また・・・この景色を見るなんて)
超大型巨人となったベルトルトは、少し歩き燃え広がる建物を手にも地中に向かって投げた。同時に、悲鳴も聞こえる。
「後は・・・・」
ベルトルトは少し終わると、うなじから蒸気を発しながら上を見つめる。そこには飛行船があった。
ベルトルトは立体起動で飛行船まで上る。同時に、出口のほうから一人の少年が待っていた。
「頼んだよ・・・ベル・・・」
「・・・・・まかせてください」
そうして、少年ベル・クラネルは飛行船の下を見つめる。同時に、コホンと息を整える。
そして・・・・
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
その叫びと共に、オラリオの断罪への剣が振り下ろされるのだった。
「なんだ・・・?」
「おい、アレは!」
「何・・・?」
市民と冒険者がその叫びに気づく。市民は再び空を見つめる。そこには・・・
「魔方陣・・・?」
空に無数の魔方陣が広がっていた。冒険者と一般市民が、気になるのか見つめていた。やがて、何かの影が現れる。
「おい・・・アレって・・・」
その姿は次第に鮮明に目に映る。そう・・・
「モンスターだあああああああああああああああ!!」
大量の、竜のモンスターが空から降ってきたのだった・・・・
「何・・・アレ!?」
アナキティ・オータムは戦闘には参加できなかった状態のためギルド職員達と共に避難指導をしていたが、目の前の状況が理解できなかった。
「ク・・・まさかここまで、策を練っていたのか」
フィンは、次々と振ってくるモンスターに親指をなめながら戦槌の巨人を見つめ、怒りの感情をあらわにする。範囲外ではあったものの、強風で少し動きが鈍ってしまい、隙を与え、戦槌は身体を修復していた。
「ここまでだなんて・・・よほど司令官は、頭が切れるヤツなんだね」
その声には悔しさも出ていた。ここまで、やられたのにフィンも予測できていなかった。フィンは、戦槌を何とかしようとしたが上から竜のブレスが降ってくる。
「「「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」」」
「「「助けてぇえええええええ!!」」」
「痛い、痛いよぉおおおおおおお!!」
いつの間にか、戦槌はいなくなっていた。だが、それはどうでも良いほど場は混乱していた。炎、風、氷、雷の魔法が雨のように降ってくる。ヴェルフも魔剣で撃退するも、竜のブレスはやむことがなかった。
「クソ・・・・・・・ッ!このままじゃ・・・」
「・・・おい、アレ!」
それと同時に、竜が地上に降りてきた。三つの光と共に、巨大な竜が降ってくる。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!」
「なん・・・だ、あのモンスターは」
咆哮の覇気と共に、フィン達は、目の前にいる白く触手の竜『ガロウズ・デビルドラゴン』を目の前に後ずさりしていた。だが、ガロウズ・デビルドラゴンは目の前のフィン達を見逃さない。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「・・・総員、撤退!!」
ガロウズ・デビルドラゴンから紫色の光が集まる。それにやばいものが来ると直感し指示をし、全員がその場から離れる。
「アグゥ・・・・・・・ッ!」
「アッ――――――」
上級の冒険者は一気に逃げるもレベル1の冒険者が少し反応が遅れたのか取り残された。
「待って、置いていかないで!!」
「イヤアアアアアアアアアアアアアアア!助けてえええええええ!」
必死に下級冒険者が、助けを求める。中にはプライドの高いエルフもいたが泣き叫び顔がグシャグシャとなっていて、プライドを捨ててまで助けを求めていた。
「・・・・・・・ッ!今、いk」
「駄目だ、アイズ・・・もう・・・」
「でも・・・ッッッッ!」
アイズとティオナが助けようにもフィン達が引き留める。
「やめてぇええ!」
「お願いだ、おいでいがないでぇぇぇぇ!!」
必死な命の叫びが聞こえた。
「・・・・・・・ッ!」
「ベートさん・・・・・」
