白兎は正義に憎しみを抱く   作:暗闇水明

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こんにちは、今回でオラリオ編は終了です。次回から18階層編がスタートします。

注意

原作キャラが死にます。苦手な方は回れ右。


Chaptear43凶浪

「ベート・・・さん?」

 

「ウガァ・・・・・・・ッ!」

 

「おいおい、さっきまでの威勢はどうした?おら、俺達をあの世に送るんだろ?」

 

アハトはいつの間にか手に持っている剣を手に持ち、刺していた。そこからは血が出ており、だらだらと地面にたれていた。更にアハトの手にも血が染みこむ。

 

「アハト、貴様!なんなのだ、その魔法は?!」

 

「え・・・?」

 

アインストもこの魔法はしらない様子であった。アハトは、にやりと笑いながらベートを見つめる。

 

「ああ、アインストには秘密にしていたな・・・錬成魔法・・・俺が開発したもう一つの魔法だ・・・コレさえあれば俺が魔力のある限りいくらでも作れると言うことだよ」

 

そう言って、アハトはグリグリと持っている剣をひねる。

 

「アアアアッッッッアアアアァァァァ!!」

 

「オラァオラァ!どうした?さっきの威勢はよ!」

 

「やめろぉ!!」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

あまりの痛みにベートの悲鳴が、バベルにいるフィンまで聞こえた。それに二人は我を忘れて、アハトに向かって走り出す。

 

「無駄だ!!」

 

その瞬間、魔法陣が形成されたのと同時に氷の壁が立ちはだかった。

 

「嘘・・・魔法は三つまでしか使えないはず・・・・・・・ッ!」

 

「あのさぁ・・・リーネだっけ?クソガキ、いつ俺が魔道士だって言った?」

 

アハトはにやりと、壁の奥から見る。

 

「俺達は『魔術師』という存在だ。俺達の故郷『マジックワールド』では、当たり前に存在していた職業でもある・・・」

 

「それとなんの違いが・・・!」

 

「俺達はここから別の世界から来た・・・つまりこの世界にとってイレギュラーな存在だ。その中にある、マジックワールド・・・魔法に特化した世界だ。だから、お前達と違って魔法なんて10個や20個持っていて当たり前なんだよ!その中の魔術師は特にずば抜けているからなぁ!当然、それより俺達は大量の魔法を使う!」

 

そう言って、アハトは剣を引き抜いた。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

ベートの悲鳴が、壁越しから聞こえる。

 

「・・・・・・・ッ!やめろ!!ベートさん、待っていてください!今助けますから!!」

 

「『目覚めよ(テンペスト)』!」

 

二人は自らの武器を取り、壁を攻撃する。だが・・・

 

「・・・なんで!」

 

氷の壁は、アイズのデスペレートでも小さな傷が出来る位だった。

 

「当然だ!俺はアジ・ダハーカ様の加護を受けている!!テメェらのようなクソ女神みたいな恩恵とはちげぇんだよ!!」

 

そうして、氷の壁によってアイズ達の進路を阻む。しかもご丁寧に、頂上には細かい針。更に滑りやすくなっていた。

 

「エルフィ!!」

 

「『・・・荒れ狂う炎よ、我の矢の刃となれ』!」

 

「『バーニング・レイ』」

 

「無駄だ!」

 

エルフィの火炎魔法が入るも氷は溶ける兆しもなくそびえ立っていた。

 

「そんな・・・」

 

「その程度か・・・やはり、お前ら弱いな」

 

そう言った途端、杖を持ちベートを傷口の方まで踏む。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァアァァァァアアアアアア!!」

 

「オオ、良い声出すね」

 

そう言って、腕に刃となった杖がベートの腕を突き刺す。

 

「ッッッッ!」

 

もはや声にも出なかった。腕から血が出て顔も青白くなっていた。

 

「やめろぉ!」

 

リーネは耐えられなくなったのか、氷の壁を壊そうと武器を振るう。だが、壁の固さ上か武器は折れ拳には血が流れていた。

 

「おい、アハト・・・我の傷を治せ」

 

「ああ、後でなアインスト・・・まぁこいつを痛めつけてからやってやるよ」

 

そう言って壁により掛かっていたアインストの言うことを先送りにしてアハトはそのままベートを痛めつけていた。

 

「やめろ、やめろ、やめろ!!」

 

リーネは吠えた。それはかつてのベートのように・・・だが、そんなリーネの叫びは知ったことではないようにアハトはベートを痛めつけていた。

 

「うるせぇな・・・」

 

だが、リーネの叫びに次第にいらだちを覚える。暫く、アハトはベートを痛めつけては四股を刺し、蹴るなどしていたがやがてリーネの方を見ていた。

 

「耳障りだ・・・」

 

アハトは舌打ちをし再び杖を構え魔力を溜め始めた。

 

「良いぜ、そんなに死にたきゃ先に死なせてやるよ・・・・!」

 

そう言って、杖に魔力を込め詠唱を始める。

 

「『闇よ・・・』」

 

(・・・やべぇ!!)

