宣戦布告から二ヶ月、オラリオは現在でも壁で防衛に努めていた。シャクティ達、ガネーシャ・ファミリア、輝夜達、アストレア・ファミリアが今も緊張の空間が流れている中、ロキファミリア含む殆どのファミリアはダンジョンに潜れないいらだちで怒りを貯めていた。
「ああ、もう!!いつになったら来るのよ!!」
ティオナがなかなか来ないことに怒りを見せる中、フィン・ディムナ達は何やら顔を曇らせていた。
「リヴェリア・・・マルコも、やはり気になるか?」
「ああ、おかしい・・・ここまで慎重なのは明らかに今までとは違う」
「うん、なんかイヤな予感がする」
そうしてリヴェリア達は壁の奥の方角を見つめる。壁には地平線が広がっており何もない様子がうかがわれる。リヴェリア達はこの状況に違和感を覚えながらも警戒を解かない。
「クソ!カサンドラを逃してからこの状況だ!!アポロン様を愚行しやがって許さんゾ!!」
アポロン・ファミリアの団長、レベル3であり『
「ハァ・・・いい加減諦めれば良かったのにな」
そこに『
ダフネ・ラウロスはアポロンに見添えられ無理矢理入らされた人物の一人である。アポロンの行動に何時も恨みがでていた。今までアポロンに逃れた者はいない。しかし、今回初めてラキア王国によって逃がしてしまった。その後もレベルが自分より強いヤツがいると確信し逃げたのだがアポロンは怒り狂いなんとしても連れて来いと命令したがそれでも今日まで捕まえられない事になっていた。
「まぁいいや・・・どうせ勝つし」
そう言ってダフネも諦めていた様子だった。
「おい、早く来ないのかぁ~。男がよらないじゃないか~!!」
一方、ギョロギョロとした目に短い手足、しかし身体は大きヒキガエルと思わせる容姿のレベル5の冒険者で『
「たく・・・大人しくそのまま奥の部屋でじっとしてれば良いのに」
そこにレベル4のアマゾネスの冒険者『
「速く終わらせて男を食いたい!!」
フリュネはそう大声で叫ぶ。イシュタル・ファミリアの団員達は呆れるが同調の反応もあった。
「確かに、私も男が恋しいわ」
そう言って元気の良いアマゾネス、レナ・タリーはそうして愚痴をこぼす。
「終わった後とっ捕まえてみるか」
そこに白髪のアマゾネス、サミラもため息をついて壁の外を眺めていた。
「まぁ・・・すぐ終わるだろ・・・突っ込んできた途端返り討ちだ」
そう言って全員は同調するように頷いた。誰も、オラリオの勝利を疑わなかった。暇すぎてあくびをしていた冒険者もいた。宣戦布告が出されてもオラリオは平和であった。
何時も活気であふれているオラリオは今日も平和だった。こうしているのが一番だと誰もが願う。
ダンジョン攻略して、仲間と酒を飲み笑い合う。トラブルはあるものの誰もが憧れる街は平和であって欲しいと願う。そう思っていた・・・
「大変です!!」
突然、ガネーシャ・ファミリアの団員が城壁にやって来た。生きを荒げ、全員その団員達の視線は一気に集中する。
「何があった?!」
フィンは団員を落ち着かせ、話を聞く。しかし団員は冷や汗が止まらない。そうして団員は口を開く。
「ラキア王国が・・・ラキア王国が・・・」
「どうした、オラリオに攻めてきたのか?!」
周囲がざわつく。ようやく攻めてきたと思い全員すぐに準備し、いつでも戦闘するようにした。しかし、団員の口からは予想に反したことが口から出た。
「メレンが攻められ、占領されたようです!!」
「「「なっ・・・ッ!」」」
それに周囲は驚きを隠せなかった。急いでフィンは団員達を落ち着かせる。しかし、フィンも予想外の報告に親指をなめる。
「なぜメレンに・・・」
「分からん・・・だがイヤな予感がする」
フィン達は腕を組みながら状況を整理していた。
メレンはオラリオを出て最速で30分でつく港町であり魚介類や貿易などでオラリオを支えているのだ。ニョルズ・ファミリアがその中心にいるのだがニョルズはオラリオ側であったがオラリオ本拠地だと思いそこを叩くのだと思ったがその予想が覆された。
「オッシャアアア!!お前ら、ラキア王国をここで終わらせてやろうぜ!!!!」
「「オオオオオ!!」」
しかし、殆どの冒険者はストレスがたまっていたのかすぐにメレンへ向かう準備をする。
「まて、落ち着け!何か変だ!!」
「うるさいねぇ、勇者さんよ!!アタイ達はもう我慢できないんだ!!今からでもラキア王国をぶっ倒していつも通りのオラリオに戻りたいだろう!?」
「そうだ、我々もアポロン様が待っているぞ!!」
「俺も速くダンジョンに行かなきゃなんねぇだ!!邪魔すんじゃねぇ!!」
そう言ってディックス達はそれぞれの武器を持って門に出る。コレにロキファミリアは少し焦りを見せる。フィンの親指のかゆみが抑えられないのだ。コレは、何か強い敵が来る。フィンの勘だ。主に悪い方に当たってしまう。
「フィンさん、自分も行くっす」
「なっ・・・ッ!ラウル、貴方何を言っているのか分かっているの?!」
そうした中ラウルが突然メレンに行くと言いアキはラウルがメレンへ行くのに必死で止める。しかしラウルの意思は変わらなかった。
「大丈夫ッスよ・・・状況を伝えるための役割をするだけッすよ・・・それに俺のレベルなら一人で倒せるし・・・」
