白兎は正義に憎しみを抱く   作:暗闇水明

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こんにちは、今回リトルナイトメア編最終決戦の少し前です。リトルナイトメアに関しては僕のガバガバ考察要素もあるのでよろしくお願いします。それでは、どうぞ!


Chaptear8小さな悪夢 前編

ベル、アリーゼ、アーディは現在シックスが見つけた抜け道を通っている。ベルにとってはそこまでではないがアリーゼ達にとってはとても狭いのである。

 

「狭い~」

 

「しょうがないよ・・・そもそも人が通るように作られているわけではないし」

 

「だとしても狭いよ~」

 

「ストレッチしていて良かった~」

 

アーディは体が柔らかく余裕だったが・・・そうして暫くベル達が進むとやがて上にどこかつながる出口を見つけた。

 

「出口だ・・・」

 

そう言ってベルは出口の扉を開けようとする。

 

「待って・・・」

 

しかし、シックスが止めた。ベルは首をかしげるがシックスが震え出す。次の瞬間アリーゼ達は何かを感じた。

 

「誰か・・・いる・・・」

 

そう言ってアリーゼはベルを抱き寄せる。そしてアーディは、持ち前の武器を手に持ちゆっくりと扉から出る。

 

「あの人は・・・・・」

 

そうしている間に着物を着ており仮面を付けている女がエレベーターを待っている。さっき、出会ったゲスト達と双子のシェフより違う雰囲気が出ていた。

 

「もしかして・・・アレが」

 

アーディはオラリオから聞かされた情報からレディと断定した。レディはエレベーターを待っている間髪を整えている。アーディ自身レディが仮面を付けているのがとても不気味だった。どんな顔をしているのか・・・どんな表情をしているのか・・・それが不気味でしょうがなかった。

 

(何なの・・・あの女・・・震えが止まらない・・・ッ!)

 

謎のオーラと共に感じる不気味さ・・・その恐怖にアーディの腕が震える。

 

暫くしてエレベーターが着きレディはエレベーターに入って行った。正面を向きエレベーターの扉が閉まり上に上がっていった。

 

「・・・・・・・ッ!」

 

安心したのか腕を脱力させて座り込む・・・

 

「アーディ・・・大丈夫?」

 

そこにベル達も扉から出てきた。シックスが心配そうな表情でアーディを見つめる。

 

「大丈夫だよ・・・シックスちゃんは、どうしてここに来たの?」

 

そう聞いたシックスはボーッとしていたが次の瞬間頭を押さえる。同時に震えも出てきた。

 

「シックスちゃん、大丈夫?」

 

何か不味いこと聞いたかと思い気を扱う。しかしシックスは気にしていないようだった。

 

「大丈夫・・・ただ分からないだけ・・・」

 

「分からない・・・?」

 

ベル達も首をかしげる。シックスは自分のことについて話すことにした。

 

「私・・・ここに来るまでの記憶がないの・・・どうしてここにいるのか、何のために生きているのか・・・覚えているのは名前だけで・・・何か、大切なことを忘れている気がして・・・」

 

そう言って座り込む。シックスは更に続けた。

 

「時々、何かに縛られている気がするの・・・記憶がなくなってもどこに行っても縛られている気がして鎖のように、重いの・・・」

 

シックスは息を荒げ涙を流しながらうつむき話を続ける。

 

「私がここで目覚めて脱出しようとしたときも首つりの男がいたの・・・遺書のような物があったけど・・・その時、遺書には私の名前が書いてあったの・・・」

 

「シックスちゃん・・・」

 

「もし、それが大切な人だったら私、怖くて・・・ッ!」

 

その様子を見てベルはどうすれば良いか分からなかった。目の前の少女は記憶がない。記憶がないのはどんなことより辛いのだ。記憶がない、家族も、友達との思い出がなくなるのはベルにとって恐怖しかなかった。

 

「シックスちゃん!」

 

思わずベルは叫ぶ。シックスは驚き思わずベルを見る。

 

「あのさ・・・・記憶がないのは辛いのは分かるよ・・・でも、記憶があってもなくなっても何のために生きるかという理由は何処にもないと思う、だって自分の為に生きた方が人生を楽しめると思うしさ・・・もしかしたらその人もそう望んでいるはずだよ・・・」

 

「ベル・・・」

 

「シックスちゃん、ここから出たら何をしたい?」

 

「ここから出たら・・・?」

 

そう言ってベルはシックスに問いかける。それにシックスは目を輝かせたように声を上げる。

 

「私・・・美味しい物いっぱい食べたい!外の食べ物いっぱい食べたい」

 