 

ベートは直感した。この魔法は追尾性を有している。先ほどの魔法で、追尾性の魔力を感じていたからだ。

 

「『光を殺し、新たな世界へと創造を・・・光を消し、この世界に終焉を・・・我は魔竜の眷属であり、魔竜の下部であり、魔竜の分身』」

 

杖の先から黒い炎が集まる。魔力も増大しレベル5でも同じくらいであった・・・

 

「『黒き深淵が世界を包み込み、破壊し、全てを滅せよ』」

 

段々と炎は、魔力を上げ大きくなって行く。黒く禍々しい炎は、リーネに向かって放とうとする。このままではアイズでも死ぬ可能性が出ていた。

 

「『来たれ、来たれ、闇より来たれ終焉の炎よ!忌まわしき歴史と光が消え去るとき、我らの主は神へと上り詰める』」

 

ベートは踏まれながらも必死でもがく。リーネは魔法を撃つも構わず叫び続ける。

 

「や・・・め・・・ろ」

 

ベートは思わずそうつぶやく。いや、のどが潰れているのだ。

 

(クソガ・・・・・・・ッ!)

 

ベートは身体を動かそうとする。が、それでも痛みで身体が動かせなかった。

 

「『魔竜の眷属 アハト・ナハトの名に誓う・・・滅びよ!!』」

 

やがて、詠唱の最終段階に入る。黒い炎がもう、ベートの身体が熱を感じるように大きくなった。

 

(クソ・・・このままじゃ!!)

 

ベートは必死にもがく。だが、痛みによってそれは叶わない。

 

(あの時と・・・同じじゃねぇかよ)

 

瞬間、ベートの中の記憶が鮮明に現れた。

 

???視点end

 

ベートside

 

(良いか、ベートよ・・・この世は弱肉強食だ・・・だかろこそ、牙を磨け)

 

そう・・・親父から教えられた。

 

俺の生まれは平原だった。俺達の一族は、平原を放浪する狼人の一族であった。親父はその族長で俺は親父からそう教えられてきた。一族の間ではコレが普通だからだ。

 

だが、そんな中俺の幼なじみは一族の中で一番弱い少女であった。彼女は弱い自分から抜け出そうと必死に努力しようも落ち込んでいた。俺はその姿を見て放ってはいけなくなった。ある本で読んだ。

 

男という者はか弱い女子を守るためにいるんだと・・・

 

だから俺は彼女を連れてこういった

 

(お前は弱くて良い!俺がお前の弱い分強くなる!)

 

(・・・・うん!)

 

それ以来彼奴は笑顔が増えた。それでいい、この笑顔のためなら俺は強くなれると・・・

 

だから、俺は強くなるために必死に努力した。どんな辛い修行も必死に耐えてきた・・・それで彼奴が笑っていられるなら・・・俺は努力した。

 

だが、弱肉強食の意味をこの頃の俺はまだ知らなかった・・・

 

12歳の頃だった。突然竜の谷から来た怪物に全てを奪われた・・・家族は全員俺を置いて死んでいった。

 

それは幼なじみも一緒だった。幼なじみの姿は腕だけで跡形もなくなっていた。

 

(親・・・父・・・みん・・・な)

 

(ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!)

