「はあ~~~~」
「ローゼ・・・しょうがないよ・・・」
現在アリーゼ・ローヴェル兼ねローゼ・アーリヴェルとベル・クラネルは鍛冶師の都市サレルメスを彷徨っていた。あれから宿で一泊してリストにあった街中の鍛冶屋に行ったのだがどれも高かった。この街は宿泊料、食料品などはそこまで高くはないが武器が少し高いのだ。それに資源もあんまり無い。なのでオラリオでも中くらいの武器でも上級者ようの武器並に高いのだ。流石にヘファイストス・ファミリアやゴブニュ・ファミリアの一級武器よりかは安いが・・・
「それでも・・・これで鍛冶の街って・・・」
「多分ここらの周辺では安い方だと思うよ・・・確かモンスターの強さはオラリオ外ならそこまで強くなかったらしいし・・・」
「まぁね・・・しょうが無い・・・もう少し安めの所狙おうかな・・・或いはクエストとかもうけた方がいいと思うし・・・」
クエスト、オラリオでも冒険者に与えるのだがこちらでも受けられる。ちなみにオラリオよりかはクエストの難易度が低い分報酬が低いと思われがちだが独自の国でオラリオから離れていると話は別だ。中には恩恵を持っていない国もあり十分脅威になるクエストには報酬がかさむ。それもオラリオの冒険者でレベル2くらいなら余裕なほどのクエストも上級冒険者並にもらえることもあるのだ。
「とりあえずもうちょっと回ってみよう・・・もしかしたら安くていい武器、あるかも知れないから・・・」
「そうだね・・・じゃあもうちょっと回ってみようか!」
「うん!」
そうして二人は手をつなぎながら町中も歩く。暫くして食事をとった後また鍛冶屋を見て回る。
「やっぱり高い・・・」
「ハァ・・・どうしよう・・・」
・・・とごらんのようになかなか安くていい武器は見つからなかった。もう少し安くできるかと聞くとこれでも安い方だと言われ追い出されたのだ。行き当たりばったりなところ二人は現実逃避をしてカフェでパフェを食べていた。
「どうしよう・・・本当」
「鍛冶師の都市と言われているから安くていい武器があると思ってきたけど思ったより現実は甘くなかったわね・・・」
「ズーン」という音が二人の間に聞こえる。ベルはギルドからもらったリストを見る。現在チェックマークをつけているのは全部高くて難しかったり、あまり性能が良くない店である。
「とりあえず、クエストでもうける?」
「イヤ・・・でもここのクエストを受けてもあまり報酬は良くないしね・・・」
「これじゃあ私達、モンスターに引き裂かれて終わりよ・・・」
「止めて、怖くなる・・・」
とまあ雑談をしている二人であった。まあ、アリーゼが言ったことは正直現実味ある。途中で武器が壊れてしまえばレベル4の冒険者は難しいのである。とりあえず武器を早く調達したい二人であったがなかなか見つからない。
「もうここに住んじゃう?私達でイチャイチャ生活でも・・・」
「イヤ、まず武器を買えないのにそんなお金があるわけ無いよ・・・クエスト受けている間に宿代尽きるし」
「デスヨネー」
アリーゼの言葉にベルは苦笑いする。とまあ雑談していて会計に行こうとしたところだった。
「アレ・・・?お前・・・もしかして・・・?」
「え・・・?」
突然一人の青年がベルに近づいてきた。アリーゼは急いでベルの元に向かい守るように前に立つ。
「もしかして・・・アルミノ兄ちゃん?」
「やっぱり、ベルじゃねぇか!どうした?!大きくなったなぁ!」
「アルミノ兄ちゃん!」
黒髪で黒いローブをはおっておりアルミノと呼ばれる青年はベルだと分かった瞬間嬉しそうにベルの頭を撫でた。それに安堵したのかベルは涙を青年に抱きついてきた。やがて大きな声で泣き始める。
「おい・・・どうしたんだ?急に泣いて、男が泣いちゃ駄目だろう?お爺ちゃんも一緒か?」
「あの・・・」
「ン?あんたは?」
そこにアリーゼが加わる。もしかしてと思い少し言いづらかった。
「私は旅人のローゼ・アーリヴェルです。あなたはもしかしてベルと同じ村の出身ですか?」