「でも・・・」
そう言ってアキは口ごもり顔をうつむかせる。
「やっぱり駄目!!行っちゃだめ!!今日は何かおかしいから・・・彼奴らにまかせよう」
そう言ってアキはラウルを止めようとした。実はと言うとラウルとアキは同期でありアキはラウルに思いを寄せているのだ。今回のラキアは何かがおかしい・・・そう思いアキはラウルを行かせたくなった。
しかし・・・
「やっぱり俺は行くっす・・・何も役に立てないんじゃ情けないっすから・・・」
そう言ってラウルは門に行きを出る準備をした。アキはそんな背中を見守るしかなかった。
「私も行く・・・」
しかしそれはラウルだけではなかった。ロキファミリアの団員、レベル3で『
「エルフィ・・・貴方まで・・・」
「要はラウルを守って欲しいって所でしょ?大丈夫、ちゃんと生きて返すよ。なんせ、私は「誰とでも仲良くなれる美少女かつムードメーカーで火炎魔法が得意な才媛」だからね!」
そう言って何時ものお調子者の性格を出す。そして自身の杖を持ち、オラリオを出て行ったのだった・・・
「もうすぐメレンにつくぞ・・・」
「ようやく終わるのか・・・長かったぜ・・・」
それぞれの冒険者はやれやれとラキア王国を愚痴っていた。コレが終わった後、絶対に賠償金を払ってもらおうと意気込んでいた。
「お・・・見えてきた」
やがてメレンの港が見えてきた。見た感じ何も変わっていないようだった
「ロキファミリア?なぜここに?!」
そこにニョルズがやって来た。それに全員驚いていたようだった。何事もなかったかのように振る舞っていたのだ。
「え・・・なんで」
「どうした?もう闇派閥と取引してないぞ?」
ニョルズは以前、自分の海を守るために闇派閥と取引していた。しかしだまされたことに気が付き闇派閥を倒すことに成功したのだ。
「あの・・・ラキア王国が攻めてきたと聞いたんですが・・・」
「ハァ・・・?そんなことないぞ?それにホラ、今日も漁は続いているぞ」
そう言って港に行き指を指す。船が大量に来て貿易等で港は賑わっていた。
「本当だ・・・」
「デマだったのか?」
「だったら誰がなんのために?」
そう言ってラウル達は頭を抱え、辺りを見回す。それと同時に全員がっかりしたような声が聞こえた。
「ハァ・・・」
「なんだよ・・・つまんねぇな」
「クソ!ようやく彼奴らを殺せると思ったのに」
そう言ってディックス達は座り込み石を投げる。ようやく、ラキアを潰せると思っていた冒険者はいらだちを隠せなかった。ニョルズは何やら戸惑っておりどうしようかと迷っていた。
その時だった・・・
「なんだ・・・アレ」
ラウルが何かを見つけた。大きな音が聞こえ、ゆっくりと何かが迫ってきた。
「船!?でも帆がついていない・・・しかも鉄?木じゃない」
現れたのは数隻の鉄で出来ていた船が現れた。通常、船は軽くするため木を使う。更に進むためには帆がいる。しかし、その船にはなかった。代わりに黒い煙がもくもくと炊き上がっている。ラウルは不思議に思いながらも双眼鏡で船の旗を見つめる。そこには・・・
「・・・・ラキア王国が来たぞ!!」
「・・・・・・・ッ!ようやくか!!ここで終わらせてやる!!」
「アポロン様のため、ここで散れ!!」
ラキア王国の旗だった。全員それを聞くと、武器を構え始めた。しかし海の上のため魔道士が必要である。全員それを理解し、魔道士達は配置についた。
だが突然の様子にラウル達は戸惑いを隠せない。
「船で来るなんて・・・なんのつもり?」
「でも・・・船で行くにはある程度近づいて弓で攻撃が必要っす。そうじゃなっきゃ殺せないっすからね・・・その前に倒せば・・・」
そうしてラウルも攻撃の準備をしていた。ようやく窮屈な時間が終わるのだとほとんどの団員達の気が抜けている中、準備が進められた。やがて魔道士達が配置につき終わり攻撃する・・・
「「「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」
「え・・・?」
しかしその瞬間、赤い液体がラウル達の顔についた。それと同時に何か轟音が聞こえた。ラウル達は急いで目の前を見る。
「何・・・?!」
その瞬間魔道士達の場所が爆発した。轟音と共に冒険者達の悲鳴が聞こえる。同時に冒険者の腕がラウルの足下に落ちた。
「・・・え・・・?」
突然の事にラウルは戸惑いを隠せなかった。ふと、ラウル達は船の方に目を向ける。複数の船が何か筒がこちらを向いていた。
「第三班、撃てぇ!!」
その瞬間筒から火が出たと思った瞬間、轟音が鳴り響く。それと同時に砂浜が爆発していった。
「「「「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」」
それと同時に砂浜に鉄の匂いが辺りに漂う。それと同時に赤い血が砂浜を染める。ラウル達は信じられない状態に膝をついていた。爆発音と共に血が飛び散り砂煙に混じれ赤い煙が宙に舞うのだった。
「何・・・コレ」
地獄の足音がすぐそこまで近づいてきたのだった・・・
はい、今回はここまでです。次回はあのキャラが・・・お楽しみに!!