 

俺は絶望した。コレが親父の言っていた弱肉強食なのかと改めて実感した。

 

それ以来俺は、力だけを求めて彷徨っていた。そのときだ・・・オラリオに着いたのは・・・

 

オラリオに入ってから入団したのは『ウィザール・ファミリア』だった。

 

獣人が多く、俺にはもったいないほど良いファミリアだった。俺は、そこで実力をつけファミリアの団長まで上り詰めた。その時だ・・・彼女と出会ったのは・・・

 

そいつは、ファミリアの副団長だった。馬鹿で真面目で、それでいて幼なじみの彼奴にどこか似ていた。

 

俺はいつの間にか彼奴に恋をしていた。他でもない、彼女に・・・

 

だが、それも一瞬で終わった。

 

俺は十分なレベルとなり、あの竜の谷で現れた竜を殺すため俺はオラリオに出た。俺はあの竜を殺しオラリオに帰ったとこ事件は起きた。

 

「おい・・・どういうことだよ・・・・・・・ッ!」

 

「すまない・・・・・・・ッ!ベート・・・俺は、彼女を助けられなかった!あの人は、俺達を逃がすために・・・・・・・ッ!」

 

俺は絶望した。強者がいなければ弱者は何も出来ないのか・・・俺が強いだけじゃ・・・駄目なのか・・・

 

(なんで・・・お前らはそんな弱いんだ)

 

「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

俺は吠えた・・・守れなかった・・・また・・・俺だけが強くても、弱いヤツは指の隙間からこぼれ落ちる。

 

もう、これ以上失いたくなかった・・・だから、俺は雑魚を嫌った。雑魚を侮辱した。それで折れてくれれば、死なずにすむのなら、例えダサくても、嫌われてでも守りたかった。

 

あれから、俺はウィザール・ファミリアから離れロキ・ファミリアに入ることになった。ここで再び強くなるため・・・そしてもう誰も大切な人間を死なせないために・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう・・・誓った・・・俺が死ぬまで・・・だから・・・

 

「『ダーク・インフェルノ・ヒストリー』!」

 

「させるかよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

今度はテメェを守ってやるよ・・・

 

リーネ・・・

 

ベートside end

 

???視点

 

「何・・・・・・・ッ!」

 

突然だった。アハトは魔法を撃とうとしたところ、いきなり身体から刃が見えた。それと同時に鋭い痛みに襲われる。

 

「ヌアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ」

 

竜の悲鳴がオラリオを包む。アハトは口から血を吐きながらもベートを魔法で刺すなどして剣をを引き抜こうとする。

 

「貴様ぁ・・・・・・・ッ!」

 

「やらせるかよ・・・雑魚が!」

 

アハトが剣を引き抜こうとしても、ベートは相手の骨などに引っかけ、抜けなくしていた。ベートはそのまま剣を握り、アハトの急所を狙う。

 

「ヌァアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ!」

 

「ウオラアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッアアアアァァァァアアアア!!」

 

一匹の狼と一匹の竜が互いに悲鳴を上げながらも戦い続ける。声ももう出ないところまで・・・ベートの口からはもうあふれんばかりの血が出ていた。それでもなお戦い続けている。

 

圧巻した。言葉に出来ないほどの凄まじい戦いだった。死を前にしてまで、狼は家族を守ろうとしている姿はまさしく英雄その者であった。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

やがてアハトからもあふれんばかりの血に顔を青白くする。もう、両者は限界に近かった。アハトは地面に倒れ込む。ベートはその隙にもう一つの武器、『デュアル・ローラン』で後ろから突き刺す。

 

「ぬぁああああああ!!クソガ・・・・この俺があああああああああああああああ!!」

 

「くたばれええええええええええええええええ!!」

 

ベートは激しい痛みに耐えながら剣をひねる。

 

「――――――――ァ!」

 

その瞬間、アハトは灰となった。

 

「やった・・・」

 

「「「やったあああああああああああああああああああああ!!」」」

 

「すごい・・・」

 

「ベートさん!」

 

歓声の声が聞こえた。同時に氷の壁が消えた。ベートは荒い息をたてながら、ベートは壁に寄りかかる。

 

「油断は出来ねぇぞ・・・一体逃がした」

 

アインストは、逃げられていた。どうやら自力で歩けるまでは回復し、立ち去ったのだろう。

 

「分かっています・・・今すぐポーションを持ってきます」

 

そう言って、リーネにポーションを持ってくるよう伝える。

 

「おい、リーネ・・・」

 

「なんですか・・・?」

 

ベートは突然、何かをつぶやこうとした。ボソボソと聞こえて、何を言っているか分からない様子であった。リーネはそっと、顔を近づける。

 

「・・・・・・・ッ!危ねぇ!」

 

「え・・・??」

 

突然、ベートはリーネの身体を覆う。その瞬間、ベートの背中が黒い霧のような魔法で貫かれる。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

「ベートさん!!」

 