そう言って飛び跳ねる。レインコートで顔は見えないが恐らく途轍もない可愛い笑顔なのだろうと3人はこの時思ったのである。

 

暫くしてアーディがレディのことについて話した。そのことを聞き二人は青ざめる。

 

「嘘・・・・じゃああの話は・・・」

 

「実話・・・」

 

二人は冷や汗をかく。そして何かをブツブツ言った。

 

「ローゼ?ベル?大丈夫?」

 

「「大丈夫じゃない・・・」」

 

そう言って二人は何やらひしひしと抱きついていた。聞いたところ二人はこの話を単なる噂話程度でフェレライに来ていたらしい。

 

「どうしよう私、もう一人でトイレ行けない・・・」

 

「いい年した女が、何言っているのよ!!」

 

アリーゼがあまりにも幼稚なことを言っていたので思わずアーディは突っ込む。そのせいか少し空気が和んだ。シックスもクスリと笑っている。暫くしてシックスは何かを決めたようだった。

 

「私・・・行く、あの女の元に」

 

「シックスちゃん?!危ないよ!!」

 

「でも、これは私が決着をつけなければいけないのだと思う・・・私が行かなっきゃ・・・」

 

それを聞いてシックスは一呼吸おく。そして彼女はあることを語り始めた。

 

「私・・・夢であの女、見たことある。多分何かしらの関係はあると思う。それに・・・」

 

「それに?」

 

そう言ってシックスは黙り込んだ。その途端また頭を抱え込んだ。何かをお思い出しそうな感じで必死に記憶を探しているようだった。あまりの苦しさにうめき声を上げる。それにベルは「大丈夫?」と声をかける。

 

「大丈夫・・・?」

 

「うん、大丈夫・・・行こう」

 

そう言ってシックスはエレベーターのスイッチを見つけ、落ちてあった缶詰みたいな物を投げボタンを押した。やがてエレベーターは降りてきた。

 

「シックスちゃん、私達も行くよ!」

 

アーディ達も覚悟が決まったようだった。ベル達もいる。

 

「アーディ、アリーゼ、ベル・・・大丈夫?」

 

「ここにいてもさっきのゲスト達が来たら危ないよ・・・そしたらあの女倒してここを出るわ」

 

「それにここの地形、ベルくらいの子どもがいれば結構良いかもしれない」

 

そう言ってベルも行くことになった。さっきいた場所も安全というわけでは無いため一緒に行くと良いと判断した。聞けばあの二人組もこの船にいる可能性もあるからだ。

 

「じゃあ・・・行くよ」

 

ベル達は息を潜めエレベーターのスイッチを押す。やがてエレベーターに乗り込んだ。そして扉は閉まる。エレベーターは上に上がるのだった。

 

 

 

やがてエレベーターはレディのいる部屋についた。

 

「行くよ・・・」

 

「「「うん(ええ)」」」

 

そう言ってベル達はエレベーターを降りる。

 

「これは・・・」

 

そこにはピンク色の壁に囲まれ高い階段と共に不気味な絵が大量に飾ってあった。どれも顔面がおかしい絵面だった。中には片目がおかしな形になっている部屋もあった。

 

「ここ鍵がかかっている」

 

扉を出てまっすぐに行った扉は鍵がかかっていた。しかし、どれも絵画に見られているようで幼いベルとシックスは恐怖を感じていた。

 

「怖い・・・」

 

ベルが震えるがアリーゼが何とかフォローする。色々絵画とかも眺めていたが上に上がると・・・

 

「「「・・・ッ!」」」

 

どこからか歌が聞こえた。上の階からだ。

 

「この歌・・・」

 

「レディの・・・」

 

「行こう・・・」

 

そう言ってベル達はレディの部屋を覗く。そこにはレディがいた。不気味な鼻歌を歌いながら割れた鏡に向かい髪を整えていた。周りには割れた鏡が大量にある。不気味さがレベルをまして、狂気にも見えた。これはアーディから聞いたがほとんどの人物が仮面を付けているらしい。さっきの双子のシェフも顔に見えていたのは仮面だったのだ。レディ自身も素顔が分からない状態だ。皆が皆、素顔を見られたくないようだった。

 

「私達が行っても気が付かれるだけね・・・どうしようかしら・・・」

 

そう言ってベル達は一旦部屋の外に出る。どうするかと考えたがシックスが立ち上がった。

 

「私が行く・・・」

 

「シックスちゃん・・・」

 

確かにシックスは体が小さい分気づかれにくい。アリーゼ達が行った途端破片で気づかれる可能性がある。ここはシックスが適任だろう。

 

