この素晴らしい世界にお兄ちゃんを! 作:愚かな一族
「イヤァァァァ!!こんな引きニートと一緒に異世界に行くなんて嫌だぁぁぁ!!せめてもっとマシな人を!この際誰でもいいから!!贅沢は言わないからもっとかっこよくて頼りがいがあって強くて賢くて優しい人も一緒に!」
「どこらへんが贅沢言わないだ!ていうか失礼すぎません!俺たち出会ってまだ10分も経ってないよね!まるで俺がそうじゃないみたいに言うなよ!てか引きニートいうな!」
「腹いせに女神である私を連れて行こうとしている奴のどこが優しいのよ!!」
そう言いつつ聖水のごとく済んだ水色の髪を持つマジもんの女神様は必死な形相で俺こと佐藤和真が気づいたら座っていた椅子に手を伸ばす。もう転移が始まっているからだろう、女神アクアと名乗る俺を馬鹿にしていたこいつはそれはもう恥も外聞もなくジタバタと藻掻くように抗っている。
するとどうだろうか、薄っすらとだが手を伸ばすそこにキラキラと光の粒子が集まっているのが分かった。
「ちょっ!?アクア様!その状態で次の候補者を無理やり引っ張り出さないでください!問答もせずに誰かを転生させるのもそうですが、特典も与えずになど御法度ですよ!アクア様!聞いてますかアクア様!!あぁ~困りますアクア様!困りますぅぅ!」
どうやらこの女神は俺と一緒なのが嫌で無理にでももう一人連れて行く気らしい。これで俺よりひどい奴が来たらどうするんだよ、いや俺が酷いとは思わないけども。一か八かに賭ける気らしい。
てか聞いてる限りヤバそうだ。特殊な力も説明もなしに死んでいきなり異世界とかその転生者が不幸すぎる。
(・・・・・・あれ?俺の
いや、実際には俺じゃなくてあの女神がルールに違反して無理やりなんだけども間接的というかそもそもの原因は俺になってしまうわけで____
「よっし!掴んだ!絶対に離さないわよ!」
「アクア様!よしではありません!何も良くありません!離してください!危険すぎます!」
すげぇな傍から見れば特大の美女二人に引っ張られてるとかいう羨ましいはずの状況のはずなのに微塵も嫉妬心がわかない。いや、まぁそれというのも絵面がヤバいせいでもあるんだけどな。
方や俺と同じように転移される途中だからか体が浮いたまま吸い込まれるようにしている奴がそれに抗うように今だ全体が構築されていない光の集合体を掴んで離さないのと先ほど現れた女神アクアの後釜らしき人(?)が反対側を引っ張ている図だ。
一般人の俺からしたら光の集合体でしかないのだが女神達はちゃんと干渉できるらしくまるで実態があるかのように掴んでいる。
なので一般ピープルの俺の目には光の粒子を掴んでいる美女二人にしか見えないので羨ましくもなんともない。というか意味が分からない状況でしかない。なんだよ光の粒子を引っ張り合う美女とかそんな状況に出くわすとか考えたこともなかったわ。
「じゃぁ無難に『身体強化』とか『健康な身体』とかでいいでしょ!もう時間がないから適当に付けときなさい!」
「転生者の意思はどこへ!というか離せばそんな事をする必要もありません!アクア様のいう通り時間がないので即刻離してください!」
「アァァァァァ!!もう転移しちゃう!もういいわ私が付けるから」
「ちょっまっ!!本当に『健康体』を付けてる!せめてもっと良いのを付けてあげて!いやというか離せ‼コラ!これ以上こっちにもあっちにも迷惑かけるな!誰が事後処理すると思ってるのよ!」
マジで時間がないのだろう、双方とも滅茶苦茶焦っているのが見える。あっちの名前も知らない女神の慌てようから察するにかなりマズイ状況らしい。いよいよ姿も見えないあの光の集合体の主の運命も決定する瀬戸際なのだろう。
(まだどっちに転ぶか分からないけどもしこっちに来るようだったらどうしよう。罪悪感が半端ない。・・・・・・・・離せ女神!俺の心理的負担がヤバくなりそうだ!頼むから離せ!もしくは何らかの要因で転移失敗してくれ!)