何があったのか分からず、リーネは混乱する。後ろにはアハトの灰から魔力が流れていた。

 

「ゆるさねぇ・・・ガキが・・・せめて貴様だけはぁ・・・道連れにぃ!!!」

 

「・・・・・・・ッ!『目覚めよ(テンペスト)』」

 

アハトの最期の声がリーネ達の耳に聞こえる。アイズはすぐに、闇を切り魔力の流れが完全に止まる。

 

だが、ベートは再び口から血が流れる。殺気までの傷が更に悪化した。

 

「エルフィ!速く、ポーションを!!」

 

「ウ・・・ウン」

 

そう言ってエルフィはポーションをリーネに渡しリーネはそれをかける。だが、ベートの怪我は治ることはなかった。

 

「どういうこと?!」

 

「ハハ・・・毒・・・だな、クソ・・・雑魚のくせにやるじゃねぇか」

 

そう言ってベートは苦笑いする。リーネ達はそれを聞き絶望した。アミッドはこれからの重要人物のため先に18階層まで行っているためそれでは間に合わないのだ。

 

「そんな・・・待ってください!私の回復魔法があれば・・・」

 

「無理だ・・・こいつ、かなり複雑に作ってあるからな・・・リヴェリアも解けるかどうかの魔法だ・・・ゴボォ!!」

 

「ベートさん、もう良いです!喋らないで!!」

 

そう言って、リーネはベートを運ぼうとするがベートはそれを払いのけ、壁により掛かる。

 

「ベート!!」

 

そこに、フィン達もやってきた。ある程度片付いてベートの元までやって来たのだ。

 

「リヴェリアさん、ベートさんを・・・ベートさんを助けてください!!」

 

リヴェリアは急いでベートの様態を見る。だが・・・

 

「残念だが・・・無理だ・・・この毒は、私と・・・恐らくアミッドでも直せない・・・」

 

そう言って、リヴェリアは拳を振るわせる。毒がもうベートの身体全体を蝕んでいた。

 

「そんな・・・ベートさん!しっかりしてください!!ベートさん!!」

 

「うるせぇな・・・静かにしろ・・・そうだ・・・言い忘れていたぜ」

 

ベートはそうこぼしながら、リーネの頬を触る。ベートの身体が徐々に冷たくなって行くのが分かった。

 

「良いか、リーネ・・・お前がその蜥蜴共を助けたんだ・・・お前が最後まで守れ」

 

そう言って、ベートはジュニアとアビスを見つめる。

 

「分かりました・・・分かりましたから・・・お願いですから、生きてくださいよ!私はまだ・・・何も貴方に伝えていないのに・・・貴方に何も返せていないのに!」

 

リーネは泣きじゃくりながら、ベートの手を握り必死に懇願する。リーネの顔は涙で普段の顔の面影はなかった。

 

「・・・・うるせぇよ、もう・・・十分だ・・・」

 

そう言って何時もの口調に戻るも、もう彼に体力は残されていなかった。

 

「ありがとよ・・・俺は・・・お前の手に救われたんだ・・・だから・・・生き・・・ろ」

 

「ベートさん!!」

 

「最期に・・・守れたのが・・・お前・・・で、良かった・・・・」

 

その瞬間、彼の手が冷たくなって行く。

 

「べー・・・ト・・・さ・・・ん?」

 

ベートの瞳が閉じる。心臓の音も止まっていた。

 

「ベートさん・・・ベートさん?!起きて・・・起きてくださいよ!」

 

必死に呼びかけるも彼の瞳は開くことはない。それでも必死にリーネは揺さぶり、呼ぶのだった。だが、冷たいからだ、閉じた瞳、止まった心臓・・・それが、彼女を絶望に落とす。

 

「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

今、ここに勇敢な孤高の一匹狼は息を引き取った・・・それと同時に、少女の悲しみに満ちた叫びがオラリオを包むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行こう・・・」

 

「ウ・・・ウン」

 

あれから数時間後、リーネは二体の竜をつれてダンジョンに向かう準備をしていた。エイナはリヴェリアと共に行くということにしており最後まで残っていたため、バベルに向かう。

 

「リーネさん・・・」

 

実はエイナはリーネのアドバイザーでもあった。心配だから最後まで残ったのだが、ベートが死んだことに驚きを隠せなかった。ベートに恋をしていたリーネにとってコレは残酷な未来であった。アリシア達もどう声をかけるか、分からなくなっていた。

