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(本編約10,000字)
−−− ルーデウス視点 −−−
誕生日会の当日がやってきた。
会場の内装はとりあえず完璧だ。
だが、普段とそんなに変わらない。
テーブルの真ん中に一輪の花があるのと、部屋がいつもより少し明るいだけだ。
あの後、部屋の装飾をどうするか考えたが、良い案が思い付かず当日になってしまった。
シルフィに申し訳なくなって、
謝ると「いいんだよ」と言いながらキスをしてくれた。
そんなシルフィは今、台所で夕食の準備をしてくれている。
「ふふ〜ん、ふ〜ふ〜ん♪」
シルフィからちょっとだけ鼻歌が聞こえる。
それに動作の1つ1つがリズミカルだ。
さっきも鍋に食材を入れる時に「えいっ」とか「それっ」なんて言いながら入れてたしな。
俺もそうだが、シルフィも今日を楽しみにしていたらしい。
「ルディ! ご飯できたよ!」
お、どうやら夕食が完成したみたいだ。
誕生日会開催が近いな。
テーブルを見ると、そこには普段よりも豪華な夕食が広がっていた。
今日は祝い事なのでお酒もある。
「ごめん、ちょっと気合いれすぎちゃった」
「いや、誕生日会だし、こんな感じだろう。ありがとう、シルフィ」
「う、うん!」
シルフィは、はにかんで笑った。
さて、俺もシルフィも席についた。
俺とシルフィはお酒の入ったグラスを片手に持って、乾杯の準備をした。
「じゃあ、ルディ!」
「シルフィ!」
「「 15歳のお誕生日、おめでとう!! 」」
俺とシルフィは声を合わせて、お互いの誕生日を祝福した。
「「 乾杯!! 」」
同時に部屋にはコツンという音が響いた。
それが15歳の誕生日会、開会の合図だった。
俺らは夕食を食べつつも、たくさん雑談をした。
話題は主にお互いのプレゼントのことだった。
だが、具体的に何、というのは隠している。
食べ終わって、俺が「ごちそうさまでした」というと、
シルフィは「お粗末さまでした」と返した。
そして、ちょっと休憩して皿洗いに入る。
シルフィが洗う係で俺が拭く係だ。
ここまではいつも通りだ。
次はプレゼントを贈り合う。
ここからはいつもの日常にはない。
プレゼントを贈る準備が整うと、お互いソワソワしてしまった。
シルフィも俺も緊張しているようだ。
シルフィが最初に口を開いた。
「じゃ、じゃあ、ボクから贈るね」
「お、おう」
「ルディ、改めてお誕生日おめでとう! ボクからのプレゼントはこれだよ!」
そう言って袋から出てきたのは、
白のタートルネックセーターと黒のパンツだった。
「おお」
俺は思わず声が出た。
「あ、実はね、ボクも同じの買ってきたんだ」
そう言って袋から出てきたのは、
白のタートルネックセーターと黒のショートパンツだった。
というかこれって、アレじゃないのか?
