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シルフィが生徒会室に向かう所から始まります。(本文約4,700字)
ボクはナナホシの研究室から出た後、生徒会室に向かった。
アリエル様やルークに、お誕生日会を開く事を話したかったし、
ルディに贈るプレゼントに何かアドバイスをくれるかもと思ったのだ。
あと、惚気たかった。
「あら、シルフィ」
「お、シルフィか」
「こんにちは、アリエル様。ルークも」
アリエル様は怪訝そうな顔をしていた。
「今日はお休みのはずですが…、どうしましたか?」
「アリエル様、あのね、今度ルディとお誕生日会を開くことになったんだー」
「お誕生日会…?シルフィは今いくつでしたか?」
「あ、16歳だよ。えっとね……」
ボクはルディとお誕生日を開く事になった経緯を話した。
「失念していました……。思えば、シルフィの15歳の誕生日をお祝いしていませんでしたね…」
「そうですね…。自分も忘れていました…」
「シルフィ、申し訳ありませんでした」
「俺からも、すまなかった」
アリエル様とルークが頭を下げた。
「あ、いいんです。その…、お仕事のほうも忙しかったですし、気にしないでください。あと、頭を上げてください!」
「ですが…」
「えっと、ボクが話したかったのは、その……」
「…まさか、惚気に来たのか?」
「あ、うん」
「お前な…」
「だって、ルディとお誕生日を祝い合えるのすごい嬉しかったんだもん」
「フフフ、よく考えたらシルフィがプレゼントを強請りに来るはずありませんしね」
ルークは呆れた顔をしてるけど、アリエル様は笑っていた。
けど、アリエル様はすぐに真面目な顔になった。
「ですが、私たちが何もしてあげられないのはちょっと…」
「いえ、そんな…、ほんとに大丈夫ですから」
「でしたら、アリエル様、今ここでちょっとしたお誕生日会を開くというのはいかがですか?」
「ほう、飲み物や食べ物はどうしますか?」
「常備してあるお茶と菓子でいいでしょう。こういうのは気持ちが大事ですから」
「なるほど、本当にちょっとしたお誕生日会ですね。良い案です」
「ありがとうございます」
アリエル様は意を決したような顔をして、イスから立ち上がった。
「あ、あのー」
「シルフィ、時間は問題ありませんね?」
「は、はい! あ、ボクの話を…」
「それでは、ルーク、準備をお願いします。私も手伝いましょう」
「はっ!」
「シルフィはそこで待っていてください」
アリエル様はそう言うと、ルークと一緒に準備を始めた。
ボクも手伝おうとすると、アリエル様とルークに怒られた。
ボクは惚気に来ただけなのに、なんか申し訳ない気持ちになる。
そして、あれよあれよという間に準備は終わり、
ボクらの目の前には、3人分のお茶とお菓子が置かれていた。
「それでは、シルフィ」
「「お誕生日、おめでとう!」」
「あ、ありがとうございます!」
そこからは思い出話に花を咲かせた。
なんだか、この時だけは王女とその護衛という関係じゃなく、
ただの友達という関係で居られた気がした。
ボクはそれが嬉しかった。
初めてのルディ以外の友達。
これからもこの人達を友達として大事にしよう。
改めて、そう思った。
そして、話題は自然とルディとのお誕生日会に移った。
そこからボクの口は、閉じる気配がなかった。
ボクもこんなに喋ったのは初めてな気がする。
例えば、
「ルディってば、ボクが「ありがとうって言って抱きしめてくれればいいんだよ」って言ったら、本当に抱きしめてくれてねー。そのときのルディの体が逞して、ボク、ポーッてなっちゃったよ」
とか、
「ボクを抱きしめてる時のルディは、よくボクの髪に顔を埋めて匂いを嗅いでくるんだ。
それで、ルディは必ず幸せそうな顔をするんだけど、ボクってそんなに良い匂いするのかな?」
とか、
「それで、そのときのルディは、ボクの体に興奮したのか、
