Chaptear3鍛冶師の都市
朝日が照らし広い草原の中カラカラと馬車が走っている。私と兎が最初に訪れる街が朝日から出ていた。
「すぅ・・・すぅ・・・」
「ホラ、ベルもうすぐ着くよ」
うん、なんか普通に可愛い。寝顔がとても素敵だ。ほっぺはマシュマロみたい柔らかく白い肌・・・今度女装させてみようかしら。
「フェ・・・?」
「もう・・・お寝坊さんね」
「うう、ごめん」
寝起きで現れたベルは天使だった。やばい超可愛い・・・あれ?男の子って何だっけ・・・まぁこの瞬間思ったことは・・・
(結婚したい・・・・)
それだけだった。
あれから数週間私たちは旅をしてきた。まぁ旅と言っても山を登りキャンプしていたようなものだったが・・・とは言ったもののそれは地獄であった。
山登りをしたのだがなぜか思うように体が動かせ無くて草に引っかかったことがあり更には斜面崩れて転げ落ちたりとか(斜面の大きさは5度程度で高さもそんな無かった)していた。更に言えば食料を調達するときもなかなか外の植物はしらず危うくベルが教えてくれなければ食あたりになりそうになったりと色々ボロボロだった。ちなみになぜかベルに足引っ張ってばかりなんだけど?あれ、おかしいな?一応最低限の自衛のために恩恵はあるはずなんだけど?レベル4よ私・・・まぁそんなこんなで色々あったのだがそれはそれで色々充実したのであった。そして何処に行こうかと話していたところここの近くに都市があると聞いたので向かうことにした。
「ここだよね・・・」
「ええ、ここが鍛冶師の都市・・・サレルメスよ・・・」
私たちは鍛冶師の都市サレルメスについた。
「でも何でここに?」
「いや~少し自衛用の武器が欲しくて・・・この武器壊れてもう使えないし・・・御守りとして持っているんだけど他にもね・・・」
「へぇ~」
一応アストレア・ファミリア時代にいた私の武器は持ってはいる。だがこれはいざというときの為に使うようではある。この武器が分かってしまえばいずれかはばれるかも知れない。更には多分耐久の問題もあるため壊れる可能性はある。そうならないためにもとりあえず別の頑丈な武器を持たなくてはいけない。もう一つオラリオで準備したのもあるがそろそろ壊れるだろうとも思っていたのだ。まぁそんなこんなで今はこの街に来ている。
門を出た後(ここには検察はそこまで必要ない)とりあえず街を歩く。とりあえず宿を取った後私たちはここの都市独自のギルドに行くことになった。
ギルドと言ってもオラリオを本部としているグループだけでは無い。こうやってこの街だけのグループのギルドだってある。それを調べ上げて一番近かったのはここなのだ。
「すいませ~ん」
「はい、何でしょうか?」
「はい、自衛用の武器を作って欲しいのですがどこかいいところありませんか?」
「分かりました・・・少し待っていてくださいね、今リストに載せますから」
「ありがとうございます」
受付の人がとりあえずリストを作っている間私たちはギルドにある酒場に来ていた。そこで昼食をとっている間の時だった。
「ねぇローゼ・・・ローゼって旅人になる前は何をしていたの?」
「え・・・?どうして急に?」
「うん・・・ローゼって色々抜けているところがあるけどいざというとき強いし、昔何していたのか気になっていて」
ベルが昔のことを聞いてきた。そう言えば私はベルの名前と誕生日くらいしか知らない。つまりまだお互いのことは詳しく知らないのだ。少し悩んでいたがとあることが私の頭の中でひらめいた。
「そうね~じゃあまずベルから教えて!」
「え・・・何で?」
「だって~私が教えるだけじゃ不公平じゃない?それにこの超絶美人のこの私の話は1日じゃ収まりきれないからね!!」
「う~ん分かった!じゃあまず何からはなそうかな~」
そう言ってはなしてくれた。少し安心してしまう。ここで聞いたがベルは両親がおらず代わりに血はつながっていないが祖父が世話してくれたのだという。祖父は少し変人だったが優しく息子のように育ててくれたとベルは幸せそうに話してくれた。子どもの時は英雄譚を読ませてくれたとも話してくれた。
「それでね、お爺ちゃん。よく、「オラリオに行けば可愛い女子がたくさんいる。そこでハーレムを築くのじゃあああ!」とか言ってたよ」
「マジで・・・?」
「うん、まじで・・・ところでハーレムって何?」
聞いてみたところなんかベルのお爺ちゃん、こんな純粋な子になんてことを教えているのか・・・少し怒りもあるがここはとりあえず・・・・・・・
「良かった・・・ベル、いい?それは知らなくていいことなのよ。なんせこの美人お姉さんの私がいるのだからね!」
忘れさせよう!ハーレムなんざ作らなくていいし何よりそんなこと知ってしまえば私のベルは・・・でもベルも男の子だし・・・イヤ駄目でしょう!ハーレム作りたいなんてそんなこといざ大人になって知ったらきっと・・・よし、ともかく!ベルのお爺さん・・・私のベルが変態になってしまわないようにあなたの教えたハーレムはベルには忘れさせてもらいます
「アア、うん・・・」
ベルは冷や汗かきながらこちらを見つめていた。そこに酒場にいる全員の視線が刺さる。アレ・・・?皆さん、何その目?なんか痛々しいような目で見つめるの止めて!