名前が思い出せない。
「ナナホシが言ってたんだけど、ナナホシがいた世界ではペアルックっていうのがあるらしくて、恋人同士で同じような服装を着ることがあるんだって」
そうだ、ペアルックだ。
思い出した。
「それで、ボクもルディも恋人同士だしやってみたいなって思ったんだけど、どうかな?」
シルフィが恋人同士って言って赤くなっている。
そうか、シルフィはペアルックをやりたいのか。
俺も前世でこういう経験がなかったからな。
やってみたい気持ちがある。
「ああ、今すぐ着替えてくるけどいい?」
「あ、うん。じゃあ、ボクも着替えてくるよ」
そう言って、俺らは着替えに行った。
着替えが終わって、鏡を見ると別人のようだった。
なるほど、これは良いな。
前世のファッションだし、この世界では流行らないだろうけど。
着替えが終わって部屋に戻ると、シルフィはまだ居なかった。
しばらく待っていると、横から声がした。
「ルディ、お待たせ」
俺の視界に入ったシルフィは可愛かった。
シルフィのセーターは萌え袖で、ちょっとサイズが大きいように見える。
それに、黒のショートパンツから露出している太ももが新鮮味を出している。
シルフィはいつもベージュのショートパンツを履いている。
靴下も膝上まであって太ももだけが露出している。
それが家にいるときの普段着だ。
だが今回、一見無防備にも見えるシルフィのショートパンツが、ベージュから黒色に変わった。
それに、黒色のショートパンツに合わせて靴下も黒色に変わっている。
それが新鮮さを出している。
多分、ナナホシのアドバイスだろうがこれは最高だ。
「えっと、ルディ。どうかな? 似合う?」
「…」
「ルディってば」
「あ、ごめん。ちょっと見惚れてた。可愛いよ」
「あぅ…」
シルフィは口や耳、鼻から煙が出るんじゃないかってくらい赤くなっていた。
「その、ルディも、かっこいいよ? ルディはタートルネックのセーターが似合うんだね」
「あ、ありがとう」
俺も赤くなっているのが分かる。
自分で言うのもおかしな話だが、俺はこれが似合っていると思っている。
俺は今も筋トレを続けているおかげかガタイがいい。
そのガタイのよさもあって、白のタートルネックセーターが合っている気がするのだ。
やっぱり、筋肉は俺を裏切らないな。
ありがとう、俺の筋肉。
これからもよろしくな。
そう思っていると、シルフィが全身鏡を持ってきた。
「じゃあ、ルディ。こっち来て」
「お、おう。何をするんだ?」
「何って、2人並んでいるところを鏡で見るんだよ。
せっかく同じ服装してるのに、見なきゃ勿体ないよ」
「そっか、そうだな」
俺とシルフィは、横に並んで鏡に映るように身を寄せ合った。
「えへへ」
シルフィが俺の腕に抱きついてきた。
シルフィエットさん、当たってます。
「ルディ、ボクとペアルック出来て嬉しい?」
「嬉しいよ。ずっとこのままでいたいくらいだ」
「そっかぁ、えへへ。ナナホシがルディもきっと喜ぶって言ってたけど間違いなかったね」
今ペアルックを出来ているのはナナホシのおかげか。
この世界ではこんなのやらなそうだし。
「ボクも最初は疑ったけど、実際にやってみると嬉しいね」
俺も前世ではこれの良さが分からなかったが、
実際にやってみると、なんか安心するし嬉しいな。
シルフィは俺のもので俺はシルフィのものという感じがする。
この世界でやらないのが不思議なくらいだ。
今度、ナナホシに御礼としてポテチを持っていこう。
「あー、ボク、今とても幸せかも」
「俺もだよ。シルフィ」
「えへへ、じゃあボクとルディ一緒だね」
シルフィが幸せそうに笑っている。
俺もそれを鏡越しに見て、嬉しくなる。
「ありがとう、シルフィ。俺は服装に疎いからこういうの貰えて嬉しいよ」
「うん。またペアルックしようね、ルディ」
「そうだ。今度これで出掛けようか?」
「あ、それいいね!」
「だろ?」
俺らは自分が映っている鏡をしばらく見ていた。
ずっと。