そ…その、アレが大きくなって、そ、それがボクの体に当たって……」
とか、
「ボクが「我慢できないなら、いいよ?」って言ったら、
すごい辛そうな顔で我慢してて、そんなルディがなんだか可愛くて可愛くて」
とか、
「ルディはボクの体に興奮してくれるけど、ボクの体ってそんなに抱き心地がいいのかな?」
とかである。
それからもボクの口が閉じることはない。
「それでねー、あのときのルディとボクは同じことを考えてたみたいで、
ボクが「夫婦って感じがしていいね」って言ったら、
ルディも笑って「そうだな」って言ってくれてー」
「…」
「そのときのルディの顔がまたカッコよくてねー、ボク惚れ直しちゃったよ。えへへ」
「…」
「シルフィは本当にルーデウス様の事が好きなんですね」
「えへへ、もちろんだよ」
ボクはそこでやっと、自分ばかり話していることに気付いた。
「あ、ごめんなさい。ボクばっか喋って…」
「いえ、気にすることはありません。私はシルフィが幸せそうで嬉しいですよ。ね、ルーク?」
「はい、俺もそう思っています。ですが……」
「ですが?」
ルークの口から出たのは衝撃の言葉だった。
「俺も少し恋愛というものをしたくなりましたね」
「えー、ルークが恋愛?」
ルークの言葉に、ボクは反射的に口から出てしまった。
「な、おい。なんだそのカオは」
「まあ、シルフィの気持ちも分かりますよ。
女なら犯して捨てても良いと思ってるルークが恋愛とは、意外ですね……フフ」
「なっ、アリエル様まで……」
「ルークは恋愛出来なそう…」
「お前な…」
「あ、私は冗談ですよ。シルフィは分かりませんが…フフフ」
「アリエル様、冗談と言うなら一度笑うのをやめてください」
「あ、失礼……フフ」
「アリエル様…」
ボクはそのやり取りを見て笑った。
ルークは不満げな顔をしていて、それを見てボクもアリエル様もまた笑った。
そして、話題はプレゼントに移った。
「シルフィはルーデウス様に何を贈るのですか?」
「えっとねー、白のセーターと黒のパンツだよ!どうかな?」
「いいと思いますよ。セーターであれば寒いシャリーアでも温かく過ごせますし」
「だよね! あ、あとね、ボクも同じような服を買うんだ」
「なんでだ?」
「ルディとお揃いの服を着るためだよ。ペアルックって言うんだって」
「フフ、そうですか。ルーデウス様もきっと喜びますよ」
「アリエル様もそう思う?」
「ええ、思いますよ。ルークはどうでしょう?」
「俺もいいと思いますよ。シャリーアなら実用性もありますし」
「だ、だよね! よし……ルディの喜ぶ顔が楽しみだ…」
−−−
そんな感じでたくさん雑談をしていると、外はもう真っ暗になっていた。
あっという間だった。
楽しい時間はすぐ終わってしまうって本当なんだね。
「さあ、もう暗いですし、この辺でお開きにしましょうか」
「そうですね」
「はい」
そこから片付けが始まった。
ボクも手伝おうとしたけど、また2人に怒られた。
「今日の主役はお前だから、そこで待ってろ」なんて言われて、ボクは申し訳なく思いつつも2人を待つことにした。
片付けが終わると2人共、寮に帰る準備をしていた。
しばらくすると、アリエル様が口を開いた。
「シルフィ」
「はい、なんですか?」
「私達もあなたに何か贈ろうと話していまして、急でしたのでこちらを用意しました」
アリエル様は小さい箱を手に持っていた。
「いえ、そんな、大丈夫ですから」
「私達が贈りたいんです。受け取ってください」
「…分りました」
アリエル様の顔は笑顔だった。
ルークも右手を腰に当てて少し笑顔になっていた。
「ありがとう、アリエル様、ルーク!」
「はい、どういたしまして」
アリエル様はそう言うと、ボクに小さな箱を渡してきた。
「えっと、中を見ていいかな?」
「はい、構いませんよ」
そう言われて、箱を開けると、そこには変な色の液体が入った瓶があった。
あれ?