そう願ってはみたが結果を先にいうと俺の願い虚しく転移は成功してしまった。女神を巻き込んだのは腹いせだったとは言えこれから始まる異世界生活に多少なりともワクワクしていた俺ではあったが膨大に巻き込んでしまった不幸なもう一人によって俺のワクワクは消え失せ、どうか土下座の一つで許してくれるような優しい人であってくれと願うばかりであった。
しかしそんな都合の良い事はあるのだろうか?もしも俺がその立場なら怒り狂う自信があるし何としてでも原因の主(この場合俺)に色々要求すると思う。
あっヤバい、滅茶苦茶コワイ。不安で死にそう。
一回死んでるけど。
「エッグエッグ・・・ッグス_____ァァァアアアアア!!」
すすり泣いていたと思ったら絶望したかのように叫びだした。
いや、まぁちょっと前の嫌がりようを見たらこの反応もわかるけど此処までガチ泣きされてそんな表情されたらさすがに悪かったと謝りたくなってしまう。
まるで幼子のように泣き叫ぶこの女神はその見た目も相まってものすごい目立つ。
いや、見た目以前に道の真ん中でガチ泣きしている女の子がいればそりゃ目立つか。
どうやら俺たちは町か何かの道の真ん中に転移されたらしい。どっかの森の中とかではなく一先ず安心だ。
周りを軽く見まわしてみると並ぶ家や整地されている道を見るに文明レベルはよくある漫画やゲームのような中世ヨーロッパのようなものだ。
「俺、本当に異世界に来たんだな。」
イメージ通りの光景に段々と興奮してくるのが分かる。これから一体どんな冒険が待っているのかと未来に想像を膨らませていると視界にもう一度泣きわめく女神が目に入り、一瞬でその興奮は覚めてしまった。そうだ、まずはこの目立ちまくっている女神をなんとか落ち着かせなければいけない。普通に恥ずかしいし。
「えっと・・・どうしたんだ?なんか只事のように思えない様子だけどどこか痛むのか?」
今のは俺が言ったのではない、というか俺はこんなセリフを自然と吐けるような奴ではないし俺はこんな優しい声を出すような奴でもない。
あまり気にしないように、もしかしたら無関係を貫けるのではと淡い気持ちもあり、今まで無い者として視界に移さないようにしていたが実は女神の隣には美形な青年が一人いる。
男にこんな表現を使うのもどうかと思うが濡烏のような髪に落ち着いた雰囲気の兄ちゃんがそこにいた。
女神が若い日本人を導くとかなんとか言っていたし黒髪と顔立ちから俺と同じ日本人でほぼ確定だろう、そしてここに来る前からの一騒動を思えばこの人が誰なのかは一目瞭然。
あの場では姿もクソもなかったのでどんな見た目かは分からなかったがこの人、ムカつくくらい美形なのである。イケメンであるのは確かだがやろうと思えば美人にもなれるくらいには顔がいい。ケっ。
女神のセリフや状況と見た目で日本人で間違いないのだろうがこの人、一体何をしていた人なのだろう?