「うん、大丈夫・・・ローゼ自身がローゼは美人だから・・・」
あ、なんか少し嬉しい。じゃなくて他の人たちがうなずきながら目をそらしているんですけど!なんか普通に悲しくなってきたわ・・・
「でも・・・もうあの日々には戻れないんだな・・・」
そう言った途端急にベルは涙を流した。その姿にまた罪悪感がのし掛かった。
「こうなるんだったら・・・もっと・・・お爺ちゃんや皆と遊びたかったなぁ・・・もっと英雄譚を読ませて欲しかったよ・・・」
そうしてうつむきながら涙を流す。その姿を見て私は思い出す。そうだ・・・普通、私はこの子に殺されるはずだったのだ・・・本来ならそうなるはずだった。だが今は彼によって生かされている。そう、分かっているはずだった。いつの間にか意識が家族の感情になっていた。罪悪感が私を呼び戻す。
「ごめんね・・・思い出させちゃって・・・」
何をしたらいいかも分からずに私はとりあえずベルを抱き寄せ頭を撫でる。この頃周りは状況を察したのか酒場では騒いでいたのが少しの間だけ静かになった。
「ごめんね・・・急に泣いちゃったりして」
「ううん、私もごめん・・・大丈夫・・・これからは私が傍にいるから・・・それに・・・誰だってあんなことになったら泣くよ・・・」
「・・・うん」
暫く静寂が続きベルは涙を止める。そして笑いながら楽しそうに話の続きをしようとしていた。
「ねえ、ローゼはどうなの?昔何をしていたの?」
「私・・・そうね~なんて言えばいいのかしら?」
その途端私は何を言おうか迷っていた。なんせオラリオのことを話してしまえばアストレア・ファミリアの皆も危ない。なので少しごまかすことにした。
「私はね・・・とある都市の騎士だったの。モンスターから守るためにね・・・」
「へぇ~」
「でも、なんか私達の部隊、他の皆が実力不足で解散しちゃって・・・引退して何をしようと迷ったとき知り合いから旅をしてみればって・・・それで最初にやってきたのが・・・・・」
「僕の村だったんだ・・・」
ああ、また私は嘘をついた。ホント・・・最低だなぁ・・・私は・・・もう皆に会わせる顔がないや・・・罪悪感がより一層重なる。
「まぁ・・・その時騎士の経験が役に立ったわよ・・・こうしてあなたに会えたのだから」
そうして頭を撫でる。分かっている、この手は血で汚れていることぐらい。私が撫でる資格なんて無いのに・・・だけど・・・やっぱり駄目だ。どこかでこの子と一緒にいると楽になってしまう。罪を・・・忘れてしまう・・・そんなことあってはならないのに・・・
「ローゼェ・・・長い・・・」
「あ、ごめん・・・」
思わず長く撫でていたようだ。ベルは気持ちよかったのか暫く顔が赤くなったが・・・
「あのすいません、リストができました」
暫くして受付の人が来た。
「ベル・・・どうしようか・・・」
「とりあえず今日は遅いから明日にしよう・・・」
「そうだね・・・」
私達はリストを受け取った後ギルドを後にし宿に向かうのだった。
はい、今回はここまでです。とりあえず鍛冶師の都市は次回くらいで終わります。(と言うか都市を2話ずつ投稿の予定)
では、また次回で。