白兎は正義に憎しみを抱く   作:暗闇水明

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こんにちは、今回からリトルナイトメア編です!ダンまちとこのホラーゲームは初の試みだと思います。やっているという方がいらしたらすいません


リトルナイトメア編
Chaptear6胃袋


「ここが農業の街フェレライ・・・」

 

「なんか、荒れているね・・・」

 

ベル達はあのキャンプの三日後農業の街フェレライについた。その道中でもアリーゼが色々トラブルを起こしかねなかったが、まぁベルのおかげで何とか免れたのだ。

 

そしてこの街に着いた。周りの風景は少し大きな建物が中心部分にありその奥には海がある。そのほかの周りがほとんど農地なのだがなぜか痩せている人が多い。今にも餓死しそうな人もいる。一応収穫しているところを見ている限り食糧難には陥らないほどの量である。そこにベルはほっとけなくなったのか干し肉を差し出した。

 

「あのぉ・・・良ければどうぞ」

 

「おお、ありがとう!」

 

それを見た途端その痩せた人はガツガツと食べた。本当に飢え死しそうな顔だった。そばには子どももいたのでその子にもあげる。少し情報を聞くことにした。

 

「すいません、あの作物で何とか賄えないんですか?」

 

「ああ、領主の命令でね・・・何でも作物を3000kg領主に譲渡しろと命令が出てね・・・今回も何とかギリギリなんじゃよ」

 

「3000kgってほとんどじゃないですか!!なぜその領主はそのままほったらかしなんですか?!」

 

「でも、この状態を一定の期間を経過すると皆中央の街に行けるんだ。そこで大量の食事が用意されると聞く・・・途中その量を達成できなければまたやり直しだ・・・まぁあんさんらは旅人だったら通してもらえるよ、あそこ旅人に関しては優遇するからねぇ・・・」

 

そう言って痩せた人は子ども達を連れて作業に戻る。その様子をベル達は黙ってみているしかなかった。

 

暫くして旅人として中央の街に入れてもらい現在はこの街のギルドに行きサレンメスのギルドカードを見せた。ギルドカードは全ギルドでも共通のものであり独立しているギルドでもこのカードさえあれば何処のギルドでさえ使えるのだ。オラリオでも神の恩恵を持っていなければこれでは入れることも可能だ。現在ベル達はここの街のギルドから紹介してもらった宿で休憩を取っていた。外は突然の嵐でビュービュー風が吹いている。

 

「・・・この街一体何なの?」

 

「正直見ていて酷いとは思うけどちゃんと達成した人には食事が用意されるって言うところが何か変よねぇ・・・」

 

「うん・・・その領主も変な命令を出すわよね」

 

二人はあの痩せ細った人のことを思い出していた。中央の街ではそこまでも無く普通に暮らしている人が多かった。なので宿の食事も難なく普通、イヤ少し豪華だったのだ。

 

「まるでこの街に住んでくれって言っているようだったね」

 

「うん・・・」

 

そして二人はこの街の謎を考える為暫く沈黙が続いた。暫くするとベルは何か思い出したように口を開く。

 

「ねぇ・・・まさかこの前の話、実話だったとか?」

 

その言葉にアリーゼも固まる。

 

「な・・・なにいってんのよ。アレは噂話だっていったでしょう?」

 

「でも少し状況が似ているような?」

 

「そんなわけないわよ・・・そんなわけないはず・・・」

 

確かにベルの言っていたことも一理ある。この街の状況は噂で聞いていたとおり飢えにより苦しんでいる人が他の街に比べて圧倒的に多い。更に領主の命令にも違和感がある。まるでこの街に誘い出しているようなそんな感じだ。それに何よりこれは噂話だ。作り話という保証は何処にもない。更に言えば実話ではないと言う証拠もないのだ。その考えが二人の体に駆け巡る。

 

「ねえ、早くこの街から出ない?」

 

「そうね、ここ何かしら不気味だし早く出た方がいいかも」

 

そうして二人はこの街を出る準備をしていた。

 

 

 

「ここがフェレライ・・・農業の街と言われているのに・・・噂通りですね」

 

「本当・・・気味が悪くて仕方ないぜ」

 

「幽霊とでも言うのか、屍のようだったわ」

 

「でも・・・この街の人たちとても辛そう」

 

