」
僕はそれに腹が立ち、睨み付ける。良い夢なわけあるか・・・愛する人を仇に惨めに殺され、僕はそれを見ている事しか出来ず、挙げ句の果てには犯された。(口づけらへんで終わったが)何処が良い夢だ。確かに普通の男なら喜ぶかも知れない。だが僕はそんな単純な男ではない。この身体はローゼのものだ。他の女に渡す気なんて毛頭ない。そう思い僕は睨み付け、影を見つめる。
「そうか・・・貴様我が力を共にする覚悟はあるか・・・」
「それで何になる・・・」
僕は怒りにまかせて声を出した。しかし影は何も動じず淡々と口を開く。
「あの未来を回避することが出来るぞ」
「・・・・・・・ッ!分かった、その力をよこせ!!」
僕はアレが夢ではなく未来に起こることだと悟ると、いてもたってもいられなくなった。すぐに僕は影に手を伸ばす。
「ローゼは殺させない、殺させてたまるか・・・絶対に・・・ローゼを殺すヤツは僕が裁く、それが正義であっても何であろうとも、そのためになら悪魔にもなってやる!!」
そうして僕は竜の影を見つめる。竜は僕を見て何やら笑っているようだった。
「ククク、良いだろう。我が相棒よ、契約だ」
そうして僕は手を伸ばす。赤い光が手に集まり、僕の身体に入る。やがて僕の胸の中に赤い光が照らす。
(我は来るべき日に覚醒する・・・その時まで・・・待っているぞ)
そうして僕の意識は途切れた。
目が覚めると僕はローゼの腕の中にいた。彼女の温もりが僕を安心してくれる。
昨日の夜は不安の中、僕達は互いを求め合っていた。今日は、ヘルメス様が言っていたアレの使い方を教えてくれる人たちが来るようだ。それを思い出して起き上がろうとするもやはり温もりにはかなわなかった。
「ローゼ・・・暖かい」
僕はそう言ってローゼの身体にうずくまる。
「ン・・・ベル?」
「ローゼ・・・」
ローゼも起きたようだ。ローゼは僕のことをジーと見つめる。暫くして僕が起き上がろうとすると・・・
「ン・・・」
「ムグゥ・・・ウウウ」
何時ものようにキスされた。僕は少し暴れながらも受け入れる。コレがもう日課のような物だった。
「おはよう、ベル・・・朝のチューだよ」
「フフ、いつも通りだね」
そう言ってローゼは僕を押し倒す。そうして再度キスをする。銀色の糸が僕達をつないだ。
こうして僕達はまた深い海に沈むんだ。深く、逃れられない深さ。でも、なぜか悪い気がしない・・・だってこの海は君がくれたんだから・・・それなら、溺れて良い。いや、溺れたい・・・これから先もずっと・・・ずーっと・・・
「ローゼ・・・」
「ん、な~に?」
「愛してる・・・」
「・・・・・・私もだよ」
そうして僕達は再び求め合う。
この何気ない日々を僕は守る・・・ローゼを絶対に殺させはしない、壊させたりしない・・・絶対に・・・絶対に
絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、絶対に、
ぜーったいに・・・守ってあげるからね・・・
ソノタメニナラダレデアロウトコワスカラ・・・・
ベルside end
???視点
ローゼとベルが起き上がったところ何やら城の中が大きな声で鳴り響いていた。
「どうしたんですか?アレス様」
ベルは思わずアレスに問いかける。
「ああ、もう来たんだといってな・・・迎える準備をしなくてはと思ったんだが早くてな・・・そろそろ出来る頃だから彼女たちに会ってくれ・・・」
そうしてベル達はため息をつきながら奥の扉に進む。少し豪華な扉がたっておりベルは圧倒されながらも扉を軽く三回ノックする。
「入ります・・・」
「どうぞ・・・」
何やら男の声が聞こえた。30代くらいの男性だろうか、他にも女性や男性の声が大量に聞こえる。僕達は少し緊張しながらも扉を開けるのだった。
「失礼します・・・え?!」
ベルの驚嘆の声が部屋から響いたのだった。
「なるほど・・・それで私が呼ばれたのか・・・」
「はい、どうか力を貸してくれないでしょうか?無理を承知なのは分かります。ですが私には小さな女の子を見捨てられません」
マリウスはとある館に来ていた。豪華な内装に、大量の家具、そして様々な絵が飾られていた。
「・・・私は昔、虐げられていた民族の一人だった。世界から嫌われ、憎まれ、辛い経験がある同胞を何度も見てきた・・・だが私は名誉ある貴族でそれから逃れた。言うなればそれで同胞の根絶まで願ってしまったのだから・・・だが、気持ちは分かる。彼女も生まれてきたのだから」
そう言って金髪の男はコーヒーを飲みながら悲しそうな目をする。茶菓子をつまみ後悔の言葉がただ彼の口から出ていた。
「彼女は・・・彼女たちは生まれることを望まれていなかった・・・そう思っているはずだ。でも生まれてしまってはやはり死にたくはない。それは、私にも痛いほど分かる」
「じゃあ・・・」
「ああ、協力しよう・・・彼女たちが生まれてきたのを望まれるように、そのために・・・」
そうして金髪の男はマリウスに手を差し伸べる。
「感謝する・・・共に頑張ろう・・・彼女たちのために」
「ああ、私も彼女たちのために戦うよ。我が友、マリウス・ウィクトリクス・ラキア!」
「そうだな、彼女たちを救う為にも戦おう、我が親友、ヴィリー・タイバー!」
こうしてマリウスと前世の記憶を持つ男、ヴィリー・タイバーは夕日の中、固く手を握るのだった。
はい、今回はここまでです。進撃の巨人よりヴィリー・タイバーが出ました。次回はオラリオについてもかきます。そして、アレの正体は何なのか予想してください。それでは次回もお楽しみに!