俺と同じなら死んですぐにここへ来たのだろう。(強制ではあったけど)
俺の服装は死んだときと同じでジャージのままだ。見た目も変わっているわけではない。
だとしたらこの人の服装も死んだときと同じものと思っていいだろう。
ただその服装に問題がある。
いや、問題というか疑問しかない。
動きやすさを重視したのだろう薄めのボディーアーマーに籠手。腰には祭りとか儀式で被るような狐のお面が引っかけてある。
足にも脛当など細かな装備がされている。なによりも目が行くのが腰の後ろに納刀されている短めの太刀だ。なんだっけか?忍刀というやつだ。
そう思うと確かにこの人の服装はまるで漫画とかにある忍者みたいだ。
コスプレの最中に亡くなったのかなと思ったけど俺と同じように周りをキョロキョロとしていた時に金属の擦れる音とかも聞こえたので正直分からない。それほどガチのコスプレだと言われたらそれまでだけど。
だってここにいるってことは死んだって事だろ?それで死んだときにこんな装備していたって聞いたら怖い方向にイメージが先走っちまう。
(いやいやいや、昔じゃないんだから。今の平和な日本でそんな物騒なことがあってたまるか。あれだ、めっちゃクオリティの高いコスプレ衣装だろ。つまり俺と同じオタクでオーケー)
装備に血とか汚れがあるわけじゃないしただの考えすぎだろう____
___そういや俺、失禁したんだよな。
意識を股間に集中する。
いや、ここだけを抜き取ると変態にしか聞こえないがそうじゃない。
(濡れてねぇ・・・)
だから違う、変態的な意味ではなく!そうとしか聞こえないけども!
女神と会話しているときもそうだったな。
気づいていなかったが俺は失禁していたはずなのに綺麗な状態でここにいる。下着がグショグショのままとかそんなことはなかった。
・・・・・・・・
途端に怖くなってきたのでこの事は置いておこう、そうしよう。
それにこんな優しそうな人がそんな事に関わってるわけないもんな。うん考えすぎだな。
「スン・・・あんた誰?」
(馬鹿なのかこいつ?お前が無理やり連れて来た可哀そうな人だよ!察しろ!)
「俺か?俺はうちはミカゲ。君は?」
雰囲気からかもしくは優しく語り掛ける彼のおかげか女神は鼻をすすりながらも落ち着きを取り戻した
「私は・・アクア。その名前の響き、あなた日本人ね。ということは私が連れて来たのはあなただったみたいね。」
そういって女神、アクアは失礼と言われても否定できないほどミカゲをジロジロと観察していた。それだけではなく更にはペタペタと顔や腕、果てには腹まで触りだした。そんな奇行に戸惑った様子を浮かべたミカゲであったが害はないからかされるがままであった。表情から訳が分からないという様子が伺える。俺も分からん。
一通りまさぐり終えると再びアクアはミカゲの顔をジーっと見る。
そんな訳の分からない行動ばかりするアクアに対してもミカゲは苦笑しつつも『どうかした?』というように首を傾げ返した。
すげぇなこの人。俺だったらなんだこの女と言わんばかりな表情をするしこんな事をしてくる、しかもさっきまで大声で泣いていた奴と関わろうとしない。
数秒見つめていたアクアはまた涙目になってミカゲに急に抱き着いた。抱き着いた!?
「ウワァぁ~ンよかったー!あんなのより何倍もカッコよくて頼りがいがありそうな人が来てくれてよかったぁぁぁ!!」
「あんなのってなんだ!おい!てかいい加減何か説明してやれよ!本人が一番混乱しているはずなのに泣きだしてるお前を気遣って今まで黙っててくれたんだぞ!てか何出会って1分も経ってない上に既に散々迷惑かけてる相手に宥められてんだよ!何普通に抱き着いて頭撫でてもらってんだ!あなたもこんな奴放っておいていいですから!てかいい加減怒っても許されますって!」
「いや、でも泣いてる子を放っておくわけには・・・」
「マジで人が良すぎる!いいですか!この際もう無関係とか言ってられませんし正直俺の良心がヤバい事になりそうなので説明しますのでとりあえずそいつの事は無視して俺の話を聞いてください。十中八九混乱していると思いますので俺も順をおって説明します。疑問が尽きないかもしれませんけどそこは一旦堪えてとりあえず最後まで聞いてください。」