「そ、そうだ。ルディのプレゼントは何?」
「あっと、そうだった」
やばい。今が幸せすぎて、すっかり忘れていた。
「実はプレゼント2つあるんだ」
「あれ、ルディも?」
「も?」
「うん、ボクも2つあるんだけど。
えっと、2つ目は最後でお願いします…」
「お、おう」
シルフィが珍しく敬語になったな。
2つ目のプレゼントってなんだろう。
俺は気になりつつも袋の封を開けて、
1つ目のプレゼントをシルフィに渡そうとした。
「じゃあ、シルフィ。15歳の誕生日おめでとう! これが俺のプレゼントだ」
まず、最初にネックレスを出すことにした。
「すごい、きれい……」
シルフィはネックレスをジッと見ていた。
「これって、ボクが持ってる初心者用の杖?」
「そうだよ。杖の先端には魔石を模した宝石が入ってる」
「へぇー、きれい…」
「実は俺もナナホシに聞いてたんだけど、これがシルフィにピッタリで良いだろうって思ったんだ」
「…」
「ええと、どうかな?」
「あ、ごめん。嬉しくて固まっちゃった」
「着けてあげるから、じっとしてて」
「うん」
俺はシルフィにネックレスを着けてあげた。
「どう? ルディ、似合う?」
「ああ、凄く似合ってるよ」
「そっかぁ。ありがとう、ルディ!大切にするね!」
「そうしてもらえると嬉しいよ」
「えへへ」
シルフィはネックレスを嬉しそうに見ていた。
ーーー
さて、俺はもう1個プレゼントがある。
どちらかというと、こっちのほうが本命だ。
実は、これを贈ったとして、
シルフィがどんな反応をするか予想出来なかった。
シルフィは昔を思い出して拒絶するかもしれない。
だが、俺は最初からこれをプレゼントすると決めていた。
なら、自信を持って彼女にこのプレゼントを贈ろう。
「じゃあ、2個目も出すよ」
「う、うん」
俺は「じゃーん」と言いながら、
2個目のプレゼントを袋から出した。
シルフィはそれを見て驚いた顔をしていた。
雰囲気もちょっと変わった気がする。
「これって、白の…ワンピース…?」
「ああ。転移事件で消えたって言ってただろ?」
「うん…」
「それで俺もシルフィのワンピース姿を見たいと思って、買ったんだ。サイズも今のシルフィに合ってると思う」
「…」
シルフィは無言だった。
「どうかな?」
俺の問いに対してもシルフィは少し沈黙した。
だが、すぐ意を決したような表情をして俺の顔を見た。
「ルディ、それちょうだい」
「お、おう」
シルフィはワンピースを受け取ると。
「ちょっとそこで待ってて」
そう言って、走っていった。
おそらく着替えに行ったのだろう。
しばらく待つと、シルフィの声がした。
「ルディ、いる?」
「いるよ」
待てと言われていたので、もちろん部屋からは動いていない。
声がしたほうを見ると、シルフィは覗くような形で、扉から顔だけを出していた。
「今、そっちに行くね」
「うん」
シルフィは一度顔を引っ込めてから、こちらに歩いてきた。
「おお」
思わず声がでた。
白のワンピース姿のシルフィが、俺の視界に完璧に入った。
感想なんて出て来ない。
特徴を捉えることしか出来そうにない。
恥ずかしいのかピクピクと動いている白く長い耳。
首下にある白くきれいな鎖骨。
肩から伸びた白くきれいな腕
スカートから出ている白くきれいな足。
例えるなら、そう。
天使だ。
ロキシーが神であるなら、この姿はまさに天使だ。
天使シルフィエットだ。
「ルディ、どうかな?」
「…天使みたいだよ、シルフィ」
「天使!?」
「ああ、天使シルフィエットだ」
「あぅ…」
シルフィの顔からボンッと音が鳴った気がした。
そういえば、この世界はこういう言葉が結構刺さるんだっけか。
少し沈黙が続いた。
しばらくすると、シルフィが少し真面目な顔をして、
こちらを見ているのに気付いた。
俺も真面目になる。
それに気付いたシルフィは、口を開いていくつか質問をしてきた。
その質問は、俺にとって即答できるものだった
「ルディはボクのこの姿を見れて嬉しい?」