とある4人の女がこの街フェレライに訪れていた。現在ベル達とは別の宿に泊まって休んでいたところだ。

 

「なぁ・・・輝夜、本当にあると思うか?」

 

「ああ、以前極東にいた時も聞いたことがあってな」

 

「モウ・・・でしたっけ、一見極東風に聞こえませんね・・・」

 

「ああ、私達の意味では「胃袋」って意味で親しまれている」

 

赤い着物を着ていて刀を付けている極東風の女、極東の貴族らしい容姿似合わない口調で話す、ゴジョウノ・輝夜は少し舌打ちしながら腕を組む。それと同時にピンク色の髪で男勝りな性格の小人族のライラ・はベッドに寝転がりながら話していた。

 

「そんな船がこの街に?」

 

「そんな可能性がある、と言うだけだ・・・実際私達も伝説だと思っているんだが・・・」

 

「その船らしきものがでたと・・・言うことですか」

 

薄緑色の髪色のエルフ、リュー・リオンと青髪のヒューマンでこの中の唯一のガネーシャ・ファミリアの団員、アーディ・ヴァルマも席に座りながら話をしている。

 

「で・・・オラリオからも協力が必要だって聞いて私達が呼ばれたんですね」

 

「そのモウを見つけて首謀者を見つけて捕らえる・・・と」

 

「まあ、そうだな」

 

そう言って4人の沈黙が続く。暫くすると突然リューが口を開いた。

 

「アリーゼがいたら、なんて言ったのでしょうか・・・」

 

その言葉で皆悲しそうな顔をする。現在、アストレア・ファミリアの信用は徐々に回復している。しかしそれはアリーゼのお陰だからである。責任と人々の目をできる限りアリーゼの方に向けて処罰をアリーゼだけにした。このお陰でアストレア・ファミリアはアリーゼ以外特になにもなかったのである。しばらくはアストレア・ファミリアの信用は底辺位だったが。このファミリアはオラリオに必要だと言うことをアリーゼはいってくれた。そのことが胸に刺さる。アーディもアリーゼは最後まで友人だとも言ってくれたという。

 

「本当は私達のせいだったのにな・・・」

 

「はい、私達はあの村の住人達を・・・無実の人たちをこの手で殺めました。」

 

「ああ、作戦を立てたのはアリーゼだったが実際殺ったのは私達だ」

 

そう言って3人はうつむく。あの頃からずっとこのままだ。アリーゼがいなくなってから、そしてあの村の住人虐殺に対して罪悪感から引きこもる団員達も増えていった。現在は団員の半数が戦闘不能な状態なのである。中には自殺しようとしたものまでいたのだ。何とかアストレアが止めたのだが・・・

 

「そう言えば、あの子はどうしているでしょう・・・」

 

「あの子って?」

 

リューがベルのことについて話した。それにアーディも首をかしげてリューに問いかける。

 

「私達があの虐殺を引き起こしたときアリーゼが助けたガキだ。容姿は覚えてないんだがな」

 

「そんな子が・・・」

 

「まぁ・・・親戚に預けられているだろう、今頃どこかの家で育てられているだろうな」

 

「もし、その子がオラリオに来たら・・・」

 

そう言って全員黙り込む。しかしそれは死が怖いわけではない。ただ、あの子にはどうしてあげればいいのだろうかと考えているのだ。アストレア・ファミリア内でも唯一の生き残りはいたと教えられており彼に罪滅ぼしをしたいとの団員もいる。しかし名前も分からないのだ。

 

「ファミリア内でもこの前アミッドを呼ぶほど酷い状況だって」

 

アーディ自身も団員達の様子を見て口を開けてしまうほどだ。

 

「いざという時は・・・」

 

「でも、アリーゼはこのファミリアが必要って言葉で今は動いているものだよね」

 

「ああ、だからこそ私達が繋げる必要があるんだ、ウジウジしている暇なんてないぞ」

 

そう言って輝夜は資料をまとめる。その言葉と共にリューは顔を上げた。

 

「とにかく今は、この街の調査だ。明日、情報を集めるぞ」

 

「「「ええ!」」」

 

そうして皆は就寝に入る。やがて夜は明ける

 

「お腹・・・すいた」

 

小さな悪夢の始まりがすぐそこまで迫っていることを知らずに・・・

 