「あぁ、分かった。」
「アァァァァァ」
「ちょっと静かにしててくれませんかね!」
てかいい加減離れろよこいつ鼻水とかつく勢いじゃねぇか。
「ですのであなたは巻き込まれてここにいるって事になります。本当にすいません!」
「わっ私もごめんなさい!」
一通り説明を終えた俺は少なくない恐怖を感じていた。
さっきまでの言動からこの人が優しいのは理解できる。だけど流石に此処まで強制的に色々巻き込まれて平気と言うことはないだろう。
俺も一応元凶の一人とも言えるので何を言われるか内心ビクビクである。アクアも説明している間に落ち着いたのか恐る恐るという様子で彼の服の一部摘まむようにして顔色を窺っている。てかはよ離せや。これ以上迷惑をかけないように俺はアクアを引っぺがす。
魔王を討伐と言うこともあり文明も低いここでは当然力が必要だ。数多くの現地人が転生を拒むほど危険な場所で特典も選択の余地もなく決められたのだからどうしようもない。自分で決めたのならともかくこっちの都合で全て決められたのだから怒ってもしょうがない。
「そうか・・・」
今まで静かに聞いていてくれた彼がようやく口を開く。それと同時に俺たちもビクッと反応する。
「やはり・・・俺は死んだのか。」
そうだった。俺の場合はとんでもなく恥ずかしい死因だったので即刻記憶から消すように努めていたので気にしてはいなかったがこの人も死んだのだった。俺はともかく普通は思うことは色々とあるだろう。そんな事も考えられないほど俺は自分の事しか考えていなかった。そんな自分がかなり恥ずかしいと共に更に罪悪感がのしかかる。
「おいアクア、俺の死因を知っていたようにこの人の死因も知らないのか?」
「しっ知らないわよ。そんな余裕もなかったし・・・」
「状況は把握した。未だに少し現実味が薄いがそれは後々自覚するだろうからとりあえずいいだろう。この世界の事も君たちの事も、まぁ理解はした。っとなればだ__」
再度俺とアクアはビクッと背筋を伸ばす。
「これからどうするかって事になるな、お互いこの世界の知識も余りないことだし同じ日ノ本出身のよしみだ。ここは協力して行くことにしよう。改めてよろしく頼む、佐藤和真君とアクア様」
そういって彼は笑みを浮かべながらこちらに手を伸ばした。
そんな彼の行動に、俺とアクアは唖然とする。
「えっぇっ??おっ怒らないんですか?正直ぶん殴られても文句言えないくらいの事をしでかした自覚はあるんですが」
「なに、元々死んだ身でなんの因果かこうして第二の生を手にしたんだ。死んだほうがマシだという輩は例外として俺はむしろありがたいくらいさ。」
「いや、でもそう言われるとそう解釈できるかもしれませんけど少なくとも相談もなにもなく勝手に事を決めたことに対しては怒ってもいいとおもんですが・・・」
「まぁ、それもそうだね。そこは確かに文句を言っても許される所ではあるが俺があまり気にしていないからな。怒りはしないさ。でもまぁ、そこはちゃんとしておかないとな。女神様も、俺は気にしていないのでいいですけど次からは気を付けるようにしてくださいね。」
「聖人かこの人。女神より女神じゃねぇか。男だけど。」
「うううう!!あなた!いい人だわ!最後の最後で大当たりを引けたんだわ!来てくれてありがとう!!そしてごめんなさい!」
大当たり言うな。
いや、光の粒子とかあの部屋とかちょっと召喚陣ぽかったけども。どっかのソシャゲみたいな雰囲気あったけどもさ。
アクアは泣きながらミカゲさんの手を掴んでブンブンと勢いよく握手をする。
俺も最後にもう一度お礼と謝罪をして握手をした。
一通り肩の荷も降ろせたので俺たち一同はお互いの事を教えあいつつ、俺の提案でギルドに行くことにした。
折角なので俺とアクアが気になっていることを色々質問させてもらった。
「ミカゲさんって年上ですよね。何歳ですか?」
「和真君は16だからそうなるね。俺は二つ上の18だよ」
「へぇ~大人っぽいからもうちょっと上だと思ったわ。」
アクアの気持ちも分かる、俺ももうちょっと上だと思っていた。
出会ってそこそこ経つし今は質問タイムみたいなものだから聞いていいものかと思って聞いていなかったけど思い切って聞いてみるか?