「ああ、嬉しい」
「ルディはボクのこの姿をこれからも見たい?」
「ああ、見たい」
「ボクのこの姿が好き?」
「ああ、大好きだ」
「そっかぁ」
「そっかぁ」と言うと、シルフィが俺に抱きついてきた。
同時に肩を震わせて泣いているのが分かった。
「るでぃ…に……やっと見せれた…」
俺はシルフィの気持ちが分かった気がした。
先日も話していたが、シルフィが10歳の時に両親から貰ったワンピースは転移事件で消えてしまった。
そして、その両親は転移事件で失っている。
10歳の時にはもう苛められてはいないし、
ワンピースを着て、外に遊びに行きたかっただろう。
だが、シルフィは俺に見せるために、
それを一回しか着ずに大切に保管していたらしい。
そこに、やるせなさ、悔しさ、怒りと言った感情を持っていたのだろう。
もう両親にも自分のワンピース姿を見せることは出来ない。
そう思っていても、シルフィは敢えてそれを口に出そうとはしない
だが、俺はシルフィの今の言葉に、それが分かった気がした。
そして、これを贈って正解だった。
そう思った。
俺もシルフィを抱きしめて、頭を撫でてあげた。
「ぐすっ…るでぃ……るでぃ…!」
もし、シルフィの両親が彼女のワンピース姿を見て、
優しく包容したときに言う言葉はなんだろう、と考えた。
少し考えて、俺は優しくこう言った。
「ありがとう、シルフィ」
「うぅ…」
そして。
「……うあぁぁあ! うえぇぇえん!」
シルフィは号泣した。
シルフィがこの時だけ、昔の泣き虫シルフィに戻った気がした。
だが、今はこれでいい。
今、彼女は過去の精算を行っているのだから。
俺はシルフィが泣き止むまで、頭を撫でて待った。
ーーー
どのくらい経っただろうか。
シルフィは泣き止んで、スッキリした顔をしていた。
「ごめん、ルディ。ありがとう」
「いや、いいよ。それよりスッキリした?」
「うん…」
「なら、良かった」
「良くないよ! ルディはずるいよ。
ボクはもう泣かないって決めてたのにさ。
あんな優しくありがとうって言われたらボクだって泣いちゃうよ」
「あはは、俺はシルフィの泣いている顔も好きだからね」
俺がそう言うと、シルフィの顔はまた赤くなった。
「ルディ、そうやって言えば、ボクの機嫌が取れると思ってるでしょ?」
「思ってないよ。俺の言ってることは全部本心さ」
「うぅ…ルディのいじわる! いじめっこ!
そんなルディにはこうしてやる!」
シルフィは俺をその場で押し倒して、脇を擽ってきた。
だが俺には効かない。
「…」
「あれ? ルディ、擽り効かないの?」
「うん」
それを聞いたシルフィは、青ざめた表情をしていた。
まぁ、それはそうだろう。
シルフィはやり返されると思っていて、俺はやり返すつもりなのだから。
俺はシルフィを擽り返した。
「あ、待って、ルディ! ひゃ! ボク弱いの! んっ!」
弱いって言ったら余計に擽られるのを、シルフィは知らないんだろうか。
「んっ! 止めて! あひっ、謝るからぁ! あはっ!
ひっ、ごめん! ひゃ、るでぃ! ふひ、 あっ…!」
俺たちは誕生日会の会場でイチャイチャし始めた。
それにしてもシルフィは擽りが苦手なのか。
なるほど。
思えば、風呂場でシルフィの体を堪能している時も、擽ったそうにしていたからな。
納得だ。
「はぁ…はぁ…」
擽りはシルフィの息が続くまでやった。
そのせいか、シルフィは肩で息している。
「ルディに擽りが効かないなんて知らなかったよ…」
「効かないわけじゃないけど、コツがあるんだよ」
「コツ?」
「教えないけどね」
「…いいもん。まだルディがびっくりするプレゼントがあるから」
「そうだった。もう1個のプレゼントってなんなんだ?」
「見てからのお楽しみ! 寝室にあるよ」
「へぇ…」
「じゃあ、ルディ…」
シルフィは、意味有りげな間をおいて、続けた。
「目を瞑って」
俺は言われるがまま、目を瞑った。
−−− シルフィエット視点 −−−