「ああ、俺はアルミノ、アルミノ・ファブロだ・・・ここの鍛冶師をやっている。ローゼだっけ、見ない顔だな・・・」
「ええ、旅人で偶然会ったのですから」
「そうか・・・そうだ、ベル、お前のお爺ちゃん元気か?!リーファは?母さんも元気にしているか?」
そう言った途端アリーゼは顔をうつむく。ベルもその話題に泣くばかりだ。
「なぁ・・・どうしたんだよ?」
アルミノも困惑の表情を見せる。どうすればいいのか分からなくなったのだ。そうして暫く間が開きアリーゼが口を開く。
「アルミノさん・・・あなたの村は・・・もうありません」
「は・・・?」
「皆・・・何者かによって殺されました・・・もう村は燃え生存者もベルしかいない状態です・・・」
そのことを聞いたアルミノは唖然とたっている。そして氷のように固まっていた。
「なぁ・・・嘘だろう?村が・・・もう無い?ふざけんなよ!?そんな冗談流石に怒るぞ!」
「その娘が言っているのは本当だぜ・・・」
「ヘルメス様・・・?」
そこにオラリオ外でも有名な旅人のヘルメスが入ってきた。
「ヘルメス様、来てたんですか?」
「ああ、少しここに用があってね」
そう言ってアルミノの元に来る。そして・・・
「これが、今の君の村だ」
写真をアルミノの前で見せた。その光景は・・・
「うわワワワアアアアアアアアァァァァ!!!」
あの虐殺の後の村の光景だった。死人の体は焦げ中には死またを両断されていたものもいた。カフェにいた人たちも何人かみたが誰もみたくない状態だった。中には吐いた人もいたほどだ。その中には・・・
「母・・・さん?」
アルミノの母だと思わせるような死体だった。それだけでは無い。妹、そして父だと思わせるような死体だってあった。
「アア・・・アアアア、嘘だ・・・どうして・・・?」
「ローゼちゃんの言うとおり殺されたんだよ・・・何者かによってね・・・」
ヘルメスはただ現実を言い放った。その現実にアルミノは心が刺さる。まるで耳元に『これが現実だ』という言葉がささやいたようにうずくまり首を横に振り、泣き叫んだ。
「ウワアアアアアアアアアアアア!!」
その光景にアリーゼは涙を流す。アリーゼにはこの光景は胸に刺さる。正義の眷属だった彼女の犯してきた罪に悲しむのはベルだけでは無かった。その罪がまた肩にのし掛かる。そこにヘルメスが肩を手に取り耳元でこうささやいた
「これが君のやってきたことだ・・・」
「ア・・・」
その言葉を聞きアリーゼは泣き崩れる。いつも賑わっているカフェは悲しみに包まれたのだった。
暫くして落ち着いたのでアルミノの鍛冶屋に行くことになった。部屋に案内するように言われた助手達は先にその状況を聞いたので挨拶をしたら紅茶を入れて部屋を出て行った。
「すいません・・・わざわざ・・・」
「イヤ、俺もすまない。怒鳴ったりして・・・」
「いえ・・・アレだったらしょうが無いですよ・・・気持ちは分かります」
「アルミノ兄ちゃん・・・」
そこにベルがアルミノのそばに来た。それに気づきアルミノはベルの頭を撫でる。
「お前も辛い思いをしてきたんだな・・・」
そしてまた涙を流す。
「すまない、駄目だな、俺・・・俺まで泣き虫じゃねぇか・・・」
「大丈夫です、たまには泣いてもいいんですよ」
アリーゼはハンカチを出して涙を拭いた。
「いや、大丈夫だ。ありがとな、ベルは俺にとっても弟のような存在だったからあんたに会えて安心したよ・・・」
「いえ、私はただ一人の子どもしか救えませんでした・・・」
「ベルを助けてくれただけでも嬉しいさ・・・ありがとう」
そう言ってアルミノは紅茶を飲む。そこに一人の女性が入ってきた。
「アルミノさん?大丈夫ですか・・・?」
「ああ、もう大丈夫だ・・・お菓子おいといてくれないかな?」
「分かりました・・・」
気まずそうに女性は更にクッキーやらチョコレートをおいといた。
「それでは・・・」
そうして女性は部屋を出る。
「今のは・・・」
「ああ、期待の新人だ。鍛冶師の腕はこの店で俺以外ならトップと言っても過言では無いほどうまいんだ」