ベートは唇から血を垂らしながら、後ろを向く。その姿は重く、とても辛そうであった。リーネはそれをただ見守ることしか出来なくなった。
そして・・・
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!」
紫色の光が、城壁の外まで貫いた。
「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「あづい・・あづいよおおおおおおおおおおおお!!」
後ろから紫色の光が出るのと同時に悲鳴と、生々しい声が聞こえた。アイズ達はその生々しさに涙を流す。やがてそこには黒く焦げた死体と、小さな石ころが転がっていたのだった。
「ウ・・・グゥ・・・・・・・ッ!」
オッタルは地面に倒れ込んでいた。レベル7と体格のお陰なのか、超大型巨人の爆発を乗り切ったようだった。だが、全身に火傷を負っている状態だった。
「一体何が・・・」
「オッタル!」
そこにガネーシャ・ファミリア達が現れる。ポーションをいくつか持ってきて、オッタルにかける。
「全滅と聞いたが・・・まさか本当だったなんてな」
シャクティはそう言って辺りを見渡した。目の前には大量の住宅が置いてあった住宅地とは違い更地と化していた。
「念の為、地下の避難を優先させたが、正解だったな」
「・・・ああ、フレイヤ様の提案だったがまさか役に立つなんてな」
そう、コレはフレイヤの提案である。フレイヤはいち早くアジ・ダハーカの存在を知っており、地下にすべきだとの意見を出してきた。フレイヤは焦りながら提案したのと納得も行く理由だったので一般市民と神が地下に避難することが出来たのだ。
「急いで、態勢を立て直さなければ・・「よもや・・・生きていたのだな」・・・・・・・ッ!」
どこからか、声が聞こえた。オッタルはすぐに、声がする方向に目を移す。そこには鎧を纏った竜と共に、複数の竜が武器を持っていた。
「流石は・・・オラリオ最強の武人と言うべきか・・・あの爆発に耐えられるなどなかなかおらん」
「何者だ・・・?」
そうしてオッタルは殺気を放つ。やがて一体の竜が前に立ち、一段とでかい、鎧と兜を纏っており白い鱗を持っていた竜が誇らしげにしゃべり出す。
「我々は『煉獄騎士団』!『武装騎竜』一族、『ダークネスドラゴンW』の偉大なる騎士団である!」
「そして、この御方こそが我々煉獄騎士団、団長『ディミオスソード・ドラゴン』様である!」
煉獄騎士団の一体である竜がそう名乗り、ディミオスは前に進む。
「猛者、そして・・・象神の眷属か・・・良いだろう、我々が相手だ!」
「・・・・・・・ッ!」
それと同時に竜達が武器を構え、圧力がかかる。
「良いだろう、受けて立つ・・・勝負だ!!」
二体の戦士がぶつかり合う瞬間であった。
「グゥ・・・・・・・ッ!」
一方、後方でガロウズ・デビルドラゴンとは反対方向にいたリヴェリアとティオネは煉獄騎士とアスフィと抗戦していた。鎧の強化もあり互角の戦いである。
(煉獄騎士・・・この動き、どこか見覚えがある。所々大剣の扱いにも慣れていないようだが・・・何故だ・・・なんなのだ、この違和感は・・・)
リヴェリアは煉獄騎士の動きに少し疑問が生じていた。そう、どこか懐かしいのだ。煉獄騎士の動き、剣捌きが全て、リヴェリアの脳内の誰かに似ているのだ。
(ともかく、さっきの魔法も気になる、しかもモンスターも大量発生している・・・不味いな)
「ハァ!!」
「グゥ・・・・・!」
剣の重みで、リヴェリアは少し押し負けるがレベル6のスピードで、背後に回る。
「もらった!」
リヴェリアは隙だらけの背中を、突き刺す。
「・・・・・・・ッ!」
「クッ・・・・・・・ッ!」
だが、瞬時の反応で大剣を背後に回す。リヴェリアの短剣を弾き、回し蹴りをくらわせた。
「ガハァ・・・・・・・ッ!」
リヴェリアは、壁にぶつかり口からは血も出る。
「終わりだ・・・」
「リヴェリア!!」
そう言って煉獄騎士は、大剣をリヴェリアに振るう。ナイフは落ちており、取ろうにも殺される、そう実感した。リヴェリアは覚悟を決めたのかリヴェリアはそっと目をつぶっていた。