「えっと、ずっと気になっていたんですけどその装備・・・っというか刀って本物ですか?」
「あぁ、これね。そうだな、君のような一般人は気になって当然か。うん、本物だよ」
「マジで?」
「それってあなたの死因と何か関係があるのかしら?」
「ちょっおまっ!」
何デリケートな話題引っ張て来てんだ!確かに俺もそう思ったけども明らかになにか普通じゃない事だろ。しかもさっきこの人俺のこと一般人って言ったぞ。
えっ?なにこんな聖人なのにもしかしてヤのつくヤバい人なの?
「・・・・まぁここは異世界だし、一度死んだ身だからね。言ってもいいかな。和真君、君も日本人だし忍びと言うものを知っているだろう?」
「えっはい・・・・えっ?って事はやっぱり」
「君の想像通り、俺は忍者の末裔で忍びだよ」
マジかよ!
「えっでもそれって本当に__」
「ごく少数ではあるけど忍びは現代にもいる、俺もその一人だ。俺たちは遥か昔から存在していてその数は時間とともに減っていった。需要が減ったのもそうだが俺たちの存在を許さない者と狙う者たちが増えて来たんだ。」
信じられない、だけどこの人が嘘をつくような人には見えないし装備からして本当なのだろう。
まさか現代にも忍者が生き残っていたとは思わなかった。いや、ある意味忍びとして正しいのか?その存在が気づかれてない的な意味で。
いや、そういえば存在を許さないってそれって・・・・
「忍びの他にも現代には魔術師というものがいてね。彼らにとって俺たちの存在は恐怖の対象であり邪魔であったと同時に興味深い研究材料だったのさ。」
「えっ魔術師なんてのもいたの!?それって本当かアクア!」
「えぇまぁ隠してはいるけどいるわよ。」
死んで明かされる衝撃の事実。
どうやら地球にもそんなファンタジーみたいな存在が一定数いたらしい。普通は秘匿されるものであり一般人は死ぬまで知る機会なんて訪れない者らしいので俺が知らないのは無理もないか。アクアとか言うファンタジーそのものみたいな奴がここにいるわけだし俺も転生しているからいてもおかしくはないのか。
いやでも、もしも現代でそんな力があったらなぁと妄想していたものが本当にあったとは驚きである。もしも俺に魔術が使えたら俺の人生も輝かしいものになっていたかもしれない。
いや待てよ?聞き逃しそうになってけど研究材料?
「魔術師って言うのはね、基本的には己の探求心と目的に一直線な人種でね。目的のためなら倫理など捨ててどんな事でもするのさ、それこそ外道と言われることなんかも平気でね。」
「魔術師の目的はただ一つ、根源という文字通り全てを手に入れる事ができるほどの領域へ到達すること。オタクのあんたにはアカシックレコードって言ったほうが分かりやすいかしら?」
「なっなるほど、なんとなくだが分かった。でも外道や研究材料って__」
嫌な予感しかしないしもしかしたら俺の思う魔術師より何倍もダークなものなのかもしれない。
魔法少女とかキラキラしたものではないっぽい。
「魔術というのは文字通り術でね。魔術師なら才能も必要だが技術だから理論上は学べば習得できるんだ。それでいて研究者だから根源にたどり着くためにあらゆる方法でそこを目指すんだ。それこそ天然な特殊な力を持った人や珍しい素質を持った人は絶対に確保したい素材なんだ」
「素材って・・・人材じゃなくて?」