ボクはずっとルディに、ワンピース姿を見てほしいと思っていた。
夢の1つと言ってもよかった。
それが転移事件で消えてしまって、何とも言い難い気持ちになった。
両親も亡くなった。
ボクが両親の死を知ったのは、ルディと再会するより前だ。
ラノア魔法大学に入学して1年目の時だ。
ボクはその事実に耐えられなくて、ふさぎ込んだ。
何回も泣いた。
その中で思い出した事がある。
実は、お父さんにはワンピース姿を見てもらっていない。
一度もだ。
誕生日もそうだ。
5歳の時も、10歳の時もお父さんは村の仕事で忙しく、
今日みたいな誕生日会にはお父さんはいなかった。
お父さんは、翌日、家に帰ってくると必ず「おめでとう」と言ってくれる。
だけど、今思えば、今日みたいな誕生日会にはお父さんも居てほしかった。
でも仕事だから、それは仕方がないことだ。
ボクも気にしてない。
ボクが気にしているのはワンピースだ。
お父さんは頑張って働いたお金でワンピース用の布を買ってくれた。
お母さんはその布で、ワンピースを編んでくれた。
そんな両親にボクは何かしてあげられただろうか。
ちゃんと御礼を言っただろうか。
ボクは親孝行という言葉を知っている。
どこで知ったのかは覚えていない。
けど、ボクはちゃんと親孝行をできていないのは覚えている。
そう思って、また泣いた。
後悔の涙だ。
次に思い出したのはルディだ。
ルディの安否はアスラ王国に居た時から、ずっと報告が無かった。
『泥沼のルーデウス』の情報を得るまでずっとだ。
今までは、絶対にルディは生きていると確信を持っていた。
けど、両親の死を知って、確信から祈りに変わった。
もし、ルディが死んでいたら?
なんてことを考えてしまった。
ボクは、両親にもルディにも恩返しが出来ない。
もうお母さんにもお父さんにもルディにも、誰にもボクのワンピース姿は見せられない。
ボクの夢は叶える事はできない。
そう思って、落ち込んだ。
だけど今日、ルディのおかげで夢が叶ってしまった。
ルディはボクの気持ちに気付いたのか、優しく「ありがとう」と言ってくれた。
あの時、涙が溢れて来た。
何故だか分からない。
ただ、お母さんやお父さんが言ってくれているように感じた。
そんな安心感があった。
ボクは「ブエナ村の泣き虫のボクに戻ってしまった」、「また泣いてしまった」って思った。
ボクは自分の泣いている顔が好きじゃない。
ボクが泣くのは、いつも悲しいことがあった時だからだ。
けど、ルディは「泣いてる顔も好きだ」って言ってくれた。
嬉しかった。
けど、恥ずかしかった。
ルディはボクが恥ずかしくなることを、よく平気で言ってくる。
その恥ずかしさを紛らわすために擽ったんだけど、
まさかやり返されるとは思ってなかった。
まあ、それは、今はいいだろう。
またいつか、コツとやらを聞こう。
それに、この後は2つ目のプレゼントがある。
これでルディをびっくりさせるんだ!
さて。
ルディはボクの夢を1つ叶えてくれた。
ルディはボクの泣いてる顔を好きだって言ってくれた。
ならボクはルディに恩返しをしなくちゃいけない。
ルディは恩返しなんて必要ないと言うだろう。
だけど、ボクがやりたいからやるんだ。
最初はやるかどうか迷ってたけど、今はやってあげたい気持ちのほうが強い。
恥ずかしいのは今も変わらないけど。
ルディにはさっき目を瞑ってもらいながら、媚薬を半分飲んでもらった。
今は寝室の扉の前で待ってもらっている。
ボクも寝室に入って、残った媚薬を既に飲んでいる。
もう体中がポカポカして熱い。
服装は問題ない。
今日はいつもの寝間着じゃない。
ルディがくれたネックレスに白のワンピースだ。
香水もつけた。
ルディが以前、好きといってくれた香水だ。
それにお祖母ちゃんが言っていた、アレの準備も出来ている。
よし、準備は全て整った。
今日は忘れられない夜になりそうだ。
ルディの体力は底知れないけど、
今日はボクもルディのために頑張らなくちゃ!