 

とりあえずベル達はこの街を出る準備をしていた。外は現在も曇りで少しくらい状態だった。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「うん・・・ってあれ?」

 

「どうしたの?」

 

「いや、なんか入り口の前に人が集まっているような」

 

そうして二人は入り口の門の近くに来た。そこで二人は近くの男に声をかけることにした。

 

「どうしたんですか?」

 

「ああ、実は昨日、入り口の門が嵐によって壊されたんだ、お陰で今は復興作業中だ」

 

「そんな・・・」

 

そうしてベル達はどうしようか悩んでいたところ・・・

 

「そう言えば、そろそろだなぁ・・・」

 

「ああ、全く羨ましいぜ」

 

二人の男の声が聞こえた。思わずアリーゼは二人の男に声をかける。

 

「あの、そろそろって?」

 

「ああ、年に一回人生を保障される人間が選ばれる日なんだ」

 

「人生を保証される?」

 

「ああ、領主に選ばれた人間は幸福になるって噂でさ、どこかに連れて行かれその先は楽園って噂だ。実際戻ってきた人はいないが楽園にいって楽しんでいるんだとよ・・・」

 

いかにも怪しそうなことで二人はともかく離れた。

 

「どうする?」

 

「とにかくやり過ごすしかないわね・・・」

 

そう言って二人は宿に戻る。追加料金を払いとりあえずベル達は宿に入る。

 

「ねえ・・・これって・・・」

 

「うん、噂の内容に似ている・・・よね・・・」

 

宿の中でアリーゼ達は噂話を思い出す。帰ってきた人は誰もいない、領主、共通点が多すぎる事に二人は体が震えた。

 

「ど、ど、どうする?!ローゼ!どうやってでる?!」

 

「お、お、落ち着きなさい、ベル?!たかが噂話よ!多分、なにもない・・・はず」

 

そして二人は一旦落ち着きを取り戻す。

 

「ねえ、これからどうする?」

 

「どうにもね・・・一旦ギルドに行ってみましょうか」

 

ベルとアリーゼはこの街のギルドに向かった。その時だった。

 

「ローゼ・アーリヴェルとベル・クラネルですよね?」

 

突然男女二人組のヒューマンが目の前にやって来た。

 

「あなた達は?」

 

アリーゼは武器を構えながら二人組の男女に問いかける。ベルはアリーゼの後ろに隠れた。女の方がアリーゼ達の前に来る。

 

「あなた達にはここの領主様の命令が下されましてモウにご招待することにしました」

 

「モウ・・・?」

 

「楽園の事です」

 

「・・・ッ!イヤです!あなた達の戯れ言に付き合う暇はありません!」

 

そう言ってアリーゼは帰ろうとするが・・・

 

「私達も手荒なまねをしたくはありません、ついていただけますよね?」

 

「・・・ッ!ローゼ!クソ・・・ッ!」

 

「ベル!!」

 

そう言ってアリーゼの首元に刃を向ける。更にベルの方も男の方に捕まれた。

 

(見切れなかった?!)

 

本来、オラリオ街は基本レベル3以下の冒険者しかいないはずであった。・・・が、それはオラリオにいたことが無いことである。もし、オラリオにいたことがあるなら話は別である。その街は急変的な強さを持てるのだ。恐らくだがこの街はレベル5以上がいると言うことだ。

 

「もう一度言おう、ついてこい。でなければ二人とも殺すまでだ」

 

「・・・ッ!」

 

アリーゼ自身もここは状況を見て抵抗しない方が身のためなのは、知っている。だがベルもいるのだ。ここは何とかしてもベルを助けたいが・・・

 

「ローゼ・・・・」

 

「・・・ッ!」

 

必死に頭を考えるがそれでもここの状況を打開するのは難しかった。どうしたものかと考えたその時・・・

 

「・・・ッ!これは」

 

ベルの背中が光った。イヤ、正確に言うとサレンメスにいた時にもらった例の剣が赤く光り出したのだ。

 

「・・・ッ!クソ・・・ッ!」

 

そうして二人組の男女は手を離す。

 

「・・・ッ!ベル、今のうちに!!」

 

「うん!」

 

そうして二人は逃げ出す。

 

「逃げたぞ!!終え!!」

 

