白兎は正義に憎しみを抱く   作:暗闇水明

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皆様、大変お待たせいたしました。遂に33話からリメイク版を出すことが出来ました。長く待たせてしまい申し訳ございません。次回から再び投稿を始めます。楽しみにしている方々今まで、待たせてしまって申し訳ございません。これから再び、投稿していくのでよろしくお願いします。

注意(37話くらい)

原作キャラが死にます。苦手な方は曲がれ右。


Chaptear33正義の衝突

オラリオの、町並みは恐怖によって包まれていた。メレンがラキアに占拠され、それに向かった連合軍の殆どが戦死して生き残った者も捕虜にされ帰って来たのはエルフィだけという絶望のさなか空から船が飛んできたとのエルフィの報告があり、オラリオにいるアストレア・ファミリアやガネーシャ・ファミリア、ロキ・ファミリアは壁周辺の見張りを交代制でしている。指揮官はフィン、リヴェリア、ガレス、シャクティ、輝夜と交代性だ。本来、ラウルも加わるはずがそれはもう実現できいのだ。そのため負担も大きい。そしてファミリアの団員が死んだことに対する怒りが城壁を包み込んでいた。

 

「ラウル・・・」

 

アイズ・ヴァレンシュタインはそんな中、一人花束を持っていた。花はシロツメクサで所々にクローバーが入っている。

 

「・・・・・・・ッ!」

 

アイズは花束を置くと、唇を噛みしめ血を流し、手を震わせていた。エルフィから聞いた話によればラウルは謎の竜種のモンスターに殺されたと伝えられた。

 

アイズ・ヴァレンシュタインは元々、英雄に憧れた少女であった。幼い頃、母親に読ませてくれた英雄譚でアイズは毎日がそれで満たされていた。アイズはこの頃、今とは比べられないほど笑顔であった。

 

ある日、アイズは父親と母親がキスをしているところを見た。アイズはそれが羨ましく自分にもして欲しいとねだり父親の近くに来た。

 

それに父親は、「それは出来ない」と言い、アイズの頭を撫でた。父親はアイズの頭を撫でながらキスは自分の英雄にしてもらう物だと伝えられ父親はアイズに自分の英雄を探せと言っていた。アイズはそれに頬を膨らませながら父をポカポカと叩いた。それにアイズの父親は笑って受け止めていたらしい。とても・・・幸せな日常であった・・・

 

 

 

だが、それも唐突に終わる。

 

ある日、一体の竜によって家族全員が殺された。家族は、彼女の目の前で殺されたのだ。

 

黒い鱗、右目の傷、禍々しい口・・・『隻眼の黒龍』によって・・・

 

アイズに英雄は来なかった。誰も助けてはくれなかったのだ・・・間一髪で、自力で逃げ、助かったのだがそこにモンスターの憎しみが生まれた。特に竜種に・・・そうして誓ったのだ・・・必ず仇は取ると・・・両親を取り戻すと・・・

 

それからロキ・ファミリアに引き取られ、7歳の頃冒険者となった。その頃から強くなることだけに固着していたアイズはダンジョンに潜り込み感情をも消し、憎しみにあふれモンスターを殺した。この頃のアイズは『人形姫』と呼ばれ、人々から少し気味悪がられていた。だが8歳になってからレベル2になり、一気に注目を浴びた。だが、彼女の感情は変わらなかった。唯々、モンスターを突き刺し、切り刻み、憎しみで動いていた。

 

そんなアイズの元に現れたのが、ラウルとアキであった。彼らは、アイズにどうしても笑って欲しく、アイズに歩み寄りと遊んだり話したりしていた。最初は心を開かないアイズであったが、次第に受け入れるようになり笑えるようになったのだ。ラウルは掛け買いのない仲間であり、最高の友であった・・・

 

だが、それすらも奪われる。ラウルは竜によって殺された。よりにもよって自分が憎んでいる竜種のモンスターに・・・アイズには黒龍に家族を殺されたこともあり、怒りが抑えきれなかった。再び少女は黒い炎に覆われる。

 

「何時まで・・・私の大切なものを奪い続ければ気が済むの・・・」

 

そう言ってアイズは花を置いた後、怒りで拳を振るわせる。そこには血が流れていた。

 

「アイズ・・・」

 

リヴェリアとマルコはそれをただ見ているしか出来なかった。アイズは少し涙を流した後、自分の配置場所に戻ろうとしていた。

 

「待っていて・・・仇・・・取るから」

 

そう言って少女の黒い炎は燃えさかる。僅かに白くなった彼女は何処にもおらず、黒い彼女が再び戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェルズから連絡を取ったが・・・まさかこんなことになるなんてな」

 

ここはダンジョンの20階層、未開拓領域とも呼ばれるこの空間で、複数のモンスターが人の言葉を喋っていた。

 

「しばらくは、ここでじっとしろとフェルズがな・・・」

 

「まぁ、そうだろうな・・・地上の人間達も恐らくだが私達に深い恨みがあるだろう・・・」

 

そう言って、ミノタウロスのアステリオスは腕を組み悩んでいるように頭を抱えた。

 

「なんでこんなことに・・・おれっち達は・・・こんなこと望んでいないのに・・・」

 

蜥蜴人(リザードマン)のリドは、悲しそうな瞳で座り込み話す。

 