これってどこかで見たことが…。
「アリエル様、これって…?」
「媚薬ですよ」
「媚薬!?」
そうだ、思い出した。
媚薬だ。
ルディのアレを治すために使ったやつだ。
「そ、そんな、…いいんですか?」
「ええ、貴女の初夜の時にルークが渡した物と同じ媚薬ですから、問題なく使えるはずですよ」
「いや、媚薬って高いんじゃ……」
「いいんですよ。値段のことなんて、気にしないで。
それに、それを使ってお誕生日会の夜を忘れられないモノにしたいでしょう?」
そう言ったアリエル様は、なんだかニチャと笑った顔をしている。
うぅ、これじゃあ、ボクがお誕生日会の夜にルディとスるって言われてるみたいだ。
いや、ルディなら絶対スるだろうけど。
「そうですけど…、まだスるってきまったわけじゃ……」
「あら、ルーデウス様なら絶対にスると私は思いますよ」
「うぅ…」
なんか色々バレているみたいで恥ずかしいよ…。
だけど、誕生日プレゼントだしありがたく頂くことにしよう。
「ありがたくいただきます…」
「はい、そうしてください」
でも、これどう使おうか。
ルディ、飲んでくれるかな?
初めての時みたいに、ボク、めちゃくちゃにされちゃうのかな。
うぅ、アレを思い出しただけで顔が熱くなるよぉ。
思えば、初めての時もこれを飲んだルディは、なんか申し訳なさそうにしてたんだよなぁ。
もしかしたら、飲んでくれないんじゃないかな。
ボクはどんなルディでも、求められればちゃんと応えるのに。
どうしよう。
そうだ。目を瞑って飲んでもらおう。
ルディには媚薬を飲んだ事を秘密にすればいいんだ。
あとボクも飲まなきゃいけない。
媚薬を飲んだルディはすごいから、ボクも飲まなきゃルディに付いていけない。
ルディに、はしたない女って思われないかな。
嫌われたりしないかな。
大丈夫だよね?
いや、ルディならきっと大丈夫だ。
「シルフィ、ルーデウス様に媚薬を飲ませる算段はつきましたか?」
「えっ!?」
「小さな声で口に出ていましたよ。それに顔まで赤くなっちゃって」
「え、ほんとですか!?」
「ええ、「ボク、めちゃくちゃにされちゃうのかな」とはっきりと聞こえていましたよ」
「うぅ…」
すごい恥ずかしい。
「そんなに不安なら、私からもう一つプレゼントをさしあげましょう」
そう言って、出してきたのは何か変な形をしていた。
アリエル様はボクにそれを渡してきた。
よく見ると、ルディのアレの形にそっくりだった。
「これって…?」
「張形ですよ」
「それって確か………あっ」
思い出した。
だから、ルディのアレにそっくりなんだ。
なんて思っていると、アリエル様が近くに寄ってきた。
そして、ボクの耳元で。
「これでいっぱい気持ちよくしてもらいなさい」
それを聞いたボクは、昨晩の事を思い出した。
あのときのルディはボクが息できないくらい攻めてきた。
あの夜にこれが加わって、ボクの中にこれが入ったら……。
キャー…こんなのが中に入ったらボク、どうなっちゃうんだろう。
想像するだけで、体中が熱くなるよぉ。
「シルフィ?」
自分の世界に入っていると、アリエル様に声を掛けられた。
思えば、ここにはアリエル様とルークがいる。
そんな中、ボクは自分の世界に入って色々妄想してしまっていたのだ。
恥ずかしい。すごい恥ずかしい。
「キャー!」
ボクは恥ずかしくて悲鳴を上げながら、ソレを投げた。
投げた先は、偶然にもルークの顔だった。
「ぐはっ!」
ルークはそれを避けれず、バタッと倒れてしまった。
「あらあら…フフフ」
アリエル様はそれを見て笑っている。
「あっ、ごめんルーク!」
「少しからかいすぎでしたね……フフフ」
「あ、えっと、こっこれはお返しします!」
「あら、いいんですか?」
「こんなのが無くても、ルディは、その…大丈夫ですから!」
「そうですか……フフフ」
アリエル様がこんなに笑っているのは初めてかもしれない。
今日はすごい恥ずかしい思いをしちゃったし、ルークはまだ動かないけど、
アリエル様が笑ってくれてるならいいか。
ルークにはもう一度謝りつつ、一応、治癒魔術を使っておいた。
ボクは御礼を言って媚薬を握りしめつつ生徒会室を後にした。
・後書き
生徒会メンバーの仲の良い所を書きたくなったので書きました。
また良いネタが思い浮かんだら、このメンバーで何か書きたいですね。
それでは、後編で。