女の声が聞こえる。アリーゼはベルを抱えながら走った。

 

「ローゼ!!」

 

「大丈夫・・・しっかり捕まって」

 

そう言って屋根に飛び移る。しかし、二人組に加え他の人間も来た。

 

「・・・ッ!どうすれば・・・ッ!」

 

そこにアリーゼは一つの港が見えた。そこに木製のボートを見つける。

 

「アレなら・・・ッ!」

 

「・・・ッ!ローゼ!!」

 

「大丈夫・・・ッ!」

 

そう言って木製のボートに乗り込みヘルメスからもらった魔道具を付ける。すると・・・

 

「・・・ッ!早い!!」

 

木製のボートが猛スピードで走って行った。この魔道具は船に付けることで通常の三倍のスピードで走る。更にボートには負担しないように結界が張ってある。暫くしてかなり沖に出る。

 

「フー!もう大丈夫!!」

 

「流石ローゼ!!いざという時は頼りになる!!」

 

「ふっふーん!流石この私ね!状況判断ができるなんて素晴らしい美女なのかしら!」

 

「それがなければかっこいいのに」

 

「なっ?!なによそれ-!」

 

「はは、そう言えばこの後どうする?」

 

「ア・・・」

 

その瞬間アリーゼの顔が青ざめる。

 

「まさか・・・考えてなかった?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「やっぱり?!どうすんの?!」

 

「だって~逃げることしか考えられないもん!!」

 

「はぁ~まあ、何時ものローゼだね・・・仕方ない・・・」

 

そう言ってベルは剣を包んでいた布を広げる。そして

 

「どうしたの・・・?」

 

「シェルターを作るんだよ、こうやってね」

 

そう言って棒などを用意して日陰を作るような屋根を建てた。

 

「こうやれば日光を遮れるから大丈夫・・・そして・・・」

 

「ちょ・・・ッ!何しているの?!」

 

ベルは突然靴紐をほどき始める。更にそばにあった針金を使った。

 

「これで、釣りができるよ。昔お爺ちゃんがサバイバル術を学んで覚えていたんだ」

 

「ほぇ~すごいね」

 

そう言って感心するアリーゼ・・・ベルは釣り糸を垂らす。そして暫くすると・・・

 

「おお、釣れた!!」

 

そう言って魚が釣り上げた。

 

「これで陸地を探そう」

 

「うん・・・やばい、ベルってホント頼もしいよね」

 

「ふふ、ありがとう」

 

そうして暫く放浪していた。そこに・・・

 

「あれ・・・?」

 

「もしかして・・・」

 

「「島だああああああ!!」」

 

島らしきものを見つけた。とりあえず上陸する。

 

「ここは・・・無人島?」

 

「みたいだけど小さいね・・・植物もそこまでないし・・・」

 

「ベル!見て!扉が・・・ッ!」

 

「本当だ・・・鍵は・・・開いている・・・」

 

そう言って扉を開けた。そこには・・・

 

「なに・・・これ」

 

地下に続いていた。ベル達は息をのんで地下へ足を踏み入れた。そこに広がっていたのは

 

「ひっ・・・ッ!」

 

「これは・・・」

 

与えられた食事をむさぼり食う太った人間が広がっていた。

 

数時間前・・・

 

「せっっっっっま!」

 

「しょうがないですよ・・・こうやって詰め込むのが限界ですから」

 

「ちょっ!暴れないで!」

 

「こんな息苦しいのは久しぶりだ」

 

リュー、アーディ、輝夜、ライラは船に乗っていた。モウの潜入捜査するため乗り込んだのだがほとんどが太っているため狭いのである・・・

 

 

「頑張ってください・・・もうすぐ着くはずです」

 

そう言って全員耐える。そして・・・

 

「着いた・・・ッ!」

 

「ここが、モウ?」

 

ベル達が訪れた島、イヤ正確には島に似た船、モウに船は止まった。

 

「気を引き締めていくぞ」

 

「「「ええ!(はい)」」」

 

そして4人はモウに入っていった。

 




はい、ようやくアストレア・ファミリアの団員とアーディを出すことができました。どっちかというと今回はアーディ中心です。アストレア・ファミリアの絡みは少ししかありません。楽しみにしている方々、すいません。そしてあの少女も・・・それではまた次回お楽しみに!
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