白兎は正義に憎しみを抱く   作:暗闇水明

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こんにちは、今回はベルベットルーム回です。それと同時に他作品キャラも出ます。それでは、どうぞ!


Chaptear45 青い部屋

「誰・・・?」

 

最初に出た言葉はそれしかなかった。突然、見知らぬ場所まで連れてこられ気が付けば自分は縛り付けられていた。よくよく見たら、自分の服装も違っていた。その姿は、まるで囚人服のようであった。

 

「気が付いたか、被告人よ!よくぞ来た、我らがベルベット・ルームへ。俺様はグレートな弁護士、パピルスだ!覚えておけ!!」

 

「現実のあんたは、今はおねんねしている最中だ・・・要するに、これは夢としての体験というわけだな、オイラはサンズ・・・検察官だが、オイラは怠け者でね、骨休めに弁護側に回っている。オイラ、スケルトンだけど・・・」

 

ツクテ―ン

 

「サアアアアアアアアアアンズ!!またしょうもないギャグを!!」

 

「まぁ良いじゃねえか、パピルス・・・それよりオイラ達は被告に主を紹介しなきゃじゃね?」

 

「サンズの言うとおりだ。おい被告人、この御方が我が主である!!姿勢を正せ!!」

 

「ククク、ようこそお初にお目にかかる、ここは夢と現実、精神と物質の狭間にある場所、何かの形で契約を結んだ者のみが訪れる部屋・・・私は主を務めているイゴール、覚えていてくれたまえ・・・」

 

話している最中、私は周りを見渡す。天井はステンドグラスで出来ており青い空間が幻想的だ。

 

「仕方あるまい・・・突然の事だ、すぐに理解できるのは難しいことだろう」

 

白髪の奇妙な老人、イゴールは笑いながら頬杖つきながら足を組んで話しかけてきた。不気味な低い声と共に、私はどこか恐怖心が出る。

 

「今回、お前を呼び出したのは他でもない。お前の命に関わる大切な話をするためだ」

 

そう言って、イゴールはそのまま話を進める。だが、私には状況が飲み込めず呆然と突っ立ている。

 

「しかし、今回は裁判所か・・・なかなかこういう者はいないのだがな・・・この部屋はお前自身の心をありよう。そうとう、あの少年のことで引きずっているようだな」

 

「・・・・ッ!」

 

ベルの事を聞いて私は驚きを隠せない。イヤ、今はこの老人が不気味でしょうがなかった。

 

「お前はまさしく運命の囚われ・・・近いうちに破滅がもたらせるゆえに相違ない・・・」

 

突然そんなことを言われ私は驚きと同時に諦めが来ていた・・・当然だ、私はそれまでのことをした・・・破滅して当然だと・・・そう思ってしまった。

 

「今、自分が破滅した方がいいと思っただろう?だが、そんなお前に残念な知らせが一つある・・・」

 

「え・・・・」

 

私のことを見据えたように老人は口を開く。私はそれに反論出来ずそのまま顔をうつむかせていた。

 

「どう言う・・・」

 

「お前の破滅は世界の破滅・・・つまり、お前が破滅することで罪もなき民まで破滅することになる、無論あの少年も死ぬことになるがな・・・」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

私が死ねば、世界は壊れるって事?それじゃあ、アーディもリオンも輝夜もライラもアストレア様もベルも・・・皆そうなるって事?そんな・・・

 

「そんな・・・・・・・ッ!」

 

「そうなら、お前をここには呼び出していない」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

その瞬間なんとなく察してしまった。私はベルの家族を殺し、そして憎しみから、あの魔竜・・・アジ・ダハーカを復活させてしまった・・・

 

それが世界の終焉を意味すると言うこと・・・つまり、私のせいで世界の存続が危ぶまれる事になったのだ・・・

 

「お前は既にこの世界の運命を握る存在となった・・・なに、安心したまえ・・・抗う術はある、更正をするのだ、自由への更正・・・それがお前の・・・世界の破滅を回避する唯一の道」

 

イゴールさんはそう言って私を指さす。それと同時に、サンズは笑いながら私を見た。

 

「だそうよ、どうだ?あんたに世界の破滅を相手にする覚悟はあるかな・・・」

 

サンズさんはただニヤニヤとしながらそう問う。

 

正直、分からない・・・世界の破滅とか、契約とか・・・そんなの急に言われて・・・でも、この出来事は全て私のせいだ・・・私のせいでこの世界は壊れかけている・・・なら、私の中でやるべき事は一つだった・・・

 

「・・・・・やります、私のせいでこうなったのなら・・・」

 

私は、世界を・・・ベルを救うことを決めた。

 

「フフフ、その意気だ・・・お前の更正、拝見させてもらうとしよう」

 

そこで、私の隣にいる二人?は私の前に立ち、睨み付けている。

 

「ああ、紹介が遅れてしまったね・・・青い方がアンダイン、黄色い方は、アルフィー。共に看守を務めている」

 

「ふん、せいぜい無駄に足掻くんだな」

 

「よ・・・よろしくね、看守って本来は囚人や被告人を守る存在だから・・・貴方が従順なら良いけど・・・」

 

「この者らの役割については、いずれの機会で良いだろう」

 

そう言って、イゴールはにやりと笑うと突然鐘が鳴る。

 

「どうやら、お前が現実で目を覚める・・・ではなさそうだ」

 

そう言った途端、どこか爆発が起きた。

 

「何・・・・・・・ッ!」

 

突然の事に私は驚きを隠せない。

 

「どうやら、この世界の破滅を望んでいる者がいるようだ・・・詳しくは後々話すが、一つ忠告しよう・・・その者はお前に偽りの力を授けようとしていると・・・何、焦ることではない、我らは正しい力でお前を導くのだからな・・・安心したまえ、いずれまた会う日が来るからな・・・ヤツが来たようだ」

 

そう言った途端、私の意識は段々と暗くなって行く。だが、爆発の衝撃で建物が崩れる。残骸が目の前までやって来た。やがて、一人の人影が姿を現す。

 

「来たか・・・」

 

最後に見たのは黒いローブを纏っていた少年の横顔であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ・・・・・・・ッ!」

 

私は目を覚ました。あの病院でだ・・・夢かと思ったがどうも忘れられなかった・・・あの光景、あの会話・・・全てが私の脳裏に宿る。

 

「アレは・・・」

 

汗でびしょびしょの顔を拭って私は着替えようと起き上がる。もし、アレが夢じゃなければ急がなければならない・・・速くしないと、ベルが死ぬと思ってしまうから・・・

 

そう思い私は、シーツから出ようとする。その時であった・・・

 

「何・・・?」

 

突然、私の隣に何かがいた。なんかぷにぷにしていてそれでいて温かった。私は恐る恐るシーツを覗く。そこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅぅぅん?」

 

ゴーグルのような物をつけ赤い髪の小さな身体をした竜がいた。

 

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

突然の事に私は悲鳴を上げるのであった。

 




はい、今回はここまでです。Undertaleより、サンズ、パピルス、アンダイン、アルフィーが参戦です。次回はリーネとあの二体の竜の絡みを入れますそれではまた次回、お楽しみに!

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