そう決心して、ボクは扉の向こうにいるルディに向かって話すために、大きく息を吸った。
そして。
「ルディ、入っていいよ!」
−−− ルーデウス視点 −−−
俺は今、寝室の前にいる。
さっき、目を瞑りながら何かを飲まされた。
多分、媚薬だ。
俺はあの味を覚えている。
なら、この後にやることは決まっているだろう。
俺も夜はやるつもりだったから、特に問題はない。
それに、シルフィから寝室に誘われるのも初めてだから、めっちゃ興奮する。
だが、俺は寝室の前で待たされている。
シルフィは寝室で何をしているんだ?
寝室にプレゼントがあると言っていたが………。
色々考えてみたものの、思い付かなかった。
媚薬を飲んで時間もそれなりに経っているから、
そろそろ我慢できそうにない。
「ルディ、入っていいよ!」
突然、寝室にいるシルフィの声が聞こえた。
俺は言われるがまま、寝室の扉を開けた。
すると、まず目の入ったものがある。
シルフィだ。
シルフィはベッドの上に女の子座りをしていた。
服装は俺が贈った白のワンピースとネックレスを着けていた。
そして何故か。
『赤い紐』がシルフィの体に巻き付いている。
それはシルフィの胸の所で蝶々結びされていた。
ベッドの脇には空の瓶があった。
おそらく、シルフィも媚薬を飲んだのだろう。
少し経つと、シルフィが口を開いた。
「2つ目のプレゼントは、ボ、ボクです。
ど、どうぞお召し上がりください」
俺はこの言葉の意味がよく分からなかった。
何を言っているんだこいつはと思った。
だが、意味を理解するのにそう時間はかからなかった。
(あぁ、そういうことか。ありがとう、シルフィ)
そこで俺の理性は途切れた。
ーーー
俺はシルフィを貰った。
シルフィは媚薬を飲んでいたせいか、いつもより反応が良かった。
何回も気持ち良くなってもらった。
あと、いつも彼女の体力の限界が来るはずの所で来なかった。
シルフィは俺に応えようと必死だった。
だが、シルフィは辛そうな顔をしていなかった。
むしろ嬉しそうだった。
俺はそんなシルフィを見て、いつもよりハッスルしてしまった。
喘ぎ声も普段よりすごかった。
シルフィは手で口を塞いでいたが、その手は何の意味もなしていなかった。
そんなシルフィから聞きたい声が聞けるだけで何回も果てた。
これらも媚薬によるものだろうか。
それと、今は朝だが俺は一睡もしていない。
今さっき終わったばかりだ。
「シルフィ、起きてる?」
「うん、起きてるよ」
シルフィもこんな調子で起きていた。
俺はシルフィの頭を撫でた。
「ルディ、その、2個目のプレゼントどうだった?」
「ああ、良かったよ」
「満足してくれた?」
「最高の誕生日プレゼントだったよ」
「そっか、良かったぁ」
シルフィは、はにかんで笑っている。
「ルディ、あの時、ありがとうって言ってくれて、ありがとね」
「え?」
「ボク、なんだかお父さんやお母さんが言ってくれた気がしたよ。あ、もちろんルディが本心で言ってくれたことは分かってるよ?」
「うん。俺もそう感じてもらえて嬉しいよ」
それでシルフィはあの時、泣き出したのか。
俺もシルフィの両親のことを考えて言ったからな。
うまく伝わってくれたみたいで嬉しい。
「それとね、言い忘れちゃったけど、
ボクに白のワンピースを贈ってくれてありがとね。大切にするよ」
「うん、そうしてくれると嬉しいかな。
俺はまたシルフィのワンピース姿を見たいからな」
「う、うん」
少し沈黙が続いた。
なぜかシルフィの顔が赤くなっている。
「それでね、ルディ。もう1回したいの…?」
「え?」
「その、さっきからボクの体に当たってるから…」
気付いていないふりをしていたが、
実は、俺の聖剣はエクスカリバーになっていた。
俺とシルフィは今、裸体だ。
つまり、シルフィのさくらんぼは目の前にある。
俺はシルフィの頭を撫でていた手を下に移動させた。
そして胸を揉んだ。
「ひゃあん…ルディ…」
こんな状況でずっと会話をしていた。
気にするなと言われても無理だ。
「シルフィ。今日、仕事は?」