「分かった・・・気をつけてね、シックスちゃん」

 

「うん!」

 

そう言ってシックスは扉を開ける。扉を開きレディの部屋に入る。ベル達は万が一のために隠れられる場所に隠れている。まあそれがレディの部屋にあるタンスなのだが・・・

 

「シックスちゃん、頑張れ!」

 

「大丈夫かな・・・」

 

「・・・・////」

 

まあ、どんな態勢になっているかに関してはご想像にお任せしよう。

 

シックスはレディの後ろをこっそりと奥の部屋に忍び込む。気が付かれてはいないのかレディの鼻歌はやまず髪を整えている。

 

シックスは何とか奥の部屋にたどり着いた。

 

「鍵は・・・」

 

シックスは鍵を探す。しかしレディの部屋には見当たらない。鍵というのは大体、大切な物なので自分の部屋に置いてあるはずだ。そう踏まえたのだが・・・

 

「見当たらない・・・」

 

机の中とか、ベッドの下にあると思い探したのだが、これも見当たらず緊張と恐怖がシックスの中を走った。なんせシックスが見た悪夢と同一人物が目の前にいるのだから、怖いのも当然なのである。

 

「とにかく、早く戻らないと」

 

そう言って机におりようとしたときだった。

 

(パリンッ)

 

(・・・・・・・ッ!しまった)

 

シックスが机においてあった壺を割ってしまったのだ。鼻歌が止まっており確実に気が付かれた。シックスはすぐにベッドの下に隠れた。アリーゼ達も息を潜める。

 

(怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い)

 

シックスはベッドの下で生まれたての子鹿のようにブルブル震えていた。

 

「・・・・・・?来ない?ア・・・」

 

しかし、いくら待ってもレディは来ない。そして壺のそばに鍵を見つけた。アリーゼ達も不思議に思ってみてみたらレディはその部屋にいなかった。すぐにシックスの元に向かう。

 

「シックスちゃん!大丈夫?!」

 

「ウ・・・うん」

 

そう言ってシックスは胸をなで下ろす。地面にへたり込んで安心したようだ。

 

「ウ・・・ウワアアアアアア!!」

 

「よしよし、怖かったね」

 

シックスは我慢できなかったのか泣き出してしまった。アーディの膝元で泣きじゃくりアーディはそっと指で撫でた。膝には小さな涙の後が出来た。暫くして泣き止んだ後とりあえずどうしようかと話しあっていた。

 

「どうしようか?気が付かれたのは、確かよね」

 

「それなのになぜ襲ってこないのかしら・・・」

 

そのことが謎だった。レディはシックスと何か因縁があるのか分からないがそれでも油断は出来なかった。

 

「とりあえず、あの鏡の場所に行ってみましょう」

 

「うん、とりあえず先に進まないといけないし」

 

「そうだね、行こう」

 

「うん」

 

そう言ってベル達は高い階段を降り鍵がかかっている扉の前に来た。そしてシックスが持ってきた鍵をはめる。

 

「開いた・・・」

 

扉を開け、中に入る。

 

「暗いね・・・」

 

部屋の中はどれも割れた鏡とマネキンでいっぱいだった。暫く進んだ。その時だった・・・

 

(バァン!)

 

「「「「・・・・・・・ッ!」」」」

 

突然扉が勝手に閉まったのだ。何かイヤな予感がしたのかアリーゼ達は走った。やがてそのイヤな予感が当たる。

 

「見つけたああああぁぁぁ!!」

 

「・・・・・・・ッ!走って!!」

 

レディが後ろに現れたのだ。ベル達は急いで逃げる。うめき声が後ろに聞こえた。

 

「・・・・・・・ッ!行き止まり」

 

ベル達が逃げた先の目の前に大きな棚があった。このままでは全員殺されて終わりだ。レディは着々と後ろに近づいてくる。

 

「ローゼ!ここの棚の物を押して!!」

 

突如、ベルは大声で言った。そしてアリーゼは棚の物を押した。すると人一人通れそうな穴が出来た。

 

「これは・・・ッ!」

 

「でかしたわよ!!」

 

「早く来て!!」

 

そう言ってシックスも入りベル達もその穴に入る。黒い煙と共にレディは消えた。

 

「ハァ・・・びっくりした」

 

「彼奴、光に弱いのね」

 

そう言って奥の部屋の方に進んだ・・・最終決戦がここで始まろうとしていた。

 

一方・・・

 

リュー達はあの二人組を撒いたところだった。怪我をしてとにかく高等回復薬をかけ傷を癒やしている。

 

「にしても何だよ、この船・・・ゲスト達、全員目が死んでいたぞ」

 