リド達はセレンと同じ異端児(ゼノス)であり、ダンジョンの中で隠れ家を見つけ、暮らしてきた。もちろん、モンスターなので冒険者に殺されたり、ダンジョンも異端児達の存在に気づいているのか、ほかのモンスターに襲われる。特に、イケロス・ファミリアには自分達の同胞を捕らえられ奴隷のように扱われ、数も減ってきた。だが、それでも彼らは逃げるだけだった。いつか、日の光を浴びれることを信じて・・・

 

「ナニヲ言ッテイル!コレハ好機ダ!今のウチに、地上の人間ヲ殺せば・・・」

 

「グロス!!」

 

そこに片言な言葉を話しながら石竜(ガーゴイル)のグロスは大声で、異端児達に呼びかける。だが、それはリド達によって止められた。

 

「リド・・・いい加減気づけ!イママデ我々は多くの同胞を殺され、ツレテカレ、酷い仕打ちをウケテキタ!ソレガ、ツイニ報ワレルトキがキタノダ!」

 

「グロス!いい加減にしろ!!コレじゃあ、死んでいった仲間達を踏みにじる行為に値するんだぞ!」

 

「黙れ、アステリオス!!人間と共存ダト?フザケルナ!!イママデドレホドノ同胞が殺サレタ?!ドレホド、我々の同胞がクルシンダ!?リド、貴様も本心はソウナノダロウ!!」

 

「グロス・・・・・・・ッ!テメェ!!」

 

耐えきれなくなったのかリドはグロスと殴り合いを始めた。それに気が付いたアステリオス達は直ぐに止める。だが二人の怒号は止まらなかった。

 

「レィ・・・怖いよ・・・」

 

「よしよし、大丈夫ですよ」

 

そこに新人の竜女(ヴィーヴル)、ウィーネがレイに寄りつく。リド達の怒号でまだ幼い精神のウィーネにはリドとグロスの殴り合いに恐怖を与えたのだった。

 

暫くして、アステリオスはグロスを見詰める。やがてアステリオスは口を開いた。

 

「グロス・・・憎むなとは言わん・・・だが、決して忘れるな。こんな方法では、我々の真の目的・・・『異端児と人間』の共存には達成しないと・・・」

 

そう言っていくらかの異端児はグロスの元を離れる・・・グロスは暫く経つと、周辺にあった石を投げた。

 

「クソ・・・ッ!」

 

そう言ってグロスは座り込んで悪態をつくのだった。だが、グロスに共感していた異端児はそのまま残っていたのだった・・・

 

 

 

 

一方、オラリオではロキ・ファミリア含む、オラリオの冒険者は今日も壁で見張りをしていた。

 

緊急時のため、ダンジョンはレベルによって日帰りで出来る範囲までと限られており、そこに見張りもついていた。

 

「来ないね・・・」

 

フィンはそう言って親指をなめる。エルフィから空飛ぶ船のことを聞いてから、フィン達は空を警戒し、飛龍も何体か調教していた。いざとなれば攻め落とすためだ。どんな高い壁も空を飛んでいては意味がない。なんとしても打ち落とそうとしていた。

 

冒険者達に緊張が走る。今日も殺伐とした空気だった。

 

「来ないな・・・今日もか?」

 

「フィン、時間だ」

 

「ああ、そうか」

 

そう言ってフィンはため息をつく。やがて交代制にリヴェリアがやって来た。フィンは壁から降りようとする。

 

 

瞬間、どこからか爆発音が聞こえた。全員、何が起きたかと爆発が起きた場所まで向かおうとする。

 

「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

「な・・・?!」

 

だが、その瞬間別の方角で爆発音が聞こえた。フィンは急いで爆発地点まで行こうとするが全方向で爆発が起きた。

 

「何が・・・・・・・ッ!」

 

「リヴェリア!!」

 

「『舞い踊れ大気の精よ、光の主よ。森の守り手と契りを結び、大地の歌を持って我等を包め。我等を囲え大いなる森光(しんこう)の障壁となって我等を守れ--我が名はアールヴ』」

 

「『ヴィア・シルヘイム』!」

 

フィンの指示により、リヴェリアが魔法を展開する。壁の一部にある結界が魔道士達を守る壁となった。流石の謎の爆発もリヴェリアの魔法には敵わなかったようだ。爆発の原因に見える鉄の塊は弾き飛ばされる。

 

「助かった・・・でも一体何が・・・」

 

「分からない・・・だが、コレが続けば」

 

そう言って、リヴェリア達の顔が曇る。例え、リヴェリア達だけが守れても壁に穴が開けられては、敵の侵入を許すようなことになってしまうため壁だけは壊すわけにはいかないのだ。全員が頭を悩ませる。

 

「・・・・・・・ッ!なんだ?!」

 

その瞬間、雷のような二つの光がフィン達の目の前に現れた。

 

「・・・・・・・ッ!なんだ?!」

 

「この光・・・まさか」

 

エルフィとマルコはそれを見て身体が震え始めた。そう、二人は見たことがあるからだ・・・それは二人、特にマルコにとって忘れがたい物だった。

 

「巨人だ・・・」

 

「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!」」

 

顎の巨人が結界の目の前に現れた。全員がその姿に恐怖を覚える。普通のモンスターより圧倒的にでかい身体、そして強靱な顎と爪・・・全員がその姿を恐れたのだった。

 

 

 

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