「お休みだよ。だから…その…もう1回できるよ?」
「そっか」
「きて、ルディ。 あっ…!」
早朝の第2回戦が始まった。
−−− end −−−
・後日談
「こうゆうのどうかな?」
「おお、いいね」
俺とシルフィは今、全身鏡の前で2人並んでポーズをとっている。
服装はいつもと違う。
俺は白のタートルネックセーターに黒のパンツだ。
シルフィは白のタートルネックセーターに黒のショートパンツだ。
つまり、ペアルックだ。
誕生日会以降、俺達はこの格好が気に入っていて、稀に2人並んでポーズをとっている。
ワンピースを着ると俺が我慢出来なくなってしまうので、今のところ夜しか着ることはない。
もう既に前例がある。
一度、ワンピースを着たまました事がある。
あれは最高だった。
天使を俺の手で汚している感覚があった。
天使は汚されると堕天使にでもなるんだろうか。
なんて考えた事もある。
だが、汚されている天使のほうも満更ではないようだった。
って、いかんいかん。
思い出すだけで、我慢できなくなってしまう。
今はペアルックに集中しよう。
「じゃあ、これは?」
「うーん、それなら、こうじゃないか?」
「あ、それのほうがいいね!」
こういったやり取りを何回もやっている。
しばらくすると、シルフィが何か思い出した顔をして、口を開いた。
「あ、ルディ。そういえばナナホシが、あるポーズをすると男はイチコロだって言ってたんだけど」
「ナナホシが?」
「うん、こんなポーズなんだけど」
そう言って見せられたのは、あざといシルフィだった。
シルフィは萌え袖の両手を口元にやって、口を隠すような仕草をした。
手は萌え袖だからよく分からないが、おそらく閉じている。
そんなポーズをしてきた。
そんな可愛いポーズをされてしまうと、どうなると思う?
俺の聖剣がエクスカリバーになってしまう。
というか、なった。
「ルディ、どうかな?」
「すごい可愛いよ」
「そっかぁ、やっぱりナナホシは流石だね」
シルフィはそう言いつつ、はにかんで笑っているが、
あざといポーズをやめることはない。
シルフィのはにかみ笑いと、そのポーズ。
奇跡のコラボだ。
可愛い。
写真を撮って残しておきたいぐらいだ。
だけど。
ごめん、シルフィ。
俺、我慢できないわ。
「シルフィ」
「ルディ、どうしたの?」
「…」
「ゎわっ! ちょっと…!」
俺はシルフィをお姫様抱っこした。
「ルディ…! あっ…!」
そして、ベッドの上でもっと可愛くなってもらった。
・2人が貰ったプレゼントリスト
ルーデウス
1つ目:白のタートルネックセーターと黒のパンツ(シルフィとペアルック)
2つ目:白のワンピースを着たシルフィ(赤い紐ver.)
シルフィエット
1つ目:ネックレス
2つ目:白のワンピース
・後書き
投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
無職転生のスマホゲームの登場とリアルの忙しさから、投稿が遅れてしまいました。
ゲームのほうは現在、2台体制でプレイしています。
2台体制でやるのは初めてなので、中々大変ですね…。
詳しい話はいずれ活動報告にでもあげたいと思います。
ちなみに、まだ無課金です。
さて、話は変わります。
今回のお話は前後半合わせて、
約19,000字と長くなってしまったため、
切りの良い所で分けさせていただきました。
いかがでしたでしょうか?
最近アニメの方も魔大陸のお話に入ったこともあり、
早くもシルフィロスが出ています。
そしてアニメ1クール目の終了…。
はぁ、次にシルフィが出るのはいつになることやら…。
そんなシルフィロスの中、シルフィの白ワンピース姿と2人のペアルック姿を見たいと思い、今回のお話を書きました。
あとシルフィの両親の話も、ワンピースと絡めて少し出したかったので。
シルフィの両親はいずれまた、別の話で出したいですね。
あと、私は絵が書けないので、いずれ心優しい方がシルフィのワンピース姿や2人のペアルック姿を書いてくださるようにと祈っています(笑)
それでは。