 

「エイナ・・・すまない、こんなことに巻き込んでしまって・・・」

 

「いいえ、私は大丈夫です・・・でも・・・」

 

そう言ってエイナは服を握りしめる。わなわなと震わせ涙も出ていた。

 

「なんで・・・こんなことになってしまったのでしょうか・・・」

 

エイナは涙を流してしまった。コレまで多くの冒険者を見送っては帰ってこなかった冒険者を数多く見てきた。だが、今回は目の前で見てしまったのだ。その残酷さに胸が締め付けられる。

 

「分からない・・・もしかしたらだが・・・」

 

リヴェリアは一呼吸置く。そこにはヴィリーの姿、ベルの涙。そして、あの異端児の目・・・それが、リヴェリアの脳裏に過ぎった。

 

「正義・・・なのかもな」

 

そう言ってダンジョンに入るエレベーターまで歩くのだった。

 

「・・・・・・・ッ!」

 

だが突然、バベルが揺れる。同時に天井にヒビが入った。

 

「クソ・・・ッ!まだか!!」

 

そう言っている間にもエレベーターがつく。

 

「急げ!乗るんだ!!」

 

リヴェリアがエレベーターに乗るよう、指示する。全員がエレベーターに乗り込もうとするが・・・

 

「ア・・・・ッ!!」

 

「・・・・・・・ッ!エイナ!!」

 

エイナは天井の瓦礫に埋もれてしまう。リヴェリアは必死に手を伸ばしたが届かなかった。

 

「駄目だ、リヴェリア!!もう、彼女は・・・・・・・ッ!」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

リヴェリアはあまりの悔しさに、唇を噛みしめエレベーターに乗るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日経った。この戦いで、オラリオは完全にラキアの統治下に置かれることになった。オラリオのかつての賑やかだった町並みは今では静けさを出している

 

「リュー・・・」

 

アストレアはダンジョンの18階層入り口で待機していた。まだ、リューが戻ってきていないからだ。

 

当然だろう・・・親が子どもを心配するのは当たり前だからだ・・・あの事件以来、アストレア・ファミリアは一変してしまった。

 

明るかったファミリアは暗くなり、自殺しようとした団員も数多くいるからだ。

 

彼女自身、怖くて仕方なかった・・・アリーゼが離れたことにより、団員達全員は元気がなかった。毎日、アミッドらのカウンセリング、自殺の引き留め・・・地獄であった。数年経ってましになれどやはりあの頃のアストレア・ファミリアは戻らなかった。それでも、幹部達は折れなかった。輝夜ガ団長を引き継ぎ、ライラが副団長・・・そしてリューも責任を果たし、今のアストレア・ファミリアが出来たのだ。彼女達のお陰で、アストレア・ファミリアは元の明るさに戻った。だからアストレアも頑張れた。この子達のために精一杯支えようと・・・

 

だから、不安なのだ・・・また失ってしまうのが・・・もう一人かけてしまえばアストレアの精神は限界に近かった。

 

だからこそ戻って欲しい・・・新しい場所でも、明るいファミリアにして欲しい・・・そう願っている。

 

だから待っている。彼女が帰ってくる事を・・・

 

「アストレア様・・・・・・・ッ!」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

その時入り口から声が聞こえた・・・リューの声だ。アストレアは必死で、入り口を見つめる。

 

「アス・・・トレア・・様」

 

「リュー!」

 

アストレアは思わず抱きついた。戻ってくれたのが嬉しかったからだ。リューも泣いてしまった。暖かさが彼女の涙腺を崩壊させる。その時であった。

 

「・・・・・・・ッ!」

 

「え・・・?」

 

アストレアの目に、見慣れた冒険者の姿が見えた。それはもう会うことがないと言っていいほどの大切な人・・・アリーゼ・ローヴェルだった・・・

 

「アリーゼ!!」

 

アストレアは大きな声で叫ぶ。久しぶりに会った眷属に思わず抱きしめた・・・

 

「アリーゼ・・・どうしてここに?!」

 

そう言ってアストレアはアリーゼを見つめる。だが、アリーゼの反応はアストレアを困惑させた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方・・・・誰?」

 




はい、今回はここまでです。アリーゼの身に何が・・・多分、次回でアリーゼをなんのキャラに似せたか分かります。

そして、ベートはここで退場です。ベート好きの皆様申し訳ございません。

次回もお楽しみに!!

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