「コレが、ヴィリー・タイバーが言っていた『装甲列車』という物か・・・凄まじい威力と共に線路があれば一気に機動性も上がる・・・翻弄するには十分な代物だ」
エルヴィン・スミスはヴィリー・タイバーによって開発された兵器、『装甲列車』を丘の上で見つめながら、そうつぶやいた。
装甲列車は、前世の記憶を持つヴィリー・タイバーによってヘルメスに作ってもらった兵器である。元々、対巨人用に作られた物であり鎧をも粉砕する力を持っているため中性レベルの壁など当てれば大損害を出すほどであった。
「にしても、ヘルメスからは聞いてはいたが・・・フィン・ディムナ・・・知力は俺並だな・・・」
そう言って、エルヴィンは壁のほうを睨む。同時に少し笑みがこぼれていた。
「面白い・・・フィン・ディムナ・・・俺とお前、どっちが上か決めようじゃないか!」
そう言ってエルヴィンは次の指示に移行する準備をしていた。
壁のほうでは、現在苦戦を強いられていた。装甲列車の砲撃は、普通の徹甲弾でも歯がたたないほどの堅さ、威力は鎧の巨人を簡単に砕く威力・・・それを魔石などで改良しているため威力は上級冒険者が撃つ魔法並の威力である。
「こんなのまで隠し持っていたなんて・・・」
「それに、あのモンスター・・・本当に胸に魔石がない。新種か?」
「どちらにしろ、このままでは我々は全滅だ・・・なんとかせねば・・・」
そうして、フィン達はそれぞれ戦闘態勢に入る。エルフィからは他にも新兵器があると聞いており、他にも何かが来ると懸念があったからだ。
エルフィに聞けば空飛ぶ船という物があるらしく、それを使われれば壁なんか意味が無いため、飛竜を各自用意していた。
「何か・・・弱点は・・・」
フィンが親指をなめながらそうつぶやく。このままでは全滅は免れない・・・何か策はないかと、必死に考えていた。
「団長!僕・・・彼奴らの弱点を知っています!」
「・・・・・・・ッ!」
そこにマルコが大声で叫びながらフィンに近づく。
「なんだと?!お前、知っているのか!」
「はい、僕達は彼奴らと何度も戦って来ましたから」
そう言って、マルコの記憶が蘇り始める。仲間とすごした思い出、そして裏切られた記憶・・・それが今、全部マルコの頭に入ってきた。
「マルコ?!大丈夫か?!」
それに影響しているのかマルコはその場で吐き始めた。アリシア達、マルコの同期が心配して駆け寄る。
「大丈夫・・・です・・・とにかく、あのモンスター・・・巨人はうなじが弱点です・・・うなじを大きく損傷すれば・・・」
そう言って、マルコは巨人達に指を差す。
「マルコ・・・どうして知っているの?」
そう言って、アイズ達はマルコを見つめるがマルコは自分の双剣を持ち、巨人に立ち向かうため駆け抜けるのだった。
「総員、巨人のうなじを狙え!そうすれば、そいつらはモンスターと同じように消滅する!」
((・・・・・・・ッ!))
(まさか・・・)
(向こうにもいたと言うことか・・・なら)
「取った!!」
アイズ達が首もとまで近づく。そうして、全員うなじを削ごうと刃を構えユミル達顎の巨人二体に向かって飛び上がりうなじまでたどり着き削ごうとした。
「・・・・・・・ッ!刃が通らない」
だが、その瞬間水晶のような石がうなじを守った。
アイズ達はユミル達のうなじを攻撃するがばれてしまった以上、うなじを硬質化し自分の身を守ったのだ。
「ヌオオオオオオオオオオ!」
「――――――ァ」
そうして、アイズ達は離れるが一部の冒険者が顎の巨人のスピードに追いつかれ爪で体中がバラバラになった。
「・・・・・・・ッ!」
アイズ含む上級冒険者が距離を置こうにも、顎の巨人はアイズ達に迫ってくる。
「速い・・・・・・・ッ!」
アイズは屋根に飛び上がるがマルセル巨人(以降マルセル)は自身の爪で家の壁を伝って上る。
「・・・・・・・ッ!なら!!」
そうしてアイズは何か思いついたように屋根から降りる。
(・・・なんだ?)
マルセルがそれに気が付き、建物の頂上までついたところでもう一度アイズを追おうとする。
「ハァ!!」
「・・・・・・・ッ!」
「隙ありぃ!」
そこに褐色色の肌を持つアマゾネス、ティオネ・ヒュリテとティオナ・ヒュリテがマルセルの腕を愛武器で切る。マルセルはすぐに腕を再生しようとしていた。
(・・・・やはり硬質化しているから・・・)
「やっぱりそのようだね・・・」
「・・・・・・・ッ!」
そう言ってアイズは屋根に飛び移り、マルセルがいる建物についた。そして、アイズはマルセルの足を切る。
「アアアアァァァァ!!」
マルセルは足を切り裂かれ、声を上げる。
「こうしていれば・・・いずれ、再生に手一杯でその結晶?も解けるでしょ?」
そう言ってアイズは表情を変えず、目、腕、足、顎の筋肉を切る。それに、他の団員達も少し引いていた。
「ウオオオオオッッッォォォォォオ!!」
「させるか!」
そこにユミル巨人が助けに入ろうとするが、フィン達によって遮られる。同時に腕と足が切られた。
(クソ・・・・・・・ッ!)
二体とも身動きが取れない状態だった。その隙にフィン達は腕や足を切り裂く。やがて、腕が全く生えなくなってきた。硬質化も弱くなってくる。
「どうやら、終わりみたいだね・・・」
「・・・・・・・ッ!」
マルセル達は暴れるが。だが、腕も足が無い状態で動けない状態だった。その隙にうなじに、フィンは槍を突き刺す。
「アアアアァァァァアアアアアアアア!!」
それはユミルの身体にも刺さり痛みから悲鳴が聞こえる。
「本当のようだね・・・マルコには後でじっくり聞かないと・・・」
そう言って、フィンは槍を構えた。躊躇もせずうなじを削ぐ気だ。そう直感した。
「ウアアアアアアッッッッアアアアァァァァ!!」
「チッ!うるせえな」
傍にいたベートはそのまま、ユミル達の頭をふむ。それは憎悪もあり、怒りがその足に伝わった。フィン達はとどめを刺す準備をした。
「それじゃあ、さようなら・・・」
そう言って、フィン達は槍などを突き刺しそのまま肉をそぎ落とした・・・
「・・・・・・・ッ!」
「総員、離れろぉ!」
その瞬間、何かが地面に刺さった。フィン達はそれに気が付き急いで離れる。
「ぎゃあああああああああ!!」
だが、フィン達が離れた途端地面に刺さっていた物が雷のような音と共に爆発した。一部の団員達は爆発に巻き込まれそのまま燃えていった。
「何が・・・・・・・ッ!」
「グァ・・・・・・・ッ!」
そこに他の団員達が頭から血を流し倒れる。更に何かが刺さる音が聞こえた。
「・・・・・・・ッ!アレは・・・」
「ウソだろ・・・?」
マルコ含むロキ・ファミリアはその姿に驚きを隠せなかったのだった・・・
「待たせましたね、ユミル、マルセル!」
「後は、私達にまかせてください!!」
そこには二つの剣を持つ者と銃を持ち、所々変わった槍を持っており・・・そして、胸にはラキア王国および自由の翼の紋章をつけた兵士だった・・・