「ああ、アレは食事と言うより合体だ・・・あんなの正気の沙汰ではない」

 

「楽園と言うより地獄ですよね・・・ここは」

 

そう言ってとにかく指名手配のような紙を見る。

 

「この子は一体・・・」

 

「さあな・・・とりあえずアーディと合流しましょう・・・」

 

「ああ、とにかく行くz「させるか・・・」・・・・・・・ッ!」

 

休憩していた所、突然二人組が襲ってきた。

 

「また、この二人組・・・ッ!」

 

二人はリュー達に、向かい刃を向ける。それに対して3人も抵抗しとりあえず戦いを始めた。

 

「・・・・・・・ッ!何で突然・・・」

 

「貴様らに教えるつもりはない」

 

そう言って輝夜を切りつける。受け止めているが、それでも攻撃は重かった。そしてもう一つ疑問点があった。

 

(なぜ、あの時、追ってこなかった)

 

そう、実は輝夜達を逃したとき実は直線の廊下だったのだ。それなのに追ってこなかったのは何かおかしかった。その時何か引っかかった。この部屋の状態、そしてさっきの戦闘していた廊下の状態をよく見てみると

 

「・・・ッ!そういうことか」

 

「輝夜、どうした?!」

 

「あいつら、闇の中では活性化するが光は弱い!!光のあるところまで目指すぞ!!」

 

そう言った途端全員はその一言で動いた。現在、ここに光を使える人材はいないためとりあえずリューは光ある場所を探す。そこにとある部屋を見つけた。

 

「ここは・・・ッ!」

 

そこはアリーゼ達が訪れたあの階段の部屋だった。明かりもあり広い、戦闘には絶好の場所だった。

 

「・・・・・・・ッ!察しの良い奴め」

 

そう言って明かりがある場所を見てあの二人組は剣を構える。

 

「どうやら多少弱体化はするんだな」

 

「ええ、これで戦いやすい!」

 

そう言ってリュー達は斬りかかる。しかし、彼らも負けずに斬りかかる。

 

「それでも、貴様ら強いな・・・」

 

「当然だ、我々はレディ様の一部だからな!!」

 

そう言って攻撃する。さっきより軽かった。それに隙を突いたのか、輝夜は腹に拳を入れる。

 

「・・・カハァ!!」

 

それと同時に輝夜は男を蹴り飛ばす。

 

「・・・ッ!オラリオの冒険者と聞けば、やはり強いな」

 

「当然だ、私達は正義の眷属だ。お前達をここで倒すために来たんだよ!さっさとあんたの主、さっさと吐きな」

 

そう言って輝夜は男の首に刀を近づけさせる。そうした途端、男は鼻で笑った。

 

「はは、正義・・・か・・・」

 

「何がおかしい」

 

そう言って男は笑みを浮かべる。何かを知っているように・・・

 

「調べさせてもらったぞ、お前ら、数ヶ月前に無実の人間を殺したようだな」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

「それでいて正義か?笑わせるな」

 

「黙れ・・・・・・・ッ!」

 

 

「今オラリオにいられるのは、そのアリーゼという人間のお陰だろう?」

 

「黙れ・・・・・」

 

「しょせん貴様らは正義ではない、あそこにいる豚と変わらない、大罪であり傲慢な存在なのだ!!」

 

「黙れえええええええ!!」

輝夜は怒りのままに刀を振りかざす。それ一瞬の隙を生んだ。

 

「やはり人間は単純で傲慢だな・・・」

 

「ウグゥ・・・・・・・ッ!」

 

そう言って女の方が輝夜の背中を切る。それにより出血が出ていた。

 

「しまった!!」

 

「輝夜!」

 

ライラは二人組に攻撃しリューはその隙に輝夜を運ぶ。リューは高等回復薬で輝夜の体を直す。

 

「大丈夫ですか?!」

 

「ああ、すまない、取り乱した」

 

ライラも一旦退く。二人組は果敢に攻めてきた。光の弱体化に構わずとも大丈夫かと思ったのだろう。

 

「・・・・・・・ッ!輝夜、お前は休んでいろ!」

 

「ああ、すまん」

 

そう言って輝夜は壁に座り込む。そしてリューとライラは共に武器を構える。

 

「リオン、分かっているよなぁ!!」

 

「はい、ここであいつらを倒す!!」

 

「ふん、どっちにしろ変わらん」

 

「そろそろ終わらせましょう・・・」

 

そして部屋の中では金属のこすれる音と共に火花が散らしたのだった。

 




はい、今回はここまでです。そして次回、決着です!お楽しみに!
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