「『アルクス・レイ』!」
「カハァ・・・・・・・ッ!」
突如光の矢が、煉獄騎士に向かって放たれる。煉獄騎士は大剣で防ぎつつも吹き飛ばされ鎧にも傷がつく。
「助けに来ました、リヴェリア様!ティオネさん!」
「レフィーヤ、なんでここに!?」
そこにはレフィーヤが武器を手に持ち立ち向かっていた。その隙にリヴェリアはナイフを拾う。
「あの後、一旦撤退してマルコを避難所で治療して向かった後その途中、この騎士に襲われているのを見かけて・・・助けることにしました」
「・・・・そうか、気をつけろ・・・彼奴は近接では、私と互角だ」
「下手したら私より強いかも知れないわね」
そう言って一旦距離を詰める。リヴェリアもうなずき煉獄騎士を見つめる。
「だが、上にいる竜も・・・・・・・ッ!」
「サッヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアク!!」
瞬間、鉱石で出来た竜『輝龍 サッヴァーク』が降りてきた。振動と共に雄叫びが聞こえる。
「なんだ・・・こいつは」
見たこともない化け物に身体を震わす。黄金の剣を持ち、リヴェリアを見つめていた。
「・・・・・・」
煉獄騎士は、無言でリヴェリア達を見ていた。何も喋らず、じっと・・・それが不気味で仕方なかった。だが、レフィーヤにも謎の違和感がある。
「何故でしょうか・・・少しだけですが・・・私、あの人に会っているような感じがします」
「・・・ああ、だが誰なんだ?覆面で見えん」
そう言って、煉獄騎士から距離を離す。煉獄騎士はそっと、剣を構える。
「ヌゥ・・・・・・・ッ!」
サッヴァークは背中に浮いている黄金の剣を取りながら、レフィーヤに向かい投げつける。
「・・・・・・・ッ!」
レフィーヤはそれを避け、魔法を放とうとするがそんな暇を与えないのかサッヴァークがもう一本構え、レフィーヤに迫ってきた。
「ク・・・ッ!」
「レフィーヤ・・・クソ・・・ッ!」
「よそ見している場合か!」
鎧から発せられる声と共にリヴェリアに向かって煉獄騎士は剣を振るう。リヴェリアはナイフで受け止めようとしたがナイフの耐久度的に厳しそうだった。
「調子に乗るなよ、岩やろう!!」
「ヌゥ・・・・・・・ッ!」
だが、ティオネによって防がれる。更にレフィーヤは、そのうちに詠唱を始めた。
「『アルクス・レイ』!」
そうして、サッヴァークとアスフィ、煉獄騎士に向かって放たれた。
「・・・・・・・ッ!」
煉獄騎士とサッヴァーク、アスフィは気が付きサッヴァークが光の矢を跳ね返そうとする。
「・・・・・・・ッ!」
だが、弾き返そうにも光の矢は止まらない。追尾式だったのだ。アスフィはそのまま撤退しようとするが光のスピードはアスフィの距離をあっという間に詰める。
(駄目だ、振り切れない!)
アスフィは避けきれないことを悟る・・・がその表情は落ち着いていた。
「サッヴァーク!」
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!」
アスフィが叫ぶと光の矢が当たったのか爆発した。
「やったか?!」
そう言って爆発した方角を見つめる。
「危なかった・・・」
「「「・・・ッ!」」」
だが、アスフィは生きていた。そばには石の破片が転がっていた。段々と石が灰になる。
「一体何が・・・」
「・・・アレか・・・・・・・ッ!」
上には竜の顔と、翼、首輪、そして人型の模様をした紋章であった。中にはあのイシュタル・ファミリアの団員もいた。
「終わりだ!」
「サッヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアク!!」
「ハァ・・・・・・・ッ!」
その瞬間、一斉攻撃がレフィーヤ達を襲った。
「『ルミノス・ウィンド』!」
その瞬間、数多の風が吹き荒れた。風のせいでアスフィは吹き飛ばされる。その時、吹く風によって致命傷になりかねないため紋章が犠牲になる。
「『疾風』!」
「リューさん?!」
そこにはアストレア・ファミリア、レベル6『疾風』のリュー・リオンであった。
「マルコさんから聞きました、コレで少しは戦況も傾くと思います・・・」