「そうなんですか・・・」
そうして暫く沈黙が続く。そしてアルミノは口を開く。
「お前ら、旅をするための武器が欲しいんだろ?ちょうどいい、彼奴に打たせてやろうか?」
「え・・・?でもお金が・・・」
「そんなん要らねぇよ・・・俺の金で出しといてやる。彼奴からは俺から話をつけといてやるから遠慮するな」
「いいんですか?」
「ああ、ベルを助けてくれたお礼だ・・・それに最初はベルをこちらで預かろうかと思ったがあんたといた方がこの子のためになるかも知れねぇしな・・・ベルの分も渡しといてやる」
そう言って笑顔になる。アリーゼ自身申し訳なさそうだったがその笑顔に断れなくなった。
「ありがとうございます、わざわざ・・・」
「いいって事よ・・・俺は店のこともあるし一緒に行けねぇからこれしかできないからな」
そして部屋を出ようとする。そこに何かを言い忘れたようにアルミノは止まった。
「ベル・・・ちょっといいか?」
「何・・・?」
そうして少し迷いもあった。が、アルミノはすぐに首を横に振り決めたような顔だった。
「後で見せたいものがある、来てくれないか?」
「うん!」
そう言った途端ベルは好奇心があったからかアルミノの提案にすぐに乗った。そして暫くして助手に武器を打たせてくれるように頼んだところやってくれると言うことになったので打つことになった。そして日は経ちベル達の武器ができあがった。
「はい、ベルにはこれな・・・」
「うん、ありがとう!」
「ありがとうございます、まさかここまでしてくれるなんて」
「いいって事よ・・・」
「そう言えばベル、あなたもう一本持っているけどそれ何?」
アリーゼはベルが背中に持っている武器に目が行った。
「これ?なんか要らないからあげるって」
「そう・・・」
そうして目的を達成したベル達はサレルメスを後にしようとした。旅を再開したときベルはアルミノ達が送ってくれた。最後にベルの頭をなでた。ヘルメスは何やら呆れ顔でベルに声をかけた。
「ベル君俺たちはまだここに居続けるがローゼちゃん初心者だから頼んだぞ・・・」
「うん・・・」
「ありがとうございます、ベルは私が守りますのでまかしてください。この超絶美人のローゼちゃんにお任せを!」
「うん・・・分かったから・・・」
そう言ってアリーゼは街の人たちに引かれたのだった。その時「みんな~」って言っていたという。旅立つときベルは背中にある剣をみて昨日のことを思い出していた。
「ベル・・・いいか?お前にこの剣を授ける」
「これって・・・?」
あの日の夜アルミノから赤い剣を渡された。その剣がみたこと無いようなものだったのだ。
「俺たちの一族に伝わっている剣だ・・・実際俺たちは使えない。俺たちが使えたとしてもこれは剣と言うより鈍器だ。聞いたところによるとお前のじいちゃんがいつかベルに使わせるようにと言われていた奴だ・・・」
「じゃあどうして?」
「いや、俺たちは時々これを研究してこれが何かを調べるためだ。ベルが14歳になるとき渡す予定だったが、もっておいといてくれ・・・今の方がいい気がする」
そうしてアルミノは最後に涙を流しながら言った。
「なぁ・・・一つ頼んでもいいか?もし仇を見つけて討つなら俺の武器を使ってくれないか?無理にとは言わない・・・でももしお前が復讐をするなら俺たちの村の皆を殺した奴にこれで敵をとってくれ・・・」
そうしてベルは暫く悩んでいたようだがすぐに顔を上げた。
「分かった・・・」
「ありがとう・・・」
その意思を持ってベルは今日も歩み続ける。家族を殺された恨みとケツイと共に今日も歩み出す。
はい、今回出てきたオリキャラの説明をします。
アルミノ・ファブロ
ベルの村出身、鍛冶師になるために村を出て、サレルメスに来た。村には妹もいたがアストレアファミリアによって殺された。何やら剣を隠していたようだがこの剣の正体は?
容姿はSAOのキリトをイメージしております。
それではまた次回もお楽しみにしてください!