「ようするに人でなしなのよ、新たな知識と術の開発のために人だって簡単に研究の材料として使うわ。そこに人権や感情なんてなく、ただただ素材としてバラバラにしたり実験したりと人が考えられる限りの事をするわ。それも全て根源に到達するその目標ただ一つのためにね。寿命が足りなくて死徒、ようするに吸血鬼とかみたいな人外にまで堕ちるやつらだって珍しくないわ。中には他人の寿命を吸い上げて延命するなんて外法を使うやつもいるわ。私たち女神達からすれば悪魔と同じくらいに嫌悪する相手ね。」
出会ってまだ一日も経ってないがアクアがこのような表情をするとは思わなかった。もっと馬鹿で能天気かと思ったが腐っても女神、聞いてる限りでもひどいとしか思えない魔術師は彼女たち女神にとってはそれほどに許されない存在らしい。てか吸血鬼とかもいるのか、これじゃぁ妖精とか精霊とかもいてもおかしくないかもしれない。地球も結構やべぇな。
「俺たち忍びは身体能力も高く、神話の時代から存在したとされているからね。彼らにとってはこの上ない研究材料なのさ。特に俺の一族は忍びの中でも特殊だったから日々狙われていたんだ。そういうわけで俺の死因は魔術師との戦闘が原因かな。」
まじで軽々しく聞いていいような内容じゃなかった。
色々と気になることはあるが俺達はまだそこまで親しくないしこれ以上聞くのは流石にダメだろう。ここは変に思われないような話題に少しずつ誘導するか。さもないと俺の胃がヤバいことになりそうだ。
「そっそのミカゲさんの言う特殊な一族ってどういうのですか!やっぱ俺も男の子なんで忍者とか一族とか興味あります!良ければ教えてください!」
これなら魔術師から話題をそらすことができるだろう。実際、興味があるのは本当なので悪い質問ではないと思った。
忍者とか日本人なら憧れるじゃん?本物が目の前にいるんだし聞くっきゃないだろ。
「そうだな、猿飛とか風魔とか有名なのと同じで忍びにもいくつか一族があったんだ。その中で俺はうちは一族という数多くいる一族の中でも特殊な一族でね。その特徴は何と言っても眼にあったんだ。」
おぉぉ、俺でも知っている有名な名前だ!うちはは初めて聞く名だけど流石に秘匿されているから知らないだけかもしれない。俺みたいな一般人が知っている名前ももしかしたら本当に数多くいる中の一握りしか広まってないだけかもしれないし。
「私も詳しくないから知らないけど眼ってどういうこと?」
あれかな?邪眼とかそういう特殊な眼か?なにそれめっちゃそそられる!いや、流石に違うか。くっ卒業したはずの病気が再発しそうだ。いや、でも待ってくれ。まじもんの忍者や女神が目の前にいるんだ。ちょっと再発してもおかしくないと思うんだがどうだろう?
「瞳術と言ってね、詳細は長くなるからまたいつか機会があるときに話すけど。魔眼って知ってるかい?簡単に言うと魔術師の魔眼みたいに特殊な力を使えるんだ。まぁ、見せたほうが早いかな。」
そういってミカゲさんは立ち止まり、俺たちに見せるように瞳を閉じた。
そして、ゆっくりと開かれた瞳に浮かんでいたのは淡く発行する赤と瞳孔を囲むように浮かぶ三つの巴模様だった。
あとがきって何書けばいいか分からないので思いついたこと書きなぐります。
型月にも忍者がいるしええやろと思い。ちょっと(?)混ぜました。
和真のクズっぽさがうまく描写できてればなぁ~と思うところ。最初は無関係でいようと思うところとか。
ミカゲの詳しい死因とかはいづれ幕間とか何かでやるかと。
あとはそうですね。早くめぐみんと絡ませたいものですね。
このすばってめっちゃ叫ぶから特殊効果の良い練習になりますね。
アクアを甘やかしつつ可愛がって、でも叱るときはちゃんと叱りたい。そんな話を書きたいですね。
てかアクアを養って滅茶苦茶可愛がりたいと思うのは自分だけでしょうか?めっちゃお世話したくなります。