そう言ってリューは、自ら持っている木刀を構え煉獄騎士の方に目を向ける。
「煉獄騎士といったものよ・・・これ以上私達の領域に踏み込むのなら、容赦はしない・・・今すぐに立ち去れ」
「・・・断ると言ったら?」
「・・・・力ずくだ!!」
そうして、風が吹き抜けるように煉獄騎士に攻撃を仕掛ける。
「ヌゥ・・・・・・・ッ!」
少し押されていたが煉獄騎士は、謎の炎を出しながらリューを押し返す。
(なんだ、この魔法・・・こいつ、どこかで)
リューも違和感を抱きながらも、攻撃をし続ける。
「『今は遠き森の空。無窮の夜天に鏤(ちりば)む無限の星々。』」
リューは詠唱を始める。斬撃と共に詠唱はドンドン加速していった。
「『愚かな我が声に応じ、今一度星火(せいか)の加護を。汝を見捨てし者に光の慈悲を。』」
詠唱を続けながら煉獄騎士の鎧に傷をつける。もちろん、煉獄騎士はフェイタルで反撃する。
「『来れ、さすらう風、流浪の旅人(ともがら)。空を渡り荒野を駆け、何物よりも疾(と)く走れ——星屑の光を宿し敵を討て』・・・」
そうして、リューは隙を突き距離を離し、風を集める。そして・・・
「『ルミノス・ウィンド』!」
風を纏った、大光玉が煉獄騎士を襲った。
「・・・・」
煉獄騎士は無言で、リューの魔法を見つめていた。だが、それは広範囲に起こっているためサッヴァークは少し焦っていた。
「逃げられると思うな・・・」
そう言って、リューはそのまま煉獄騎士、アスフィ、サッヴァークに向かって魔法を放つ。
「ハァ!」
「え・・・?」
だが次の瞬間、煉獄騎士は魔法の大光玉を切り裂いた。それと同時に、煉獄騎士はリューを切り裂こうと刃を振るう。
「え・・・?」
突然の事にリューは押される。その時であった。一つの光がリューの目に入った。
(嘘・・・まさか・・・いや、そんな)
リューの顔に絶望が見える。イヤな、予想がリューを襲った。
「疾風、どうした」
「あの方が・・・いや、そんなはずは・・・」
「リュー・・・さん?」
レフィーヤはリューの顔に不安が宿る。煉獄騎士はその隙を突いてリューの間合いまで詰める。
「させない!」
ティオネがそれをなんとか防ぎ、煉獄騎士を睨む。隙もあり、回し蹴りで煉獄騎士を蹴る。
「リュー・・・一体どうしたの?」
その瞬間、ティオネはリューの顔に驚きを隠せなかった。前の冷静な顔はない。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!」
「何よ・・・アレ」
その時だった・・・三つの首を持ち、身体の中央にも顔がある、赤い身体を持つ竜、アジ・ダハーカがそこにいた。その姿は、禍々しくティオネ達は恐怖によって蝕まれる。
「まさか・・・アレが・・・・・・・ッ!」
ティオネはその姿に、エルフィが行っていた特徴に似ていたためラウルを殺した少年だと結論付いた。だが、恐怖で身体が動かなかった。やがて、アジ・ダハーカはティオネ達を見つけたのか地上に降りてくる。
「誰かいる・・・・・・・ッ!」
竜の後ろに、魔方陣に乗りながら白い髪と赤い瞳で剣を持っている少年がティオネ達の目に映った。それと同時に、リューの顔は青くなる。
「ア・・・・・」
「久し振り・・・いや、覚えていないか、なんせ三年前だもんなぁ・・・・・・・ッ!」
忘れるわけない、リューにとっては忘れられない少年であった。それは自分の罪であり、傷つけてしまった人物であったからだ。
「貴方は・・・」
リューは顔を青ざめる。やがて、少年の瞳は赤く光り出す。
「やっと見つけた・・・アストレア・ファミリアァ!!!覚えているか?この瞳を、この顔を!随分良い思いをしていたんだなぁ、正義と唄われてなぁ!でも、コレで終わりだぁ・・・今日ここで、貴様らの息の根を止めてやる!!」
白髪の少年、ベル・クラネルがリューを、ティオネ達が鳥肌を出すほどの殺気を出しながら見つめている。その瞳は、少年とは思わせられない狼の瞳であった・・・
はい、ここまで待たせて皆様誠に申し分けありませんでした。次回から再び復活していきます。できる限り早く投稿するのでお楽しみに!